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データ編集

性別
生没年2020.4.24-(4歳)
血統父:ドゥラメンテ/母:モアザンセイクリッド(by More Than Ready)
毛色青鹿毛
オーナーキャロットファーム
調教師尾関知人(美浦)
生産者ノーザンファーム

概要編集

生い立ち編集

父親は2015年に皐月賞日本ダービーを制したドゥラメンテ。競走馬としては怪我で早期引退に追い込まれ、種牡馬になった後早逝してしまったが、遺された数少ない産駒から破竹の勢いでGI馬を輩出している

母のモアザンセイクリッドはニュージーランドオークス(G1)など重賞3勝を挙げ、繁殖牝馬として日本へ輸入された。ドゥレッツァはその4番仔である。なお、モアザンセイクリッドは彼が1歳の時にミックスセールで売りに出され、現在はオーストラリアに帰国している。

セリには出ず、キャロット所有で1口10万×400口、計4000万で募集された。

馬名の由来は、「激しさ、厳しさ」という意味の音楽用語と父ドゥラメンテからの連想。


競走馬時代編集

2歳(2022年)編集

尾関知人厩舎へ入厩。


9月3週に中山(芝2000m)でクリストフ・ルメール騎手を背にデビューするが、3着に敗れる。この時の1着は条件戦で足踏みする状況となってしまうが、2着は翌年のプリンシパルステークスの勝ち馬となったパクスオトマニカだった。

2戦目として11月にルメール続投で東京芝2000mの未勝利戦に出走し、後の重賞馬のサトノグランツを下して勝ち上がる。その後、12月の2歳戦へ向かわず休養に入る。


3歳(2023年)編集

オープン入りを目指す日々編集

復帰戦は1月を予定していたが挫石で回避。結局レースに戻ったのは4月第1週の3歳1勝クラス戦の山吹賞。このレースではルメール騎手から横山武史騎手に乗り替わるが、6頭立ての少頭数もあり単勝1.7倍の圧倒的な1番人気。レースは末脚勝負となり、作戦通りに直線で1頭だけ33秒台のアガリを記録する伸びで突き抜け、1馬身の着差以上に余裕のある勝ち方で2連勝を飾る。レース後、陣営からダービートライアルへ向かうことも検討したいというコメントもあり、日本ダービー出走を期待する声も出た。

しかし、ダービー出走を目指す場合、収得賞金の兼ね合いから、優先出走権のあるレースで権利を獲得しないと難しいことに加え、それを選択した場合、ローテーションが厳しくなることから、秋戦線を見据え、夏競馬も含めたオープン入りを優先することとなった。


次のレースは、ダービー翌週の3歳以上2勝クラス戦のホンコンJCT(ホンコンジョッキークラブトロフィー)。鞍上はルメール騎手に戻り、初の古馬相手ではあったが単勝1.3倍とオッズでは圧倒。レースは今回も直線の瞬発力勝負となる。直線入口の時点で前とかなり離されていたが、上がり3ハロン32秒7というとんでもない末脚で差を詰め、きっちり1馬身差し切って勝利。3連勝を飾る。


約2ヶ月の間隔を空け、今度は新潟に転戦し、8月の3歳以上3勝クラス戦の日本海ステークスに出走。ここには同じ3歳で京都新聞杯2着のダノントルネードもいたが、本馬が1番人気に支持される。なおこのレースは戸崎圭太騎手が騎乗。

このレースは2枠4番の内枠もあって終始内々での競馬。4コーナーも最内で回り、直線入り口で馬群がばらけた隙を突いて馬場の真ん中に持ち出す。ここから伸びて先行集団からは抜け出したが逃げた2頭がまるで止まらず、脚色が同じになったかと思われたが残り100mでさらにギアが上がり前を急追。ギリギリの競馬にはなったが半馬身差し切って勝利。未勝利戦から4連勝でオープン入りを果たした。


次走については一旦未定となっていたが、10月5日、馬主から鞍上ルメール騎手で菊花賞へ向かうことを発表。前哨戦なしで直行、しかも重賞初挑戦がクラシック最後の1冠を賭けたものとなる。


菊花賞~33年ぶりの重賞初挑戦での菊花賞制覇~編集

皐月賞馬ソールオリエンス、ダービー馬タスティエーラ神戸新聞杯レコード勝ちのサトノグランツが三強の様相を呈する中、本馬は上がり馬ではトップとなる単勝7.3倍の4番人気に支持される。ここまでの戦歴からドゥレッツァなら好走でき、最後の直線での瞬発力勝負となれば勝算はあるかもしれないが、それ以外の展開では厳しい戦いになると思われていた。


あまりありがたくない大外17番から発走。スタートはまずまずだったが最初の3コーナーを待たずに外から一気に進出、ハナを奪っていくというこれまでにない戦法を取る。一か八かの逃げの勝負かと思われたが、2コーナーあたりでスッと3番手に下げて馬の後ろに入れた。垂れたのかと思いきや馬はまだまだ余裕であり、これでハナ争いが押し出し合いになったことで、1000m~2000mの通過タイムは64秒1と一気にスローダウンしていたのである。

ペースを牛耳って息も入り、2番手で直線に突入。逃げ馬を悠々と抜き去って、あとはここまで勝利を勝ち取ってきた上がりの末脚勝負。3番手から上がり最速を発揮されては後続も為す術がなく、2着タスティエーラに3馬身半差をつけてゴールイン(3着はソールオリエンス)。圧巻の5連勝かつ、1990年のメジロマックイーン以来33年ぶりとなる重賞初挑戦での菊花賞制覇を成し遂げた。

加えてソールオリエンス(キタサンブラック産駒)、タスティエーラ(サトノクラウン産駒)とは父親が同期のライバル同士であり、その産駒がクラシック三冠を分け合う形となった。


菊花賞の数日後、香港国際競走の予備登録馬の名が発表され、そのうち香港ヴァーズに選出された。しかし、馬体を休めることを優先し、選出を辞退し年内は休養することを表明。同時に有馬記念へ向かわないことも確定。3歳シーズンは出走したレースを全勝という成績で終えることとなった。


4歳(2024年)編集

初戦に関してだが、日本馬が毎年参戦しているドバイワールドカップデーのレースの予備登録を行っていないことから、ドバイへ向かわない見込みという情報以外は未定であったが、2月に入ると馬主から3月の金鯱賞で始動して4月の天皇賞(春)を目標とする予定が発表された。


迎えた金鯱賞では単勝1.9倍の1番人気に支持され、レース本番では道中は中団で脚をため、直線は外に出して追い上げたものの、プログノーシスの瞬発力に屈し5馬身もの差をつけられ2着に。これにより連勝記録は5でストップ、新馬戦以来の黒星となった(それでも複勝率100%は維持している)。敗因についてルメールは「3000mと2000mではリズムが違いました」としながら「道中はずっといい感じで手応えは良かったし、最後は伸びました。今回は休み明けでしたし、次は頑張ってくれると思う」と前を向いた。尾関調教師も「長く脚を使いたい馬で勝ち馬とは距離適性、コース適性の差でしょうね。この馬の良さは見せてくれたし、次につながる競馬はできました」と前哨戦としては合格点を与え、「馬の回復が良ければ天皇賞・春へ向かいたい」と次走での巻き返しに意欲を見せた。


そして、ルメール騎手の負傷により条件戦でコンビを組んでいた戸崎騎手を鞍上に挑んだ春天本番では、昨年度の有馬記念以降、ソールオリエンスもタスティエーラも全く見せどころのないまま負け続きであったことから同世代のレベルが疑問視される中、更なる躍進への期待も込めて、重賞2連勝中で好調続きのテーオーロイヤルと同じく1番人気タイで支持された。


レースでは大きく出遅れもなく好調にスタートを切り、引っ掛かりながらも先頭に位置取りできたものの、第3コーナーに差し掛かった瞬間から右にヨレはじめて徐々に失速、戸崎が懸命にムチを入れても全く反応せず、最終直線では馬群に沈んでテーオーロイヤルの15着とよもやの大惨敗。18頭中1頭が競走取消し1頭が競走中止したため、実質上のブービー負けであった。しかも、同世代で出走していた馬ではスマートファントムの4着が最高で、菊花賞以来の対戦となったサヴォーナとタスティエーラはそれぞれ6着・7着と、同世代全頭揃って全く良いところを見せられなかった。

レース後、京都では最高気温が30℃と真夏並みに気温が高かったのも祟ってか、軽度の熱中症になっていることが判明。更に右第1指骨を剥離骨折しており3カ月以上の休養を要する見込みと診断された。そのため、今回の敗戦を見直す余地はありそうだが、不安要素があったとはいえ、結果だけ見れば、散々な成績で終わってしまった。


その後の近況は不明であったが、剥離骨折と熱中症から回復できたのか、イギリスのGⅠレースインターナショナルステークスへ出走するために英国に向かったことが判明。

シャドーロール装着とルメール騎手を鞍上に挑んだレース本番では先団外目に位置取り追走したが、直線で一時馬群に呑まれてしまい、かろうじて抜け出すも逃げ切り勝ちを決めたシティオブトロイには届かず5着。それでも61kgという斤量を背負っていた上で同斤量の出走馬の中では最先着を果たす等休養明け初戦ということを考慮しても十分健闘して見せた。


帰国後の次走はジャパンカップ

ルメール騎手がチェルヴィニアを選択したことにより、鞍上はウィリアム・ビュイック騎手が務めることとなった。

単勝オッズ16.2倍の7番人気の評価であったがレース本番では先団にてシンエンペラーソールオリエンスらと競り合い一度は先頭に立つも最終直線にてドウデュースに差し切られ、シンエンペラーと2着同着という結果に。3月の金鯱賞以来の連対となった。

その後は前年同様有馬記念参戦を見送り、ノーザンファーム天栄に放牧に出されるが、陣営によると右前脚に腫れが出るなど状態面を考慮して、大事を取ったとしている。


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