明日への希望
ここはただの通過点
見すえるものは
はるか未来にある
けれどもいまは
希望に満ちたこの一瞬を
拍手で迎えてほしい
喝采で彩ってほしい
その歓声をわたしは
より輝く明日へ向けて
進むための力としよう
≪「名馬の肖像」2018年ホープフルステークス≫
生い立ち
2006年3月、北海道のノーザンファームで誕生した。
父は二冠馬ネオユニヴァース、母アコースティクス、母の父がケープクロスという血統。
素質はあったが脚が曲がっており、全く買い手がつかなかった。
最終的に久米田正明氏に庭先取引で購入され、彼の馬となる。
それから2年後、2歳になったロジユニヴァースは美浦の萩原清調教師の厩舎へ入厩した。
この時、冠名の「ロジ」と父ネオユニヴァースの名前をもじって「ロジユニヴァース」と名付けられた。
そして7月の新馬戦で華々しくデビューし、見事デビュー勝ちを飾った。
その後も、GⅢ札幌2歳ステークスやGⅢラジオNIKKEI杯2歳ステークスでも勝利し、重賞2勝を挙げる。特にラジオNIKKEI杯2歳ステークスでは、4馬身もの差をつけての完勝であった。
年明け初戦、皐月賞トライアルのGⅡ弥生賞でも2馬身半の差をつけて勝利し、重賞3勝を挙げた。
しかし、本番の皐月賞では1番人気に推されながら14着と大敗してしまう。勝ったのは同じネオユニヴァース産駒のアンライバルドだった。
それでも重賞3勝馬の意地を見せるため、意気揚々と日本ダービーへ向かった。
そして、日本ダービー当日。
大雨の降りしきる不良馬場であり、「田んぼ」と揶揄される程ドロドロな馬場でのレースとなった。前走での敗退のせいか、ロジユニヴァースは単勝オッズ7.7倍の2番人気に甘んじる事となる。
が、レースでは3番手ぐらいの位置につけ、好機を逃さず先頭に立つ。
そのまま2着のリーチザクラウンに4馬身もの差をつけ、見事ダービー馬の称号を手に入れた。
父ネオユニヴァースとの父仔2代にわたるダービー制覇、さらにはサニーブライアン以来12年ぶりに関東馬がダービーを勝利するという、2つの偉業を同時に達成した。
そして、この勝利は鞍上の横山典弘騎手にとって初のダービー制覇でもあった。
サラブレッドとして、最大の栄誉に輝いたロジユニヴァース。
それ以降もダービー馬として、華々しく生きていくはずだった。そう、そのはずだったんだよ・・・
夏場は一旦休養し、9月に帰厩したが、疲労により復帰に時間がかかる事に。
その後GⅠジャパンカップに出走する予定だったが、追い切りで筋肉痛を発症しレースを回避。
次の有馬記念も回避し、結局ダービーからは1戦も使われないまま3歳シーズンを終えた。
その後、ダービー制覇が評価され09年のJRA最優秀3歳牡馬に選出された。
という訳で、古馬となったロジユニヴァースはGⅡ日経賞に出走。
実に10ヶ月ぶりのレースだったが、単勝オッズ3.0倍の1番人気に推された。
しかし、ロジユニヴァースはその期待を裏切り6着と惨敗。
更に、出走予定だった天皇賞(春)は調子が整わないため回避され、次のGⅠ宝塚記念でも13着と完敗した。
また、次走のGⅡ札幌記念では一時は先頭に立つも、アーネストリーにかわされ2着に敗れた。
その後のロジユニヴァースは、出るって言うと、出ないって言う。
出るって言うと、出ないって言う。
出るって言うと、出ないって言う。
こだまでしょうか?いいえ誰でも。
・・・話を元に戻すが、とにかくロジユニヴァースはレースに出なくなった。
上記のように、出走登録したかと思えばやっぱりそれをやめて放牧に出され~の繰り返しだったのである。
生来の曲がった脚と、ダービーでのドロドロ馬場を突っ走ったツケが回ってきたか、全く調子が整わなかったらしい。
結局、ロジユニヴァースは全く走る事なく2011年を終える事になった。
そして彼が最後に出走してから2年後、2012年のGⅡ札幌記念の出走表にはある馬の名前があった。
他ならぬ、ロジユニヴァースその馬であった。
なんと、実に2年ぶりにロジユニヴァースはレースに出される事になったのである。
7番人気と低人気だったが、競馬ファンの間にはダービー馬、ロジユニヴァースの復活を望むものも多かっただろう。
そして、レースが終了。ロジユニヴァースは、出走馬14頭中14着。まさかのビリッケツである。
しかも13着のアクシオンに「大差」、つまり11馬身以上もの差をつけられての完全敗北。あまりにも残酷な結果となってしまった。
結局、その後一度も走る事が無いまま2013年10月30日付で競走馬登録を抹消し引退、種牡馬入りした。
優駿スタリオンステーションにて種牡馬生活を送っていたが、2023年11月26日よりYogiboヴェルサイユリゾートファームへと移動となった。ただし種牡馬としては継続して使う予定との事。
競走成績
2歳時
2歳新馬 1着
札幌2歳ステークス(GⅢ) 1着
ラジオNIKKEI杯2歳ステークス(GⅢ) 1着
3歳時
弥生賞(GⅡ) 1着
皐月賞(GⅠ) 14着
東京優駿(GⅠ) 1着
4歳時
日経賞(GⅡ) 6着
宝塚記念(GⅠ) 13着
札幌記念(GⅡ) 2着
6歳時
札幌記念(GⅡ) 14着
現成績 10戦5勝
5-1-0-4