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概要編集

正式名称は「報知杯弥生賞ディープインパクト記念」。競走名の『弥生』は旧暦の3月を表す。旧称は単に『弥生賞』だった。

中山競馬場で開催される3歳限定・芝2000mの重賞レース(GⅡ)である。


1970年から報知新聞より寄贈賞の提供を受けている。なお、報知新聞は1990年スポーツ報知に通称を変更している。


三冠クラシック競走の初戦である皐月賞に駒を進める為のトライアルレース。

一応牝馬も出走できる競走ではあるが、創設以来牝馬が当レースを制したことは一度もない。


古くより3歳クラシック競走の登竜門的レースとして認知されており、勝ち馬にはその多くが後の皐月賞日本ダービー菊花賞のいずれかを優勝しており、ハイセイコーは地方・大井からのJRA移籍初戦がこのレースであった。とりわけミスターシービーシンボリルドルフディープインパクトは後に牡馬三冠を制している。

中でもディープインパクトは無敗の三冠を達成したのみならず、種牡馬としても国内外に多くの実績を残した。


2019年にJRAは急死したディープインパクトの活躍を称え、翌2020年より弥生賞ディープインパクト記念に名称変更することを決定した。

なお、「なんでルドルフじゃなくてディープなの?」という疑問の声も上がったが、ルドルフはシンボリという冠名がついているため、JRAの方針でレース名に採用することは出来なかったようだ(地方では笠松の「オグリキャップ記念」「ライデンリーダー記念」や道営の「コスモバルク記念」など、主催者により対応が異なる)。

競走条件編集

出走資格:サラ系3歳

JRA所属馬

地方競馬所属馬

外国調教馬(優先出走)

負担重量:馬齢重量(牡・せん56kg、牝馬54kg)

優先出走権付与編集

皐月賞のステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬は皐月賞の出走候補馬(2頭まで)およびJRAの2歳GI競走優勝馬に優先出走が認められる。

JRA所属馬は、上位3着までに皐月賞への優先出走権が付与される。


余談だが、3歳春季のクラシックトライアルであるため、仮にフルゲートを割った場合は未勝利・未出走馬でもルール上、出走は可能である。しかし、収得賞金が0では優先出走権は認められないため、未勝利の場合は収得賞金が入る着順(2着)までに入らなければ優先出走権を確保することは出来ない。また、これは青葉賞などの他の春季クラシックトライアルでも同様である。


年表編集

1964年(第1回):これまで施行されていた「東京記念」を改称する形で「弥生賞」として創設。

1970年(第7回):報知新聞社より寄贈賞の提供を受け「報知杯弥生賞」に変更。以降、『弥生賞』は略称として定着する。

1982年(第19回):この年から上位5着までに皐月賞の優先出走権を付与。

1983年(第20回):グレード施行(GⅢ)、現行の距離(2000m)に変更。

1987年(第24回):GⅡに格上げ。

1991年(第28回):皐月賞への優先出走権が現在の上位3着までに変更。

1995年(第32回):「皐月賞トライアル」の副称が付く。

2004年(第41回):コスモバルクが地方馬として初勝利。

2005年(第42回):ディープインパクトが勝利

2007年(第44回):日本のパートⅠ国昇格に伴い、格付けをJpnⅡに変更。

2010年(第47回):格付けをGⅡ(国際G2)に変更。

2018年(第55回):ヘヴィータンクが未出走馬として出走(未出走馬の3歳重賞出走は史上初)。

2020年(第57回):名称を「報知杯弥生賞ディープインパクト記念」に変更。新型コロナウイルスの影響により無観客競馬として開催。

2021年(第58回):無観客競馬として開催。


歴代優勝馬編集

太字は後の3歳クラシック及び古馬GⅠ級優勝馬。

昭和編集

1964年(第1回)トキノパレード ※第1~5回は芝1600m

1965年(第2回)キーストン

1966年(第3回)タマシユウホウ

1967年(第4回)アサデンコウ

1968年(第5回)アサカオー

1969年(第6回)ワイルドモア ※ダート1400m

1970年(第7回)タニノムーティエ ※ダート1600m

1971年(第8回)メジロゲッコウ ※第8~20回は芝1800m

1972年(第9回)ロングエース

1973年(第10回)ハイセイコー

1974年(第11回)カーネルシンボリ

1975年(第12回)カブラヤオー

1976年(第13回)クライムカイザー

1977年(第14回)ラッキールーラ

1978年(第15回)ファンタスト

1979年(第16回)リキアイオー

1980年(第17回)トウショウゴッド

1981年(第18回)トドロキヒホウ

1982年(第19回)サルノキング

1983年(第20回)ミスターシービー

1984年(第21回)シンボリルドルフ ※この年以降芝2000m

1985年(第22回)スダホーク

1986年(第23回)ダイシンフブキ

1987年(第24回)サクラスターオー

1988年(第25回)サクラチヨノオー

平成編集

1989年(第26回)レインボーアンバー

1990年(第27回)メジロライアン

1991年(第28回)イブキマイカグラ

1992年(第29回)アサカリジェント

1993年(第30回)ウイニングチケット

1994年(第31回)サクラエイコウオー

1995年(第32回)フジキセキ

1996年(第33回)ダンスインザダーク

1997年(第34回)ランニングゲイル

1998年(第35回)スペシャルウィーク

1999年(第36回)ナリタトップロード

2000年(第37回)フサイチゼノン

2001年(第38回)アグネスタキオン

2002年(第39回)バランスオブゲーム

2003年(第40回)エイシンチャンプ

2004年(第41回)コスモバルク

2005年(第42回)ディープインパクト

2006年(第43回)アドマイヤムーン

2007年(第44回)アドマイヤオーラ

2008年(第45回)マイネルチャールズ

2009年(第46回)ロジユニヴァース

2010年(第47回)ヴィクトワールピサ

2011年(第48回)サダムパテック

2012年(第49回)コスモオオゾラ

2013年(第50回)カミノタサハラ

2014年(第51回)トゥザワールド

2015年(第52回)サトノクラウン

2016年(第53回)マカヒキ

2017年(第54回)カデナ

2018年(第55回)ダノンプレミアム

2019年(第56回)メイショウテンゲン

令和編集

2020年(第57回)サトノフラッグ

2021年(第58回)タイトルホルダー

2022年(第59回)アスクビクターモア

2023年(第60回)タスティエーラ

2024年(第61回)コスモキュランダ


関連項目編集

皐月賞

スプリングステークス 若葉ステークス - 皐月賞トライアル。とくにスプリングステークスは牡馬三冠馬ではシンザンナリタブライアンオルフェーヴルが出走しており、本レースと比較される。

JRA GⅡ 競馬 中山競馬場 スポーツ報知 読売新聞


スポーツ報知及び親会社の読売新聞提供のJRA重賞編集

フィリーズレビュー - スポーツ報知

マイラーズカップ - 読売新聞


ちなみにスプリンターズステークス1974年から1982年まで読売新聞より寄贈賞の提供を受けていた。

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