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躍り出ろ。

お前を知らない者達の、隙を突いて躍り出ろ。


世界を変えるのに3分もいらない。


ワールドレコード、2:22.2という事件。

その馬の名は…

――2012年JRA CM「The WINNER」 ジャパンカップ編 より抜粋


概要

レース前

この年は前週のマイルチャンピオンシップを制し、連闘で臨んだ前年3着馬オグリキャップ、「平成三強」の一角を担うスーパークリークイナリワン宝塚記念2着のフレッシュボイス、オグリキャップと同じく連闘で挑むバンブーメモリー、南関東最強牝馬ロジータが参戦。

海外からも前年覇者ペイザバトラーを始めとして、凱旋門賞キャロルハウス、前走で芝2400mのワールドレコードを記録したホークスター、ここまで4連勝と好調のイブンベイなど、名だたる面々が出揃った。


そんな中、あまり目立たないニュージーランド出身の芦毛の牝馬がいた。

その馬の名はホーリックス。今回唯一のオセアニアからの挑戦者だ。

しかし、主流である欧米とはかけ離れた、思わず「誰だ?」と言いたくなるような見たこともない、そして聞いたこともない血統の南半球の馬。そんな馬がジャパンカップを勝つなどあり得ない…という風潮が多かった。G1を3勝しているという確かな実力はあるのだが、その馬が「事件」を引き起こすなど、この時は誰も思っていなかった…


レース本番

迎えたレース本番。

1番人気は武豊が乗るスーパークリーク。2番人気は芦毛の怪物・オグリキャップ、3番人気は2400mレコードホルダーのホークスターが続いた。一方ホーリックスは9番人気の穴馬。オグリキャップと同じ枠の隣からのスタートとなった。


レース序盤はイブンベイが暴走気味のペースで飛ばす。それに追従するのはホークスター、そしてホーリックス。スーパークリークとオグリキャップがその4馬身ほど後ろに付ける形となった。

しかし、前が止まらない。通常、ペースの早いレースでは指し・追い込みが有利となるが、1800mの通過タイムが1:58.0と日本レコードに並ぶ超ハイペースとなり、後方勢は追うだけでも精一杯と言った様子であった。


事件発生

レースはそのまま最終直線まで進み、ハイペースで脚を使い切ったイブンベイとホークスターが垂れる中、ホーリックスが鋭い末脚で進出を開始した。

ハイペースに惑わされ、1頭、また1頭と脱落していく中、ホーリックスは力強く突き抜けてゆく。…しかし、それに待ったをかけるような勢いで迫る芦毛がもう1頭現れた。


芦毛の怪物・オグリキャップだ。


残り800m。オグリキャップは逃げるホーリックスを追い詰めんと猛追する。

残り400m。差はぐんぐんと狭まっていく。

残り200m。ホーリックスを遂に捉えたオグリキャップは激しいたたき合いとなり、2頭はもつれるようにゴールイン。


時計は2:22.2。文句なしのワールドレコードだ。


判定の結果、クビ差でホーリックスが逃げ切って1着。

不振が続いたオセアニアの馬が初めてジャパンカップを制した瞬間であった。

オグリキャップは僅差の2着。3着には垂れる馬をかわして踏み込んだ前年覇者、ペイザバトラーが食い込んだ。


その後

世紀の消耗戦となったジャパンカップ。

「国の威信をかけて臨んだ」というホーリックス鞍上・ランス・A・オサリバン騎手の騎乗が冴え、凱旋門賞馬を負かすなど、世界有数の馬産地としての意地を見せつけた一戦であった。

そして、次々と脱落してゆく中、勢いを殺さずに突き抜けてきたオグリキャップを見たオサリバン騎手は「あの勇気は真の意味で「レース・ホース」と呼べるでしょう。一度でいいから、あんな馬に乗ってみたい。」という感想を称賛とともに述べていた。


一転して「オセアニアの英雄」として凱旋帰国を果たしたホーリックスは、90・91年シーズンまで現役を続け、コックスプレートを最後に現役を引退。繁殖入りした。

奇しくもその優勝馬ベタールースンアップは、かつてホーリックスが使ったローテーションでジャパンカップへ挑むこととなり、世界に挑む後進の背中を見届ける形での引退となった。


一方、オグリキャップはこれを境に成績が低迷。

激走の代償は大きく、調子が全く上がらなくなってしまう。

また、スーパークリーク、イナリワンと三強の面々も次々と故障で離脱。

三強の中でただ一頭残ったオグリキャップ。怪我もあり、全盛期の力はもはや望めない。

そんな彼に「奇跡」が訪れるのは、翌年の年末の中山でのことであった…


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