和田竜二
わだりゅうじ
1977年
父も兄も厩務員として働く競馬一家であった。父は松永善晴厩舎で務めていた時期があり、竜二も当時現役であったナイスネイチャと接点を持つ(2022年12月に自身のYouTubeチャンネルでアップした動画内で語っている)。また、ナイスネイチャのエピソードで欠かす事の出来ない馬場秀輝厩務員とも、厩舎へ訪れた際にお小遣いを貰ったりするなどの縁があったという。
1993年
日本中央競馬会競馬学校(千葉県白井市)に第15期生として入学。同期には福永祐一、古川吉洋、細江純子等がおり、スター騎手を多く輩出した「馬事公苑・花の15期生」に因み、「競馬学校・花の12期生」と呼ばれた。
1996年
3月1日、JRA・平地の騎手免許を取得。岩元市三厩舎(栗東トレーニングセンター)所属となった。
3月2日、阪神競馬場の4歳未勝利戦で騎手デビュー。
12月7日、サージウェルズでステイヤーズステークスを勝ち、同期で最初の重賞勝利となった。
この年は33勝を挙げ、関西の新人騎手賞にあたる中央競馬関西放送記者クラブ賞を受賞。
1998年
岩元厩舎に入厩してきたテイエムオペラオーと運命の出逢いを果たす。岩元師の方針もあり、デビューから引退まで全レースを騎乗する事となった。
8月15日、京都競馬場の3歳新馬でテイエムオペラオーがデビュー。クラシックステージの2着に敗れた。
1999年
2月6日、京都競馬場の4歳未勝利でテイエムオペラオーが3戦目で初勝利。
4月18日、テイエムオペラオーで皐月賞を勝ち、GⅠ初勝利。
12月26日、テイエムオペラオーで有馬記念に出走。グラスワンダー(的場均騎乗)・スペシャルウィーク(武豊騎乗、同レースが引退レース)とタイム差なしの3着と健闘した。
2000年
古馬となったテイエムオペラオーは、京都記念→阪神大賞典→天皇賞(春)→宝塚記念→京都大賞典→天皇賞(秋)→ジャパンカップ→有馬記念、と重賞を8連勝(うちGⅠ5勝)という、当時の古馬中長距離GⅠ完全制覇(と史上初の秋古馬三冠)を達成。
しかし、テイエムオペラオーが引退した2002年以降は、中央・地方問わず勝利数を稼ぎ、関西リーディングの上位常連となるなどベテランジョッキーとして活躍するものの、GⅠを勝つ事が出来なくなった。
2010年
4月8日、岩元厩舎を離れ、フリーランスとなる。
2012年
11月5日、JBCクラシック(川崎競馬場)でワンダーアキュートでJpnⅠに勝利する。フリーになり、自分が強いと思う馬を選んで乗れるようになり、成績が上向いた。
2018年
2月28日、岩元師が定年で引退。
5月17日、テイエムオペラオーが死去。和田は北海道開催の際に1度引退後のテイエムオペラオーを訪ねたものの『もう一度GⅠに勝って一人前の騎手になり、胸を張って会いに行きたい』との考えから訪れることはなく、再会できないままだった。
6月24日、宝塚記念でミッキーロケットに騎乗し、香港年度代表馬ワーザーの猛追を退け優勝。2001年天皇賞(春)以来、17年ぶりの中央GⅠ勝利となった。勝利騎手インタビューで和田は「オペラオーが後押ししてくれた」と涙ながらに語った。
2019年
1月30日、川崎記念をミツバで勝利。ミツバは7歳にしてJpnⅠ初勝利であった。
2022年
JRA通算1400勝を達成。
騎乗スタイルは前目につける競馬(先行策)を得意とする。これは岩元師が競走馬の脚に負担をかけるとして後ろからの競馬を好まず、普段から前目につけるよう教えていたため(岩元厩舎に瞬発力に優れたサンデーサイレンス系の競走馬があまりいなかったことも一因)。
人気の有無にかかわらずとにかく馬を先行させ、直線早仕掛け気味に追い出して押し切る戦法をとることも多い他、少しでも直線で脚を残せるように距離ロスを無くして馬を運ぶため、道中や直線で思い切り馬群に潜り込む・内ラチ沿いを突くこともある。
馬券師の間では人気馬での勝率が低いことをネタにされる一方、ガンガン追っていくスタイル故にか人気薄の馬やズブい馬を1着または馬券圏内まで持ってくることが多いため、「人気が微妙なときの和田は買っておけ」と言われることもある。
だがデビュー年から2022年現在までの27年間、毎年重賞を連対している数少ない騎手であり、これより長い記録は武豊騎手の36年や同期の福永祐一騎手の27年だけという偉大な記録であり、和田騎手が一流という証である。
普段は真面目かつ物静かな人物でがとにかく明るい性格で、騎手仲間のムードメーカー的存在。
年2回行われる「ファンと騎手との集い」では、「宴会部長」的な役割を担っており、コスプレやらドッキリやら何でもこなす。
だがそのキャラが裏目に出た。2006年のイベントで和田は、池添謙一・藤岡佑介と共に寝起きドッキリを仕掛けたのだが、武豊に仕掛けた際、実は武・池添・藤岡・福永祐一・柴原央明が仕組んだ「逆ドッキリ」であったことが発覚。もちろん和田はこれに気づかないまままんまと引っ掛かり、あまりの緊張感からネタばらし後に泣いてしまったほどである。
福永によると、「(和田は武豊に)常日頃から異常なほどの恐怖感を感じている人間」らしい。
しかも2017年には、和田から繋がる甥っ子としての立場を利用された岩崎翼も、「恐怖の先輩」川田将雅らによる逆ドッキリにまんまと引っ掛かり、ガチで泣いている。
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