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プロフィール編集

生年月日2020年4月4日
英字表記Sol Oriens
性別
毛色鹿毛
キタサンブラック
スキア
母父Motivator(GB)
生産社台ファーム北海道千歳市
馬主社台レースホース
調教師手塚貴久(美浦

キタサンブラックの2世代目産駒。


母スキアはフランス産で、現役時はフランスでG3・フィユドレール賞(牝馬限定・芝2100m)の勝鞍がある。ソールオリエンスの半兄ヴァンドギャルド(2016年生、父:ディープインパクト)は2020年の富士ステークス勝ち馬で、2021・22年のドバイターフでも2着・3着に入った。


母父モティヴェーターはモンジュー産駒。日本では母父としてメロディーレーンタイトルホルダー姉弟を輩出している。


馬名はラテン語で『朝日』を意味しており、母の名前がギリシア語で『』を意味する単語であることからの連想で命名された。


戦歴編集

2022年(2歳)編集

2022年11月13日、東京競馬場の2歳新馬戦(芝1800m)にて戸崎圭太騎乗でデビュー。単勝1.4倍の圧倒的人気に支持される。スタート直後に接触がありながらも3番手追走から追い比べをクビ差制し、新馬勝ちを飾った。2歳時はこの1戦のみ。この時追い比べしたレーベンスティールが次走で快勝したことにより、この馬の評価も高まった。


2023年(3歳)編集

明け3歳の初戦は1月15日の京成杯。鞍上は横山武史に乗り代わった。ホープフルSから中2週で出走したセブンマジシャンと人気を分け合う形となった。中段待機から4コーナーで大きく外に膨らみながらも直線力強く抜け出し、2着に2馬身半差の強い勝ち方で重賞初制覇。一躍クラシック戦線の有力馬の一角に名乗りを挙げた。


京成杯後、疲れから皐月賞直行を表明した。


皐月賞編集

4月16日、この年の皐月賞は大混戦が予想されていた。


まず、出走メンバーに関しては、この世代の2歳王者である朝日杯勝ち馬ドルチェモアホープフルS勝ち馬ドゥラエレーデが参戦せず、2012年以来11年振りにGⅠ馬が不在。

1番人気は出世レースの共同通信杯を制したファントムシーフ(3.8倍)、2番人気にソールオリエンスが推され(5.2倍)、さらに3戦3勝でスプリングステークスを制したベラジオオペラ(6.3倍)、きさらぎ賞勝ち馬フリームファクシ(7.7倍)、弥生賞勝ち馬タスティエーラ(9.0倍)、共同通信杯2着のタッチウッド(9.6倍)まで、上位6頭が単勝10倍以下と、人気も割れていた。


そのうえ、ソールオリエンス絡みの不安要素としては、京成杯優勝馬のジンクスもささやかれていたが、それよりも馬番が決まる前の時点でもデビューから9頭以下のレースの経験のみでフルゲートのレースに対応できるかの不安視されていたところ、最内1枠1番を引いてしまったため、不安に拍車がかかった(皐月賞優勝馬で見れば、ディープインパクトが最大10頭立てのレースしか経験していなかったものの勝利し、コントレイルが1枠1番で勝利しているため、前例は一応あったが、馬番の観点から不利であると見られていた)。


しかも、前日から降り続く雨で中山競馬場の芝は重。奇しくも、前にGⅠ馬不在の皐月賞で予想が割れていた2012年(ゴールドシップが雨で荒れた馬場の中、いわゆる「ゴルシワープ」を決めた年である)を想起させる馬場状態。馬場も含めたトラックポジションを重視する予想から見れば、外側にいる人気馬のほうが優勢だと思われたため、予想の難解さを増していた。


最内1枠1番スタートのソールオリエンスは、スタートであまり行き脚がつかず、鞍上の横山武史は後方に控える手を採った。

大逃げ戦法のグラニットが逃げを図り、前半1000mが58秒台。重馬場にしてはハイペースとなったのが祟り、第4コーナーではグラニットとそれを追走していた先行集団の脚が鈍り始めた。先行集団の中から唯一、5~6番手につけていた5番人気のタスティエーラが力強く抜け出し、後続を突き放す。


勝負あったかと思われたその時、外から黄色と黒の縦縞の勝負服がすっ飛んできた。ソールオリエンスは4コーナー通過17番手から上がり3ハロン35秒5の抜けた末脚を発揮し(2番手はファントムシーフら3頭の36秒4)、最後はタスティエーラに1.1/4馬身差をつけ、クラシック一冠目を勝ち取った。

キタサンブラック産駒としては三冠競走初制覇。

また、キャリア3戦での皐月賞制覇は最少キャリア勝利記録。京成杯からの直行でクラシック制覇を成し遂げた初めての事例となった。

そして、タイム2分0秒6は2021年に本馬と同じく横山武史騎手で皐月賞を制し、皐月賞の1ヶ月前に引退したエフフォーリアと同じタイムだった。


日本ダービー編集

当然ながら二冠目を狙うべく、次走はもちろん日本ダービー(GⅠ)。父キタサンブラックや鞍上の横山武史騎手が手にできていない称号を手にする絶好の機会。管理する手塚調教師はクラシックで未勝利なのはダービーのみであり、勝てば61年ぶり史上5人目のクラシック完全制覇と、色々なものを背負って大一番へ向かうこととなった。


迎えた第90回日本ダービー。ゲートは3枠5番。皐月賞で見せた圧巻の走りや外枠寄りの馬番を回避できたため、単勝人気は1.8倍の1番人気。2番人気の同父の青葉賞スキルヴィング以下に圧倒的な差を付け大きな支持を集める。また、オッズにも表れているように、出走馬が正式発表される前の想定出走馬の段階で、今回はソールオリエンス=横山武史の勝利は内定しているような扱いをされていた。


しかし、不安がなかったわけではない。確かに1番人気になる実績はあったが、それはライバルたちに比べれば、ソールオリエンスがデータ上で最も有利になっていたという背景もあった。現実的に勝利を狙えそうな馬でもタスティエーラとファントムシーフはテン乗りでの挑戦になるうえ、前者は疲労の蓄積も含む体調面を不安視されていた。2番人気となったスキルヴィングは、ルメールがこちらを選んだという決断と青葉賞勝ち馬が日本ダービーでは勝てないジンクスを破ってほしいという思いが反映されたことは否めなかった。また、伏兵の可能性もゼロではないが、それらにソールオリエンスが負けるとは考えにくかった。


皐月賞と打って変わって良馬場で迎えたレース。先行すると見られていたホープフルS勝ち馬ドゥラエレーデがスタート直後に落馬し、パクスオトマニカが大逃げを見せ、2番手ホウオウビスケッツとの差を大きく広げるが、レース展開はスローペース寄りとなる。それでも、ソールオリエンスも先行策を取り、6番手を確保。しかし、ライバル候補のタスティエーラが5番手で先行され、少し苦しい展開に。

最終直線では前を行くタスティエーラを交わそうとしたもののタスティエーラ鞍上のダミアン・レーンに絶妙に進路を塞がれ、内には複数の馬がいて向かえず、外からは向こう正面から上がってきたハーツコンチェルトが横におりなかなか抜け出せない。残り100m近くになって進路が開いてスパートするものの、時すでに遅し。先に抜け出していたタスティエーラを捉えられずクビ差の2着。皐月賞の逆襲を許す形となり、コントレイル以来の無敗ダービー馬の称号かつ無敗の三冠馬の夢は散った。産駒と鞍上にとっては雪辱を果たせず、人馬共に悔しい一戦となった。


3歳下半期編集

秋初戦はセントライト記念。単勝人気は1.6倍の1番人気とタービーを上回るオッズであり、楽勝のムードが漂っていたが、鞍上の内容と言った勝負所と思われた2番人気のレーベンスティールに敗れ2着。この時点では、菊花賞を優先するため、末脚勝負をするにしても、無理をさせないようにと安全策を取った結果として陣営は擁護していた。本命の菊花賞だが、タスティエーラとの再戦も話題となるが、タスティエーラが前哨戦を使えず直行のローテとなった経緯や能力的にも勝ち負けができると見込まれ、ここでも1番人気に支持される。レース運びは後方待機の末脚勝負となったが、結果だけ見れば、先行策を取って未勝利から4連勝で重賞初出走のドゥレッツァが勝利。4コーナー通過時はほぼ同じ位置にいたタスティエーラと最後の直線勝負となるが、競り負ける形で3着に終わった。

折しも、父の同期達の子とクラシックの冠を分け合う形となった。


その次は、タスティエーラと共に有馬記念に出走するも、横山武史騎手がジャスティンパレスの先約があったことから川田将雅騎手との新コンビで臨むこととなる。

本番では皐月賞と同様最内の1枠に選ばれるも、馬群の中でレースを進め、最後の直線では馬群の中にいたせいか、末脚を発揮しきれず、ドウデュースに大きく差を付けられて8着と惨敗。6着であったタスティエーラ共々初めて掲示板を外した。

しかしながら、鞍上の川田騎手は「リズム良く運べて、直線も頑張ってくれたと思います」とその健闘ぶりを評価し、「これがいい経験になってくれたらと思います」と労った。


2024年(4歳)編集

タスティエーラはドバイワールドカップデーのレースに予備登録していたものの、1月末になって、馬主からの発表により、ソールオリエンスは海外遠征は視野に入れず、中山記念を緒戦に大阪杯に挑むことが明らかになった。

中山記念には一つ上の世代である皐月賞馬ジオグリフも参戦することになっていたため、皐月賞馬同士の対決としてファンからは大きな注目が集まり、菊花賞以来の1番人気に支持された。ここでも川田騎手も横山騎手もスケジュール上の都合で騎乗できず、田辺裕信騎手との新コンビで挑むこととなった。

そして、迎えた本番では前日の雨の影響で中山競馬場の馬場が稍重になっており、ソールオリエンスの得意条件と思われたが、レースでは好スタートを決められたものの、ハナを切った10番人気のドーブネが作りだしたハイペースについて行けないことが響いたか、末脚を持て余して3着のジオグリフを交わしきれず、4着の掲示板入りをするのがやっとだった。

田辺騎手はハイペースぶりと1800mが適正距離ではなかったことを敗因と分析しつつ、「このレースがいい刺激になると思います」と労った。


大阪杯編集

翌月は予定通り大阪杯に参戦。田辺騎手からの提案を受け、本来の持味である末脚が発揮しやすいように調教の段階からブリンカーを着用するようになった。そして、鞍上には横山騎手が選ばれ、2戦ぶりのコンビ復帰となった。

同じローテーションが組まれていたジオグリフと2度目の対戦となると同時に、海外遠征を辞退していたタスティエーラとも有馬記念以来の対戦が実現。しかしながら、1番人気に推されたタスティエーラとは異なり、2戦連続で馬券に絡まない成績が影響してかこの時点でのキャリア最低の5番人気に留まる。

レースではいつも同じように中団から進め、向こう正面から一気に追い込んだもの、ここでも末脚を持て余して、ベラジオオペラやジオグリフ、ローシャムパークら先頭集団を交わせず7着に惨敗。

タスティエーラ共々、クラシックで戦ったライバルにリベンジされるという屈辱的な敗戦となったが、横山騎手は「(後方から差しきる戦法も視野に入れてはいたので)自分のやりたい競馬はできました」と前向きなコメントを残した。


宝塚記念編集

次走として宝塚記念に出走。引き続き横山騎手が手綱を握る。

今回は京都での開催であり、更に連日の雨でかなり荒れた重馬場となり、コース取りは悪くなかったが、ソールオリエンスからすれば、最後の直線ではベラジオオペラと勝ち馬のブローザホーンが前で競い合うような進路を取っていた影響で、前が塞がれてしまう構図となる。前が開けてから末脚を発揮し、結果だけ見れば2馬身差の2着に食い込んだものの、展開が違えば、勝っててもおかしくないくらいの好走ぶりであった。そのため、皐月賞の結果も相まって重馬場巧者の素質があるといえる戦いぶりであった。


天皇賞(秋)編集

夏は休養し、秋の天皇賞にて復帰。また、当初はひとつ下の皐月賞馬ジャスティンミラノも出走予定であり、順調にいけば中山記念と同じく新旧皐月賞馬対決となるはずだったが屈腱炎で回避・離脱することに。


本番では中団で様子をみるも、ホウオウビスケッツ(鞍上岩田望来)によるスロー逃げで前残りとなる展開で最後方から凄まじい剛脚で追い上げてきたドウデュースが前年の有馬以来の勝利をタスティエーラとのダービー馬ワンツーフィニッシュを飾る中7着。


ジャパンカップ編集

巻き返しを図るべく、ドウデュースとジャスティンパレス共々ジャパンカップに続投。

14頭立てのうち12番に収まる。尚、13番にファンタスティックムーン、14番にスターズオンアースが収まったため、外枠に天体由来の名を冠した競走馬が集中するという珍事に。

レース本番ではスローペースだったとはいえまさかの2番手追走という形に。途中ドゥレッツァが追い越してハナを取る辺りからジワリと下がりだし、直線ではほとんど脚が伸びないという事態。

結果は14着とシンガリ負け。




余談編集

・京成杯の勝ち方からドゥラメンテを想像したファンが少なくない。1世代前の怪物イクイノックスもどちらかと言えばドゥラメンテと似ており、末脚で勝負するタイプである。これについては元々出遅れ癖があり、先行して進めたくても差し・追込で進めざる得ないところもあることを横山騎手は認めている。

・上記で書かれたエフフォーリアとキタサンブラックは社台SSの馬房が隣同士に位置している。

・皐月賞でジョッキーカメラが公開されていたのだが、そのジョッキーカメラはスタート早々に不鮮明になってしまい、急遽ワイプで同レースの映像を追加することになった。

ハイペリオンの産駒にも同名の馬がいる。そしてソールオリエンスもハイペリオンの血を引いてるが同名の方の血は引いていない。


関連項目編集

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