第44回ジャパンカップ
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これがたけゆたかのしんじたすえあし
英独の刺客、そしてかの英雄の最後の傑作を相手に日本総大将、堂々の2冠制覇。残すは晩秋のグランプリのみ。
- 今回招聘された外国調教馬は欧州の4歳馬3頭。
- オーギュストロダンのA.オブライエン調教師は21年のブルーム・ジャパン以来3年ぶりの参戦。英ダービー馬の参戦は99年ハイライズ以来25年ぶり。また、今回はA.オブライエン調教師も来日している。
- キングジョージ覇者の参戦は96年ペンタイア以来28年ぶり。ゴリアットを管理するグラファール調教師は過去にイラプトで2度参戦しており、それ以来3度目の参戦となる。
- ドイツ調教馬の参戦は22年テュネス以来2年ぶり。ピーヒュレク騎手は国内G1初騎乗となる。
- 今回は14頭すべて重賞馬。うちG1馬は10頭。
- 特にドウデュースが日本、オーギュストロダンがアイルランドとイギリス、ファンタスティックムーンがドイツ、と参戦メンバーの勝鞍に計4ヶ国のダービーが並んでいる。
番 | 馬 | 性齢 | 騎手 | 調教師 | 馬体重 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ゴリアット(GER) | セ4 | C.スミヨン(FR) | F.グラファール(FR) | 490 |
2 | ブローザホーン(JPN) | 牡5 | 菅原明良(美浦) | 吉岡辰弥(栗東) | 430(+4) |
3 | ドウデュース(JPN) | 牡5 | 武豊(栗東) | 友道康夫(栗東) | 510(+6) |
4 | ジャスティンパレス(JPN) | 牡5 | C.デムーロ(FR) | 杉山晴紀(栗東) | 468(-2) |
5 | シュトルーヴェ(JPN) | セ5 | 鮫島克駿(栗東) | 堀宣行(美浦) | 478(+8) |
6 | ダノンベルーガ(JPN) | 牡5 | 松山弘平(栗東) | 堀宣行(美浦) | 492(-6) |
7 | シンエンペラー(FR) | 牡3 | 坂井瑠星(栗東) | 矢作芳人(栗東) | 488 |
8 | オーギュストロダン(IRE) | 牡4 | R.ムーア(IRE) | A.オブライエン(IRE) | 454 |
9 | チェルヴィニア(JPN) | 牝3 | C.ルメール(栗東) | 木村哲也(美浦) | 494(+4) |
10 | ドゥレッツァ(JPN) | 牡4 | W.ビュイック(GB) | 尾関知人(美浦) | 470 |
11 | カラテ(JPN) | 牡8 | 杉原誠人(美浦) | 音無秀孝(栗東) | 530(+4) |
12 | ソールオリエンス(JPN) | 牡4 | 横山武史(美浦) | 手塚貴久(美浦) | 476(+8) |
13 | ファンタスティックムーン(GER) | 牡4 | R.ピーヒュレク(GER) | S.シュタインベルク(GER) | 440 |
14 | スターズオンアース(JPN) | 牝5 | 川田将雅(栗東) | 高柳瑞樹(美浦) | 500 |
着順 | 馬 | タイム/着差 |
---|---|---|
1 | ドウデュース | 2:25:5 |
2 | シンエンペラー | クビ |
2 | ドゥレッツァ | 同着 |
4 | チェルヴィニア | 2½ |
5 | ジャスティンパレス | アタマ |
直線で外に持ち出された1番人気ドウデュースが、先行策から粘る2頭との追い比べをクビ差制した。先行した2頭による2着争いはクビの上げ下げの写真判定の結果同着に。2番人気チェルヴィニアは4着、3番人気ジャスティンパレスは5着と届かず。
- ドウデュースは前走の天皇賞秋から連勝でGⅠ5勝目。武豊騎手は16年キタサンブラック以来8年ぶり5勝目となりレース史上最多勝利記録を更新、友道調教師は17年シュヴァルグラン以来7年ぶり2勝目。
- 本レースで馬券圏内が同着になるのは初。
- 前年のイクイノックスに続き天皇賞秋勝ち馬による優勝となり、ドウデュースは20年ぶり史上3頭目の秋古馬三冠に王手をかけた。
- 海外勢はゴリアット6着が最先着。ラストランとなるオーギュストロダンは8着、ファンタスティックムーンは11着でのフィニッシュ。
- 今回のドウデュースの上りは32.7。2戦連続で32秒台だった。レース上がりは33.4で、前半5F62.2のスローだったためにヨーイドンの競馬に。
- ハーツクライ産駒の本レース優勝は19年スワーヴリチャード以来5年ぶり。
- ダービー馬による本レース制覇は21年コントレイル以来3年ぶり。三冠馬・二冠馬を除いた場合09年ウオッカ以来15年ぶり。
- また、ダービー馬による秋古馬GⅠ(秋天、JC、有馬)全制覇は二冠馬・三冠馬含めても史上初。
- 勝ちタイムは25年前のジャパンカップのスペシャルウィーク(鞍上武豊)のそれと同じである。
- 本レースは海外馬3頭、それも1頭は日本とも縁が深い、ということでメディアによる海外勢への取材やSNSの動向にも注目が集まった。特にゴリアット陣営からのアクションが顕著で、レース前から本レースの興行を盛り上がげる一因として貢献していたのも特徴。
- ゴリアット陣営は出走を発表以降、独自のPVを作ったりゴリアットカードを自作し配布したり「ジャパンカップはゴリアットの2着を決めるレースだ」などとヒールレスラーさながらの派手なパフォーマンスを見せていた。
- これに対してシンエンペラー陣営の矢作調教師は「皆さんが騒ぐほど強いとは思っていません。日本の馬場で日本の馬がそんなに簡単に負けるかよ、と」「『いい加減にしとけよ。俺が叩きつぶしてやる』と言ってやろうかな」とインタビューで返答している。前年にパンサラッサを距離適性不安を承知で敢えて投入するなど、少なからず興行としての盛り上がる動きにも積極的な矢作氏らしい返礼である。
- 日比谷でゴリアットの自作カードを配ったところ陣営の想定をはるかに上回るファンが多数押し寄せたため警察が出動する事態にもなった。
- レース後、ゴリアット陣営は陣営は「このレベルの競技を達成するのは驚くべき偉業であり、世界中の最強の馬たちと再び競い合うことを楽しみにしています」「最終的に真の勝者は日本のレースファンです」とレースそのものに対して、さらに自陣営のスタッフと勝者であるドウデュース陣営への賞賛、最後までレースを盛り上げた。(出典ポスト)
- ファンタスティックムーン陣営はシュタインベルク調教師がほぼワンオペ体制で来日。スタッフ不足のため1人でやらないと仕事が回らない、というハードな事情が明かされた。
- オーギュストロダンはディープインパクト産駒のG1馬ということでメディアの取材も多いためか、本レースに向けた特集動画が複数投稿されている。
- また、レース後にはオーギュストロダンの引退式が行われた。なお、海外調教馬の引退式が日本で行われるのは史上初の出来事である。
- ドウデュースはこれで有馬記念に勝つと秋古馬三冠・有馬記念連覇に加えて総獲得賞金が22憶7千万を突破し、日本歴代1位記録更新にも王手がかかった。
- 本レースには表彰式にプレゼンターとして元プロ野球選手のイチロー氏が出席、ドウデュース陣営に商品を送っている他、武豊騎手とのツーショットも披露された。
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