概要
完璧超人に伝わる奥義。
その名の通り、体から磁気を発生させる能力で、周囲の金属類を引き寄せたり、逆に反発で吹き飛ばしたりすることができる。電磁力パワーに強化すれば、サンダーサーベルを使うことができる。
本編では、ネプチューンマンとビッグ・ザ・武道(ネプチューンキング)が宇宙超人タッグトーナメントで使用。友情を失った正義超人たちが流す汗「アイアン・スウェット」の効果もあり試合を有利に進めた。
また、パートナー同士がそれぞれ+と-の磁気を発することでより効果を高めることも可能で、「クロスボンバー」「磁気嵐クラッシュ」などバリエーションに富んだ強力なツープラトンの発動を助ける。
より強力な磁気嵐を発生させれば、天候や時間すらも操れるようになる。バッファローマンはこの経験から、後に完璧・無量大数軍との戦いで再びマグネットパワーの発動を目にした際には「禍々しい力」「インチキな力」と吐き捨てた。
「完璧超人始祖編」で、元々は完璧超人始祖の一人・サイコマンが発見したものであったことが判明。
同時に、ネプチューンキングはかつて無量大数軍に身を置いていた頃、サイコマンに師事し、マグネットパワーの扱い方を伝授されていたという新しい事実がサイコマン自身から説明された。
その正体は地球という惑星そのものが持つ生命力のようなものであり、これを超人パワーと一体化させることで凄まじいパワーを生むことができる。
無量大数軍を含めた完璧超人のほとんどが他の属性の超人と比べて異様に高い超人強度を有している(ミートくん曰く「パワーが一般超人の20倍はある」)のは、マグネットパワーと超人パワーの融合の結果だと考えられる。
ネメシスの一件を見るに、完璧の洗礼によって姿が変わるのも、これに由来するものだと思われる(ちなみに、超人強度は生まれついてのもので、原則上昇することはない。そこを踏まえると、自らの内にある力で、かつ超人強度を瞬間的に上げることのできる火事場のクソ力を、管理者としての立場を重んじる完璧超人たちが危険視していたのも頷ける)。
マグネットパワーを発見し有効活用することを提案したサイコマンに対し、他の始祖たちは完璧超人の矜持に反することやその危険性から戦闘に使うことを否定するも、唯一ザ・マンのみが賛同。研究の続行と、マグネットパワーの管理をサイコマンに任せることを一方的に決定する。これが始祖たちに亀裂を生むきっかけの一つとなった。
後にサイコマンは研究により「マグネットパワーによる超人パワーの強化」からさらに踏み込んだ「超人パワーそのものの生成」を実現させ、文字通り超人の生と死の境目を崩壊させる力としてしまう。やがてこれが超人墓場というシステムを生み、超人閻魔が部分的にとは言え超人の命を支配する結果となった。
シルバーマンは許されざる世界樹でのサイコマン戦の最中にも「命を弄ぶような力なんて使うもんじゃない」とまで言い切っており、サイコマンとザ・マン以外の始祖たちにとってはマグネットパワー自体が歪なものとして映っていたらしい。
だがこの研究の成果が遥かな時の後、超人パワーの供給による滅びかけた星の救済という希望に繋がる事になる。
他の始祖のマグネットパワーについての見解
- アビスマン
「そんな手品みてぇなやり方でパワーを増強させて何が楽しいってんだ? ほとんどドーピングじゃねえか!」
- ペインマン
「研究自体は否定しないが、少なくとも己の肉体を鍛えて得たものではない。借り物同然の力を闘いに組みこむ考えには賛同しかねる」
- ジャスティスマン
「マグネットパワーの使い方は慎重に議論されるべき」というペインマンの発言に無言の同意を見せる。
- ガンマン
「誰がきさまなどの考えに……」
(発言自体はサイコマンに遮られたが、おそらく自分自身の力ではないマグネットパワーを使うことは自らを偽ることになるため反対している)
- シルバーマン
「世紀の大発見だけど封印すべき。これは神の領域だ」
「命を弄ぶような力なんて使うもんじゃない」
- ザ・マン
「私はいいと思う」
「何があろうと私たちが使い方を誤ることはない」
「むしろ私たちこそ率先して研究していくべきだ、私たちは完璧なのだから」
ちなみにザ・マンが賛成の意を示した際、サイコマンの表情は喜びではなく、他の始祖と同じ驚愕に染まっていた。サイコマンにとっても、彼が賛同することは完全に想定外だったのだろう。
アポロン・ウィンドウ
マグネットパワーは一度習得すれば地球から引き出すことが可能になるが、その出入り口となる場所がアポロン・ウィンドウである。
アポロン・ウィンドウはその名の通り鍵穴に似た形をしているが、だいたい数十~100mほどの大きさをしている。日本ではこれを前方後円墳と呼び、人間たちは自らの権威を表すべくそこを陵としていた。
完璧超人始祖たちがこれを最初に発見したのはスペインのバルセロナ(と後に呼ばれる場所)であり、サイコマンはそこを永遠に守るため、絶対に完成しない建築計画を立てることで下等超人や人間たちを排除した。そこでは始祖たちにより、下等超人の粛正が2000回以上も行われたという。
試合中に臨死体験をしたテリーマンが地球の中心からエネルギーが前方後円墳に向けて流れていることを目撃し(超人墓場の設定が登場した今になって考えると意味深な描写である)、キン肉マンとテリーマンは宇宙超人TTの決勝戦で富士山の裾野にあったアポロン・ウィンドウを強引に閉める「アポロン・ウィンドウ・ロック」で一時的にヘル・ミッショネルズのマグネット・パワーを封印した。
しかし、それはあくまで一時的な閉鎖に他ならず、サイコマンはその後自力で無理矢理アポロン・ウィンドウを開門している(喩えるならキン肉マンが井戸を埋めて、その後サイコマンが地面を掘り返して水脈を当てたようなもの)。
また、実は規模を問わなければアポロン・ウインドウは地球上の殆どどこにでも存在しているらしく、マグネットパワーを知り尽くすサイコマンはそれらを自在に見つけ出して活性化させ、膨大なマグネット・パワーを引き出す事が出来る。
「超神編」ではアポロン・ウィンドウに似た巨大な鍵穴が天上界に出現し、ブラックホールの如く周囲のあらゆる物を飲み込み続けている。
超神との試合に勝利し、バベルの塔最上階に辿り着いたリアル・ディールズの面々はこれを見て「神も動くわけだ」と述べており、かつてアポロン・ウィンドウを利用して正義超人達に辛酸を舐めさせてきたネプチューンマンもこんな性質のモノは見た事も聞いた事も無いとの事。
ロビンマスクによると、(試合中にランペイジマンから聞いた話を基に)「超人」という存在そのものがこの世のエネルギーの在り方にひずみをもたらし、この現象に至ったと見ている。
宇宙のエネルギー総量は決まっているが、近年それを超人が占めるようになった結果、バランスが崩れていった。天上界のアポロン・ウィンドウは宇宙のあちこちで発生した歪みを集約した結果出来上がったものだが、神々の手に負える物ではなかった。
オメガの民の星が滅亡の危機に瀕したのもこの現象によるものである。こちらは正義超人や運命の5王子との戦いで友情パワーを得た六鎗客が禁断の石臼を用いて自らの超人パワーを送り込む事で対処している。
また、『キン肉マンⅡ世』では新世代超人たちが時間超人による過去改変を止めるため、フ○テレビの丸いアレと東京ビッグサイトでてるてる坊主型のタイムマシンを作り、アポロン・ウィンドウに嵌めることで過去に飛んでいる。
オメガの民
完璧超人始祖の奇襲を受けたオメガの民はサイコマンが操るマグネット・パワーに興味を持った。
数多くの犠牲者の証言から見立てを得て研究施設を創立し、マグネット・パワーの研究を極秘に始めた。しかし、その事がサイコマン達にばれ、研究施設は破壊された。
長い年月が経ち研究施設の跡地が眠る場所は『オーロラクリフ』と呼ばれ、その地に『スワローズ・ネスト』が建設された。
現代、キン肉スグルと対戦中のパイレートマンは見よう見真似でマグネット・パワーを使用した。
その他
王位争奪戦編ではキン肉マンとネプチューマンの間に友情が生まれたことで「友情のマグネットパワー」が発現している。
関連タグ
ネプチューンマン ビッグ・ザ・武道 / ネプチューンキング サイコマン
オニキスマン/維新の神:始祖達が本来戦う相手であった超神の1人にして『強くなる為に自らの肉体を改造した神』。ザ・マンがマグネットパワーを肯定したのは彼の存在が理由だと思われるがその存在を語らなかったが故に始祖達の関係に亀裂が入る事となってしまった。
マグネットパワー(ガ・キーン) マグネットパワー(磁石団長) :似て非なるもの
ラチェット(TFアニメイテッド):こちらも似て非なるマグネットパワーを使う。
マグニートー:磁力を操る能力を持つ。なお初期アニメでは「マグネティックパワー」と呼ばれていた。