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第43回ジャパンカップ

せかいさいきょうのしょうめい

「怪獣大決戦」と称された強豪馬揃いのレースは、「兵庫からの来訪者」、「令和の逃亡者」、そして「無双の閃光」の伝説のラストランとなった。
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概要編集

年内の東京開催を締めくくる大一番として定着しているジャパンカップ

この年も大一番に相応しい超強力ラインナップが揃うこととなった。


など。


海外馬の参戦は1頭で、フランスからイレジンを迎えた。また、昨年に続いて地方所属馬の参戦があり、今回は兵庫から2頭を迎えた。


  • 女性騎手の騎乗は90年にファントムブリーズにJ.クローン騎手が騎乗(14着)して以来33年ぶり2度目。JRAのG1で女性騎手が複数騎乗するのは史上初となった。
  • イレジンのヴェロン騎手と、ヴェラアズールのH.ドイル騎手はJRA・G1初騎乗。女性騎手以外ではクリノメガミエースに騎乗する兵庫の吉村智洋騎手もJRA・G1初騎乗となる。

出馬表編集

※11/25変更 チェスナットコート/田中学(兵庫)→田辺(美浦) 負傷のため


前評価編集

人気オッズ
1イクイノックス1.3
2リバティアイランド3.7
3ドウデュース13.1
4タイトルホルダー18.5
5スターズオンアース25.9

やはりというか、ここまで連対率100%とまったく底を見せていないリバティアイランドとイクイノックスの2頭に人気が集中した。


主にレース展開に影響するであろう要素として挙がったのはリバティアイランドが斤量差4kgのアドバンテージを持っている事、イクイノックスが秋天からの中3週ローテである事、そしてパンサラッサとタイトルホルダーの逃げ馬コンビが揃った事でハイペース戦の消耗戦が想定される事が不確定要素と考えられる要素となった。

地方馬も交えたフルゲートによる混戦、枠番の抽選次第で思わぬ紛れも考えられたが、内枠にリバティとイクイノックスを筆頭に多くの有力馬が集中したため出遅れなどの事故さえなけなければ上位人気馬はいつものレースになるであろう事が考えられた。


展開・結果編集

やはりというかパンサラッサが単独で飛ばし、1000m通過タイム57.6と12Fとしては超がつくハイペースに。離れた2番手をタイトルホルダーがとり、イクイノックス・リバティアイランドら人気馬は揃ってそこから離れた集団の前に付けた。

パンサラッサは直線半ばまで粘り、後方集団前目から進出したイクイノックスがパンサラッサを躱すと後続との差をどんどん広げる。リバティアイランドもほぼ同じタイミングでスパートをかけて迫るものの、差は一向に縮まらず、そのままイクイノックスがゴールまで突き抜けた。番手のタイトルホルダーは切れ馬に屈し5着まで。


着順タイム/着差レーティング
1イクイノックス2:21:8133(日本産馬史上最高記録)
2リバティアイランド4120
3スターズオンアース1118
4ドウデュース¾121
5タイトルホルダー2118

  • 戦いの後、イクイノックスのルメール騎手と、リバティアイランドの川田騎手が馬上で握手を交わしたが、これがウマ娘アニメ3期5話にあった「キタサンブラックとドゥラメンテの握手」とそっくりになった(それぞれの父馬)。
    • 奇しくもこの日の昼休憩時に行われた、ファンファーレ担当の陸自音楽隊の演奏会ではウマ娘3期OPテーマ「ソシテミンナノ」が演奏されていた。
  • これでG1・6連勝としたイクイノックスは獲得賞金がJRA史上初の20億円を突破し、父キタサンブラックや今回12着に敗れたパンサラッサも超えて歴代1位の獲得賞金となった。
  • ルメール騎手は本レースはアーモンドアイで制した20年以来3年ぶり4勝目、木村哲也調教師は初勝利。
  • 2着リバティアイランドはG1の連勝が4でストップしたが、古牡馬相手でもその力が通用することを示して連対率100%をキープした。3着スターズオンアースも不安要素を跳ね返し複勝率100%をキープと安定感を示している。
  • イクイノックスの父キタサンブラックは4歳時の16年に本レースを制しており、親子制覇となった。また2着リバティアイランド(及び3着スターズオンアース、5着タイトルホルダー)の父はドゥラメンテのため、現役時代に一度も先着できなかった相手に種牡馬としてリベンジを果たした形となった。また、勝ちタイム2:21:8自身のダービー戦にてドウデュースが叩き出したレコードタイム2:21:9を0.1秒上回るものであり、前走以上にダービーのリベンジとなった。
    • 運命のイタズラか、ダービーでのイクイノックスの枠番は大外18番だったのに対し、本レースでの枠番は内枠2番。
    • 同時に、本レースに出走したドゥラメンテ産駒は3頭とも掲示板入り。
  • 人気馬で順当に決着したことにより、枠連、ワイド、馬連、馬単、三連単の組み合わせでレース最低配当を記録。特に三連単はJRAG1史上最低配当だった。単勝も2006年のディープインパクトと並ぶ最低配当タイ
  • 17着に終わり、このレースをラストランとしたチェスナットコートは2:27.0というタイムだったのだが、中央在籍時の最後の勝利、2018年早春ステークス(4歳以上1600万下、東京芝2400m)では負担重量54kgで同じタイムでゴールしていた。4歳1月の負担重量1kg減を加味しても、古馬で55kg相当。ラストランで58kgを背負ってこのタイムでゴールしたのは、昔の力を完全に失ってはいなかった証ではないだろうか(まあ、中央で日経賞2着とるくらいは実力あったのだが)。
  • 年が明けて2024年1月23日。同日に行われたロンジンワールドレーシングアワードの表彰式において、2023年の世界最高の競馬レースである「ロンジンワールドベストホースレース」に当レースが選出された(レーティングは126.75ポンド)。日本のGⅠレースが選出されたのは史上初となる。
    • また、これに合わせてイクイノックスも同年の「ロンジンワールドベストホース」に選出。2014年のジャスタウェイ以来となる日本馬単独1位となると共に、レーティングは135ポンドと発表され、エルコンドルパサーの134ポンドを抜き日本調教馬単独1位を記録した。

レース後の動向編集

  • イクイノックスとパンサラッサは本レースをラストランとして引退・種牡馬入りすることが発表された。翌月にはヴェラアズールも屈腱炎により引退することに。
  • 2024年1月23日にイギリス•ロンドンにて行われたロンジンワールドレーシングアワードの表彰式において、2023年の世界最高の競馬レースである「ロンジンワールドベストホースレース」に当レースが選出された(レーティングは126.75ポンド)。日本のGⅠレースが選出されたのは史上初となる。
    • また、これに合わせてイクイノックスも同年の「ロンジンワールドベストホース」に選出。2014年のジャスタウェイ以来となる日本馬単独1位となると共に、レーティングは135ポンドと発表され、エルコンドルパサーの134ポンドを抜き日本調教馬単独1位を記録した。
  • 本レースで下位(10着以下)に終わった馬のなかにも、翌2024年に、本レース11着のショウナンバシットはオープン特別に2回勝利、14着のインプレスは障害転向すると、3戦目で未勝利戦に勝った後、オープンも続けて勝利するなど活躍を見せるようになった馬もいる。

動画編集

フジテレビ系列(実況:倉田大誠)


ラジオNIKKEI(実況:)


余談編集

専門誌が独自で出走を想定している馬を11/8時点に紹介した記事の段階では、出走予定が僅か9頭しかいなかった。開催まで1ヵ月を切ったというこの状況でこれだけしか出走の意向が見えなかったというのは珍しい事態だった。

理由の一つとして考えられたのはイクイノックスとリバティアイランドという直近で強い勝ち方をした有力馬と、それに食らいつくだけの猛者ばかり集まったことが考えらえれる。本来ならGⅠが取れておかしくない有力馬が真っ当なパフォーマンスを見せてもこのレースでは10着にも届かない惨敗になるかもしれない。そう思わせるだけの実績を積み上げてきたメンバーが既に集結し、SNSでは「怪獣大決戦」などと呼ばれる様相を呈していたためだ。

そのままジャパンカップ史上最少出走頭数による開催もあるか?とも騒がれたが、スターズオンアースとクリノメガミエースの出走表明を皮切りに出走表明が次々と報じられ、最終的に海外馬2頭、地方馬2頭を含めた21頭が出走登録するに至った。


急に地方馬まで含めて一気に出走表明がされたことについて、SNSでは「10着でも出走手当が1000万円になる事を狙った馬が一気に来たのでは?」という意見が出てきた。

これに対してニシノデイジーセイウンスカイの馬主として知られる西山茂行氏がX(旧Twitter)にて苦言を呈した。(西山氏のポスト内容はこちら

前述の通り、生半可な意気込みではそもそも10着にすら届くことすら不可能と思っていい状況であり、何より世界の有力馬も集まるGⅠレースに出走するという決断をする意味がどういうことかを伝える内容となっている。

また、JRA競馬施行規定の7章81条には「競走に勝利の得る意志のない馬を出走させてはならない」と記されており、そもそも負けることを前提に出走登録することは許されない行為なのだ。


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ジャパンカップ


前回(2022年)/次回(2024年)


2012年…「当時の最強馬vs牝馬三冠」という構図が似ていた。

2020年…これも「当時の最強馬vs3歳3冠馬2頭」という構図。

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