「我は天界にて“維新の神”と呼ばれし者」
「その地上での新たなる超神名はオニキスマン!」
「覚悟せよ 地上の超人よーーーっ」
概要
属性 | 超人の神→超神 |
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出身地 | 天上界 |
超人強度 | 9999万パワー |
「超神編」で初登場。
元々は超人の神の一柱「維新の神」であり、調和の神や他の同志達と共に下天を行い地上に襲来した。
口癖は「シューピー」。
目や口のないマスクを被り、全身を鎧を思わせる強固なプロテクターで覆った姿をしている。マスクやプロテクターは、オニキスの名が示す通り鈍い光沢のある黒色。
無機質な外見だが、その実態はウォーズマンと同じく体内に多数の機械が組み込まれた「ロボ超人」ならぬ「ロボ超神」である。マスクの下の素顔も完全に機械化しており、ウォーズマンの素顔に似た見た目となっている。
生身や機械という区別も差別もなく、どちらも「神が創ったもの」として受け入れている。身体の半分が機械になっている事にも抵抗はなく、寧ろパワーアップを遂げる為の手段であると声高に語っている。しかし、天上界には彼の機械の体を快く思わない神もいるらしく、そういった神からは冷ややかな目で見られている。
反面、そんな自分は優れていると言わんばかりの態度を取っており、他の超神と比べても超人を下に見た高圧的な言動を取る。
こう書くと高慢な神に見えるが、実態はより良きものを取り入れ続け、自分だけではなく他者にももたらそうと言う保守の対極に位置する「維新」の神に相応しい度量の持ち主。それ故に、高慢にも見える姿勢は、自分で認めた素晴らしいものを取り入れていると言う自負に由来している。
そのため、ウォーズマンとの試合では、ロボ超人と言う長所に負い目を抱く彼と噛み合わない会話を交わしながら、「機械の体を肯定する先駆者」として、ウォーズマンの負い目とトラウマに新たな風をもたらした。
体内の機械によって瞬時に敵の動きを一手先まで読み、それに合わせた戦法をとる事を可能とし、その性能はファイティングコンピューターと呼ばれたウォーズマンをも翻弄する。
一度攻めに回れば反撃も許さぬラフファイトで一方的に攻め立て、そこから逃れようとする相手の行動を読んで更に攻め立てる。防御力に関しても非常に高く、頭部を強打されても平然と反撃に移行する。
また、手甲にはウォーズマンの「ベアクロー」に酷似した鋭利な一本爪型の武器「オニキスガントレット」を仕込んでいたり、「パロ・スペシャル」と相似した技「ブラッケンド・オーバーライダー」を持つなど、戦闘方法もウォーズマンと似通っている。
活躍
ウォーズマン戦
中国の秦始皇帝陵に降下し、駆け付けたキン肉マンビッグボディと遭遇。彼を守るべく現れた強力チームとランペイジマンの戦闘を傍観していた。
そこへ乱入してきたキン肉マンスーパーフェニックスの提案により、フェニックスの開いた大穴を通っていずれかの場所に移動し、カピラリアの欠片を賭けての戦いを見届ける。
マイティハーキュリーズの敗北後、調和の神の指示によってバベルの塔で超人達を迎え撃つ展開となり、その場から撤収した。
バベルの塔では、第一の関門を突破して登ってきたキン肉マン、ウォーズマン、バッファローマンをリングにて待ち構えており、ウォーズマンと対戦する事となる。
試合開始と同時にマントを脱ぎ去り、ウォーズマン目掛けてフライングボディアタックで先制攻撃を仕掛けるが、これはリフトアップで防がれつつ、デッドリードライブで流される。続けざまにギロチンドロップを喰らいそうになるも、起き上がりながら片手でギロチンドロップを受け止め、そのままウォーズマンを背後の柱に投げ飛ばした。
ウォーズマンは僅かに背後を見せたオニキスマンに「スクリュー・ドライバー」を繰り出すも、対するオニキスマンも瞬時にウォーズマンの動きを分析、「オニキスパルバライザー」での応戦防御で逆にベアクローを圧し折り、更に素早くブレーンバスターの一撃を繰り出してみせた。
苦戦し狼狽えるウォーズマンにひっこ抜きジャーマンからのジャーマンスープレックスを仕掛けるも、もう一つのベアクローでマットへの激突を阻止され、起き上がる際のベアークローの追撃で左肩のプロテクターが割れ、その下の機械部分が露出。ウォーズマンに自身が「ロボ超人」ならぬ「ロボ超神」だという実態を明かす。
それを知り動揺するウォーズマンの隙を逃さなったオニキスマンは、ウォーズマンの必殺技「パロ・スペシャル」に酷似した技「ブラッケンド・オーバーライダー」を繰り出す。
技をかける中、ウォーズマンから「おまえは誰かに作られた神だということなのか!?」と問われるが、呆れるような素振りで「自身は天地創造の時代から神であり、誰かに作られたということがあるわけない」と否定。「ブラッケンド・オーバーライダー」の拘束をより強めていく。
しかし、力を振り絞ったウォーズマンは拘束を解除。オニキスマンは首を掴まれ、遠くに投げ飛ばされる。
直後にウォーズマンがパワーボムでの反撃を試みるが、対するオニキスマンはこれを容易に外し、両足の連続踏み付けによる見事なパワーボム破りで逃れる。
先ほどの問いに納得がいかないウォーズマンは「その機械の身体は天地創造の時代から存在したものか」と執拗に問いただすが、「これは後に自身のバージョンアップの為に、機械を埋め込む改造手術を施した賜物」だと説明。同時に「幼少期から成長を経て絶え間ない肉体改造を経た生身の身体も、改造手術で手に入れた機械の身体も変わらない」と独自の価値観を示す。
その価値観の違いに納得がいかないウォーズマンはシングルレッグタックルを仕掛けるが、ウォーズマンのファイティングコンピューターはそこからオニキスガントレットの派生技を遮断する答えを導き出し、ウォーズマンはジャンプでタックルを回避。
そのままオニキスマンの後ろから肩車の形で乗り、かつてキン肉マンを恐怖に陥れた「エンパイヤーエルボースタンプ」の体勢に入り、オニキスマンの頭部に渾身の攻撃を繰り出す。
しかし、ウォーズマンの攻撃は全く効いておらず、「甘いな!」と評しながらウォーズマンの右腕を拘束。裏一本背負いでウォーズマンを投げ飛ばし、そこから抱え込んだ状態でコーナーポストへの叩き付け、続け様にニーオンザベリーによる鳩尾の制圧と顔面への殴打と、逆に強烈な連続攻撃を繰り出す。
ウォーズマンは右手のベアクローで反撃を狙うも、オニキスマンはこれすらも機械の計算によって先読みし、ウォーズマンの右腕に腕ひしぎ十字固めを炸裂。
自身と同じ機械の身体や頭脳を持つウォーズマンの実力に期待していたが、結局自身には及ばない彼の事を「とんだ旧型」「計算機としての実力が違いすぎる」と酷評しながら、右腕の肘関節を完全に破壊した。
苦しむウォーズマンを前に「生身も機械も神が創り出したものであり、強さは後で機械で補えばよい」「弱き者は淘汰され、より強き者が生き残るのが進化であり、その過程において生身だ機械だと勝手に区別しているのは地上の超人のエゴ」と再び自身の価値観を誇示し、2発目の一本背負いを繰り出す。
圧倒的な強さでウォーズマンを絶望の淵に追い込むが、この危機的状況にてウォーズマンはキン肉マンから「かつてウォーズマンと対峙した際の絶望感の共有」という心強い声援を受け、オニキスマンに突撃。
相も変わらずウォーズマンのベアクローによる攻撃を見切り、顔を狙ったサイドキックも軽く避けると、激しい殴打からの閂スープレックスでウォーズマンの頭部をリングに叩きつける。更に続け様に「神技・ブラックオニキススクィーズ」を仕掛け、ウォーズマンの背骨を圧し折ろうと図る。
しかし、ウォーズマンは「希望ある限り闘い続ける、正義超人魂」を訴えるキン肉マンの言葉を聞いたことで、再び奮闘。何と自らの首筋にベアクローで傷を付け、内部のコードが切れて放電する。この状況で自傷したウォーズマンの唐突な行動にオニキスマンは一瞬動揺。僅かに技が緩んだ隙を逃さなかったウォーズマンから顎に向かっての蹴りを叩き込まれ、ブラックオニキススクィーズから脱出されてしまう。
だがウォーズマンは内部の機械がショートした影響で、その場に停止。自身の技から脱出したウォーズマンを誉めながらも、その後の反撃に続かないウォーズマンを「ポンコツ」呼ばわりし、トドメを刺す事を宣言。オニキスガントレットでウォーズマンの頭部を真っ二つにしようと振りかざした。
その瞬間、ウォーズマンは先程破壊された筈の右腕でオニキスガントレットを防御。驚愕した束の間、オニキスマンの腹部に続け様に放たれた左腕のベアクローが命中した。
実はウォーズマンはオニキスマンの計算を打ち破るべく、彼のコンピューターを始動させない策として「コンピューターによる計算」から「自らの本能に従う」戦い方に切り替えていた。
至極単純な方法ながらも、本能から放たれる技はオニキスマンの頭脳をもってしても完全には読む事は出来ず、その結果ウォーズマンの飛び膝蹴りからのボディスラムによる反撃をまともに許す事となった。
また、ウォーズマンが自らの首筋に傷を付けたのは、火事場のクソ力を発揮する為の布石だった事がキン肉マンによって見抜かれている(かつて自身との試合で、マスクの一部が破ける程の傷を負いながらも勝利したキン肉マンの姿に着想を得た結果によるもの)。
ボディスラムによる頭へのダメージが浅かった為、オニキスマンは素早くウォーズマンを振り払い、再度オニキスガントレットでウォーズマンの首を狙う。だがウォーズマンはこれを予想し、ローリングソバットでのカウンターを炸裂。僅かに膝をつき直ぐに立ち上がって襲い掛かるが、ウォーズマンは右腕が折れている状態にもかかわらず、オニキスマンの両手首を固くロックし、逆さ状態でオニキスマンを持ち上げ空中に飛び上がると、何とキン肉バスターを使用。キン肉バスターをモロに食らったオニキスマンは頭部と両腿にヒビが入る程のダメージを受けた。
しかし、密着したその体勢を逃さなかったオニキスマンはウォーズマンの首の傷にオニキスガントレットを突き刺し、更にチョップによる追撃も仕掛け、キン肉バスターの体勢から逃れる。今度は自身の技「クライシスタイフーン」を繰り出し、ウォーズマンをマットに沈めた。
勝利したかと思ったオニキスマンだったが、倒れた筈のウォーズマンの目が輝き、再度復活。完全に油断しきっていたオニキスマンは背中へのドロップキックを受けると共に四肢を拘束され、遂に「パロ・スペシャル」による反撃を許す事となった。
ウォーズマンのパロ・スペシャルは、ある一点で相手の力を吸収し己の力に変える「アリ地獄ホールド」であり、ウォーズマンに勝利の瞬間が訪れたかに見えたが、オニキスマンは「地上の一超人が神のパワーを取り込むなどと土台無理な話」と豪語。
上体を無理矢理起こそうとするオニキスマンに対し、それを抑え込もうとしたウォーズマンは首筋の回路がオーバーヒートを引き起こしてしまい、動きが停止。その隙にオニキスマンは両腕の拘束を抜け出し、ウォーズマンを柱に叩きつけ形勢逆転。
「神を超えたと思い上がり冒涜した罪を償ってもらう」と称するとショルダータックルで上空に打ち上げ、再びブラッケンド・オーバーライダーを使用。ウォーズマンを顔面からリングに叩き付け、彼が倒れる様子を見て今度こそ勝利を確信する。しかし、それでもウォーズマンは立ち上がり、三度オニキスマンと対峙する。
両腕を肩から折られ、既に限界を超えている状態のウォーズマンだったが、過去のバッファローマン戦で使用した超人強度を強化したスクリュー・ドライバーに最後の望みを賭ける事を決心。下手をすれば間違いなく死ぬ状況でありながらも、それを承知した上で技の準備に入る。ウォーズマンの死ぬ覚悟を悟り涙するキン肉マンに対し、「お前と出会えて本当に良かった」「オマエハサイコーノトモダチダ」と改めて友情を確かめ合うと、全身に友情パワーによる輝きが宿った「スーパーユウジョウモード」を発動させる。
その様子を見たオニキスマンは三度目のブラッケンド・オーバーライダーを仕掛けようと突進。しかし、ウォーズマンはオニキスマンを踏み台にして回避しつつ、反対側の柱に移動。ウォーズマン理論によってスクリュー・ドライバーのパワーを高めていき、スーパーユウジョウモード爆縮でギリギリ超神の超人強度に届く「1億パワースクリュー・ドライバー」が完成。オニキスマン目掛けて突っ込み、対するオニキスマンもオニキスガントレットで迎え撃ち、双方の一撃がぶつかり合う。
自らも渾身の一撃を繰り出したオニキスマンだったが、流石に1億パワーに迫ったスクリュー・ドライバーには耐え切れず、オニキスガントレットを破壊される。驚愕したのも束の間、なおも回転を続けるウォーズマンが突撃、スクリュー・ドライバーで腹部を大きく抉られ、体内の機械が飛び出す程の深手を負い倒れ伏した。
オニキスマンはそのまま動けず、対するウォーズマンも技の負荷により気を失ったことで、両者痛み分けの引き分けとして試合終了となった(しかし、直後にウォーズマンは心臓が動き、無事に生存している)。
倒れたオニキスマンはダメージでマスクが割れ、その醜い素顔を晒しかけるが、素顔を見られる事への屈辱を理解しているウォーズマンはオニキスマンの顔に布をかけて隠すという行為に出る。
オニキスマンは直様「自分にこのようなものは不要」と呟き布を剥ぎ取って素顔を晒すが、ウォーズマンの見せた行動が彼なりの「ヤサシサ」であるということ、そして「ヤサシサ」こそが自身とウォーズマンの差であり、最終的にその差に追い詰められたという事実を認める。
その後「機械そのものに善悪はない」とし、「善悪が入り込む余地があるとすれば、それは使う者の心がけ次第」と語り、ウォーズマンが自らの機械の身体を悪として認識しているかを問う。
ウォーズマンは幼い頃の経験から復讐の意味を込めて機械の身体を悪用してきたが、ロビンマスクから格闘のイロハを、キン肉マンから人の心を教わった事を語り、そして「機械そのものに善悪はない」という最後のピースを埋めてくれたオニキスマンに感謝の言葉を送った。
ウォーズマンは引き分けとはいえ試練突破が叶わず何らかの制裁が下る事を覚悟していたが、彼の言葉と心を確認したオニキスマンは「合格だ」とウォーズマンの最上階行きを認める。
超人が神には出来ない良き維新を起こせる事を期待しながらウォーズマンを最上階に送り、自身は胸のプロテクターのみを残し光に包まれて消え去った。
なお、オニキスマンの胸のプロテクターは形見としてウォーズマンが所持している。
技
- オニキスガントレット
手甲を鋭利な刃に変化させて形成する武器。ウォーズマンのベアクローを打ち砕くほどの威力を誇る。
- オニキスパルバライザー
手甲をオニキスガントレットに変化させ、ウォーズマンのスクリュードライバーのように回転しながら敵に突っ込む技。その鋭さや強度はベアクローを簡単に圧し折ってしまう程。
- ブラッケンド・オーバーライダー
ウォーズマンのパロ・スペシャルに似た技。こちらは肩車の状態から両腕を掴み、両足は膝関節に引っ掛ける関節技となっており、威力はパロ・スペシャルを上回る。
落下技として使うことも可能であり、この場合は相手をショルダータックルで打ち上げてから関節技に捉え、リングに叩きつける。
- 神技・ブラックオニキススクィーズ
関節技。相手を正面逆向きに持ち上げ、右足の片膝立ちで後頭部、右手で相手の左手を抑え、左手は相手の右足を掴みながら両足を抑え背骨を中心に決める。
- クライシスタイフーン
右腕で相手の左腕を付け根辺りから抱え込むように捕らえ、更に右足で相手の両足を絡めるようにロック。その状態で空中から落下し、相手の頭部をマットに叩きつける。
余談
- 名前の由来であるオニキスは、玉髄と呼ばれる鉱物の一種。パワーストーンとしての意味は「自然と共に生きる意味その価値を教えてくれる」。
- 旧ソ連が開発した超音速対艦ミサイルP-800オーニクスも、ウォーズマンとソ連繋がりでモチーフになっているのではないか、という説もある。
- 過去にザ・マンがマグネットパワーの使用とそれによる完璧超人の強化を肯定した理由として、「自らを改造することで、更なる力を身に付けたオニキスマンの事を知っていたから」という考察が出ているが、真偽は不明。
- ここから更に『ザ・マンはオニキスマンにサイコマンをぶつける予定だった』と考えるファンもいる。