概要
日本中央競馬会(JRA)が函館競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GⅢ)である。
重賞としては例外的に、収得賞金0円の未勝利馬・未出走馬でも枠に空きがあれば出走できる2歳GⅢのひとつ。
1969年、3歳(現2歳)限定の重賞「函館3歳ステークス」(函館競馬場芝1200m)として創設。
当初は8~9月に行われていたが、1997年から夏競馬の函館競馬場と札幌競馬場の開催順が入れ替わったため、7月に開催が早まり、現在2歳重賞では最も開催が早い。必然的に、JRAでその世代で最初の重賞馬が決まるレースである。
ただし、必然的に2歳6~7月のかなり早い段階でデビューまで調教を進められた一部の馬しか出走できない。開催が早まった1997年以降では、今のところこのレースを制して後にGⅠ馬まで成長した馬はその1997年の勝ち馬アグネスワールドのみである。また、創設以来、このレースを勝利した馬全頭が、函館、もしくは札幌でデビューした馬だったが、2024年、サトノカルナバルが東京デビューから勝利したことによって、この定説は崩れた。
競走条件
出走資格:サラ系2歳
JRA所属馬
地方競馬所属馬(後述)
外国調教馬(優先出走)
負担重量:馬齢重量(54kg)
ただし、南半球生まれの競走馬は3kgを減量。
地方競馬所属馬の優先出走権
地方競馬所属馬は栄冠賞・「ウィナーズチャレンジ」(2競走)で1着となった馬に、本競走の優先出走権が与えられる。また、本競走で1着となった地方競馬所属馬は阪神ジュベナイルフィリーズ・朝日杯フューチュリティステークス・ホープフルステークスのいずれかに出走資格が与えられるほか、2着以内の成績を収めた地方競馬所属馬は札幌2歳ステークスにも出走できる。
地方競馬所属馬が出走申込を行った場合は、出走申込頭数が4頭以下でも競走の取りやめを行わないことが競馬番組一般事項で規定されている。
年表
1969年(第1回):3歳(現2歳)重賞「函館3歳ステークス」として創設。8~9月開催、函館競馬場芝1200m。
1984年(第16回):グレード制定でGⅢに格付け。
1997年(第29回):函館競馬場と札幌競馬場の開催順入れ替えで、2歳重賞で最初に行われる競走となる。
2001年(第33回):馬齢表記の変更に伴い「函館2歳ステークス」に名称変更。
2013年(第45回):収得賞金0円(未勝利・未出走)の馬の出走を解禁。
2020年(第52回):新型コロナウイルス感染症流行の影響で無観客開催。
勝ち馬の例
1973年(第5回)サクライワイ
1977年(第9回)バンブトンコート
1979年(第11回)サクラシンゲキ
1982年(第14回)シャダイソフィア
1985年(第17回)ダイナアクトレス
1986年(第18回)ホクトヘリオス
1996年(第28回)マイネルマックス
1997年(第29回)アグネスワールド
2019年(第51回)ビアンフェ
2023年(第55回)ゼルトザーム
2024年(第56回)サトノカルナバル
関連項目
函館記念:函館競馬場開催の重賞は、函館2歳S含めこの3つ。いずれもGⅢ。
小倉2歳ステークス:同じく2歳GⅢ