プロフィール
生年月日 | 2020年1月29日 |
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欧字表記 | Dura Erede |
性別 | 牡 |
毛色 | 黒鹿毛 |
父 | ドゥラメンテ(JPN) |
母 | マルケッサ(JPN) |
母の父 | オルフェーヴル(JPN) |
生産者 | ノーザンファーム(JPN) |
馬主 | スリーエイチレーシング(JPN) |
管理調教師 | 池添学 |
父ドゥラメンテは15世代の二冠馬。ドゥラエレーデは3世代目に当たる。
母マルケッサは未勝利で繁殖入り。ドゥラエレーデは初子。
サンデーサイレンス、ヘイロー、ノーザンテーストのインブリードを持つ。
父二冠馬×母父三冠馬というロマンある血統。
名前の由来は父の名にイタリア語で「後継者」を意味するエレーデ。
経歴
馬主にセレクトセールにおいて1億1000万で落札される。
デビュー前の追い切り動画においても強い走りを見せ視聴者を驚愕させた。一方、父や母父の気性が難ありの為かそこを不安する者もいたようだ。(後に池添調教師からは「大人しい」と言われている)
2歳シーズン
2022年6月26日の新馬戦(阪神芝1800m)でデビュー。鞍上を北村友一に迎え出走するも5着。
続く8月6日の未勝利戦(札幌芝1800m)では横山和生騎手を鞍上に出走し2着。
8月20日にはダート(札幌1700m)に切り替え、鞍上はオルフェーヴルの主戦で知られる池添謙一騎手を迎えて出走、見事に勝利を飾る。また、謙一騎手は学調教師の兄にあたり兄弟で手にした勝利だった。
ダート路線へ進むかと思いきや、11月19日東京スポーツ杯2歳S(東京芝1800m)に出走。鞍上にライアン・ムーアを迎え、2番手追走から直線で一度は抜け出したが、後続に呑まれ、粘ったものの3着とクビ差の4着となった。
ホープフルステークス
12月28日の2歳GI・ホープフルステークス(中山・芝:2000m)に出走。
ここまでのレースは毎回騎手が異なっていたが今回も騎手が乗り替わる。短期免許で来日してきたバウイルザン・ムルザバエフ騎手を背に出走。カザフスタン出身のムルザバエフ騎手は幼少期から馬に親しみ、ドイツでリーディングジョッキーとなった腕利きだが、この年(2022年)が初来日だったため、日本での実力は未知数のままだった。
鞍上の乗り替わりがあり、未勝利を勝ち抜いたばかり(しかも勝ったのはダート)、前走は重賞で4着だった事もあって14番人気の穴馬扱いとなる。
スタートするとトップナイフ(鞍上横山典弘)が内ラチを沿うような逃げを見せ、それに呼応するように、先行策として二番手追走でレースを進める。最後の直線に入った時点ではトップナイフが先行し、ドゥラエレーデは1馬身前後の差の2番手にいたが、そこから足を伸ばし、ゴール版を2頭同時に通過。中継の映像ではトップナイフが残したように見えたため、テレビ中継の競馬番組でもレース直後には「横山典弘騎手 JRA・GI最年長勝利!! 8 トップナイフが優勝!」のテロップを出してしまうほどの僅差となったが、写真判定の結果、僅かにハナ差だけドゥラエレーデが差し切っていた。
一着:ドゥラエレーデ 二着:トップナイフ 三着:キングズレインの着順は三連単200万越えの大荒れとなり、G1昇格後は堅いG1と認識されていたホープフルステークスで初めての大波乱となった。
父ドゥラメンテは産駒G1勝利数を7(Jpn1を含めれば8)にし、母父オルフェーヴルとしては初勝利となった。
また、池添厩舎としても初のG1であり馬主は朝日杯FSのドルチェモアに続く勝利となった。
もちろん、鞍上のムルザバエフ騎手も日本の重賞&GIタイトルは初勝利である。
3歳シーズン
アメリカ三冠挑戦へ しかし…
ホープフルSを終えた後は休養に入り、次走の動向が気にされていたが、なんとドバイのダートG2であるUAEダービーとアメリカトリプルクラウンに予備登録。
通常、2歳G1を勝った馬は国内のクラシックレースに向かうのが通例だが、陣営はそれすらも蹴ってアメリカ三冠制覇へ向かうこととなった。
ホープフルSを勝って国内クラシックに出なかった馬は、怪我などを除けばこれまで皆無であり、前身となるレースでも1997年の「ラジオたんぱ3歳S」時代のロードアックス以来26年ぶりとなる。
池添学調教師は「春クラシックは高速馬場になりやすいから、ドバイの方がドゥラエレーデに向いている」という趣旨のコメントをしており、どうなるか注目された。
迎えたUAEダービーでは最内枠のデルマソトガケが逃げを打ち、ドゥラエレーデは2番手でそれを追走。しかし、ほぼ持ったままで直線に突入したデルマソトガケを差しきれず2着。しかし、3着以下には大きく差を開く結果となっていた。
この結果でドゥラエレーデはケンタッキーダービーへ出走可能なポイントを獲得した。
…しかし、3月28日に帰国し放牧へ入った。どうやらレース後に球節に不安があったとされ、ケンタッキーダービーは回避し、休養の後に日本ダービーを目指すこととなった。
鞍上は坂井瑠星を迎え、いつも通りの競馬をする……はずだった。スタート直後に大きく躓き、落馬、競走中止。彼の日本ダービーはたった数秒で終わってしまった…幸い大きな問題はなかったようで、カラ馬のまま走りきった後、地下馬道の入り口まで自分で戻ってくるという頭の良さを見せた。
その後、陣営はなんと宝塚記念への参戦を発表。時期の関係で3歳馬は古馬よりも5kg軽いハンデを貰えるが、それより鞍上は幸英明と8戦連続の乗り換わり、3歳馬の宝塚参戦はマウントシャスタ以来11年ぶりの挑戦と話題性のほうが目立った。しかし、現実は厳しく10着という結果に終わった。
サイコロを振り続けていたら、まさかの…
秋は海外遠征の予備登録をしていたがこちらには出走せず、クラシック戦線のレースのセントライト記念(GⅡ)を始動戦として選択。鞍上はダービー以来の坂井瑠星となった。先行策を取ったものの、最後の直線で力尽き8着。
次走は8ヶ月ぶりのダートであるチャンピオンズカップを選択。鞍上は短期免許で今年度も来日していたムルザバエフ騎手。あまりにも予測不能なローテから、「出るレースと鞍上をサイコロで決めているのか?」という声も多くなって来た中、UAEダービー以来のダート戦ということもあるが、それ以降掲示板にも入れていないこともあって9番人気で出走。レモンポップが逃げる中、先行策を取って2番手集団で追走。結局レモンポップには逃げられ、外から猛烈な末脚で突っ込んできた12番人気ウィルソンテソーロにかわされたものの、最後まで粘りきって3着に食い込み、久しぶりに馬券に絡んだ。しかも、1番人気レモンポップが勝ったのに、12番人気ウィルソンテソーロと9番人気ドゥラエレーデが入ったことで3連単約190万というヒモ大荒れ決着をもたらした。
ローテ的にこれでシーズン終了かと思われたが、なんと東京大賞典と有馬記念への登録がほぼ同時に明らかとなる。しかし、その後「状態が良ければ東京大賞典に向かいます」と発表され、有馬記念は回避することが内定した。一時は両方出走してデルタブルースの再現というとんでもないローテーションになるかと思われたが、日本中央競馬会競馬施行規定93条および93条2項で「中央競馬の競走に出走した日(地方競馬指定交流競走に出走した馬にあっては、当該競走に出走した日)から起算して5日を経過した馬でなければ、再び中央競馬の競走に出走させることができない」と定められているため、規則上はできないはずである(デルタブルースの場合、ちょうど中5日空けられたため、両方出走できた)。ただし、東京大賞典は地方競馬の管轄なため、解釈によっては規定違反にならない可能性もあった。
色々あったものの、東京大賞典へ参戦。鞍上は短期免許の期間が残っているムルザバエフ騎手が続投。人気では4番人気となるが、この年は2013年以来の9頭立てのレース。実際、オッズ的には11.9倍と期待されているとはいえず、様々な要因からチャンピオンズカップのような結果を残せるのかと思われていた。レースでは6番から出走。ハナを切ったウィルソンテソーロを追走する2番手の位置でレースを進め、最後の直線で猛追してきたウシュバテソーロにウィルソンと共に差し切られたものの、最後まで粘りきって3着を死守。また、12月のダートGI2戦の成績がリーディングサイアー争いに影響を与えることとなった。
2023年は長らく日本種牡馬界に覇権を築いたディープインパクトが現役産駒の減少もありついにリーディングサイアーの座を譲ることが確定的となり、次代の覇権を巡る種牡馬戦国時代の幕開けの中、父ドゥラメンテは同じキングカメハメハ系のロードカナロアと12月まで熾烈なリーディング争いを繰り広げた。2023年JRAリーディングサイアー部門での争いに関しては、有馬記念でのスターズオンアースが2着・タイトルホルダーが3着の成績が決め手となって決着はついたも同然であったが、地方も含む総合リーディングサイアーでも父ドゥラメンテがその結果で暫定首位に立つものの決着がついておらず、有馬記念後も僅差であったため逆転の可能性が残っていた。そんななか、ドゥラエレーデが出走した12月のダートGI2戦の成績がリーディング争いにおいて伏兵的な活躍となり、チャンピオンズカップの3着で父ドゥラメンテを暫定首位へ押し上げ(出典)、東京大賞典の3着が決め手になり死守に成功(出典)。サイコロを振ってローテを決めているとネタにされたドゥラエレーデは、リーディング争い終盤での活躍によって父ドゥラメンテに初のリーディングサイアー獲得に対し少なくない貢献を果たすこととなった。
3歳シーズンの成績としては、芝レースの成績も掲示板入りも記録できず、結果的に芝での活躍は重賞勝ちとなった2歳GIの1勝と未勝利戦での連対以外は結果を残せているとは言えないが、距離適性の見極めは必要なものの、芝適正が全くないとも言い切れない。一方でダートの方は初ダート戦から4戦連続で馬券に絡み、その内容も4戦連続異なる競馬場のダート戦でありながら対応。むしろダートのほうが対応できる幅が広い様相を呈している。しかも、12月のダートGI2戦は古馬混合戦であり、そこで共に3着に食い込み、古馬と対決してもある程度戦えることも証明。この年は勝ち星こそ挙げられなかったが、古馬になっても期待できる展望を見せてシーズンを終えた。
4歳シーズン
年明けにサウジカップに予備登録したことが判明。だが、レーティングの点数から厳しいのではと思われており、レモンポップやウシュバテソーロが招待を受託したという情報が流れたのに対し、ドゥラエレーデの招待は不明となっていた。その後、専門誌の独自取材で次走はフェブラリーステークスと報じられ、サウジカップの方は時期が近づいても続報がないことから、ドゥラエレーデは落選した見込みで、フェブラリーステークスに向かうことが有力となっている。
フェブラリーステークスに正式に参戦し、3番人気に支持される。ここまでのダート戦の実績も評価されたこともあるが、鞍上が結果的にムルザバエフ騎手が続投したことも要因となった。というのも、ムルザバエフ騎手が今年度の短期免許の枠で来日したくても、1月に入ると外国人の短期免許の取得者が殺到。その規定の関係でムルザバエフ騎手の分の免許が交付できない状況になったため、来日できない見込みであったが、その枠を使っていた騎手が1名帰国する決断をした結果、ムルザバエフ騎手の免許交付が可能となり来日という運を引き寄せることとなった。
本番はドンフランキーが大逃げを打ち、前半3ハロンが33.9というハイペース戦になる。ドゥラエレーデはついていかないにしても今まで通り先行策の前残りを狙うが、レース後のインタビューで「結果的に距離が短すぎて息が入りませんでした」という分析のように最後の直線でも多少は粘るものの、後方にいた馬たちに抜かれ12着に終わった。
次戦だが、大阪杯と川崎記念両睨みという情報が流れるが、これは収得賞金の規定の関係で出れる方に出るのではと推測されていた。ところが、3月に入ると突如、ドバイワールドカップの招待を受託し同レースへ向かうことが発表された。
ムルザバエフ騎手を続投して挑んだドバイワールドカップ、道中は先団に追走し粘りこみを図ったが、単騎マイペースで逃げるローレルリバーに3・4コーナーで突き放され、追走で一杯となったまま5着入線。道中は掛からずに進んで自分のレースこそ出来たものの、結果的には再び苦い思いをすることとなった。
帰国後は休養のため一旦放牧を挟み、武豊を鞍上にエルムステークスへ向かう。本番では先団で進め、最後はペイシャエスとの叩き合いの末2着。次戦として秋のどのダート戦を選ぶのかと思いきや中1週で札幌記念へ向かうことを表明。レース後の状態に問題がなければ藤岡佑介との新コンビで参戦する予定(なお藤岡騎手はネット等の情報で自身が鞍上になったのを知り困惑していた模様)。芝のレースはセントライト記念以来となる。
迎えた本番ではスタート直後ゲート内で立ち上がってしまい10着大敗(12頭立てだったが直前でボッケリーニが競争除外していたため実施ブービー)。
そのレースを終えたら、次は何処へ向かうのか、サイコロローテの異名はまだ続きそうである。
外部リンク
関連項目
GⅠ級でスタート直後に落馬した、直近の競走馬達。
前後で海外での重賞を勝利したという共通点も持っている。