概要
ファインニードルの初年度産駒の1頭で、本馬は母譲りの芦毛の馬体を持つ。
馬名について
ウマ娘プリティーダービーに登場する同名のオリジナルキャラクターからとられている。ウマ娘も競走馬も芦毛ではあるが、あちらが右飾りの牡馬モデルなのに対し競走馬の方は牝馬である。
データ
戦績
デビュー~2歳
2022年8月13日の札幌競馬場第5R、メイクデビュー札幌・牝馬限定戦・芝1500m、14頭立てにてデビュー。鞍上は吉田隼人騎手。馬番は7枠11番。
スタートに少し出遅れて最後方からのレースとなりそのまま11着に沈んでしまい。ほろ苦いデビューとなった。
この結果については馬体重が418kgと牝馬の平均の455より軽くまだ体が完全に出来上がっていないからではと言われていたが、実はそれらに加えてこのレースで骨折しており療養を余儀なくされる。(骨折については復帰戦出走時に発表された)
3歳(2023年)前半
復帰戦は翌年1/21の未勝利戦(ダート1200m)となった。馬体重は30kg増えて448kgとなり、鞍上は内田博幸騎手に乗り替わる。結果は9着。
その後3/11の中山競馬場第4レースの未勝利戦への出走を予定していたが抽選除外となってしまう。
因みにこの日は中京競馬場にてリトルココンがデビューしており、場所こそ違えどもし除外されていなければウマ娘ネーム馬が同じ日にレースをしているところだった。
その後は中山や福島の未勝利戦を続けてジリジリと順位が上がっていくが最高7着までだった。
未勝利戦も残り少なくなってきた8月22日、ここで未勝利戦ではなく川崎競馬場のペリドットフラワー賞へ挑戦した。
これまで番手ないし後方でレースしていたミークは先頭を取る逃げを敢行。最終直線残り100mほどまで先頭を取り続け、最後は抜かれたものの粘り続けて1馬身差の3着。健闘する事が出来たが、ここで未勝利のまま出走可能な中央の未勝利戦が全て終了。
あと一歩で勝ち抜けの可能性があり得たが現実は非情という苦い結果となった。
3歳(2023年)後半・公営愛知へ
未勝利により8/31にJRA登録抹消となった。地方で現役続行するかはしばらく不明であったが、公営・愛知(名古屋けいば)の角田輝也厩舎に移籍となった。
移籍初戦は10月16日、名古屋けいばのC級・1500m戦「祝・的場文男騎手本日デビュー50周年記念」(C23組)となった。(※この日が大井の的場文男騎手のデビュー50周年にあたることから、同日開催のある競馬場では一斉に記念レースが組まれていた)
馬体重は+26kgと太り過ぎを心配されたが、移籍直前の健闘ぶりを評価されてか単勝1.7倍の1番人気に推されて出走。前走同様に逃げを打ち、今度は最終直線でも先頭を譲らず、2着馬に2馬身差をつけて1着。移籍初戦にしてキャリア初勝利を挙げた。
11月6日にはC級・1500m戦「ぷーりん生誕22周年」(C2組)へ出走。今回も先頭最内を確保したが、イストロスとヴィクトリーロードとの競り合いとなり最終直線で力尽きるようにタレて4着。とはいえ前走とのタイム差は0.1秒のみ、後方集団から差してきたのは1頭のみで結果はまずますか。
中1週少々のやや詰めた間隔で11月16日にC級・1500m戦「C15組」に出走。今回は序盤は3番手に控える形で進んだがロジメリオールとの先頭争いをしながら後方を引き離す。最終直線でロジメリオールを振り切り1着、2勝目を挙げた。まるで前走の勝ち馬の走りをそのまま再現したかのような振り切り方であり、タイムも前走のイストロスの0.1秒差である1:35.1。前走のミーク自身のタイムからは1秒以上縮めた事を含めて大きく成長した事がうかがえる1戦となった。
12月1日にはC級・1700m戦「王滝渓谷特別」(C1組)に出走。距離延長ながら1.9倍の1番人気に推される。スタート時他馬が落馬する波乱があったものの、先頭を見ながら道中2番手で進み、残り500mあたりからは前へ進出し、後続を1馬身半ほど離したまま1着。距離延長もものともせずの連勝を飾り、B級に昇級となった。
半月後の12月15日、B級・1500m戦「さといも賞」(B8組)に出走。B級昇級初戦ながら、これまでの勝ちっぷりが評価されたか1.2倍の圧倒的1番人気を背負う。スタートから外目3番手につけ3コーナーから進出開始、最終直線では一気に突き放し、上がり最速で突き抜けながら、最後は持ったままでゴールイン。人気に応える強い勝ち方で3連勝となった。
4歳(2024年)
地方3勝により中央への出戻り条件を達成したこともあり去就も注目されたが、引き続き元日、1/1の名古屋の1700m一般戦「B4組」への出走となった。ただ、これまでの鞍上の岡部誠騎手は騎乗馬が被り、先約のブルーゴールド号に騎乗。ハッピーミークには女性騎手、木之前葵が騎乗することとなった。馬主の山口氏までも「今回は葵トレーナー、ではなく木之前葵騎手に」と発言しウマ娘界隈がざわつく中、しかし乗り替わりを不安視されたか4.5倍の3番人気に落ち着く。レースでは岡部騎乗のブルーゴールドと競り合いながら進出するも、最終直線で一気に突き放されて4馬身差2着。テン乗りで2着、それも負けた相手も現状の主戦騎手であり、現状でミーク自身の地力も成長している事がうかがえる結果となった。
次走は1/16の1500m「B4組」。鞍上は再び岡部騎手。
同日、船橋競馬場ではウマ娘とのコラボが行われており、レースもウマ娘関連のレース名ばかりの裏での出走となりひときわ注目も集まったのか、或いは「前走2着と好走」「相手の格は変わらず」「岡部騎手が戻ってきた」という評価の結果か、ついに単勝1.1倍の圧倒的1番人気を背負って出走。(倍率確定までの僅かな間だが1.0倍になっていたタイミングすらあった)
レースはスタートからハナを主張し、逃げて4角で突き放すという強い競馬を見せ、最後流す余裕まで見せつけての1着。
次はこれまでより少し間を開けて、2/12開催の1700m「ぎょしゃ座特別(B級1組)」。出走全頭が前走1着という強いメンバーが揃うなか、堂々と1.4倍の1番人気を背負い出走。
レースでは堂々と好位から抜け出し、最後は後続から2番人気ローザキアーロが猛追して詰め寄るも、これを半馬身振り切って勝利。ついにAクラスの昇格条件を満たした。
3/5は再び笠松遠征を予定(A2「チェリーブロッサム特別」、補欠で地方重賞SP1「ブルーリボンマイル」への出走登録)していたが見送り、3/14の地方交流重賞・SP1「若草賞土古記念」への出走へと舵を切った。ついに初の重賞参戦となったが、流石に地方交流ともなれば一気に相手も強化。地元勢は昨年の東海ダービーをキャリア無敗で制し、いまだ9戦負け無しのセブンカラーズが筆頭。遠征勢は上記「ブルーリボンマイル」を勝って連闘で乗り込んできた大井のグレースルビーなどが顔を揃えた。そんな中でハッピーミークは5番人気。岡部騎手がジュランビルに騎乗するため、岡部騎手と同じく角田輝也厩舎に所属する若手騎手の細川智史に乗り替わっての出走となった。
周りは重賞戦の実績持ちばかりの中でBクラス戦からの挑戦者、しかも岡部騎手の同厩とはいえテン乗りという不安要素も絡んだため、5番人気でもウマ娘人気補正等でだいぶ持ち上げられてる方と言わざるを得ない、という中での出走となった。
レースは終始5番手あたりを追走。4コーナーではやや手応え悪く見えたが、最後は上がり3位の足で再び伸び、5着に食い込んだ。最後に脚色の鈍ったセブンカラーズ(4着)には半馬身まで迫るという底力も発揮。
格上だらけの重賞初挑戦で掲示板に食い込むという大健闘であり、次への期待を持たせる一戦になった。
3/28にはA5級の1500m「萌芽特別」へと出走。鞍上も岡部騎手に戻った。セブンカラーズに迫ったパフォーマンスを評価されたか、ここではダントツ1.4倍の1番人気を背負う。水が浮く程の不良馬場で行われたレースとなったが、逃げる先頭馬の2番手にピッタリつけ、最終直線で一気に突き抜け、6番人気サンマルエンパイアの追撃を3/4馬身振り切って1着。ついにAクラスでの勝ち星を手にした。
この結果を受けて山口オーナーは自身のXアカウントにて「ここまできたら中央に戻るよりも、名古屋で地方重賞を目指したい」と名古屋所属馬としてのキャリア継続を表明。地方重賞戦線への本格参戦を狙って直近の重賞レースへの出走を複数予定していた。
が、いずれも実際には出走せず取りやめとなりしばらく音沙汰無しとなった。
後に山口オーナーがXでミークの状況を尋ねられた所「蹄を悪くして休養に入っていた」との回答を返している。
約4ヶ月に渡る治療と休養の後、8/1の笠松競馬場の重賞「撫子争覇」に出走。
笠松や名古屋で既に重賞勝ちを収めている実力馬揃いの中、ハッピーミークは前走より16kg増という重め残しの調教ながらも、前走の好走を評価されたか4番人気に推される。
レースでは10番人気のヒナアラレが好スタートを切ってハナを取られたことから、得意とする逃げではなく前方3番手から様子をうかがう展開となるも、やはり16kg増が響いたのか第4コーナーからの追切りで伸び切れず、ミークの後方4番手につけていた3番人気のペップセに差し切られての3着という結果に終わった。
今回も初重賞制覇は逃したものの、山口オーナーはXアカウントにて「地方ダート重賞3着までに入ると、ブラックタイプ太文字(※)になるようなのでお母さんになってから箔がつきます。」と評価し、今後も地方重賞への挑戦続行を表明した。
(※牝馬が引退後に繁殖牝馬となり、産まれた仔馬がセリに出されたりすると、セリ名簿や一口馬主カタログに記載されるその仔馬の牝系図で、ブラックタイプ競争と呼ばれるグレード競争及びリステッド競争の優勝牝馬は太ゴシック体で、2着馬・3着馬も中ゴシック体で表記されるようになり、生産馬の血統表や近親馬の中に太ゴシック体表記の牝馬が多いほど良血統と評価される)
3週間後の8/21、名古屋に戻って1500mのA4「安城特別」に出走。前年11月の「ぷーりん生誕22周年」で敗れたイストロスが出走する中、ハッピーミークは名古屋での今までの強さが評価されたか単勝1.4倍の1番人気となった。
スタートからイストロスがハナを取る展開でハッピーミークは好位3番手をキープ。3コーナーから進出を開始すると、4コーナーから最後の直線にかけて粘るイストロスとの叩き合いを制し、半馬身差で8つ目の勝ち星を挙げた。
9/5の地方重賞「秋桜」に出場したが7着、地方デビュー以降初の着外負けに終わる。この結果からか以降は慣れ親しんだ1400m~1500mのマイル戦に加え、スプリント戦にも出走するようになる。
9/19の朱文金特別は2着、10/21のダリア特別は4着とAクラスのマイル戦で入着を続けた後、鮑(あわび)特別で2か月ぶりの勝利を飾る。初の1000m未満の短距離戦だったが、スタートダッシュを上手く決めて最後まで先頭で走り続けるという快勝ぶりを見せた。
11/17には金沢競馬の地方重賞「徽軫賞」で再び重賞に挑むが、こちらは3着。1着のレイジーウォリアーとは撫子争覇で先頭争いをした以来の再戦であり今回も中盤は先頭争いを繰り広げたが、最後は一気に振り切られる形となった。
余談
予言?
名古屋へ転厩してから快進撃が続くハッピーミークだが、その元ネタであるウマ娘のミークも、名古屋とネタを関連付けやすい要素が豊富。
- ウマ娘のwebアニメ「うまゆる」の2022/11/27は頭文字Dのパロディを軸にしつつハッピーミークを登場させた回だった。ハッピーミークは翌年に名古屋競馬へ転厩して覚醒したが、名古屋のある愛知県といえば自動車メーカーTOYOTAのお膝元である。なおうまゆるではミ-クは86のゼッケンをつけていたが、元ネタは頭文字Dの主人公が駆るTOYOTAのAE86なのは言うまでもない。
- ウマ娘のハッピーミークは水族館が好きだが、名古屋には名古屋港水族館が存在する。
- 名古屋競馬には木之前葵騎手が所属しており、2024年元日には実際にハッピーミークの鞍上を務め、山口オーナーも名前ネタをXで語っている。
地方に転属にあたって山口オーナーが名古屋を選んだ理由はこれらの要素がいくつかあったかもしれないが、その結果ミークが覚醒に至ったのは数奇な運命というか、やっぱりCygamesに予言者がいるんじゃないか疑惑が深まる…かもしれない。
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