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angel notes.

the metter of knights arms.

...and over count 1999

type: other

プロローグ

限界を突破していた脳髄が焼き切れる。

眠りに落ちる一瞬の間隙、

意識が白く塗り潰される前のわすかな間。

たしかに、自分が、消えゆくまえに敵の姿を視認した。

なんて、

美しい。

―――雲の切れ間に、天使が見える。

0/『GODO』より引用

概要

奈須きのこが竹菷時代に書いた短編小説。

正式には『鋼の大地(over count 1999)』。

部分的なエピソードを描いた『Notes.』のみが発表されている。テーマは『天使』。

現時点におけるTYPE-MOON世界観で時系列上最後にあたる作品とされている。

元々は「天使を題材にしたアンソロジー本作らない?」と誘われたのがきっかけ。

同人としては『ANGEL VOICE』に収録され、月姫読本(青本)にて再度掲載された。

また2006年に発売した「Character material」で設定を大幅に付け足されておりゴドーと少女にも立ち絵が用意された。

本人曰く「こっちの話も機会があれば、ちゃんとした一連の流れにそった物語として形にしてあげたいなぁ」とブラックバレルを見ながら考えてたらしい。

…だがその発言が載っている青本の発売から約20年。 設定の追加こそされたが未だに音沙汰がない状態である。きのこェ…

登場人物

ゴドー (GODO)

主人公。人間最後の生き残り。ブラックバレルの使い手。生き残った人間が暮らす「人工楽園」に住んでいたが、タイプ・ジュピターにより消滅。環境適応処置を受けていたこともあって1人生き残る。

復讐のため封印区アトラシアからブラックバレルを発掘してタイプ・ヴィーナス降下阻止作戦に参加。「鳥墜し」(タイプ・ヴィーナス撃墜)を成し遂げたため、GODO(銃神、偽神、神もどき)と呼ばれるようになる。タイプ・サターン迎撃作戦で世界樹の街を守り、天使をかばって死亡したとされている。

銃を使う戦闘スタイルなど、どことなく衛宮切嗣を思わせる外見だが、ゴドーが切嗣の原型になったかは不明。

少女 (V/V)

(CV.霜月はるか)

天使の姿をした少女。その正体はゴドーに撃墜されたアリストテレスの一体、タイプ・ヴィーナスの意識が人々の持つ天使のイメージを参考に具現化した存在。

ゴドーのアパートに居座り、ゴドーの姉の遺品であるエレキギターをひいたりしてる穀潰し。食費増大に伴いゴドーの天使狩りのノルマも1日20体から30体に増えた。

「V/V」はおそらくヴィーナスとバーチャル。

ちなみに、アニメ版『カーニバル・ファンタズム』にも一瞬だけゲスト出演している。しかもカメラ目線で。

外見はアイリスフィール・フォン・アインツベルンに似るが彼女がアイリの原型になったキャラクターかは不明。

天使

天使種の女性。亜麗百種20位。その外見は天使そのもの。しかし、その外見とは似合わず、破壊に長けた種族である。飛行能力はあるが、翼の有無に左右されない。両翼はジンを収束させるためのもので、攻撃する手段である。その戦闘能力は、かつて六人姉妹の守護役だったほどで、一体で核ミサイル並。

種族としての強さより見た目を重視するらしく、ゴドーを気に入っている。

アド・エデム

騎士。亜麗との大戦で目立った活躍はなかったが、魔剣・斬撃皇帝の特性からタイプ・ジュピターを一撃で両断した。斬撃皇帝は通常時は種であり、戦闘状態になると大地に突き刺さり大地を変換源として対象サイズに合わせて巨大化する。

アリストテレス相手なら大地を大きく削り食らい、血液の赤い空を切り裂いて青い空が垣間見えるほどのサイズになる。

「星を食うもの」であるこの魔剣は、「人間を守るために世界を滅ぼす」という人間の在り方の具現。その危険性から「魔女の大傘」に幽閉されてしまう。タイプ・サターンとの戦いのために解放され、斬撃皇帝で倒した。以降の生死は不明。

形状は「無銘星雲剣(ひみつみにあど)」(人類の脅威特攻を持つ)、地面に根ざす植物のような特性は空想樹に似る。この二つの特徴と合致する宝具として「最果てにて輝ける槍」が存在するがこれらとの関係は不明。

なお、Fateシリーズにおける宝具「約束された勝利の剣」は"星を守るために外敵を滅ぼす星が創り出した剣"という設定があり、斬撃皇帝とあり方が逆転している。

アリストテレス

月姫・Fate時代の遥か未来、地球は人間の手によって滅び、殆どの生命は死に絶えていたが人類はまだ生き延びていた。そんな人類を滅ぼす為、ある日突然やってきた謎の生命体の総称がアリストテレス。名前は哲学者から取ったとされる。

その正体は各惑星の最強の生命体。アルテミット・ワンとも呼ばれる。その戦闘力は凄まじく、単体でその星の生命体全てを滅ぼす事も可能なほど。実際、核ミサイルクラスの戦闘力を誇る生物が数人で掛かっても圧倒されるなどと凄まじい戦果を挙げている。 間違いなく型月最強集団である。

何故、こんな化け物達が地球にやってきたかと言うと、地球が自らの死後も生き延びている人類に恐怖を覚えたことに起因する。 地球としては、自らが生み出した人間達の手で死を迎えることは自らを滅ぼした生命も地球と共に死ぬ為許容出来たが、 その後も生き延びている人類に対して恐怖を覚え、死ぬ寸前に「どうか、いまだ存命する生物種を絶滅させて欲しい」とSOS信号を発信し、星の意思を受信した各惑星の星の意思が自らの星の生態系の最強種=星そのものを派遣した。

それぞれタイプ・○○○という称号を冠しており、サークル名の『TYPE-MOON』の名前もここからきている。

地球のSOSサインを聴いて来襲してきたのは太陽系惑星九種と月一種の計十体。

タイプ・ムーン

月のアルテミット・ワン。 サークル名『TYPE-MOON』の由来。

鋼の大地の終盤にて魔剣・真世界(リアル・オブ・ワールド)を持って現れる隠しボス。死徒二十七祖第三位「朱い月のブリュンスタッド」と同一人物かは明言されていないが、同一の世界観、復活を暗示させるモノが残されており、同一である可能性がかなり高い。

ちなみにサークル名の他の候補には「ファンキー太陽」とか「斬撃皇帝騎士団」があったらしい。

タイプ・マーズ

火星のアルテミット・ワン。

未登場

タイプ・マアキュリー:ORT

水星のアルテミット・ワン。

外見は全長40m程の蜘蛛。間違って五千年ほど早く地球に来てしまったドジっ子。「約束の時」が来るまで眠って待ち続けている。 Fate・月姫の時代なら世界最強の存在で死徒二十七祖第五位に数えられている。 実は地球のSOSサインを受け取る最強種ではないとも言われている。

また「水星(?)のアルテミット・ワン」と水星出身であることにすら疑問符が付く謎キャラ。 後に『Fate/Grand Order』にて"彗星"のアルテミット・ワンであることが明かされた。

そのため鋼の大地に「アリストテレス」として現れるか不明。

タイプ・ジュピター

木星のアルテミット・ワン。

中心核が擬似太陽のガス状生命体。 外見は黒い巨人で全長数十キロメートルの巨体で更に無限大に大きくなるという型月世界最大のキャラクター。 形態は光子ガスの塊で、中心核に擬似太陽を持つ。

最も生物を消去したアリストテレスで、西の大陸の総力戦を無傷で勝利したが騎士アド・エデムの魔剣・斬撃皇帝に真っ二つにされ、擬似太陽が暴走し西の大陸のすべてを焼き飛ばし消滅。

タイプ・ヴィーナス

金星のアルテミット・ワン。

全長千メートルの巨大な寄生型の侵略型環境育成林床植物。 苗床を定め降下して胞子を何億という天使のような捕食端末として放出し生き物を喰らうはずだったがゴドーのブラック・バレルに撃墜される。死骸の上には植物が育成可能であったことから人々が集まるようになり街として発展、世界樹の街と呼ばれた。

肉体は死亡したが精神は活動しており、寄生型であったため人間の概念を摂取し比較的自分の姿に近い幻想である天使の姿をした少女となった。 かつての自分を殺したゴドーの所に突然やってきて奇妙な共同生活をしている。通称アリスちゃん。

ギターを弾くが腕前は下手くそ。基本的にいるだけで何もせず得意技はゴドーの給料を食いつぶすこと。趣味は昔の自分の上で暮らしている人々の人生鑑賞。ゴドーの死後、彼の帰りを永遠に待ち続けている。

FGO2部『Cosmos in the Lostbeltt』に登場する空想樹と性質が酷似しているが、関連は不明。

タイプ・サターン

土星のアルテミット・ワン。

アリストテレスのリーダー格。表面が発光する鉱物で出来てる全長三千メートルの巨大な十字架形の生命体。

空中に浮かんでいて無数の十字型の弾丸を射出して攻撃するが、地上に着弾時に爆散し周囲の生命体を消滅させるタイプと地表を貫通し地震を誘発させることで大地そのものを破壊するタイプの二種類がある。

ゴドーなど多くの騎士が犠牲になったがアド・エデムが仕留めた。 惑星からの司令を他のアルテミットワンに伝える中継役であり、この個体が消滅した後人類とアルテミットワンたちは最終決戦に入る。

タイプ・ウラヌス

天王星のアルテミット・ワン。

未登場。「タイプ・ウラヌス&ネプチューン射出作戦」なる一件があったらしい。

タイプ・ネプチューン

海王星のアルテミット・ワン。

未登場。「タイプ・ウラヌス&ネプチューン射出作戦」なる一件があったらしい。

タイプ・プルートー

冥王星のアルテミット・ワン。

六人姉妹と呼ばれる亜麗百種の頂点に立つ6人の魔法使い(末妹は既に死亡)によって迎撃され相討ちとなり死亡。 その血液が空を覆っているため、空は赤くなっている。赤い空を覆い隠す灰色の雲は六人姉妹が作った防御膜であり、地上への進入を阻まれたアリストテレス2体が、この血液の中を泳いでいる。

余談だが冥王星は2006年に『惑星』から『準惑星』へと降格された。 その為、ネコアルクにSOSサイン出されたけど、もう惑星じゃないからガン無視でOKと言われた。ひでぇ。

タイプ・アース

地球のアルテミット・ワン。

存在していない。かつて朱い月を参考に地球が朱い月と協力して生み出そうとしたが結局失敗で終わってしまった。 その失敗作が真祖である。メルブラにおいて姫アルクがアーキタイプ:アースと称されているが詳細は不明。おそらくは、朱い月が当初目指していた「己の存在を内包した地球のシステムに属する後継者」としての完成型の一つであるからと思われる。

『Fate/Grand Order』にてムーンキャンサー、アーキタイプ:アースとして登場した。

タイプ・アザー

詳細不明。

唯一生き残った古い人類であるゴドーを指すのではないかと言われている。

設定

鋼の大地 [over count 1999]

臨終した星。死に絶えた惑星。生物の住めない世界。

現在の世界の名称。正式名称ではなく、荒廃した大地に生きるヒト人の間に伝わった俗称。

記名が示すとおり、現在の大陸の大部分はひび割れた荒野であり、灰色と白濁とした雲に覆われている。食物は育つことはなく、大気はかつてのように動物に適した物ではなくなっている。

人間種ふうに言うのなら、徹底した世紀末。

けれど母体である星が死亡しても、人間種はその発達した文明技術によって生き長らえた。

かつて人々が思い描いた星の終わりでさえ、人間種を滅亡させる事は出来なかった。

ジン [grain "Ether"]

「宇宙塵」「エーテル」「真エーテル」。

死んだ星から溢れ出した計測不能な粒子の総称。人間には有害。

通常の型月史において「真エーテル」とは第五真説要素の事を指し、神代の大気に満ち溢れていた物質を言う。

故に西暦以降の人間が神代の時代で呼吸することは自殺行為に等しく、仮にそれが神代の名残がある地域の人間(例えばアーサー王伝説の時代の人々が該当)であってもタダではすまない。

『Fate/Grand Order』で主人公が「第五真説要素環境用カルデア制服」を着用しているのもこの為である。

また、幻想大剣・天魔失墜の柄に埋め込まれている青い宝玉には真エーテルが貯蔵されている。

亜麗百種 [a-ray]

様々な生物を元に人間に作られた次世代の霊長類。人間の遺伝子を含む種もある。ジンをエネルギーとする。百種は大まかな分類をしての事だが、1位〜10位の種は単一種。

『Fate/Grand Order』第2部6章において、「亜鈴百種」と呼ばれる特殊な妖精が登場。アーキタイプ:アースのプロフィールによると亜鈴とは亜麗のブリテン異聞帯における名称とのこと。

また、アーキタイプ:アースは「亜麗真種」と呼ばれる存在のようだが詳細は不明。

六人姉妹 [No・1 saving system to earth]

亜麗百種の第1位。姿は人間と変わらず、6人とも童話の魔女のような格好をしている。1人1人が亜麗百種全体を凌駕する力がある。

世界から「魔術」が失われているが、六人姉妹はそれぞれ「本当の魔法使いだった。人間種と亜麗の大戦において、六人姉妹の末妹「審判」が騎士たちに殺された際の断末魔によって世界を二分する「大断層」が出来た。

残る5人は大戦末期に襲来したタイプ・プルートーと相討ちになり、行方不明。この際、上空に何十重にも雲が重なる防御膜を張って、8体中2体のアリストテレスを雲の上に留めた。

天使 [No・20 Guardian Angel]

高位の亜麗で、百種中20位。かつては六人姉妹の守護役で、単一種の護衛を行なう。姿は翼以外は人間に近い。

大気中の重粒子を吸収し動力源にできる攻性種。2枚の翼は重粒子を収束させるための器官で、翼がなくなっても飛行可能。

戦闘能力は魔剣を持った騎士と同格と噂されており、実際破壊においては10位以上の亜麗にも肉薄する。つまりそれは単身で核ミサイル並の破壊が可能ということを意味する。

人間種 [Liner]

人間によって作られた環境適応した新人類。亜麗百種の1つ。能力は旧人類と大差ない。

騎士 [Ether Liner]

人間種の攻性種。生まれながらに外部器官を持ち、成人時にジンによる物質化で魔剣になる。旧時代の兵器を使わずとも亜麗と戦える。notes.時点で78名登録されている。

騎士と人間種に共通して用いられる「Liner」という単語は以降の型月作品でも登場し、サーヴァントの正式名称である「境界記録帯(ゴーストライナー)」やプリズマ☆イリヤの正式タイトル「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」がそれにあたる。

なぜ人間種がライナーと呼ばれているのかは不明だが、テスカトリポカの発言から人間は時間を運ぶ存在であるからという説がある(参考)。

人間 [Last-Seed]

旧人類。ジンに耐性がなく、呼吸するにも機械を通す必要があり、また薬物入りの食事も必要になるが体の毒。

大戦 [Babel's Tale]

人間と亜麗の戦争。

六人姉妹が亜麗を統一して人間(旧人類)は敗北寸前になるが、人間が人間種や騎士を生み出したことで死した星をさらに死滅させる大戦になった。

アリストテレス襲来により停戦、人類という大きな枠組みで手を結ぶことに。

魔女の大傘(ウィッチ・スフィフト・アンブレラ)

亜麗百種・人間種・騎士たちによって大断層の中に作られた廃棄場。逆向きの傘のような城形の牢獄。玉座に座らせたものを千本の鎖が縛り、78の「魔法の扉」が玉座との間に立ちふさがる。

ちなみにこの設定は月姫の「千年城ブリュンスタッド」の元ネタにもなった。

鳥墜し

灰色の雲海の中、極寒の上空で行なわれたタイプ・ヴィーナス降下阻止作戦においてゴドーがタイプ・ヴィーナスを撃墜したこと。

前哨戦では、飛行機操縦がタイプ・ヴィーナスの熱の影響を受けた中での戦闘で全滅、ゴドーのみ時代遅れの自動操縦の飛行機だったおかげで生き残った。

機内温度がマイナスで防寒具を付けていても生命が危険にさらされる極限状態でゴドーは七日間以上じっと機会を待ち続け、ギリギリの淵にある意識でタイプ・ヴィーナスの額をブラックバレルで狙撃した。

余談

今こそ『TYPE-MOON』と言うサークル名だが下手すれば設定に出てくる魔剣にちなんで『斬撃皇帝騎士団』という名前になっていたらしい… なお『TYPE-MOON』も、8体のアリストテレスの後、最後に正体を顕す9体目のアリストテレスが登場するという裏設定にちなんだ名前である。

また商業化で付けた社名も本作タイトルから「ノーツ」である。

後の型月系作品では、この作品の世界はあくまで型月作品の無数の未来の可能性の1つに過ぎず、鋼の大地の世界に至る可能性自体が極めて低い確率でしかない可能性の話でしかない未来である事が仄めかされている。

他のシリーズとの関連

大河ルートではキーワードとして、アルテミット・ワンが登場し、ネコアルクと藤村大河がアルテミット・ワンから星の力を借りる為に数々の星々を巡る。

地球にいたORTに交渉しに行った際には追い返されたので、代わりに別の星を巡る事になるが、行く先々に登場するアルテミット・ワンはどこかで見た事ある顔ぶればかりであった。(全員本家世界の人物とは別人という設定である。これではまるで鋼の大地じゃなくて後年に発表された世界観のようである。)

こちらの世界観では地球が魂を傷つけられた事で資源や魔力(マナ)の枯渇現象「オーバーカウント1999」が起こっている。名称の元ネタも本作のタイトルからの引用だろう。

中でも『Fate/EXTRA Last Encore』は本作と同じく遥か未来の時間軸を舞台としている。

同じく人類の未来を否定され、その淘汰が開始された世界線を描く。

こちらでもEXTRA同様にマナの枯渇が起こっている他、本作と同じく現生生物に有毒な物質が蔓延しつつある。

同じく人類の未来を否定され、その淘汰が開始された世界線を描く。

アルテミット・ワンのORTが登場する他、亜鈴やブラックバレルなどの本作の用語が登場する。

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