概要
JRA中山競馬場で4月上旬に行われる3歳限定の重賞(GⅡ)。
1971年にニュージーランドの「ベイオブプレンティレーシングクラブ(現・レーシングタウランガ)」から優勝杯の寄贈を受けたことに伴い、交換競走として行われた「ベイオブプレンティレーシングクラブ賞グリーンステークス」が本競走の前身で、いわばオープン戦だった。
1983年に4歳(現3歳)馬限定の「ニュージーランドトロフィー4歳ステークス(ニュージーランドトロフィーよんさいステークス)」の名称で重賞に昇格。翌1984年のグレード制導入ではGⅢに格付けされ、1987年よりGⅡに昇格。
2001年より馬齢改正によって現名称・『ニュージーランドトロフィー』として現在に至る。
創設時は東京競馬場の芝1600mで5月に行われており、当時規定により牡馬牝馬クラシックに出走できなかった外国産馬の4歳春の最大目標とされ、『マル外ダービー』と称されたほどだった。
1996年に同距離のGⅠ・NHKマイルカップが創設されると本競走はNHKマイルカップのトライアル戦に指定され、施行時期を4月下旬に移設のうえ距離も芝1400mに短縮された。
そして2000年には施行場を中山競馬場に、距離を芝1600mに変更のうえ、NHKマイルカップの施行が5月初旬に変更となったため、施行時期も4月上旬に繰り上げられた。
前述のマル外ダービーと称された頃の主な優勝馬にはシンコウラブリイ、トーヨーリファール、ヒシアマゾンといった外国産馬が多くいるが、クラシック登録をしていなかったオグリキャップもこのレースを優勝している。NHKマイルカップトライアルレースとなってからはファビラスラフイン、シーキングザパール、エルコンドルパサーといった強豪が優勝しており、スーパーGⅡといっても過言ではなかった。
しかし、中山移設後は2000年優勝のエイシンプレストンや2013年優勝のカレンブラックヒル、2019年優勝のワイドファラオ、2021年優勝のバスラットレオンぐらいしか後のGⅠ優勝馬を輩出できておらず、このレース優勝後にNHKマイルカップを制したのも前述のカレンブラックヒルのみで、レースレベルの低下がみられた。
そのため、2019年及び2020年のレースレーティングが2年連続で3歳GⅡの格付基準(110ポンド)を満たさなかったことにより日本グレード格付け管理委員会から警告を受けており、2022年のレーティングが格付基準よりも3ポンドを超えて下回った場合、GⅢへの降格が審査されることになってしまっている(ただし、この2年間は新型コロナウイルスの世界的感染の影響もあり、降格とはならずに警告の保留が行われている)。しかし2023年に3着のシャンパンカラーと2着のウンブライルがNHKマイルカップでワンツーを決めたことによりレーティングが前3年平均の106.25ポンドから113ポンドへと急上昇し、当面の窮地は脱した状況にある。
競走条件
出走資格:サラ系3歳牡馬・牝馬
JRA所属馬
地方競馬所属馬(後述)
外国競走馬(優先出走)
負担重量:馬齢(牡馬56kg、牝馬54kg)
優先出走権付与
NHKマイルカップのステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬はNHKマイルカップの出走候補馬(3頭まで)が出走可能[11]なほか、JRAの3歳芝重賞競走の優勝馬および2歳GI競走の優勝馬にも出走資格が与えられる。
JRA所属馬は3着以内の馬に優先出走権が与えられる。
関連項目
NHKマイルカップトライアル
アーリントンカップ - こちらは関西で行われるGⅢ。