アリストテレス
ありすとてれす
古代ギリシャに存在したとされる最大の哲学者の一人。
哲学者とは言うものの、彼が探求した学問は哲学に収まらず、天文学、生物学などの科学分野や詩学などの文系分野や政治分野を開拓した為に『万学の祖』とも呼ばれる。
哲学という言葉自体も彼の思想にあるギリシャ語で知を愛するという意味の「フィロソフィア」に端を発する言葉である。(※)
10代後半辺りにプラトンの門下生となり、20年間学んだのちにアレクサンドロス大王の教師になったとされている。
彼が即位した後に自らも師同様にアテナイに学園を設立したが、東ローマ帝国によって閉鎖に追い込まれた挙句、アレクサンドロス大王没後の混乱期の影響で頻発したマケドニア人への迫害から逃れる為に母方の故郷で晩年を過ごし、62歳で没している。
科学分野では特に生物学への貢献が著しく、「植物」と「動物」の分類方法を提唱している。
しかし、科学分野の黎明期であるので彼は「自然発生論」(例えばウナギは泥から発生するといった感じ)を同時に提唱しており、19世紀まで本気で信じられていた。
この理論は後に否定されるものの、微生物が発見された事で完全に否定された訳ではなく、微生物学が発達するに至る。
ウナギの自然発生論で誤解されがちだが、彼は鯉やハゼ、ナマズ類を始めとする他の魚類の産卵や産卵前の卵巣の発達に関してそれまで入念に研究してきており、「他の魚類の卵巣や精巣の発達の解剖結果や他の魚類の観察をベースに産卵前のウナギの予想図を考える」「自分の予想結果を確かめるためにウナギが沢山生息する池に突撃して徹底的に浚うと同時に捕まえたウナギを解剖する」「ウナギの降海の情報を掴み、産卵の為に海に下るのかもしれないとの仮説を立てて、降海ウナギを解剖して卵巣と精巣の発達を調べる」という現代の目で見ても極めて合理的な研究方法を採用しており、「どんな時期を狙っても産卵前のウナギが見つからないのに、泥の中からウナギの子だけは見つかる」という事実を前に、「ウナギは泥の中から生まれるとしか考えられない」という結論に辿り着いたのである。
不運な事に、彼はアナトリアの一時的に出来る湿地で突然魚が出現するという情報を知っていたが、乾燥に強い耐久卵に関する知識は無く、なまじ前記のナマズなどの硬骨魚類の産卵の観察を丁寧にしており、水中で体外受精をするが故に乾燥に弱いという魚類の卵の弱点を熟知していた為、「普通の魚の卵が耐えられない筈の乾燥地で魚が孵化する」事例を自然発生と誤解してしまっていたという事実も重なり、「ウナギもその同類では?」と結論付けてしまったのである。
概ね、生息地の住民や飼育経験者を事前に取材して生態に関する仮説を立て、検証計画を立案して、自身で証拠を掴むという彼の手法は現代の目で見ても極めて妥当である。
当時の人間で彼ほどに体系立てて動物学を研究した人はなかったが、興味を持った動物を観察する人自体は結構存在しており、
・「イルカの尻尾にマークを付けて観察する」→同じ個体が25年観察されたからイルカは少なくとも30年ぐらい生きる
・「捕殺されたライオンの牙や脚の酷使度合を調べる」→肉食動物の中ではライオンは生理的に長寿な方である
等のそのままでは歴史の彼方に埋もれていた貴重な観察結果を取材と体系化と言う形で後世に残した功績も無視出来ない。
脊椎動物の分類に関しては近代の分類にかなり迫っており、「赤い血を持つかどうか」「恒温動物であるか変温動物であるか」「卵を産むか胎生か」で整理して、鯨の仲間が魚よりも人間や陸生四足哺乳類に近縁である事を突き止めている。
また、ファンタジー作品によく登場する「エーテル」とは彼が火水土空気に続く第五の元素として提唱したものである。
※あくまでフィロソフィアが名称として確立し出したのがプラトンやアリストテレスの代というだけで、哲学者はそれ以前にも存在している。(諸説あり)
- 『鋼の大地』に登場する太陽系惑星からの来訪者。星の最強種「アルテミット・ワン」。
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