概要
開催 | 2021年11月28日(第5回東京開催8日目)第12レース |
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コース | 東京競馬場芝2400m(Cコース) |
天候 | 晴 |
馬場状態 | 良 |
フルゲート | 18頭 |
出走頭数 | 18頭 |
前年のクラシック三冠馬・コントレイルは、事前の発表通り天皇賞(秋)2着からラストランとしてジャパンカップへ出走することとなった。一方同年のダービーでエフフォーリアに競り勝ったシャフリヤールが神戸新聞杯4着からこちらへ向かうこととなり、新旧ダービー馬の直接対決という構図となった。更に2016年勝ち馬マカヒキ、2018年ワグネリアンも出走、日本競馬史上初4世代のダービー馬が集結するレースとなった。
その他の有力馬としては、前年の青葉賞勝ち馬にしてアルゼンチン共和国杯連覇の東京巧者オーソリティ、前年菊花賞でコントレイルを追い詰め前走京都大賞典2着で復調気配のアリストテレス、この年のオークス馬ユーバーレーベンなど。
また、2年ぶりに海外馬が複数頭参戦。
この年のサンクルー大賞勝ち馬でBCターフ2着のブルーム、2019年のパリ大賞とインターナショナルS勝ち馬ジャパンの愛国オブライエン厩舎2頭に加え、ジャンロマネ賞勝ち馬、フランスの牝馬グランドグローリーの計3頭が出走した。
ワールドプレミアとカレンブーケドールは前年に引き続き出走予定だったが、ワールドプレミアは体調が整わず出走を見送り、カレンブーケドールは登録したものの1週前追い切りで左前肢に腫れが出たため回避し、それぞれそのまま引退。登録馬21頭のうち、ウインドジャマー、ゴーフォザサミット、トラストケンシンの3頭は除外対象だったが、この回避によってウインドジャマーが出走可能になった。
武豊は自身と関係の深いキーファーズが共同所有するブルーム、ジャパンのどちらに騎乗するかの判断を委ねられ、ジャパンを選択した。凱旋門賞で武豊が乗ったブルームはムーアが騎乗、グランドグローリーはC.デムーロ、前走まで福永祐一が鞍上を務めていたシャフリヤールはお手馬被りのため川田将雅にスイッチされた。
出馬表
枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 調教師 | 人気 | 馬体重 |
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1 | 1 | ムイトオブリガード | 牡7 | 柴田善臣 | 角田晃一 | 9 | 482(-4) |
1 | 2 | コントレイル | 牡4 | 福永祐一 | 矢作芳人 | 1 | 456(-8) |
2 | 3 | ブルーム | 牡5 | R.ムーア | A.オブライエン | 6 | 464(-) |
2 | 4 | シャフリヤール | 牡3 | 川田将雅 | 藤原英昭 | 2 | 446(-6) |
3 | 5 | キセキ | 牡7 | 和田竜二 | 辻野泰之 | 7 | 512(+6) |
3 | 6 | グランドグローリー | 牝5 | C.デムーロ | G.ビエトリーニ | 8 | 466(-) |
4 | 7 | オーソリティ | 牡4 | C.ルメール | 木村哲也 | 3 | 520(+2) |
4 | 8 | ウインドジャマー | セ4 | 北村宏司 | 藤沢和雄 | 17 | 508(-2) |
5 | 9 | アリストテレス | 牡4 | 横山武史 | 音無秀孝 | 4 | 480(+8) |
5 | 10 | ロードマイウェイ | 牡5 | 三浦皇成 | 杉山晴紀 | 18 | 474(+4) |
6 | 11 | シャドウディーヴァ | 牝5 | 横山典弘 | 斎藤誠 | 11 | 478(-4) |
6 | 12 | サンレイポケット | 牡6 | 鮫島克駿 | 高橋義忠 | 10 | 474(+2) |
7 | 13 | モズベッロ | 牡5 | 池添謙一 | 森田直行 | 6 | 516(-10) |
7 | 14 | ユーバーレーベン | 牝3 | M.デムーロ | 手塚貴久 | 5 | 472(+8) |
7 | 15 | マカヒキ | 牡8 | 藤岡康太 | 友道康夫 | 12 | 508(+2) |
8 | 16 | ユーキャンスマイル | 牡7 | 藤岡佑介 | 友道康夫 | 14 | 506(+6) |
8 | 17 | ワグネリアン | 牡6 | 戸崎圭太 | 友道康夫 | 13 | 464(-2) |
8 | 18 | ジャパン | 牡5 | 武豊 | A.オブライエン | 9 | 482(-) |
レース映像
レース展開
キセキが出遅れたことで積極的な先行馬がいなくなり、戦前から前目の競馬と予告していたアリストテレスが押し出されるように先頭に立ち逃げの手を打つ。また、1コーナーで先行勢の位置取りがもたついたことで二番人気シャフリヤールが内ラチ側に追いやられ接触、仰け反る不利を受けている。前半1000m通過タイムが62.2という超スローペースの中、出遅れて最後方から進めていたキセキが向正面で仕掛けて大きく位置を上げ、1200m付近でアリストテレスを交わして単騎逃げの形になり、リードを6~7馬身取って直線を向く。残り500m付近でオーソリティが追い出し、つれてシャフリヤール、コントレイルが外から脚を伸ばす。残り300mで逃げるキセキを交わしてオーソリティが先頭に立ったところを外からコントレイルとシャフリヤールが強襲、そこからコントレイルが抜け出し、2着オーソリティに2馬身差を付けて快勝。ラストランでGⅠ5勝目を挙げた。シャフリヤールが3着、4着は前走天皇賞(秋)でも同じく10番人気4着だったサンレイポケットが入り、5着が外国馬及び牝馬で最先着のグランドグローリーだった。
競走後
コントレイルは皐月賞・そして第87回東京優駿(ダービー)のどちらも無観客開催の中で勝利しており、特にダービーについては観戦客のいないスタンドに向けて一礼する姿が当時の時勢を象徴していたことから取り上げられる機会が多かった。同じ府中2400を舞台とするジャパンカップでの雄姿は、今度こそ現地の観客に讃えられることとなった。
最終レースとして行われたジャパンカップの後、東京競馬場のパドックにてコントレイルの引退式が行われた。
一方、18着だったワグネリアンは年明けに胆石による多臓器不全で死亡し、結果的にこれがラストランとなった。馬の胆石症は非常に珍しく、JRA所属馬では史上初だった。コントレイル鞍上の福永氏にとっては初ダービー勝利時の騎乗馬であり、複雑な心境であったとのこと。
コントレイルの他ジャパンもこれがラストランとなり種牡馬入りした。
オーソリティは次走のネオムターフカップにて芝2100mの世界レコードを叩き出して逃げ切り、ドバイシーマクラシックではシャフリヤールが勝利しオーソリティも3着に好走した。
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