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妖精國

ようせいこく

『Fate/GrandOrder』の第2部「Cosmos in the Lostbelt」第六シナリオ「妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ」に登場する国家。
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あらすじ編集

これより語るは一つの未来。

妖精国(ようせいこく)と成り果てた、神秘の島のその行く末

罪なき者はお帰りを

ここは底なし、女王のお城

つもる、つもる、雨のように、灰のように

きえる、きえる、雪のように、嘘のように

ぼくらの望みは棚の上。

今も女王の手のひらのなか

でも、それもあと少しの辛抱だ。

二千の年を超えた朝、救いの子が現れる

妖精(ぼくら)と人間(かれら)を結びつけ

世界を救う救世の子

はじめは小さな光でも、誰の目に見えなくても

光を目指す蛾のように

鉄の街、煤の海

災いを退けた時、巡礼は迎えられる

港(みなと)は渚(なぎさ)に戻るけど、厄災は遥かな空へ

選定の杖に導かれ、異邦の旅人に見守られ

救いの子は玉座に届く

丸い砦は燃え尽きる。水の鐘はあらわれる

玉座につくのは真(まこと)の王。

血染めの冠(かんむり)おひとつどうぞ

罪を認めた罪人に、落とされるのは首切り刃

ならせ、ならせ、雷(いかり)のように、火(なげき)のように。

六つの鐘を鳴らして示せ。真(まこと)の王の道を作れ

あかい災いが追いつく前に

くろい災いが食いつく前に

役目を終えた『予言の子』、元いた場所にさようなら

仕事はちょっとなまけるけども、

ぼくらは自由な妖精の裔(すえ)

望みはずっと欠けたまま

きらめく明日がほしいのさ


概要編集

異聞帯の王」たる女王モルガンが統治する国であり、ブリテン異聞帯の全土が該当する。国民の大部分は人間ではなく妖精である一方、人間的な文化や町並みも見ることが出来る。


ケルト神話アーサー王伝説と関わりがある。

そのためかケルト神話に関する要素が作中では多数確認でき、ムニエルがアヴァロンに類似する異界として常若の国を挙げている他、2000年前に起こった「夏の戦争」では汎人類史においてコノートの女王メイヴと同一視されるマヴが鉄で武装している人間の兵士を率いていたとされる他、『影の島』から北部妖精が攻めてきた事が判明している(影の島とは一見すると、ケルト神話に登場するスカサハが治める「影の国」があったとされる「スカイ島」(ブリテン島の北部にある)を指しているように思われるが、アイルランドの事を指す)。


この戦いで活躍した英雄こそ「救世主トネリコ」とされており、さながら汎人類史におけるクー・フーリンを思わせる。ちなみに名前の由来となったと思しきトネリコは別の神話体系では世界観の基盤となる神聖な樹木とされている。


ダウィンチからは


“ある分岐点において”別系統に進んだ人類史とはとても思えない

なにしろ人類が霊長として君臨していない、基本的に妖精だけの世界

ロシアは大寒波によって人類という種が生きられなくなり、対応進化を余儀なくされた世界

北欧は神代において神々の黄昏(ラグナロク)が達成され、神々ともども人類が衰退した世界

中国ひとりの真人によって統治され、永世の単一国家となった世界

インドは『人間の輪廻』ではなく『世界の輪廻』を繰り返す事によって収束しようとした世界

ギリシャは滅びなかった神々によって人類が完全に管理された世界

それぞれ『もうそれ以上の発展はない』が『人類の世界である』という共通点があった

どれほど我々から逸脱していても、2017年の地球環境に沿った人類圏を構築していた

でもこのブリテンは違う、そもそも『人類の世界』じゃない


などとこの異聞帯は今までの異聞帯とは大きく違うことが明言されている。




妖精國の社会編集

とりわけ異聞帯において特異なのは、モルガンによって人間のそれを元にした模倣文化が徹底管理されていること。そのため、汎人類史における妖精と比べてその生態は異なる。

大まかな社会構造としては、妖精の氏族(≒種族)が6つあり、互いに数千年争っていたが、モルガンが打ち破って全体の半数を力で従えて全土統一し、現在の体制に至ったのち、人間にある程度の自由を与えて文化を作らせ、それを模倣して現在に至る。


言い換えれば、この世界の妖精社会が持たないものは模倣元である人間社会にも存在していない。そして妖精は子供を産むという概念がないため、人間も生殖能力を持たず、「生産」されて単一の個体として「出荷」され社会へ送られていく


妖精國における統治編集

モルガンによる統治は評判が大変に悪く、人間はその数を徹底管理されており下級の妖精にはあてがわれていない。妖精たちも都市圏に生活する者たちは、呪いとして令呪を刻まれ、1年に1回、魂(魔力)の半分を「存在税」として献上させられ、1年の間に捧げるだけの魔力を貯められなければこの献上によって即死。働けない者も連行・処刑され、逃げ出した妖精たちもいる。


担当クリプターであるベリルの言う通り、地域によってルール(物理・魔術法則)が異なっており、大きな力を持つ妖精が持った本質によって世界を作り変えてしまう大神秘が影響している。ただ、その大半は自分のルールを扱いきれず自滅しており、領域として他人をルールに従わせることのできる存在は少なくなっている。そのルールは戦闘にも適用され、ある場所ではサーヴァント全員がLv1に逆戻りする。

また、万能の妖精にとってすがる存在はないため、神秘としては最大のものである「」は存在せず、宗教の概念も無い。


妖精國における生態系編集

人間ではなく妖精が霊長類として闊歩し、人間は彼らの付属品のような扱い。

他に野生動物や幻創種なども(作中で説明されていないだけで妖精という可能性もあるが)いる。

この妖精國では古くからの呪いによってモースという化け物が闊歩しており、これは妖精の天敵とされる。


妖精編集

ゆるされよ、ゆるされよ。

いのりはおしまい、まぶたを閉じろ。


楽しい時間はあんまりないさ。

帳が落ちたぞ、明かりも落とせ。


今日が終わるよ、さようなら。

今日も終わるよ、いつまでも。


ゆるされよ、ゆるされよ。

ボクらのつみを、ゆるされよ。


どうせすべてはあとのまつり。

片付けだけはしっかりね!


汎人類史側のケルト系の伝承、ヨーロッパの民話に出てくる妖精と同名の者もおり、氏族ごとの妖精たちの姿も西洋の昔話や童話を思わせるような風貌の者が多い。

これは人類がいる限り、似たような文化や概念が発生するという法則に従って、その妖精が生まれるからである。

しかしレッドラ・ビットチョコレートの妖精のように、明らかに伝承や民話に収まらない者もいる他、取り替え(チェンジリング)によって他の世界から流れ着いた妖精や人間もいる。


妖精という存在は、単体で生まれ、単体で完結するものであり、霊基を核とし、その魔術的構造はサーヴァントに近い。

生殖能力も持たず、妖精はある時なにもないところから突然に発生する形で命を得る。発生した妖精は「生まれた目的(以下、目的)」を最初から持っており、それに因んだ「名前」を得る。

そのため「目的」と「名前」は存在強度そのものであり、両者は密接に繋がっている。したがって何らかの理由によってこれらを失えば、やがて存在が維持できなくなって消える末路が待ち受けている。しかし、『Reminiscence』によれば、「厄災」が起きる以前では「目的」を失うだけで死亡するようなことはなかったらしい。

基本的に妖精は不老長寿だが、「目的」や「名前」の喪失による消滅やその他何らかの理由によって死んだ場合、同じ性質(姿形や能力や魂)を持った妖精がどこかに発生する。

1つの「目的」に対して発生する妖精は1体だが、目的への過程で別の新しい目的が発生すれば、対応した妖精が新たに発生する場合がある。したがって「目的」の多様性が増えれば連動して個体数も増える。


以上が妖精のライフサイクルであるため、遺伝のような「先代」から引き継ぐ要素は基本的になく、人間の尺度で言う子孫や兄弟は存在しない。

ただし、「目的」を放棄した場合は、「目的」を遂行するために「次代」が発生する場合もあり、その場合、放棄した「先代」と引き継いだ「次代」の関係は親子と表現はされる。


人間の尺度で言う親を必要とせず、また下記のようにこの國の人間が生殖能力を持たないのは、この異聞帯に「生殖」という概念が存在しないからに他ならない。

汎人類史においてはフィン・マックールが妖精の妻サーバとの間にオシーンを儲けたように、妖精も極低確率に生殖によって身ごもる事ができる。

ただし出産した妖精はその格が落ちるとされ、本来において生殖は妖精にとって忌避される行為でも有る。


妖精の観点で汎人類史と異聞帯を比較するのであれば、本来自然と共にある妖精は、惑星の分霊として自分たちでは文明を持たなかったが、この異聞帯では14,000年ほどの間、「人間を飼育する」形で人間の想像力を娯楽にし、その文明・文化を形だけ模倣して発展した。

妖精は本来ただ在るだけで生きていける長寿の存在であり、弱さがないので工夫や成長をしないため、あくまで模倣しかしていないが、魔力があるため簡単に再現する。


デイビットからの「原始的」という指摘も、本来文明を持ちえない存在が社会の中心を成していることを考えれば符合する。

事実彼らは前向きながらも、その大半は心が移ろいやすいため信頼という概念が成り立たず、結果として獣よりずっと "仲間" や "恩義" といった価値観が希薄な者が大多数を占めており、むしろ半端に人間の在り方を取り入れた事で、人間特有の酷薄さまでも色濃く引き継いでしまった様子が、後編にて顕著に描かれている。


ちなみに、妖精の体は神秘で出来ており、死んでも自然分解されないので死体は腐らず、人為的などの形で処理しない限りいつまでも残り続ける性質をもつ。そしてこのブリテン島は、そんな妖精たちの死体が積みあがって形を成した土地である。

そんな歪さ故か、この地には本来妖精と縁深い「」が群生していないようで、劇中でも存在が全く確認されなかった。


ただし妖精が死んだ場合、死体が紫色の怪生物「モース」に変化することが稀にある。モースは存在するだけで世界を汚し、妖精を殺すブリテンの呪いという性質を持つ。

このブリテンにはもともとそうした「厄災」がほかにも数多く存在し、モルガンの軍隊によって発見次第撃退されている。だが、1000年に1度訪れる「大厄災」に対しては、モルガンの城に住む妖精たちしか助からないとされるほか、毎回形が異なるため過去の記録などによる対策が効かない。


妖精たちにとってはモルガンは何の恩恵も齎さない圧制者であると同時に、天敵である厄災だけは排除してくれるため頼らざるを得ない存在。支配体制については妖精騎士も参照。

しかし予言によると「16年後に救世主が現れ、偽りの王が倒され、真の王が妖精と人間を従え、偽りの歴史を終わらせる」とあり、その時期が今であるという。その「予言の子」は、ブリテンにある6つの鐘を鳴らしたのちに目的を達成することが語られている。


そのスペックは非常に強く、オリュンポスの兵程ではないにしろ兵士の質が高すぎるとダ・ヴィンチに愚痴を言わせるほど。

サーヴァント編集

この異聞帯では霊基グラフが全て停止しており、ベリルの言う「人類史として疑わしい」言葉に違わず、人類史自体がないため、人類史あっての英雄もおらず(歴史も名前も違えど、弓の上手い人間がいたという事実さえあれば該当するロビンフッドすら存在が成立する土壌がない)、汎人類史サーヴァントも活動不能(ネモホームズも異聞帯に入った途端不調に陥った)。動けるのはデミ・サーヴァントのマシュと、ホムンクルスであるダ・ヴィンチに限られるほか、人類史の英霊という概念自体が拒絶されているこの世界では、正攻法の戦力調達を試みると異聞帯の現地人に協力してもらうほかないが、マシュの盾が勝手に起動してトリスタンが召喚されており、どうやら「土地」に縁があればサーヴァントが召喚できる≒円卓の騎士のみがこの異聞帯に召喚されうるようだ。

それ以外にもコヤンスカヤカルデアの者がこの異聞帯に出入りできていた事を見るとクラススキル『単独顕現』を持つこのクラスなら問題なく活動可能な模様。


現地ではサーヴァントに関しては区別がつかないので妖精同然に認識される。この地の妖精ほとんどが本心を見抜く妖精眼を持たないため、噓で騙すことも可能。神秘については妖精がプロセス抜きに扱うため、準備が必要な魔術は価値の無いものと基本的に扱われている。


人間編集

自然発生した存在ではなく、妖精たちによって作られた工業製品。魔術的なクローニングによって工場で子供が生産され、大人になると出荷される。

平均寿命は30年程度とされ、生殖能力を持たないために自然に数を増やすことはない。

人間という存在は妖精にとってエンターテイナーであり、替えが効くから壊してもいい玩具であり、接することで活力を得ることが出来る栄養剤である。


妖精は人間の作り出す文化を好み、積極的に模倣する。故に文化を作れない妖精は人間を文化というエンターテイメントを作り出してくれる存在とみなしている。

また妖精はその存在理由を人間やその文明から発生した概念に根ざすものも多く、故にそれを有する人間と接することで霊基が活性化する。そのために、妖精は人間を本能的に欲している。


ただし人間の意思や権利、その尊さなどは一切理解できておらず、ペットの様に食べ物を与えたり、いたずらの様に髪の毛を抜いたり、無邪気に指をもいだり、好奇心で肌を剝いだり、興味本位でバラバラにしたり、中には食用としか見做さないという、人間にとっては災厄そのものな扱いをする妖精がほとんど。


過去には妖精と人間が対立している時期もあったが、モルガンの治世となってからはある程度だけ保護が行われ、妖精と対等の地位を得たり、中には妖精を使役するものもいる。


モース編集

妖精國における災害にして呪いにして天敵。

詳細は該当項目を参照。


地理編集

異聞帯の位置は汎人類史におけるグレート・ブリテン島。

ただしMAPではブリテン島周囲にあるアイルランドとスコットランドの大部分がなくなっている。


妖精國の環境編集

自然環境としては、ブリテン全土が幻想的で風光明媚な風景となっており、日中は常に黄昏時で、夜は星空が広がり、青空というものがない。雨などは普通に降る。

首都「キャメロット」を境に南北に分かれており、南部〜中原は生活圏であり都市ごとに妖精が統治。またの名を「世界の果ての妖精郷」。

他の異聞帯とは違い、嵐の壁の存在を認識すらもせずに完全にブリテン島だけで歴史と世界が閉じている。(ダウィンチ曰く「五大陸も。他の国家も存在しない。この数日外国との情勢がどんなものか聞いて回ったが誰も『外国』を知らなかった」)つまりこのブリテン異聞帯においては、ブリテン以外の陸地がない(マン島などブリテン島に限りなく近い地域の島ならば存在する)。また、ベリルの言う通り魔獣は数が多く獰猛である。


しかし、不可解な事に「取り替え(チェンジリング)」という現象によって汎人類史から様々なものが漂流してくる事が示唆されていたり、スプリガンがこの世界の歴史で終ぞ登場する事のなかったサクソン人やニホン人について知っていたりと不可解な点が見られる。


また、コヤンスカヤも興味を抱く「アルビオンの竜」なる怪異が、今もなお生き続けているという。


地域一覧編集

この異聞帯では、地域によってまるで勝手が異なることから、大まかな地名と特徴も挙げる。

  • コーンウォール
    • 南西部にある、都市を逃げ出した妖精たちが掃き溜めのように集まる、通称「おしまいの村」。人間があてがわれておらず、近くには濃霧に覆われた「名無しの森」があり、お守りがなければわずかな滞在でも記憶が急速に失われていく一番の危険地帯。名前の有無が存在に直結する妖精にとっては、近くにモースが現れる件も含め破滅と隣り合わせの環境と言え、住民達の精神も相当に歪んでいる。
    • また、かつては領主がいたが『キャタピラー戦争』の折に討ち取られている。


  • 人間牧場
    • ソールズベリー西にある要塞。大きな建物は人間工場、小さな建物は外から連行した人間の収容所となっている。人間の創造性を重視しているため、収容所は一般の住居の形を取られている。人間の数が少ないのは女王の指示で制限されていたためで、その状況下で人間狩り(後述)を続けられたのは、ここで「生産」してその分補充していたからである。

  • グロスター
    • 翅の氏族の長ムリアンが統治する商業都市。建造物も生物もここでは常識で知られる概念が通用しない。中立主義であり、他の都市の勢力からも出店があるほど賑やかだが、流行のあまりの早さに入れ替わりも激しい。宮殿では大規模なオークションや舞踏会も行われており、モルポンドなる通貨が使われていることが判明している。暴力を禁じる法および長による「ルール」が敷かれており、ここでは鍛えた強さを振るうことができない。ここにも「」の1つがある。

  • シェフィールド
    • 牙の氏族の元有力者ボガードが統治している、島北部の城塞都市。女王に反逆する勢力のひとつで、ノリッジを追い出された者たちが再建して暮らしている。その性質と領主の政策から、妖精と人間がほぼ対等に近い立場で共存している。城壁は再生する神秘の樹木によって構成されており、城門が開かなければ中に入ることはできないという鉄壁を誇る。

  • ウェールズ
    • 西部に位置する森林地帯。常に紅葉舞う黄昏の森。当異聞帯ではあまり住民もいないらしいが、サーヴァント・オベロンが土地の縁を利用し、汎人類史の異界に持つ自身の領域と繋げている。ここでは主にモルガンによって追放された、虫系の妖精が多く住んでいる。


  • ニュー・ダーリントン
    • 妖精騎士トリスタンが統治する歓楽街。もともとはさえない街だったが、ベリルによって「国立殺戮劇場」という施設が建てられた。捕らえた人間を剣奴として戦わせ、優勝者も自由を与える名目で殺してしまう。人間だけでなく妖精にとっても等しく危険な嫌悪の対象で、難民をここに移住させるぐらいなら勢力同士の対立を棚上げしてしまうほど。
    • その特徴は、ベリルの言う「放っておいても(住民が)向こうから殺されに来る」という発言とも一致する。また、地下ではモースに関する実験が行われている。

  • オックスフォード
    • 牙の氏族の長ウッドワスが統治する街。牙の氏族の凶暴な本能を制御する為に娯楽を禁止している一方、食文化が異様に発展しており、街には多くのレストランが並ぶ。そのため、妖精國の食事事情を一手に支えている側面も持つ。ここにも「」の1つがある。

  • エディンバラ
    • 王の氏族の長にして自称女王ノクナレアが統治する、島最北部と思われる街。キャメロットの女王に反逆する勢力のひとつであり、隙あらば攻め込もうとしており、キャメロットには及ばなくとも多くの戦力を蓄えている。その統治は、来る者は拒まないが、入ったら出られない情勢。様々な氏族による部隊を擁し、ここでの「ルール」として臣下にはそれが誰であろうと力や富を分け与えている。しかし領主は人間を徹底的に嫌っており、妖精による妖精のためだけの絶対的な支配圏を築こうとしている。ちなみに、この地域にはノクナレアが国策として栽培している(板チョコが直接生える)チョコレート畑が広がっている。

  • マンチェスター
    • 妖精騎士ガウェインが所有する街。ここのルール(法則)は弱肉強食という過酷な世界。自然の摂理ではなく、弱い者は自分からその身を差し出し、強い者がそれを搾取するようになり、弱い者は抵抗する意志も奪われる。しかしその本質は、強い者が弱い者を守る世界であり、人間の考える弱肉強食とは正反対の平和な街。

  • 湖水地方
    • 鏡の氏族の長エインセルが統治する地域。女王に反逆する勢力のひとつ。ここの長は「予言の子」について知っている様子。

  • オークニー
    • 雨の氏族がかつて統治していた街。6つの「鐘」のうち1つがある。すでに滅んで禁域となったが、ここにはかつて壁画があり、それは女王暦にはない宗教画で、現在のブリテン異聞帯にはない「神」を意味する絵が描かれている。また、すぐ近くには焼け落ちた空想樹セイファートがある。

  • ティンタジェル
    • 「予言の子」を匿っていた南端に有る村。予言の成就を阻止せんとするウッドワスの軍勢によって焼き討ちにされ全滅したとされる。

  • ロンディニウム
    • 反乱軍(円卓軍)が占領した都市。かつて人類が権勢を誇っていた時の首都であり、現在は人域の限界者、白光のパーシヴァルの居城。作中の時代ではすでに廃都だが、現在でも女王に反逆する陣営の1つであり、人間が「円卓軍」を組成している。
    • 現在でも防衛拠点としては屈指の城砦であり、一度滅亡したとは思えないブリテン一の活気に満ち溢れ、人間が妖精の為に・妖精が人間の為に、自己保身ではなく隣人のために戦う気概を持っている。その位置は汎人類史で言うところのロンドンに当たる。

  • キャメロット
    • 女王モルガンが統治し、ブリテンの中心に位置する城。ブリテンの中心に開いた大穴を半分囲むように広がっている。配下の各氏族長や大使・官司などが定期的に呼び出され、日々の報告をしている。また、城壁外部・内部にそれぞれ都市が広がっており、城壁内部はこのブリテン=妖精國でも最大の規模を持つ。女王が妖精國じゅうから収集した存在税である魔力が天守に収束しているため、桁外れの魔力に満ちている。そして、この城がある限り、たとえブリテンが滅ぶような災害に見舞われても妖精國は蘇る。しかし城壁の砲門は外部へ向けてではなく、壁内側の「大穴」に向けられている。
    • 正門にはモルガンの意志を示すかのように古英語で「罪なき者のみ通るがいい」と注意書きがされているが、なぜかそれを否定するように赤い塗料で塗りつぶされている。妖精騎士ランスロット曰く「罪人であろうと構わない」というモルガンの決意であり唯一の慈悲らしい。

  • 大穴
    • キャメロットの西側に隣接する直径数kmの穴。深さは十数kmあるらしく、開口部から底を覗き見るのは難しい。妖精たちは本能的にこの大穴を忌避している。

  • 涙の河
    • グロスターから東・ソールズベリーから東北東にある河川であり、別名「ドラケイの河」。その名の通り、かつて水の聖杯とも言われた大妖精ドラケイが潜んでおり、通行しようとする者が欲している宝(の幻像)を川に流し、川に飛び込ませて水中で殺してしまうと言われる。ドラケイの魔力が強いため宝を無視するという方策はまず不可能で、一瞬でも見たが最後、気がつけば吸い込まれるように川へダイビングしているという。

  • 静脈回廊(オドベナ)
    • 汎人類史では霊墓アルビオンの地下10〜40km層に存在するが、このブリテン異聞帯では妖精達が普通に通れるほどの近い位置にあるらしく、ブリテンの霊脈洞穴として扱われ、ここを通ることで妖精國各地に移動することが出来るが、中はモースだらけで一般の妖精は利用できない。

  • 蜂の巣(仮称)
    • ブリテン島の北部に確認できる巨大な蜂の巣のような構造物。作中で最後まで言及されることがなく、何だったのかは不明。

分岐年について編集

章実装前に公開されていたAD500年前後はブリトン人がアングロ・サクソン人を打ち取り、アーサー王伝説の起源となったと言われる年である。また、537年にはカムランの戦いが起こったとされる他、Fateにおけるアーサー王の年齢が30代などの事情を鑑みて、この異聞帯はアーサー王が生まれなかった、またはアーサー王となる人物が王となる事が無かったなどの出来事が起こった可能性が説として挙げられていた。


その実情はAD500年が分岐基点どころではなく、年表における一番古い出来事を信じるならば大西洋異聞帯と同じく一万四千年以上の歴史を持つ世界である。

だが、歴史の収斂作用というべきものが発生しており、アーサー王とその円卓の騎士によるブリテンの真の王となるための旅が発生した。


また、本章では調査メモという形で初めて異聞帯の年表というものが追加された。


⬛.⬛.2017という表記は、まるで汎人類史のような年度だが、もともと異なる暦号を使っているためで、汎人類史が紀元前→西暦となったように、ここでもモルガンが君臨したのを境に妖精暦→女王暦と切り替わり2017年が経過しているもの。


妖精暦だったブリテンはほかと同じ「異聞帯」だが、女王暦になってからは人理に相当する世界の存在強度が汎人類史に匹敵する規模になっている「異聞世界」であり、この世界は空想から脱却しており、したがって空想樹を切除しても消滅しない、半ば編纂事象に類する。世界そのものは女王モルガンを打倒すれば剪定されるとされるが、ここで自然に発生した妖精たちはその存在が汎人類史の人間と同等の存在強度を持つため、外への移住も可能らしい。

「異聞帯」は多少の矛盾(齟齬)が許容される性質を持っており、女王暦ブリテン(≠異聞帯)から見れば妖精暦時代(=異聞帯)は一種の特異点とも言える。


二部2章の段階ではキリシュタリアからオフェリアにもたらされた報告で、ブリテン異聞帯はほとんど消えかけておりベリルはこの維持で精一杯だろうと分析されていたが、それは空想樹の状態が異聞帯の強度と合致する場合であり、確かに空想樹は枯死していたが、異聞帯という土台で見ることそのものがすでに間違いという状態であった。


カルデアからみた妖精國編集

最初にこの異聞帯の情報がプレイヤー側に入ったのは早くも2部1章の定例会議であり、担当クリプターのベリルが「原始的」かつ「あれのどこがあり得たかもしれない人類史なのか疑わしいような酷い場所」という南米異聞帯との共通点を挙げていた。


ベリルにとってはこちらから出向かなくても現地の者側から殺されに来るという状況がこの段階で報告されたほか、のちに「人間狩り」を行っていることや、人間の数が少ない代わりに幻獣は腐るほどいること、少しでも道を歩けばルールが違う世界になってしまうこと、以上を持ってイギリスの裏社会で育ったベリルをして「地獄のようなワンダーランド」「こんな気の狂った島にいられるか」と言わせた、魔境のような場所であることを予想させる報告も重ねられた。


汎人類史においても時計塔がある通りブリテン島は魔術上で重要な土地で、ここから摘出されるものを異星の神が取り込んだ場合の事態は予測不能なものとなる。

キリシュタリアによると、ここはクリプターにとっても異星の神にとっても相当の厄ネタとなり得る場所であるため、異聞帯として残しておくつもりは最初からなかった。異星の神とも異なる災害が存在していることを見抜いており、もしもブリテンに異聞帯が現れるとすれば、それは星を道連れにして滅びる「呪い」と確信されていた。そのため、直接訪問こそされていなかったがこの状況を確実視していたキリシュタリアによって早い段階で手を打たれていた。


異星の神は地球の歴史を理解しておらず、異星の神を相手に状況説明する手段もクリプターには無い。その為、キリシュタリアは、不安要素を排除するためにやむを得ずこの異聞帯を自滅させることを内密にベリルと計画し、ベリルの報告では誘導された現地の者の手により空想樹セイファートの伐採が行われた結果、カルデア陣営が乗り込むよりも前の段階で既に、手筈どおり事が進めば消滅を待つばかりの状態となったとある。


しかし、ベリルはキリシュタリアすら知らない情報を持っており、ブリテン異聞帯を支配する者らにとって、本来なら異聞帯を存続させる為に必要不可欠のはずの空想樹は、切り捨てても何ら問題は無い状態(前述)であることを隠しつつ、機会を窺っていた。

モルガンは空想樹の役割を見抜き、それを恐れず、逆に利用していたのである。彼の言葉を借りれば、「空想樹の中身を『干している』」とのこと。


そして、枝が空想樹同士のネットワークとなっている事までも既に突き止めており、これを逆手に取って自陣の空想樹に着火し、ギリシャ異聞帯の空想樹マゼランを延焼させて同異聞帯を破壊した。

さらに、ギリシャ異聞帯のベリルのいる地点を目がけて宝具真名解放規模のロンゴミニアドを魔術で再現した攻撃が仕掛けられている(この時、BGMとして黒剣王宝具曲が流れている)。

他の異聞帯と比較すると、在り方そのもの含めて決定的な独自性が見られる。


ベリルはその本性を見せる前、まだ空想樹マゼランへの延焼計画を伏せていた頃、計画が一段落した際にカイニスの手を借りてブリテンを発ち、計画完遂のためにギリシャ異聞帯へ一度は流れ込んできていたが、ギリシャ異聞帯で起こしたこの事件を巡って異星の神陣営と衝突した結果、逃亡手段としてコヤンスカヤの協力を仰ぎ、ブリテン異聞帯へ舞い戻る。

しかし、カルデア陣営にとっては、この段階ではブリテン異聞帯への攻略を急ぐ理由にはなっていなかった。


周囲を「光の壁」で覆われているという特殊な状況下にあり、外部からの観測が極めて困難。この「光の壁」は最果ての塔であると明言されており、次元断層の性質を持ち、第六特異点と同じ「世界の果て」に分類される。

当初はシャドウ・ボーダーで観測を試みるも、地形の輪郭はおろか、全てが観測不能な「暗黒地帯」という結論しか出せず、ノウム・カルデアでも光の壁の存在が判明した以外に大きな手がかりは得られていなかった。

他の異聞帯であれば輪郭程度は本来の地理的形状を推察可能な最低限の情報も不明であることや、トリスメギストスIIから自滅の可能性を予測されていたことで、カルデア陣営は長い事攻略を後回しにしていた。


オリュンポスを攻撃したロンゴミニアドの再現魔術こそ、神秘性がキリシュタリアの理想魔術を上回っていたため、カルデア陣営はこれを入手して異星の神への対抗手段の「神造兵装」にするつもりだったが、オリュンポスを落としリンボとの決着をつけたのちもあくまで攻略計画の幹は異星の神が潜伏する南米異聞帯であった。

しかし、とうとうブリテン異聞帯が崩壊を始めた時、キリシュタリアが危惧していた通り地球を巻き込んでの「崩落」であると判明し、放置すれば24時間後に地球そのものが寿命を迎えて自身の重力で自壊するという、おそらく異星の神にとっても想定外の、白紙化をも上書きする事態であり、急遽この異聞帯の攻略に着手せざるを得なかった。


よってこのステージにおけるカルデアの目的は、従来とは異なる2つとなる。

ひとつは地球の「崩落」の調査、もう一つはロンゴミニアド再現魔術確保のためモルガンとの交渉。後者達成には、普通の手段では入れない楽園「星の内海」を目指す必要がある。しかし、フォウは同行を拒否し、ストームボーダーにも乗りこんでいなかった。

(なおアルトリア・キャスターのマイルームボイスによると、彼女はマーリンにフォウことキャスパリーグを押し付けられている。)


到着直後から機械類に多大な悪影響がみられ、ストーム・ボーダー・シャドウ・ボーダーともに原因不明の電源ダウンを引き起こし、かろうじて不時着する所から探索が始まった。この不調は島に近づくほど悪化するようで、近づく毎にシステムが停止していったうえ、通信も機械には頼れないとのこと。ホームズは後の章でこの原因を汎人類史を拒絶するが故に生まれた概念と考察している。


空想樹の切除後の異聞帯の消える過程において、異聞帯の外部と内部の時間が同期しなくなることが始皇帝の幕間にて明らかにされているが、この時間同期が外れたことが土壇場のカルデア陣営にとって追い風となった。

カルデア突入前では外部時間における『地球崩落』まで24時間を切っていたが、内部時間ではボーダーが保つ範囲としては40〜50日の余裕がある。

ブリテン異聞帯外における約6週間前であるオリュンポス攻略時にコヤンスカヤはベリルの指示で汎人類史から様々なモノをブリテン異聞帯内部に納品しているが、ブリテン異聞帯内でこれは100年前の出来事となっている。

なおこの納品、最終的にはスタッフごと百貨店を持ち込まれた。


カルデアにとっては、単に「人間である」という理由で、住民に襲われる危険性の高い異聞帯。オリュンポスと全く異なる理由だが、調査に細心の注意を必要とする点は共通する。

これまで異聞帯を5つ滅ぼしてきたカルデアだが、ここは自滅しようとしている土地であり、むしろ救う側に立つことになる。

モルガンは光の壁の消去を目論んでおり、汎人類史にとっての「崩落」は妖精郷が地球全土に波及していく領土拡大であると同行者の1人は語る。モルガンは厄災を自分のものにでき、その厄災による呪いを汎人類史にぶつける計画を立てている。


妖精たちから税という名でエネルギーを徴収しているのもこの計画を成すためであり、予定にない成長をしているこの異聞帯は異星の神からも警戒され、対処のため使徒を送られている。汎人類史にとってはこれを食い止めるためモルガンの打倒が避けられない。


以上のような状況下にあるこの異聞帯は、人理が汎人類史のそれと比べて崩壊寸前で、北欧異聞帯の攻略時期の段階で既に消えかけ、中国異聞帯突入の頃になると残り数ヶ月で人類絶滅とノウム・カルデアに予測されていたため、人理の衝突という観点で見ていたカルデア陣営にとって脅威ではないと判断され、これも攻略を渋られた一因であったが、その本質は予測できるものではなかったと言えるだろう。

異聞帯は通常、汎人類史への危険度&相違点の度合いに応じた異聞深度というランク付けができるのだが、この異聞帯は惑星に馴染めていない為、外部から深度の計測がそもそもできなかった(表にてEX表記されているのはあくまでPVによるもの)。


担当クリプターであるベリルは、彼自身が語るところによると「妖精を裏切った身である事を理由に、居場所を明かせばすぐさま天罰と称してロンゴミニアドの再現魔術が降ってくる状況に置かれている」とのことだが、一方でモルガンから名代として他の異聞帯への外交を任される程度には信頼関係があり、彼がカルデア陣営の情報を伝えたことで、モルガンはカルデア陣営相手の衝突とは別個に主人公の身柄を狙っている。



調査メモ編集

妖精歴
妖精歴12000年
  • 世界は無の海に。無の海には小さな小さな島がひとつ。
  • 異聞帯ブリテンのはじまり
妖精歴11000年
  • 1度目の『大厄災』
妖精歴6000年
  • 『春の戦争』
  • 大地が広がり、その先端がスコットランドあたりまで到達。
  • 最後の竜の死骸を頼りに生きていた北方妖精族と遭遇。
  • 戦いは『人間』を擁していたブリテン島(南部)の妖精たちの勝利に終わり、北部の妖精たちは皆殺しにされた。
  • 何の罪もなかった北部の妖精たちの亡骸は語る。
  • 『つぎはおまえたちだ』
妖精歴5000年
  • 『春の戦争』の跡地に雨の氏族と鏡の氏族が王国を築き上げる。
  • 『雨の氏族』、オークニーに都を建設。
妖精歴4000年
  • 『楽園の妖精』モルガン (当初の名は『ヴィヴィアン』) 、オークニーに流れ着く。
  • 彼女を匿った雨の氏族、他の氏族たちの手によりオークニーと共に滅ぼされる。
  • 「汎人類史のモルガン」レイシフトにより汎人類史の情報を譲渡。
  • (この時真名を『モルガン』に改めた)
  • モルガン、『トネリコ』として活動開始。
  • 厄災を鎮めては眠りにつく、というサイクルを繰り返していた。
  • 同時期、賢人グリムがトネリコの召喚に応じる。
妖精歴2000年
  • 『夏の戦争』
  • 女王マヴ率いる「北の妖精」と「南の妖精」の戦争。
  • 救世主トネリコの仲裁による終戦後、現在の6氏族体制が成立。
  • 「南の妖精」たちを追い詰めたマヴだったが、勝利寸前で人間の恋人に裏切られ、その隙をつかれてトネリコに敗れた。
妖精歴400年
  • 『秋の戦争』
  • 人間との共存を掲げた集団『円卓』による武力蜂起。
  • 人間の騎士ウーサーが妖精氏族たちを制し、ブリテンはじめての統一王に成ることに。
  • マシュ、『水鏡』によりこの時代に飛ばされ、救世主トネリコ一行と出会う。
  • 数ヶ月後、戴冠式でのウーサーの毒殺を機に内乱が発生し『円卓』が崩壊。
  • 『円卓』の拠点であったロンディニウムが滅亡。
妖精歴1年
  • 『大厄災』により、妖精文明は滅亡。
女王歴
女王歴元年
  • モルガン、空想樹の魔力を用いて妖精国ブリテンを新生。
  • 『冬の戦争』
  • オークニーからモルガンの侵攻。ブリテン全土を平定し、女王として君臨する。
女王歴400年
  • 人間牧場の設定を巡って再び北の妖精とキャメロット、緊張状態に。
  • マヴとモルガンの密約。
  • 「貴方とは袂を分かつ。北部の妖精は私が維持してみせる」とマヴは北方に城塞都市を築く。
  • マヴ、永眠。女王都市エディンバラ出現。
女王歴800年
  • 『牙の氏族』による、『翅の氏族』の執拗な虐殺。
  • 『翅の氏族』、ムリアンを残して滅亡。
女王歴1000年
  • 『モース戦役』
  • 大厄災のひとつ。モースたちの“王”と女王軍の戦争。
  • 妖精歴からモルガンの臣下だったライネック、消滅。
  • その次代であるウッドワスが王を討ち、鎮圧した。
  • 王は『牙の氏族』に呪いを残したとされる。『つぎはおまえたちだ』
女王歴1600年
  • 『牙の氏族』に強力な妖精、誕生。
  • 妖精食いのバーゲスト。
  • 『鏡の氏族』の街を訪れていたオーロラ。
  • 『暗い沼』にて、メリュジーヌ、新生。
女王歴1800年
  • 『キャタピラー戦争』
  • 妖精騎士ガウェイン、着名。
  • コーンウォールの領主、ファウル・ウェーザー消滅。
女王歴1900年
  • 女王都市、マヴの次代を生み出す。
  • ノクナレア、誕生。
  • 妖精騎士ランスロット、着名
  • 妖精騎士トリスタン、着名
  • 『蘇り』の厄災で滅びたダーリントンをニュー・ダーリントンに転移。トリスタンが領主に任命される。
女王歴2001年
  • 鏡の氏族の長、エインセルが予言を残す。
  • “ブリテンを救う救世主が生まれた。偽の王を打ち破る真の王が現れる”
女王歴2011年
  • 『鏡の氏族』、滅ぼされる。
女王歴2017年
  • ベリル、クリプターとして「異聞帯ブリテン」にて「汎人類史のモルガン」を召喚。
  • 「汎人類史のモルガン」、単独レイシフトにより妖精歴4000年の「異聞帯のモルガン(トネリコ)」に汎人類史の情報を渡し、消滅。
  • カルデア、妖精國に到着。


余談編集

妖精は長らく型月世界に存在すると言及された存在だが、実は明確に登場したのはアニメ版『ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』第5話である。

こちらではフェイとブラックドッグが登場するが、ブラックドッグは死霊が変質した存在で、生粋の妖精という訳ではない。一方でフェイは純然たる妖精であり、コドリントン家の有するマーベリー工房の歯車とされた事に怒り、創設者のトレヴァー・コドリントンを殺害し、妖精眼を持つウィルズ・ペラム・コドリントンを妖精郷に連れ帰った(ちなみにフェイはモルガン・ル・フェの『フェ』と同義である)。

フェイは秩序を乱すものには容赦なく、殺害することにも躊躇しない一方で、自分に想いを寄せていたウィルズを気にかけるなどの優しさも持っている様子(これが汎人類史における数少ない妖精の記録となる。)。


関連タグ編集

Fate/GrandOrder Cosmos_in_the_Lostbelt 妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ 異聞帯 星の生まれる刻











※以下ネタバレ注意※編集






















許されよ、許されよ我の罪を許されよ

自由を愛する妖精達、愛を守った妖精達。あなた達のブリテンは栄えるでしょう

沢山の死を積み上げて永遠に、永遠に

でもどうぞいつまでも忘れずに

世界が新しくなるほどに根は古び、誰も知らないままこの通り

取るに足らない小さな虫の一咬みで崩れるのです

許されよ許されよ、我らが罪を許されよ


虫のように潰され

[ The fanged ones crushed like insects ]

毒血に倒れ

[ The royal bloodline tainted ]

希望を映すものは消え

[ The mirror no longer shows hope ]

異国には届かず

[ The road to new lands goes unrealized ]

知恵者は手を誤り

[ The wings of wisdom severed by blunder ]

輝きは愛に倒れる

[ The glittering winds die for love ]

呪いは獣を呼び、獣は炎を招き

[ The curse beguiles the beast, and the beast beckons the flame. ]


すべては、永遠に落ち続ける

[ All of creation, all of eternity, everything shall fall ]


2021/8/4に追加されたエピソードにて、この世界は聖剣の鋳造を担うアヴァロンの妖精が"たまたま"強めの悪性を持った個体として生まれ、その使命をサボったためセファールを撃退できなかった世界線であることが判明する。


妖精國における創世記の物語で「地上には海しかなかった」と謳われているのは、汎人類史と違って遊星の使徒が使命を完遂してしまい、海と一部の生物以外の全てがリソースとして遊星に持ち去られてしまったためであると語られている。

ここからこの異聞帯と汎人類史との分岐自体は、オリュンポス12神がセファールを撃退した事がきっかけとなった大西洋異聞帯と同時期であると推測される。


これだけでも十分な剪定理由だが、この世界が「行き止まり」となった原因はそれだけではない。

仕事をサボった6人の妖精が唯一生き残った神であるケルヌンノス度重なる忠告の煩わしさから、全ての責任を押し付けた末に裏切って殺害。さらにはその巫女を生きたまま解体して、自分達がずっと遊んでいられるための『道具かつ玩具(オモチャ)』となる人間の劣化コピーを創り出した事でケルヌンノスの呪いを招き、ここから積りに積もった妖精たちへの呪いが2000年前に「大厄災」を招いた為、妖精國は必滅の運命に陥る。これこそが本来のブリテン異聞帯の歴史であった。

ところがそこへ、汎人類史のサーヴァントである『もう一人の自分』から送られた記憶を受け取った異聞帯のモルガンが、トネリコとして歴史を変えた事で2000年前年の「大厄災」を一度は回避。更には妖精暦1年に空想だった異聞帯の世界を汎人類史と同等の存在強度にした事で、妖精國をもうひとつの汎人類史である「異聞世界」にまで引き上げた。


だが、上述する呪いの実態と全貌を (少なくともマシュがやって来るまでの間) 全く把握出来ていなかったモルガンは、レイシフトを模倣した魔術『水鏡』を用いて、2000年前に起こる筈だった「大厄災」を過去へ飛ばす事により発生を先延ばしに留める事が精一杯で、それ以外の有効な得策が打てず、その間にも妖精國への呪いや妖精たちの助長は更に積りに積もって勢いを増してしまう。

しかも妖精國がその妖精暦1年の創り変えの所為で、もうひとつの汎人類史マーリン曰く特異点化した異聞帯となってしまった事が災いし、もしも「大厄災」が起これば、それは隣り合う本来の汎人類史をも崩落に巻き込む程に規模を膨れ上げてしまった。


妖精國を救うとされていた「予言の子」こと楽園の妖精であるアルトリア・キャスターの本当の使命は、はじまりの6人の妖精の罪である放棄された聖剣を世界にもたらすことであり、それは「作られなかった事」を前提に累積していった妖精國を土地ごと消去する事に他ならなず、当然どちらも良しとしなかったモルガンは、自分が死んだ時に備え次期妖精國の王候補の確保など色々と布石を打っていたが、とある権力者の気まぐれによる策略で頓挫し、妖精國の滅びは決定的なものとなってしまった。と言うのも実は、聖剣作成は同時に聖剣を作る役目を放棄し世界を滅亡させた上、私利私欲から神と巫女を殺したという大罪を犯してしまった事実を突きつけ、自分たちの罪深さを自覚させて顧みらせる役割も兼ねており、妖精國の妖精達は国を追われる以上にこの件について叱責を受けることを恐れ、楽園の妖精を無意識かつ一方的に忌み嫌い迫害していた。

つまりこの『二重の過ち』を全員が反省して正さない限り、どう足掻いても妖精國は「行き止まりの世界」だったのだ。


更にこの時間軸の妖精種は人間と深く関わり過ぎた故に、本質や中身を理解しようとせず概念だけを中途半端に模倣した事で、悪性と自我をオリジナル以上に増大させてしまったことは前述の通りだが、本来文明社会を持つべきでない存在がそうなった結果、人間や漂流物ばかりか仲間(同氏族)も庇護者も自国さえも、自分の欲と目的を満たす使い捨てのモノとしか思っておらず、自分達がやりたくない事や嫌な事を一方的に押し付けたりする等、気まぐれに無理矢理付き合わせる形で散々弄び酷使した挙句、飽きるか一瞬でも機嫌を損ねれば、それら全てを罪悪感なく破壊し見捨ててしまうサイクルをひたすら延々と繰り返すだけの、もはや社会生物としても成り立っていない悲惨な状態に陥っていた。

そして皮肉にも、これらの概念は計画性が無いことを除けば型月世界における大半の魔術師と非常に酷似している。

事実終盤では、身の安全の確保や上層部の指示に従うよりも、個々の自己欲求と云う名の害意を満たしたいが故の排斥行為を優先して人間や仲間を襲った妖精達の中には、目的と手段が入れ替わった末に悪妖精化したまま汎人類史へ移住し、『遊び』と称して殺戮の限りを尽くそうと考えていた連中も多数存在しており、さらには妖精でなく「悪魔」を名乗るつもりでいた輩もいたことから、もはや『無垢ゆえに凶暴』という枠には収まらない純粋な悪意を得ていた事が示唆されている。(魔神柱を見れば分かるが、悪魔は少なくとも一方的に契約を破棄したりはしない)


この為か、彼らが汎人類史では同じ妖精から見ても「危険視され排斥・討伐される害悪」と見做されるだろうとメリュジーヌは悟っており、逆説的に汎人類史側の妖精は、遥かに秩序的である事が窺える。

両者共に理性が無く、人間とかけ離れた精神性・価値観の持ち主という根幹はほとんど同じながらもこう言いきられているのは、「愛着から来る仲間意識の強さ(所謂団結力)」と「すぐ近くに知性があり、尚且つ意思疎通が可能な別の種族(人間)が在住しているという認識」の有無という2つの相違点以外何物でもなく、云うなれば汎人類史における妖精は自分たちが『外の世界』と関わる際、やり過ぎれば己だけではなく大事な仲間や故郷にまで危害が及ぶというハイリスクハイリターンがある事を本能的に察している、またはそれをよく理解している統治者の指揮下とルールに従っているからこそ(多少のはあるが、それに関しても『妖精基準による常識内』で)共生が上手くいっていたのである。それが自分以外の周りはどうでも良く、全部を一緒くたにしている妖精國では、そんなリスクなど誰も歯牙にもかけないので、文字通り度を超えて好き勝手に善悪を楽しんでも、何が起きてどうなろうが知ったことではなく、気にも止めないからだ。

妖精國創り変えの背景には、トネリコが妖精達のこうした態度や言動に散々振り回され続けて精神崩壊を起こし、妖精暦400年に救済を放棄した結果、長年の回避により勢いと呪いの濃度を増していた「大厄災」が一気に襲いかかった事による全滅と云う名の一大リセットが起きていたのだった。


また、ここから妖精暦6000年に合流したマヴやノクナレア達王の氏族の前身に当たる『北の妖精』についても、元々は「『はじまりのろくにん』の聖剣作成」とは別の、だが同系列に当たる何らかの重要な目的を持って無の海と化した地球に残っていた存在と解釈可能であり、同時にケルヌンノスが介入する対象にもなってない事も踏まえると、合流時点ではその「目的」を遂行中または果たし終える間際にいたと推測され、これもまた汎人類史の妖精本来の在り方がどういうものか、『ろくにん』の仔である6氏族達(南の妖精)がどれ程異質であるかを決定づける証拠と云えるだろう。そうでなくても彼等はアルビオンの亡骸を住処としていた成り立ちと発展過程そのものが全く違う種族であり、妖精國成り立ちの元凶たる「聖剣作成の放棄」並びに「ケルヌンノスと巫女の殺害」に一切関わっていない。なので最初から「楽園の妖精」を忌み嫌ったり罪の意識に苛まれる理由も持っておらず、むしろ楽園の妖精に至っては素直に「自分達を仲間に入れてくれた大恩人」と見ていたと捉える事も出来る。


そもそも彼処の妖精が人間と生きる世界を分かったのも、そうした「人間由来の悪性」に染まり変質してしまう事を忌避したからに他ならず、後の2部6.5章ではホームズ「危険だったのは妖精たる生き物というより、あの異聞帯の極端な縮図だった」と語っている。

当初カルデアにおいては、妖精國の異聞世界化により妖精暦から生きる妖精たち限定ではあったが、住民が汎人類史世界にも移住可能となっていた為、一領国分 (約500人程) の人数をストーム・ボーダーで保護する計画を立てていたのだが、これが万が一実現していた場合、近い将来妖精の気まぐれによる暴動が発生し、カルデアが今まで以上に悲惨かつ膨大な被害を受けて壊滅してしまう可能性があるのは火を見るより明らかであった。


第1,2異聞帯が「繁栄や進歩したくても出来なかった世界」、第3,4,5異聞帯が「支配者が進歩や繁栄を止めてしまった世界」だとすれば、この第6異聞帯は「進歩や繁栄するべきではなかった世界」と言え、破滅の使者が語る感想にも否定できぬ正論が多分に含まれていた。

同じく高度な文明と知性を持った人間ではない存在によって構築された第7異聞帯が、類似ながら「進歩や繁栄せずとも最初から完成された世界」と称されていたのもまた、上述する仲間意識とデメリットをちゃんと全員が把握出来ていた事が最大の要因かつ理由だと分かる。


最終的に様々な災厄によって、ブリテン島は助かることなく完全崩壊した。生き残っていた者も仲良く奈落の底へと落ちていったであろう。

欠片として残った大地の上に、辛うじて虫の息である生き残りがいたが、もう長くはない。たとえ、彼女以外にも奇跡的に1人でも生きていようが、既に全壊したブリテン島で生きていける筈もない。そもそも異聞帯として切除され、特異点としても修復され、カルデアが去った "後" など無いことが容易に想像出来る。


また、妖精たちの屈折した価値観は似たような思考で溢れた妖精國という (地球という星全体で比較すれば) 狭い範囲内でしか通用しないものであり、上述した妖精によるカルデア全滅の未来も、あくまで主人公側や勢力の8割方を占めるサーヴァント達が皆無抵抗だった場合の結果である。

知っての通りだが、サーヴァントの中には汎人類史のブリテン出身かつ、妖精と関わった逸話がある故に当然その危険性を熟知している者もいれば、人と神が共存していた神代の神霊やその縁戚により何らかの神性を持つ者、果ては抑止力も効果がない外宇宙異世界の存在に破滅の化身の分霊など、妖精を遥かに超える神秘勢が多くいる。おまけに主人公はよほどのことがない限り、サーヴァントが生前における善悪の価値観と思考のままに振る舞うことを望んでいる。なので個々の英霊が彼等を『カルデアとマスターにとって危険な存在』と判断すれば……


  • マスター(やマシュ達)にとって害悪にしかならない輩は許しておけない
  • 汎人類史にこのような邪悪な存在を流出させるわけにはいかない
  • 信念のない愚物には生きる価値なし、死ぬがよい
  • 神の視点からしてもアウト、神罰を下す
  • マスターの命は自分が貰うんだから邪魔するな

などの理由で、外の世界を知らない(知ろうともしない)、或いは社会構造や在り方を妖精國と同じものさしのまま自分達の都合のいい様に解釈している……所詮井の中の蛙であった妖精は抵抗虚しく瞬く間に全員粛清され、救出が無駄に終わるというこれはこれで後味の悪い結末が待っていたことも想像に難くない。


ちなみに結果論だけで言えば、ベリルがモルガンを召喚したことが引き金となって、滅びの規模が本来更地になる程度だったところを大地・地球そのものが崩壊するほど悪化した形だが、ベリルは召喚の際に「どうせなら世界を壊せるやつがいい」とリクエストしており、ベリルの望み通りの結末を辿ったことになる。


以上のようなありさまであったため、本章クリア報酬の1つである概念礼装は妖精國そのものを題材とした「2018年のグロスター」であり、妖精國が真っ当な世界として2017年以降も続いたifを描いたものになっている。


クリア後の調査メモ

妖精歴12000年
  • 聖剣鍛造が仕事だった妖精6翅、聖剣を造らずに遊んでしまう。
  • 地表は無の海に。
  • 妖精たちは困ったあげく、
  • すべては自分たちを働かせなかった獣の神のせいだ、
  • と内部で結託し、神を騙して殺害。
  • その死体の上で生活するように。
  • 「これで浮かばなくてよくなったね!」
  • 残された獣の神の巫女は『人間』を産む(作る)ための
  • 道具(モデルケース)にされる。
  • 生殖機能のない、この世界のおける『人間』の誕生。
  • ケルヌンノスと呪いと、巫女の予言。
妖精歴11000年
  • 1度目の『大厄災』
  • はじまりの妖精、6の亜鈴のうち2翅が死亡する。
  • 亜鈴は仔と違い唯一無二の存在なため、
  • 死んでしまうと『次代』は発生しない。
  • ただ、その氏族の中でまれに
  • 「始祖ほどの力を持つ先祖返り(亜鈴返り)」が発生する。
  • 以後、1000年に一度、必ず滅びる妖精たちの国。
  • 『魂の傷』によって次代にならず消滅する妖精が出てくる。

最後に編集

無題


真・関連タグ編集

地獄 犯罪都市 暴民政治

ブラックアリス:同じく妖精が人間の文明を取り込んだ結果、社会構造が崩壊してしまったエピソードがある。

人類は衰退しました汎人類史は敗北しました

五大貴族BLEACHにおいて、霊王と呼ばれる存在を騙し討ちにして世界の楔にしてしまう。(うち志波家だけは反対していたが)その際霊王をバラバラにしており、巫女をバラバラにした6人の妖精と被る。この事がのちに世界を揺るがす大事件に繋がっていく。

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