誘導
誘導
- 1. 2012年生まれの日本の元競走馬・現種牡馬。本記事にて解説。
- 2. メディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』に登場する、1をモチーフとしたウマ娘。→キタサンブラック(ウマ娘)
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プロフィール
プロフィール
生年月日 | 2012年3月10日(12歳) |
---|---|
英字表記 | Kitasan Black |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | ブラックタイド |
母 | シュガーハート |
母の父 | サクラバクシンオー |
生産者 | ヤナガワ牧場(北海道日高町) |
馬主 | 有限会社大野商事 |
管理調教師 | 清水久詞(栗東トレーニングセンター) |
主戦騎手 | 北村宏司(3歳時)→武豊(4歳以降) |
競走成績 | 20戦12勝 |
総獲得賞金 | 18億7684万3000円(2024年現在歴代第4位) |
主な表彰歴 |
2010年代後半にJRAで活躍した日本の元競走馬・現種牡馬。鹿毛の牡馬で、現役時代は馬体重500kg以上という雄大な体格を誇った。
父はディープインパクトの全兄ブラックタイド、母はシュガーハート(決して佐藤心ではない)。母父は日本最強のスプリンターとも呼ばれたサクラバクシンオー。
半弟として、現役時代のライバルの一頭であったドゥラメンテを父に持つシュガークン(2024年青葉賞勝ち馬)がいる。
主な勝ち鞍は菊花賞(2015年)、天皇賞(春)(2016年・2017年)、ジャパンカップ(2016年)、大阪杯(2017年)、天皇賞(秋)(2017年)、有馬記念(2017年)など。
2017年の天皇賞春秋連覇では春は日本レコード、秋は2000mに短縮されてから最遅タイムで走破した他、史上4頭目の春の天皇賞連覇、史上5頭目の天皇賞春秋制覇(同一年)、史上5頭目のJRAGⅠ7勝、史上6頭目の芝GⅠ7勝、史上7頭目のJRAGⅠ年間4勝、史上4頭目の中央4場GⅠ制覇という記録を残した。
総獲得賞金は世紀末覇王ことテイエムオペラオーの日本記録を更新したが、2020年にアーモンドアイによって更新され、その後の2023年に産駒のイクイノックスがアーモンドアイの記録を更新し、更に2024年にウシュバテソーロがイクイノックスの記録を更新したことで現在は歴代4位(ただし、オペラオーの記録には秋古馬三冠達成によるボーナスは含まれていない)。
ライバルのゴールドアクターとは4勝2敗、サトノクラウンとは5勝2敗、シュヴァルグランとは6勝2敗、ドゥラメンテには3戦全敗と一度も先着できなかった。
競走馬時代
競走馬時代
2015年
1月31日、東京競馬場の3歳新馬戦(芝1800m)で後藤浩輝騎手を背にデビューし1着。
2月22日、東京競馬場の3歳500万下(芝2000m)で北村宏司騎手を背に快勝しデビュー2連勝。
3月22日、スプリングステークスで重賞初制覇。本格化に時間がかかると思われたためクラシックに出走登録していなかったが、陣営は追加登録料を払いクラシック三冠へ挑む。
4月19日、北村騎手の騎乗停止により浜中俊騎手に乗り替わった皐月賞では圧倒的な力を見せたドゥラメンテ、そしてリアルスティールに次ぐ3着と健闘。
5月31日、東京優駿ではドゥラメンテがレコードを叩きだす陰で14着と惨敗する。
9月21日、セントライト記念で重賞2勝目を挙げる。
10月25日、菊花賞に出走。二冠馬ドゥラメンテは怪我で戦線離脱したが、キタサンブラックは東京優駿の惨敗、短距離向きなのではないかという不安(何せ母父サクラバクシンオーである)から5番人気となった。しかし結果は猛然と迫ってきたリアルスティールを振り切って見事1着。キタサンブラック、父のブラックタイド、馬主にとって初のGⅠ制覇となった。東京優駿2桁着順馬の菊花賞制覇はノースガスト以来35年ぶりで、セントライト記念(菊花賞と相性が良くないとされる)勝ち馬の菊花賞制覇はシンボリルドルフ以来31年ぶりとなった。
12月27日、ファン投票で3位に支持され、有馬記念に出走。北村騎手負傷のため横山典弘騎手に乗り替わり、ゴールドアクターの3着。
2016年
北村騎手の復帰が伸びたため、新たな鞍上に武豊騎手が迎えられる。
4月3日、産経大阪杯ではアンビシャスに差され、クビ差の2着。
5月1日、天皇賞(春)ではカレンミロティックとのマッチレースの末、ゴール前で差し返し4cmの差でGⅠ2勝目を挙げる。
6月26日、宝塚記念ではマークがきつくなった中で粘ったが、牝馬マリアライト、そして復帰戦だったドゥラメンテにもアタマ差でかわされ3着となった。なおドゥラメンテはこの後怪我で引退してしまったため、キタサンブラックは0勝3敗のままリベンジの機会を失ってしまった。
10月10日、生涯初の1番人気で京都大賞典を勝利し、重賞5勝目。
11月27日、ジャパンカップも1番人気で圧勝してGⅠ3勝目を挙げる。
12月25日、有馬記念では1歳下のサトノダイヤモンドに敗れクビ差の2着。この年は全レースで馬券に絡んでおり、その安定した成績が評価されて年度代表馬を受賞した。
2017年
4月2日、GⅠに昇格した大阪杯を勝利。
4月30日、連覇のかかった天皇賞(春)ではサトノダイヤモンドへの雪辱を果たし、武豊が『当分破られることはない』と考えていたディープインパクトのレコードを更新。この年に制定されたばかりの春古馬三冠に王手をかける。
6月25日、宝塚記念では1番人気に推されながらも9着と、東京優駿以来の惨敗を喫する。凱旋門賞への挑戦なども白紙となり、夏場は休養する。また秋古馬三冠に挑戦し、それで引退することが決定した。
10月29日、天皇賞(秋)に出走。ゲートに突進してしまい出遅れるが、他の馬は台風による不良馬場の荒れたコース内側を避けていたため、そこを突いて前に出て重馬場の鬼サトノクラウンとの一騎打ちを制して勝利。
11月26日、ジャパンカップではレース中に蹄鉄が緩みゴール後に落鉄したこともあってシュヴァルグランの3着。
12月24日、引退レースとなった有馬記念では完璧な逃げを決めて勝利。2年連続で年度代表馬を受賞し、種牡馬入りした。
北島オーナーは引退に際して「引き際の美学」として次のように語っている。
「キタサンブラックは今なお伸び盛りで、周囲からは来年もまだいけると言われます。私自身も、もう一つぐらい重賞レースで勝てるかもしれないと考えています。しかし、出会ったこの馬が頑張って成績を残し、皆さんがこの馬に親しんでくれている。そう思ったら、本当にいい時に、あいつのためにいい道を決めてやるべきだと思ったんですね。これまでとは違う、あいつの新しい道を皆さんも楽しみにしてくださいという意味で、今年で引退を決めたんです」
2018年
1月7日、京都競馬場で引退式が開催された。
種牡馬時代
種牡馬時代
2018年、社台スタリオンステーションで種牡馬入り。晩成型、そしてステイヤーということから種付け料はGⅠ7勝馬にもかかわらず500万円に設定された。さらに年をまたぐにつれ種付け料は低下し、一時期は300万円まで下がっていた。
2021年、初年度産駒がデビュー。すると、初年度産駒からイクイノックスが春二冠共に2着から天皇賞秋、有馬記念を制覇。翌年も敵無しの活躍を見せGⅠ6連勝で種牡馬入りした。また、ガイアフォースもセントライト記念、ウィルソンテソーロが交流重賞を制している。2年目産駒でもソールオリエンスが皐月賞を勝利して早くもクラシック勝利馬を輩出し、他にも重賞馬ラヴェル、スキルヴィングを輩出している。
さらに産駒の活躍は平地だけに留まらず、障害重賞でもエコロデュエルが勝利しており短距離路線以外のあらゆるレースで縦横無尽の活躍をしている。そして2024年にサトノカルナバルが函館2歳Sを制したことで短距離路線も対応出来るポテンシャルを見せつけた。
これらが評価され、2023年の種付け料は1000万に設定。そして、2024年には2000万に設定され、社台スタリオンステーションの中では最高値に設定された(更に産駒のイクイノックスも初年度種付け料が2000万に設定された)。
産駒は切れ味を持った馬が多く、逃げや先行系はむしろ少ない。そのため、キタサンブラックというよりは同期のライバルだったドゥラメンテに似ていると言われている。
特にドゥラメンテの初年度産駒にして代表産駒であるタイトルホルダーがキタサンブラックを彷彿とさせる逃げを得意とするステイヤーであることからよく引き合いに出されている。
馬主
馬主
サブちゃんこと演歌歌手の北島三郎が社長を務める有限会社大野商事が馬主である。
父のブラックタイドはディープインパクトの全兄であるが、重賞を勝ったものの怪我に悩まされ、戦績が芳しくなかった。
そのためキタサンブラックもデビュー前は推定350万円の安い馬で、実質的なオーナーである北島氏は、その男前な顔立ちに惚れ込んで購入したという。凱旋門賞行きの話にも「可愛い息子を海外へ行かせるのは……」と渋る(その後宝塚記念での敗戦を受けて正式に取り止め)など、大変可愛がっていた。
北島氏は1963年から馬主を続けていたが、GⅠを勝ったのはキタサンブラックの菊花賞が初めてで北島氏は表彰式にて代表曲の『まつり』を熱唱。その後のレースでもしばしば行われ、キタサンブラックの代名詞となった。ラストランの有馬記念終了後の引退セレモニーでは新曲『ありがとうキタサンブラック』も披露された。
最初は格安馬だったキタサンブラックだが、獲得賞金総額は当時のJRA新記録を達成。
馬主と調教師に初のGⅠ勝利をもたらしたことも含めて、孝行息子という渾名もある。
前述の通りサクラバクシンオーの孫に当たるため、長距離適性を疑われていた時期もある。
余談
余談
クラッシャー(破壊者)キタサンブラック?
キタサンブラックは驚異のスタミナと勝負根性を生かして後続馬をバテさせる消耗戦を得意としていた為、キタサンブラックと同じレースを走った馬(特に接戦を演じた馬)達はその後に調子を落としたり怪我をすることが多かった。特にハイパーレコードの2017年天皇賞(春)、とんでもない不良馬場だった2017年天皇賞(秋)はそれが顕著に表れている。そんな中で引退まで大きな怪我をすることなく走り切ったキタサンブラックはレースの出走数が少なくなった近代競馬の中で異彩を放ち、競馬ファン達からの評価を高めている。
ミホノブルボンの再来
春古馬三冠や秋古馬三冠の皆勤など非常に頑丈なことで知られているキタサンブラックだが、本格化以降はさらにハードなトレーニングをこなし続けた。5歳時には並みの馬なら2本でもキツイと言われる坂路調教を3本こなす姿が話題となり、かつて(今よりも距離が短いとはいえ)坂路調教4本を行っていた「ミホノブルボンの再来」、「新・坂路の申し子」などと呼ばれた。
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