エイダン・オブライエン
えいだんおぶらいえん
本名はエイダン・パトリック・オブライエン(Aidan Patrick O'Brien)。1969年10月16日生まれ、アイルランド・ウェクスフォード県出身。
父は農場主だったが一方で小規模ながら馬の調教師も行っており、幼いころから馬と関わりを持っていた。やがてジム・ボルジャー調教師のもとで助手となり、競馬キャリアを本格的にスタート。若いころは障害レースのアマチュア騎手でもあり、こちらでもアイルランドのアマチュア騎手チャンピオンにも輝いたことがある。やがてアン・マリー・クロウリー調教師と結婚し、長男のジョセフ(元騎手・現調教師)が産まれるころになると妻から厩舎を引き継ぎ、1993年に調教師免許を取得して自分の厩舎を開業した。
当初は障害競馬で活躍し、イスタブラクなどを管理。やがて、クールモアグループのジョン・マグナーからヘッドハンティングされて引退したヴィンセント・オブライエン調教師(同姓だが血縁関係はない)に代わってクールモアグループの専属調教師となり、以後バリードイル調教場を本拠地としている。
それ以降、ヨーロッパを中心として世界中のビッグレースを勝ち続け、2023年6月現在で通算GⅠ勝利数(障害競馬も含む)は400勝を越えており、これは史上最多である。またイギリスクラシックは40勝以上を挙げており、2022年には19世紀半ばに活躍したジョン・スコット調教師が持っていた記録を159年ぶりに更新した。
主なレースの勝ち鞍としては、イギリスダービーは通算9勝(史上最多)、イギリスオークスは通算10勝、ブリーダーズカップターフは6勝(史上最多)、凱旋門賞は2勝を挙げている。
大レースには複数の管理馬を出走させることが多く、時には7頭、8頭出走させることもある。レース前のミーティングでは管理馬に騎乗する騎手一人一人に作戦を詳しく伝えるシーンが見られる。
ヨーロッパ圏にとどまらず海外への遠征にも非常に積極的である。彼の管理馬は香港、UAE、アメリカ、カナダ、オーストラリアでGⅠを勝利しているが、日本への遠征には非常に消極的であり、有力馬を出走させることはほとんどない(日本人スタッフはいる)。
主戦騎手としてライアン・ムーア、シーミー・ヘファーナン、ウェイン・ローダン、エメット・マクナマラなどを起用。ムーアとは専属契約を結んでおり、エイダンの管理馬が複数出走する場合、ムーアが優先的に騎乗馬を選ぶことができるとされる。ランフランコ・デットーリやクリストフ・スミヨンといった騎手にも騎乗を依頼をすることが多い。
長男のジョセフ、次男のドナカはともに元騎手で現調教師。長女のサラと次女のアナスタシアも女性騎手であった。
トレードマークはサングラスとスマートフォン。レース後には誰かに電話している姿がしばしば見受けられる。酒は一切飲まないという。
イスタブラク(障害馬)
デザートキング
ロックオブジブラルタル
ジョージワシントン
ディラントーマス
ソルジャーオブフォーチュン
デュークオブマーマレード
フェイムアンドグローリー
ケープブランコ
セントニコラスアビー
キャメロット
ルーラーオブザワールド
オーストラリア
ハイランドリール
ファウンド
マインディング
サクソンウォリアー
ラヴ
セントマークスバシリカ
スノーフォール