「グレート躰術に返せない技はない!」
「すなわち最強の格闘技だーっ!!」
概要
キン肉マンの後日談的作品『マッスル・リターンズ』に登場する超人。
異名は「グレート躰術の達人」。
対戦相手を常に5分以内に仕留める実力者で、名前の通り全身が武器と評されるファイター。
笑い方は「キャーハハハ」または「ヒャーハハハ」。
当初は超人名鑑にすら名前の載っていない無名超人であったが、王位争奪戦から暫く経って日本で行われた「超人究極チャンピオンシップ」にてウォーズマン、バッファローマン、テリーマンの3大正義超人を瞬殺し、易々とタイトルを獲得。超人レスリング界に激震を与え、一躍ニューヒーローとなった。
残虐超人であり、ロビンマスクからは「正義超人界を崩壊させる」とまで言わしめた。
人物像
所属 | 残虐超人(悪行超人) |
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出身地 | ブラジル |
身長 | 190㎝ |
体重 | 80㎏ |
超人強度 | 97万パワー |
(以上出典:学研の図鑑『超人』)
130年前に日本からブラジルに移住した古武道の達人の技、ブラジリアン柔術の流れを組んだ技を使う。その技というのが体格の小さな者がより大きな相手を倒せるように相手が技をくり出す時のパワーを逆手に取り技を返す返し技を徹底的に極めた「グレート躰術」。
分かりやすくいえば「相手の攻撃のパワーをそのまま返し技に変換する力」。
97万パワーの彼が1000万パワー以上の相手に無傷で完勝できるのもそのためだと考えられる。
もっとも彼自身の膂力は低い訳ではなく素の力でキン肉マンやウォーズマン、バッファローマン等の歴戦の屈強なファイターすら制圧する程でむしろかなり高い。
キン肉マンで返し技の名手と言えばジェシー・メイビアだが、彼とは異なり受け専門ファイターではなく、相手に強制的に技を出させる幻惑瞼という催眠術も使えるため、正攻法での対策は不可能に近い。
必殺技は相手の全身の関節を外し球状に丸めて抱え込んだまま高所から叩き落とす鬼畜技「武器・雷槌(いかずち)落とし」。
後述する彼の抱く「本物の強さ」の中から生まれた究極の残虐フェイバリットホールドである。
その圧倒的な強さで代表的な正義超人達でさえ歯が立たず、前述の通り全ての相手を5分以内に倒す。バッファローマンは1分28秒で彼に敗れ去り、ダウン後もヘッドロックを継続され首の骨をへし折られるオーバーキルを受けた。
性格
自身のグレート躰術による返し技に絶対の自信を持ち、過去に活躍した超人達を「旧世代超人」と呼んで見下している。
「強さとは情け容赦のなさである」という心情を持ち、勝敗が決してダウンした相手であっても「失神しているフリをしているかもしれない」「技を解いた瞬間反撃してくるかもしれん」と全く油断せず徹底的に攻撃し続ける。大会委員長の制止も全く聞き入れない。
そのスタイルは明らかに過剰でありまさに「残虐ファイト」と呼ぶに相応しい。
その根底にあるのは彼の出身一族であるBUKI家の「敵には絶対油断するな」という代々伝承されてきた精神。
正義超人達の友情やそこから生み出される友情パワーについては「私が子供の頃に流行った」と知っている素振りを見せるが、それらを「今時流行らない」と嘲笑する。
時代が求める「勝っても負けても相手を称え合える明るいレスリング」を否定し、「本物の強さ」とは「どんより暗くてスキのないもの」であると豪語して凄惨かつ鮮やかな残虐ファイトを展開する。
活躍
199X年に開催された第1回超人究極(アルティメット)シップにてウォーズマンやバッファローマンを圧倒的な強さであっという間に倒してしまう。その後決着後も執拗に攻撃し続ける残虐なファイト激昂したテリーマンとセレモニー抜きで決勝戦を行う。テキサスクローバーホールドといった強力な技を受けるが、得意の返し技で全て返してしまい、必殺技武器・雷槌落としで彼を瞬殺した。
こうして3大正義超人を倒し超人究極チャンピオンシップのタイトルに輝いたチャンピオンベルトを掲げ、観客達からは喝采を受ける。そして全世界の旧世代超人達を挑発し、3日後に東京ドームで誰の挑戦でも受けることを宣言した。
試合には正義超人の誇りを守るためロビンマスクが参加。肋骨の負傷を見抜き防戦一方に追い込み殺す寸前まで追い詰めるが、仲間達を助ける為に復活したキン肉マンが飛び入り乱入。
伝説の超人にして正義超人No.1の実力者が現れたにも拘わらず大して驚かずグレート躰術や幻惑瞼を使おうとするが、火事場のクソ力に振り回される。
無意識のうちに繰り出される生ケツで相手の顔を挟み込んで投げる「ケツのホッペシザース」や、パンツの中に相手の頭を捩じ込んでしまう「パンツドライバー」というある意味スグルの本領発揮なギャグ技の数々には、モーションからの先読みが通じず、かつてないほど猛攻を受けてしまう。
無意識に発動する為、事前のモーションが存在しない火事場のクソ力に対して技を仕掛ける前の僅かな動きから次の攻撃を予測することを前提とした返し技は相性が最悪だったのである。
数々の強豪超人達を破ってきたその恐るべき力に初めて冷や汗を流す。
それでも「隙だらけ」と豪語し強烈なパワースラムの一撃で立ち上がれない程のダメージを与える。その隙に関節を外して球状に丸め、武器・雷槌落との体勢に捕らえ飛び上がるが、キン肉マンは7万8000人の観客の声援でパワーを取り戻した事で火事場のクソ力を再発動。彼のロープを噛んで上昇を止める、筋肉の力で関節を元に戻すという荒業で必殺技を破られる。
最後は空中で掛けられたキン肉バスターにより撃破され、「本当の超人レスリング」を見せつけられマットに沈んだ。
『甘いぜボーヤ 格闘家たる者… 途中で技を解いちゃダメだぜ!』
『これが本当の超人レスリングだーーーっ!』
モバイルゲーム『マッスルショット』にも登場。
その強さについて
当時はウォーズマン、テリーマン、バッファローマンはかませ的なイメージがあったためあまり注目されなかったが、「完璧超人始祖編」以降はその強さに注目が集まる。
何しろこの3人に勝ったと言うことはガンマンやオニキスマン以上の力を持つとも考えられる。つまり、その力は完璧超人始祖や超神にも匹敵、もしくは上回る可能性すらある。
作中でもロビンマスクやクァンの発言から、たった1人で超人界、ひいては世界のパワーバランスを変えてしまう超人であることが示唆されており、上記の評価の妥当性を強めている。