プロフィール
概要
ドルチェモアは日本の競走馬である。
馬名はイタリア語で「甘い」を意味するDolce+「もっと」。父ルーラーシップ、母アユサン(2013年桜花賞馬)、母父ディープインパクト。
戦績
2歳時代(2022年)
2022年8月20日に札幌競馬場で行われた2歳新馬戦でデビューし、1番人気に推された。レースでは横山和生騎手を背にスタートを決めて先手を取りそのまま危なげなく逃げ切り、ランフリーバンクスに3馬身差をつけ優勝した。
続いて同年10月8日に東京競馬場で行われたサウジアラビアロイヤルカップに出走。
競走では、確たる逃げ馬不在の少頭数戦からグラニットが大逃げを打つ展開となり、本馬は、グラニットから離れた2番手で競走を進め、直線を迎えるとグラニットを強襲した。上がり3ハロン33秒4の末脚を繰り出して逃げ粘る同馬をゴール前でを交わし、これに1馬身1/4差をつけ優勝。重賞初制覇を果たした。
同年12月18日には、新たに坂井瑠星を鞍上に迎え、阪神競馬場で行われた朝日杯フューチュリティステークスに出走し、ここでも1番人気に推された。
直線半ばで先頭に立つと、後続の追い上げを振り切り優勝。これでデビューから無傷の3連勝となった。
この勝利の瞬間、生産した下河辺牧場は「じょーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」という理解を超えたツイートで喜びをあらわにしたうえで、同じくルーラーシップ産駒で、本馬の前に生産したGⅠホースのキセキにも重ねて、「ルーラーシップの銅像建てるしかないな…笑」と投稿した。
この3連勝が評価され、2022年度のJRA賞最優秀2歳牡馬に選定された。
また、この年のホープフルステークスも同じくスリーエイチレーシングが所有するドゥラエレーデが制している。
3歳時代(2023年)
ところが、3歳となったドルチェモアは大スランプに嵌りこんでしまった。
当初はNHKマイルカップへ直行することを表明していたが、急遽その前哨戦に位置するニュージーランドトロフィー(NZT)で叩くことに。しかし、前走で騎乗した坂井騎手が海外での騎乗予定があったため、横山和生騎手との再タッグとなったものの、単勝1.7倍の断然1番人気に推された。
しかし、返し馬やゲートに入る直前に激しく競馬を渋るような仕草を見せ、レースも好スタートで先頭に立ったはいいものの、全くペースを緩めきれず直線で失速し7着に敗れた。横山和生騎手は「ゲートの雰囲気や、ゲートを渋ったり、休み明けの分なのか気持ちが違った。馬なりで出てしまって、ハナに行ったが、あれ以上下げられなかった」とコメントし、メンタル面の問題を指摘した。
当初はNHKマイルカップ本番まで横山和生騎手とのコンビ継続が予定されていたが、この敗戦を受けてか岩田望来騎手への乗り替わりが発表され、その後三浦皇成騎手と本番ではタッグを組むことになった。
競馬前にゲートを渋り、スタート後は道中雨馬場でハイペースになったところを中団から追走するも、直線に入る手前から手応えを早々と失ってコーナーから押され出す有り様で、見せ場なくシャンパンカラーの12着に大敗した。
春最終戦となった安田記念では、朝日杯を制した坂井騎手との再タッグを組むも、大敗続きが評価されず単勝17番人気での出走となった。
レース本番でも先行勢を追走しながらコーナーを過ぎたあたりで急失速し、直線では追われていないにもかかわらず真っ直ぐ走りきれない状態で、17着だったナランフレグから6馬身離されるシンガリ負けを喫した。
秋初戦は変わり身を期待して1200mのセントウルステークスに池添謙一騎手とともに参戦するも、鞍上いわく「ギアが上がっていかず」13着に敗北。
続けて西村淳也騎手との新コンビで迎えたスプリンターズステークスでは、やはり他のレースと変わらずゲートに入るところで係員に向かって尻っ跳ねするなど競馬を嫌がる仕草を見せ、レースでもトップスプリンターのスピードについていけずまたしても二桁着順の12着に敗れた。
それでも、鞍上の西村騎手は「最後まで一生懸命走っていましたし、よく頑張っていたと思います」とコメントし、次走への期待を寄せた。
このレースを最後に10月18日付で美浦の上原佑紀厩舎に転厩。環境の一新で再起を図ることとなった。
転厩後の復帰戦として中日新聞杯が選ばれ、団野大成騎手との新コンビで、マイル路線から見て距離延長となる2000m、いわゆる中距離レースにキャリア初挑戦。
レース本番では、久々に好スタートを切り、先行に位置取りをするもそのまま馬混みから抜け出せないまま17着と惨敗。キャリア2度目のシンガリ負けを喫する屈辱を味わった。
3歳は同レースで終了。だが、2歳時は3戦3勝という圧倒的な成績を記録しながら、3歳は掲示板入りどころか、出走したうちの1戦以外は、2度のシンガリ負けを含め、二桁着順と低迷。さらに距離短縮や延長、栗東から美浦という思い切った転厩も効果を発揮せず、袋小路に入っている様子となっている。
4歳時代(2024年)
4歳はマイル戦の京都金杯で始動。鞍上は団野大成騎手の続投となった。
本番は18頭立ての16番人気で出走。レースでは後続を突き放す大逃げを敢行。直線では十分なリードがあったものの、後続に追いつかれた途端急激に減速しまたもや最下位18着のシンガリ負けとなった。
憶測の範囲で心理面に問題があるのではと言われていたが、同レースへ向けての追いきりに関するコメントにて「競馬では最後でやめることを覚えてしまっているようなので、気持ちが前向きになるように調教を工夫してきました」とし、公式コメントで課題があることが明らかとなっており、復調には課題が残っているようである。
関連タグ
キセキ(競走馬):2017年菊花賞馬。同じ下河辺牧場生産、母父ディープインパクトのルーラーシップ産駒。
サリオス:2019年朝日杯制覇をし、ローテも新馬戦→サウジアラビアRC→朝日杯と全く同じ。