9つの層で分かたれし地底世界。
カルデアのオーダーはここで終わる。
神話がここで生まれる。
物語無き世界に、神が生まれる。
太陽は再び、世界を照らす
概要
ロストベルトNo. | Lostbelt No.7 |
---|---|
分岐基点時代 | BC.???? |
異聞深度 | A++ |
場所 | 南米 |
キーキャラクター | 惑星を統べるもの |
クリプター | デイビット・ゼム・ヴォイド |
章クリア報酬 | 概念礼装「あの遠い夜の日に」 |
シナリオ担当 | 奈須きのこ |
副題は「惑星を統べるもの」。
第2部開始時点では、分岐基点が紀元前であること・南米に位置していること以外の情報が非常に少なく、殆ど謎に包まれた状態であった。
2部開始後も長らく「樹海」の2文字以外一切不明で、6章のクリア後に表示されるバナーでさえもノイズがかかっていた。
なおこれは5章後編クリア時の6章と同様の処置だが、6章とは異なり章アイコンすらも表示されておらず、徹底的に情報が隠匿されていた。
2022年4月に発売したTYPE-MOONエースVOL.14の別冊付録内のインタビューにて、タイトルの前半が『黄金樹海紀行』と判明。同時にシナリオ担当が奈須氏であると公表。
同インタビューでは奈須氏から、本筋とは関係ない内容ばかりの「大ボリュームの繁雑な寄り道」だった6章とは逆に、第2部全体の真相を明かしつつ、「非常にシンプルな物語」になる事が語られていた。
同年6月配信の6.5章クリアと同時にバナーのノイズが解除。タイトル後半は『ナウイ・ミクトラン』とアイコンが開示され、12月4日に副題が公開。
そして、2022年12月25日18時より「前編」が遂に開幕。
前日24日の生放送にて前後編になると告知されたが、6章のようにもう一編隠しているという路線は竹箒日記にて否定され、年末特番にて後編配信が1月下旬と発表。
その後、31日20時からと発表があったが、事前番組放送開始直後に延期が発表されるという前代未聞の事態が発生。同日23時という予告詐欺ギリギリの時間まで延長の後、何とか「後半」が開幕された。
今までのメインクエストは開幕と同時に新規サーヴァントのピックアップ召喚が行われていたが、今回はストーリーを優先しネタバレを避けるため、開幕から時間を置いた2023年の後半実装時からピックアップが行われている。
よって、11月開催イベントであるカルデア妖精騎士杯にて実装のブリトマートが2022年の最後の実装サーヴァントという形となった(あくまで「新規実装が最後」なので、「復刻が無い」とは発言していない)。
2部のメインストーリーとしてはここにきて珍しく、長らくイベント以外で使われていなかった1部のBGMが多用されているのも特徴。
これまでのシナリオにて出ていた、担当クリプターのサーヴァントによる「死は喰うもの、生は捧げられるもの、死者を裁いたり自由にする概念など存在しない」、シオンによる「ここから先は欠員なしでの勝利のような無事で済むはずがない」といった一連の指摘が、極めて最短の形でカルデア陣営を襲う展開となり、実際同部6章とは異なる意味で過酷なものとなっている。
ストーリー
前編
異星の神による彷徨海への強襲。
多大な犠牲を払いつつもストーム・ボーダーによる脱出を果たしたカルデアは、
地球の支配者たらんとする傍若無人な神の目論見を阻止するため、第七異聞帯への突入を試みる。
南米・アマゾン熱帯雨林————
肥沃な大地と生い茂る樹木が数多の生命を育む、
この惑星(ほし)の命の揺り籠“だった”場所。
空想の根を宿した今は、干からびた土壌と分厚い雷雲が空を閉ざす、死の大地へと変わり果てていた。
何故、このような環境になったのか。
一体、この歴史には何があったのか。
生命(いのち)を拒絶する過酷な環境へと変貌した南米異聞帯にて、
人理はただ一つ息吹く“脅威(いのち)”と相対する。
(公式生放送より)
後編
『異星の神』との予期せぬ邂逅と共闘。
大統領の御心は宇宙スケールのためいまいち計れないものの、
その存在はマスターが異聞帯を生き抜くための支えとなっていた。
姿形は違えど時折垣間見える懐かしさには、あるはずのない昔日の続きを思わせずにはいられない。
──────しかし、黄金の樹海は容赦なく現実を突きつける。
「ようは『滅亡の体験版』だ。いずれ味わうものだが、一足先に楽しんでくれ。」
クリプターであるデイビット・ゼム・ヴォイドとそのサーヴァントが呈する第七異聞帯の未来。(あした)
絶対的な破滅を回避する術を求めて、マスターは9つの層で分かたれし地底世界を進んでいく。
未だ眠る未曽有の危機、その空想の芽が根差した大地へと。
(公式生放送より)
登場人物
惑星を統べるもの | 異常者とされた天才 | 煙吐く戦闘神 |
---|---|---|
CV:米澤円 | CV:石川界人 | CV:三上哲 |
聡明な賢者 | 異星の使徒・司祭 | 眠りし極限の単独種 |
CV:- | CV:中田譲治 | CV:- |
花嫁の守護妖精 | 泣き虫な水兵 | 冥府司る女王 |
CV:伊藤彩沙 | CV:花守ゆみり | CV:田中美海 |
死の蝙蝠王 | 呪面の巨女神 | 罪を裁く刃 |
CV:檜山修之 | CV:潘めぐみ | CV:久野美咲 |
2柱の女神を名乗る者 | 蛮族の王子 | 愛を知った獣 |
CV:本多真梨子 | CV:- | CV:斎藤千和 |
陽気な太陽神 | カルデアの者 | 映像記録 |
CV:諏訪彩花 | CV:- | CV:伊東健人 |
叡智の騎士団長 | 万能の賢王 | "青"の恐竜王 |
CV:三木眞一郎 | CV:関智一 | CV:- |
冥界に隠れし者 | 断罪の執行者 | 淫蕩なる冥界の女神 |
CV:中田譲治 | CV:田中美海 | CV:植田佳奈 |
金色の牧羊神 | 恋に生きる闘士 | 星詠み姫 |
CV:神尾晋一郎 | CV:- | CV:- |
サッカを愛する兄弟 | 傲慢なる神官 | |
CV:- | CV:- | |
その他
冠位の剣士 | 冠位の弓兵 | 冠位の槍兵 |
---|---|---|
CV:川澄綾子 | CV:神奈延年 | CV:置鮎龍太郎 |
冠位の騎兵 | 冠位の魔術師 | 冠位の暗殺者 |
CV:前野智昭 | CV:櫻井孝宏 | CV:中田譲治 |
冠位の狂戦士 | ||
CV:三上哲 | ||
第七異聞帯・南米
カルデアは大規模特異点『トラオム』にて大きな犠牲を払い、信じられないモノを目撃した二日間のインターバルを置いた後に南米異聞帯に向かう予定であった。
しかし、若きモリアーティが餞別として残した映像記録により、異星の神の目的が今の自分にとっての不確定要素を潰せる新たな体として、型月世界における物理最強生物『ORT』と融合する事である事が判明し、急遽南米異聞帯に向かわなくてはならなくなった。
シオン曰く、現在のカルデアの戦力をレベル50とするなら異星の神はレベル1000であり、ORTと融合すればレベル10000になるという。
そしていざ到着したこの異聞帯は、到着直後の映像でそもそも人類の生存圏ではないとわかるものだった。
シオンの見立てである「文明が死に絶えた世界」どころではなく、現在進行形で噴火する無数の火山と、空を覆いつくす黒雲から地表に降り注ぐ無数の雷で構成された荒野。まるで天変地異で全生物が絶滅した直後のような状況。
さらにその地表の輪郭の形状は、地球上の全大陸がひとまとめになった「超大陸パンゲア」そのものを形作っていた。これは汎人類史でいうところの6600万年前にあたる陸地の形状である。
したがって人類史の可能性としてこんな世界があることを疑うのは当然であり、汎人類史では人類の始祖が600万年前に誕生したとされるため、人類が誕生する素地が最初から成り立っていない。
原因は太古に衝突した隕石であり、地表が焼き尽くされてこのような風景になった結果、生物たちは避難することになった。しかし、同じく隕石落下が契機となった第一異聞帯と比較してなお、地域は6600万年が経過した現在に至るまで隕石落下当時と同じ天変地異が続いているのは明らかな異常事態である。
そして敵対者の警備体制は、ストーム・ボーダーの来訪だけでも確たる異常と判断した「異星の神」が自らやってくるというものだった。
偶然上機嫌だからという理由で直接攻撃こそされなかったが、上機嫌な理由は人類の最高峰とされるグランドサーヴァント7騎を倒したためである。
そのうえ、主人公はとある理由でマスターとしての資格を喪失することになり、一切の令呪が使えなくなる(マスタースキル欄は禁止されていない)。そのうえ、この影響で一度に召喚できるサーヴァントの数に著しい制限が加わるため、苦戦は免れないだろう。
この世界の構造
この世界は地下に広がる広大な地下空洞世界『ミクトラン』筒状の縦穴構造をした世界であり、重力が側面(筒の壁部分)に対して働いているという、宇宙コロニーに似た仕組み。
汎人類史の常識では「地表に見える」かのような熱帯雨林もその一部。その全土は百万㎢の広さを持ち、下方向への距離は1000㎞以上。
もはや汎人類史の地質学は根本的に役にたたない。
汎人類史では地下に掘り進めた最高記録が12㎞、大陸地殻さえ40㎞、そのさらに地下はマントルになっているとされるため、ここは真に地下の世界と言えよう。
ゲーム中のワールドマップも、ジャングルで出来た筒を通り抜けるような構造になっている。そして、この筒を先に進むほど「異なる層へ渡る」ことを意味する。作中では先の層へ進むことを「下の層へ行く」と表現しているが、重力の方向は下には向いてないので、下に進むといってもそれは「落ちる」という感覚ではない。例えるなら、上は「北」、下は「南」のように言い換えればわかりやすいかもしれない。
ジャングルの気温は昼間だと汎人類史の砂漠より過酷で、礼装の冷却機能を最大にしても体感温度38℃を記録するほど。
ただし人工天体としての太陽が存在するため、地底世界とはいっても汎人類史の地上同様に外は明るい。太陽の祭壇でエネルギーを蓄え、全ての層を一巡する形で各地を照らしたのちに再び祭壇へ戻ってくる循環を繰り返す。
樹海一辺倒ではなく平原や都市も存在するが、筒のところどころが「冥界」と呼ばれるエリアになっており、磁場が歪んだミクトランの異常地帯。そのうえ死者が闊歩する試練の層のため、外来者が通るにはさらに大きな危険を伴う。
「冥界」は、クリプターやカルデア陣営がここを訪れた影響か、周囲の地形が大きく変わり、以前と比べて突入することさえ困難な道のりになっている。同時に汎人類史の影響を受けており、カルデア陣営にとっては召喚のルールが緩くなる。この空間は編纂事象かつ剪定事象という状態になっているので、人理定礎値が常に変動し続けている。
この世界の「層」
9つの層は以下の通り。
- トラロカン。地上への天井が絶壁になっている。
- 赤の冥界トラトラウキ。終わりなき河があり、巨大イグアナが住む。デイビッドが連れてきたテスカトリポカによって魔境と化している。それ以来、冥界は死者が完全なる死を迎えるため踏破させられる試練の地となった。試練を乗り越えたという自覚がない限り克服できないので容易な踏破はできない。
- 黄金都市チチェン・イツァー。太陽神ククルカンに守られた、実りある大平原を持つ都市がある。
- 白の冥界イスタウキ。刃と風の谷であり、骨捨て場。
- トゥーラ。大地の血管であり、血と鳥の湖。メヒコシティという都市がある。
- 青の冥界ソソアウワキ。銀河砂丘にして、真空雷園。
- 天文台メツィティトラン。歌うイルウィカトル。ミクトランの天文台で、ここの歴史を知ることができる。
- 黒の冥界ヤヤウキ。太陽なき地底山脈。ここから先は生物を死に至らす霧に満ちているため、太陽が360回目の休憩に入ってから再起動までの5回期の間だけ晴れる隙を狙うしか通れないらしい。
- 恐怖の地シバルバー。大樹たるセイバの麓。
この世界の住民たち
最初の上陸地点は汎人類史の風景にも通ずる熱帯雨林だったのだが、住民の風貌は根本的に違っていた。
恐竜人類「ディノス」
ここでは恐竜である「ディノス」が、世界の運営を任された霊長として、汎人類史での人類にあたる生命体として暮らしている。地表が焼き尽くされた結果、地下に移住して現在に至る。
翼竜や首長竜といった本来は恐竜ではない古生物を起源とする個体も存在するが、それらの古生物も含めて彼らの祖先を便宜上、『恐竜』と表現している。
大多数のディノスは、知識欲を持たない。肉体がそもそも頑丈であるため脅威がなく、人類と違って知性で肉体の脆弱さを補う進化の必要に迫られなかったからである。たとえ老いても死ぬまで身体能力が衰えることがない。ただし知性そのものは高く、必要とあれば知識を運用段階へと迅速に活用する。
ディノスは「満たされた存在」なので、色々と不足している汎人類史の人間とは異なり、奪い合いや争いをすることがない。そのため店では必要な商品を持っていく際に対価というものを必要としない。必要なものを必要な分だけ調達こそすれ、過剰に物を独り占めするような心配などないからである。
他者と自分を比べる思想が存在しないので異文化への偏見や反感などあるはずもなく、その満ち足りた心は、悲しさや悔しさを知性では理解しつつも心では悲劇や理不尽とは捉えていないレベルで、ただありのままを受け入れている。この点は、同じく幸せに満ちていたために悲嘆を理解しない中国異聞帯の民衆と共通点がある。
その外見どおり、ディノス自体はこの世界が作られた当初に地上から移り住んだ存在で、恐竜のうち汎人類史でいう獣脚類にあたるものがほとんど。
ただし人類にはない弱点として、多種多様な食物を吸収する雑食性はなく草食。しかも口に出来るのは極特定の植物に限られる。肉を食べようものなら毒素を分解できず知性を失って死亡する。
そんな頑丈な彼らであっても、第9層への踏破に成功した者はいない。
一応彼らにもククルカンを太陽神として扱う概念はあるが、神という概念そのものも本来は言語あって初めて存在しうるもの。
知識欲のないほとんどのディノスは、クリプターの来訪以前は言葉による意思疎通さえあまり行わなかったので、ククルカンそのものはいても、それを「ただそこにあるもの」としてみていた。
それが、言語を多用する生物たる人間であるクリプターの来訪を境にして、言語の取り扱いが増えた結果、「特別な存在」としてククルカンを神と扱うようになったことで、自分たちの世界に「物語」もまた初めて生まれたのだった。
また、命に差別をせず、外見に囚われず心の在り方を重視するという精神性の高い社会を営み、生命以上の大きな価値観のために生きているので個人的な死はともかく種としての絶滅を恐れない。またいざという時に自身を冷凍保存する技能や、生体波動を使っての物理衝撃遮断という技能も可能とする割に、一律草食である点などから、汎人類史の地球環境化ではなしえない進化であり、したがって汎人類史にないタイプの遺伝子操作技術で作られた存在のようだ。
草食ではなしえない活動エネルギーの補充方法は光合成であり、生物と植物のハイブリッドである。彼らが太陽神ククルカンと共に生きるのも道理。
一方その完成されたシンプルな生態ゆえか歴史の積み重ねがなく、だからこそ「歴史の積み重ねがあったからこそ発生しうる」ような、例えば計略で家族を失ったり、同じ種族で騙したり憎んだり殺し合うといった「残酷な出来事」には精神が耐えられない側面もある。
その中でもカルデア陣営が最初に出会った個体は、彼らの中では異端と言えるほど高い知識欲を持つ。
「汎人類史」「異聞帯」の情報を耳にしても、事実を事実として受け入れる、色眼鏡のない視野を備えているうえ、知識の吸収力も人類でいえば天才の領域。
また、これまでの異聞帯の住民と違っているのは、その事実を前提とし、そのうえ他の異聞帯ではカルデアを自分たちの世界を消す存在として素性を知られれば現地住民が敵対するとまで知りながら、自分たちはそんなカルデア陣営を「客人」とみなし迎えた。
もともと満たされた文明を築いてきたディノスではあり、カルデアの戦いが自分たちのやるべきことをやりに来たという事実さえありのまま受け入れ、自分たちの世界の行く末と並列に考えることのできることを教えられればすぐに理解するが、特に彼はそれを張本人との対話のみで成し遂げた。いわばこれまでのどの異聞帯よりも(そして汎人類史よりも)特に理知的な住民と言える。
空想樹切除によって異聞帯が消えることさえ、「世界は滅ぶというただの事実」として認識している。
ここにきてカルデア陣営は、「世界を滅ぼすための戦い」を初めて現地住民から肯定された。
ひょんなことから同行者となった者から言わせると、汎人類史の人類より「数段上の存在」である。
他の異聞帯にも、大多数の住民と違う変わり者はいたが、別種の生態をするほどの変わり者というのは全異聞帯を通しても前例がない。
そんな彼らだが、この世界そのものが有する「マィヤ」によって波長・言語・認知基準の調整を受け、外来種とも対等に会話をすることが可能。つまるところ「自動翻訳機が世界全土に仕掛けられている」のである。
「マィヤ」とはこの世界をよりよく運営する「気持ち」であり、つまり「善意」であり、ここ9つの層に分かれたディノスの地底世界たる「ミクトラン」の、すべての源にして指針。しかしその「マィヤ」の恩恵も冥界には届かない。
自然との調和を重視する点においては、汎人類史のアステカ文明との類似点がある。
自分たちの要となるものとして、ミクトラン全体を貫く宇宙樹なる存在がある。その頂点にあるものこそが太陽の祭壇であり、その祭壇を擁している場所こそが彼らの居住地の中心である第3層の黄金都市チチェン・イツァーとなっている。
また、生命体として単純に上回る相手に対しては苦手意識が非常に強く、該当する唯一の存在であるカマソッソの活動に対しては、オセロトルが相手なら行なっていた防撃戦闘さえ一切なりを潜め、ただ逃げ回り家に立てこもるのみである。
ちなみにデイノニクス11兄弟のように自分たちの基になった恐竜の種名を知っている個体もいるが、どこからそんな知識を得たのかは不明である(そもそもデイノニクスという単語自体がラテン語である為)。
一部の個体の名称はマヤ神話の登場人物に由来している。
人型生物「オセロトル」
一方でここにいる敵性生物としてはジャガーを意味する「オセロトル」がおり、そちらは人型の形をして豹のような顔面を持ち、銃で武装した存在。クリプターとともにやって来たようで、戦いと称してディノス狩りをしつつ、5つ目の層に大都市メヒコシティを築いている。
デイビットが第1章オープニングで言っていた「コフィンの中ではできなかった作業のような殺傷行為」とはおそらく彼らの活動と思われる。
リーダーの「イスカリ」はディノスの根絶を目論んでいるとも言われ、その狩りの本質はどうやら利益のためらしい。
体型、武器、そして肉を剝いで皮を加工するなどの行為、そうした活動を組織だって行っている様相、そもそも生物学的な特徴が、まるで汎人類史の人間とよく似ている。
被害を受けたディノスは、ただ殺傷される場合もあれば、毒によって知性を失い暴走する形で滅ぶこともあるらしく、カルデア陣営もそうした存在と遭遇している。
「オセロトル」はいわば「強き者の心臓をテスカトリポカ神に捧げる」という新興宗教のような活動で、ディノスに肉食という名の毒を投与している。
ミクトランにおいてディノスは最強の存在であるため、強き者として標的にされ、自身の運営する都市でディノスの心臓を剝いでいる。そのため野に生きているディノスはかなり数を減らしたようだ。
これまでの異聞帯の大半が多かれ少なかれ人間にとって過酷な世界だったのに対し、ここはいわば人間が他者に過酷な環境を与えている世界である。
ディノスにはない闘争心の高さと好戦的な性格が特徴であり、そして彼らが崇拝するテスカトリポカ神の考えを象徴するかのように「死に対する悲しみ・悼み」が存在せず、相手の死と同様に自分たちの死も等価だからこそ殺戮をする。そもそも悲しみ・悼み以前に、自分たちの仲間に対して感情を向けること自体なく、感情とはテスカトリポカ神の一挙手一投足に対してのみ反応するもの。感情の発生はテスカトリポカ神にすべて任せている、とも言い換えられる。また自分たちの命はテスカトリポカ神への供物なのである。
一方知能がかなり低いため「敵対者の力量把握」「戦術的撤退」さえ出来ないレベルであり、
言語に関しても、細かな意思疎通には向かない、それどころか大雑把な「合図」程度のものしかないらしく、知的関心のないディノスから警告される時も言葉が通じるようわざわざ平易な言葉に言い直されるほど。
目の前に新しい銃を与えればすぐその相手を支持するなどの理由で、テスカトリポカ神からもイスカリからもある種呆れられている。
セリフは作中の表現だと象形文字のみで構成され、中にはアステカ文明のそれ(マヤ文字)も含まれている。これは表意文字であり、組み合わせることで複雑な意味を作り出せる仕組みなので、ラフム語のようにはいかない。
’23年1月に入ってユーザーからかなり解読されているようだが、解読しないと意味が分からない以上、彼らオセロトルは「マィヤ」の自動翻訳対象から外されている。
その素性はエイプであり、ミクトランにおいては本来最弱の生物。それでマィヤに無視同然の扱いをされてきたのである。
この、ディノスとオセロトルが内戦状態にあり、汎人類史のミクトランと違って「戦う者だけが生存を許される」のが、南米異聞帯である。その点では、戦わなかった者だけが死後楽園へと送られる汎人類史のアステカ神話の楽園とは逆である。
異聞帯としての総括
厳密には「中南米異聞帯」と言える
3億年前より始まった恐竜時代が6600万年前に3度目の絶滅を迎えるポイントから、汎人類史と違うルートを進むこととなる。
大絶滅の原因となった隕石はわずかな起動のズレから汎人類史より2億5000万年早くユカタン半島に衝突。付着していた「宇宙から飛来した植物の芽」は地表へ寄生し、隕石によって滅びた大地を生物では不可能な規模で復活を成し遂げた。
この植物は情報伝達機能はあるが単独では知性の発展ができない。宿主になる生物に寄り添い、その生物を繁栄させるという共存関係によって生存権を確保する。南米異聞帯においてこの植物が共存に選んだ生物は、後に誕生する人間ではなく、恐竜たちだった。
南米異聞帯の生命を導くマィヤ(神の繊維)とはその植物のこと。汎人類史でも訪れる災害(ORT)に対し、マィヤは地底にシェルターを作って対処した。パンゲア全土のエネルギーを地底に集め、地底世界ミクトランという楽園を作った。
しかしその際に集めたエネルギーが100万年分にあたるものだったので、すっかりエネルギーが枯渇した地表は数千万年以上燃え続けている。
ミクトランにはディノス以外にもそれなりに繁栄した種はいたようで、2000万年前に類人猿プロコンスルが発生していたようだ。
時間の単位として「年」や「月」という概念がなく、過去の出来事は「“以前”という曖昧な言葉でのひとくくり」になっている。
歴史を記録する必要性を感じていないため、社会が複雑化することはない。異聞帯として成立した6600万年前から在り方は不変。同行者の1人はこれを人間社会とは比較にならない完全な理想社会だと評した。
しかし生物が変革を起こさないなら、新しい可能性を生まないというのなら、世界は剪定事象となるが道理。
「完成しているからこそ生命が発展しない世界」。
ディノスは高い知性を持ちながら、ORTの脅威や太陽の寿命にひとかけらの怖れを覚えない。いずれ訪れる絶滅を「それは仕方のないことだ」と自然に受け止める。誰もが精神的、肉体的に完成されている故にこれまでの異聞帯の中でも過去最大の歴史を持ちながら何一つ生み出さなかった。
滅びを受け入れるこの異聞帯は、カルデアの敵にも、どの異聞帯の競争相手にもなりえない。
ミクトラン史
3億年前 異聞帯スタート
マィヤ、隕石に付着してパンゲアに落下。
マィヤ、植物ネットワークで大陸を固定。
恐竜時代、ここからずっと続く。約一億年の楽園。
6600万年前 3度目の大絶滅
マィヤ、隕石(ORT)落下を感知。
地底世界ミクトランの創造。人工太陽の作成。
地上の生命を地底世界に退避させる。
隕石(ORT)、地表を貫通しミクトランに落下。
最下層に食い込む。しかしORTは活動停止。
2000万年前 ミクトラン繁栄
ミクトランにもプロコンスル(猿。人類の祖先)が誕生。
ORT再活動。イシュキック誕生。ORT停止。
一年前 汎人類史の文化漏洩(ろうえい)
クリプターによる文化侵略。対応するディノスたち。
余談
第2部開始時点では情報が非常に少ない異聞帯であり、サブタイに辛うじて「樹海」が入っている事、紀元前で分岐した事だけはわかっており、ユーザー間でも様々な考察がなされてきた。
恐竜が登場する説はファンの間では2部開始初期から考察されていた(ケツァル・コアトルがケツァルコアトルスを使役していたり、白亜紀を第一の世界(第一の世界はテスカトリポカの主宰していた時期である)と表現したり、概念礼装『TEAM Phoenix』に恐竜や太陽に関するテキストがあった為)。
また、サブタイが南米関連ではなく「空想樹海~」なのではないかという予想等、様々な考察が飛び交ったが、一見すると飛躍し過ぎにも思えた考察のいくつかは的中していたりする。
以上のような配信前における予想は当記事最下部の「配信前におけるユーザーの予想や考察等」に残してあるので、気になる方は気軽に閲覧していただきたい。
関連動画
ティザーPV
TVCM
前編
デイビットver.
U-オルガマリーver.
後編
デイビットver.
ククルカンver.
カマソッソver.
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死想顕現界域トラオム | 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン | 奏章プロローグ |
※厳密に言えば奏章の前に7章後編があるのだが、ネタバレ防止のため当記事では伏字にさせていただく。
関連章
- 絶対魔獣戦線バビロニア:こちらでは南米の神話体系の神霊が登場。本章ではそれとは逆にメソポタミア神話関連キャラクターが登場する。
- 伝承地底世界アガルタ:同じく地下世界が舞台であり、こちらでは米大陸に因縁深いコンキスタドールが主軸となっている。
配信前におけるユーザーの予想や考察等
※この項目は配信前まで当記事に記載されていた、ユーザーの間で立てられた予想や考察の一覧です。
本編の内容そのものではありませんが、純粋に当時の期待や考察を懐かしんだり、「当時のユーザーはどんな予想や考察をしていたのか?」「ユーザー間での予想や考察はどれほど当たっていたのか?」等を閲覧し見比べるといった楽しみ方の一つとしてご活用いただければ幸いです。
以下、当時の予想や考察となります。
舞台(異聞帯内部)についての予想
第2部に先駆けて実装されたエルキドゥの幕間にて、彼は至高神エンリルに鋳造されし黒杉森の番人フワワに思いを馳せていたことから、ユーザーの間ではバビロニアが候補地のひとつとして考えられていた。
他に有力とされる候補地には、第二部OPでデイビットが立っていた遺跡に刻まれているものがマヤ文字であることから南米も候補に挙げられていた。
また、ケツァルコアトルの発言によれば、アステカ神話における第一の世界は型月史では白亜紀に当たるらしい。ちなみに同神話での人間世界の誕生は5番目。
更に、本来はアステカ神話の神であるケツァルコアトルがマヤ神話の冥界(シバルバー)について言及しており、この事から型月世界ではアステカ神話もマヤ神話も根本は同じだと考えられ、マヤ神話の要素も関わってくるものと思われる。
他、謎のヒロインXXのバレンタインボイスでは、地球に存在する脅威の一つとして「膨張する太陽を幻視する祭壇」なる単語を挙げており、それがこの異聞帯にある何かではないかと言われている。
ちなみにFGO外での南米については、月姫でアルクェイドがまだ経験していない神秘の一つとして言及されていた。奇しくも南米を目前に控えた7周年で、そのアルクェイド本人が実装されている。
こういった既出の情報等を踏まえて、南米異聞帯の状況は以下のような予想がされている。
- 1:恐竜が絶滅せずに生き残った世界である説。
- ケツァルコアトルの乗騎が翼竜であったり、異聞帯の位置から見て北西には恐竜を絶滅させる原因の隕石が落ちたユカタン半島があること。またウルティモ・トペ・パターダや、ケツァル・コアトル〔サンバ/サンタ〕の宝具はユカタン半島に隕石が落ちたという出来事の再現である。(ただし、ユカタン半島の位置に異聞帯はない事には留意されたし。)
- 概念礼装『Team Phoenix』では恐竜について触れている。また、この概念礼装ではサーヴァント・ユニヴァースについても触れていたが、セイバーウォーズ2〜始まりの宇宙へ〜ではブラキオサウルスらしき恐竜が背景に描かれていたり、ケツァルコアトルと同じく原始的な金星の女神(スペース・イシュタル)が主役だったりするのである。
- 実は同じく7番目の章である絶対魔獣戦線バビロニアに登場したキャラクターではティアマト神が自身の霊基をジュラ紀相当までに回帰したり、エレシュキガルがバスター攻撃にティラノサウルスやトリケラトプスの化石を召喚するなど『7章』は何かと恐竜に縁があったりする。
- ちなみに恐竜が生き残っていたら人型に進化したのではないかという学説があり、しばしば都市伝説(特に陰謀説)において題材にされている。2部もオカルト(宇宙人)を扱っている辺り、この手のオカルトネタを組み込んでくる可能性は大いにあり得る。ちなみに人と恐竜が混ざったような姿をした…正確には基本形態が恐竜そのものなのだが…サーヴァント(鬼女紅葉)もFGOに実装されている。
- 現にティザーPVはややオカルト寄りな演出で構成されており、上述のように奈須氏のコメントでは「秘境探検」というオカルトかつ恐竜とも縁のありそうな言葉が飛び出している。
- この他、南米は恐竜に少なからず縁があり、ケツァルコアトルのお膝元である、メキシコのアカンバロにおいては恐竜の形をした土偶が発見されている。(贋作という説もあるが。)
- マヤ神話において、ケツァルコアトルはククルカンと同一視されるが、このククルカンと同一視される神にイツァムナーが存在しており、姿形は双頭のイグアナに似ているという。また、マヤ神話の世界観では巨大な爬虫類が世界を形作っているとされており、南米の神話において爬虫類は切っても切れない関係にあるようだ。
- 他、「舞台が神代である」可能性と「恐竜」を掛け合わせ、恐竜のみならず幻想種が登場するのでは?という予想もある。
- アステカ神話における第1の世界「ナウィ・オセロトル」での人類に当たる種は巨人とされている。既に公開されている情報では「巨獣達が跋扈している異聞帯」との事なので、この巨獣が巨人なのではないかと思われる。なお、第1の世界はジャガーが巨人を食い尽くした事で滅びたという。この事からジャガーマンがキーキャラクターであると推測する声もあるが、彼女はかなりコメディリリーフ寄りなキャラなので、オルタ化等の派生でないとさすがに本編の中核を担うのは難しいのでは?と否定的に見る意見も多い。
- こうして2部開始初期からTwitterなどで考察されていた珍説であるが、前編公開時のTVCMにて本当に恐竜が生息する異聞帯である事が判明した。
- 2:何らかの事情によりテスカトリポカが死亡、あるいは権能の類を失ってしまい、世界が第一の世界「ナウィ・オセロトル」で歪に停滞したまま続いてしまった世界である説
- アステカ神話において、前述の「巨人を食い尽くしたジャガー」はテスカトリポカが変身した姿だと一般的には見なされている(FGOにおいても、ジャガーマンはテスカトリポカのナワルとしての側面が習合しており、テスカの方が主神であるという描写がされている)。
- 詳しく述べると、アステカにおける第一の世界『ナウィ・オセロトル』は、当初テスカトリポカが太陽として支配していたが、後にケツァルコアトルがテスカトリポカを殴って追い出し、太陽の座を交代した。そうして太陽の座を追い出された後、テスカトリポカはジャガーに変身して世界へ舞い戻り、巨人達を皆殺しにした……という逸話である。
- また、第一の世界から第二の世界『ナウィ・エヘカトル』へ移行する際も、ジャガーに変身したテスカトリポカがケツァルコアトルを蹴り飛ばし、太陽の座から追い落としたという。
- こういった伝承から逆説的に、巨人達が闊歩しているのは世界観そのものが第一の世界から変化していない(何らかの事情でテスカがジャガーに変身できず、巨人達を皆殺しにすることもケツァルを太陽の座から追い落とすこともできなかった)ためであり、謎のヒロインXXのバレンタインボイスで言及された「膨張する太陽」は「太陽の座を交代せず(できず)、実際の神話以上に力を膨らませて変容してしまったケツァルコアトル」だという考察もある(インド異聞帯における「神たるアルジュナ」のような立ち位置に近いか。この考察だとテスカではなくケツァルの方を「異聞帯の王」だと見なす声もある)。
- こうした状況であるならば、いわゆるオルタ(別側面)として、以前から適性があるとされていたアヴェンジャークラス、あるいはバーサーカー等にクラスチェンジしたケツァルコアトルが実装されるのかもしれない。
- 仮にデイビットと契約しているサーヴァントがテスカトリポカならば、上述のような本来の神話における役割を果たすことができなかった屈辱や無念を晴らすために現界し協力していると考えれば筋が通るかもしれない。
- 前編公開時のTVCMから、少なくともジャガーの戦士らしき集団が登場する事が判明している。
- 3:マヤ神話の要素も大小なり混じり合った世界になっている説
- 上述のように、作中においてもケツァルコアトルがマヤ神話の冥界(シバルバー)について言及している事、ケツァルコアトルはマヤ神話の主神ククルカンと同一視されている事等が根拠(現に1部7章においても、ジャガーマンがケツァルを「ククるん」というククルカンをもじったあだ名で呼んでいる)。
- また、アステカ神話とマヤ神話において冥界の呼び名は異なっており、アステカでは「ミクトラン」、マヤでは「シバルバー」と称するのが一般的。章タイトルこそ「ミクトラン」なものの、上記のケツァルコアトルや2部5章での言峰が「シバルバー」という言葉を出しているので、冥界の内部(様相、構造等)が両神話を複合させたものになっているのではないかという考察もある。
- ちなみにミクトランの最奥には蜘蛛(と梟)に囲まれた玉座や、冥府で宝石となった骨がある。そしてミクトランの王たるミクトランテクトリは、鮮血が着いた頭蓋骨や骸骨、または眼球を突き出した姿で描かれることもあり、こういった要素は(やや強引な解釈かもしれないが)ORTとの関連性を見出せなくもない。
- 他、マヤ神話には「神々は最初に泥から人間を創ろうとした」エピソードや、兄弟神であるフンアフプーとイシュバランケーが巨人族を討伐する話がある等、この章に関わると思われるエルキドゥや巨人を彷彿とさせるような要素も散見される。
- そして上記のイシュバランケーはジャガーを意味する名を持つ神でもあり、同一視はされていないもののテスカトリポカとの類似性があるようにも思える。
他、アステカとマヤ神話以外の神話や、いわゆる型月オリジナル設定等を取り入れた予想は以下のようなものがある。
- 1:クトゥルフ神話の要素が入った世界になっている説。
- クトゥルフ神話において、邪神イグはケツァルコアトルと関連性を見出される事・さらに型月のケツァルコアトルも地球外由来であることが根拠。
- また、空想樹の種子の正体はクトゥルフ神話におけるアザトースの種子ではないかとする考察もあるが、現時点では不明。
- この異聞帯のクリプターであるデイビットは伝承科出身の魔術師だが、FGO作中では同じ伝承科の出身である魔術師ブリシサンがクトゥルフ神話について研究していたと特使五柱のラウムが言及済み。
- また、『禁忌降臨庭園セイレム』に登場したメッフィーを名乗る怪人物などクトゥルフ関連で回収されなかった伏線が多く存在している点などから、伏線が回収されるなら「地球外」というワードが絡むと思われるこの章ではないかという考察もある。
- 2:ORTの能力「水晶渓谷」により異星へと環境が変貌してしまった世界になっている説
- この異聞帯にはORTが西暦以前に落下していることが判明しており、その能力は「侵食型固有結界である水晶渓谷を展開し、自分のもといた環境に変化させ続ける」というものである。これがもし全域に広がってしまえば通常の人間が住むには過酷すぎる環境になる、というより別の星と化してしまうため異聞帯化は必至である。
- さらに、前述のように空想樹のネットワークからこの異聞帯は切り離されており、世界を維持するためには何かしらの代替手段が必須である(ロンゴミニアドのようなもので全域を覆う、世界のルールそのものを変える等)。つまり、ORTの能力によってテクスチャごと別の星に塗り変えてしまえば維持が可能であると思われる。
異聞帯の正確な位置について
- 現在判明している情報では汎人類史の国に置き換えるとブラジル、ペルー、ガイアナ、スリナム、ボリビア、エクアドル、コロンビア、ベネズエラ、フランス領ギアナ、チリ北部の約10カ国に跨り、異聞帯の中でも大西洋異聞帯に次ぐ広さ。
- どちらかといえば、これらの国々はマヤ神話やアステカ神話などの文化圏と言うよりも、インカ神話やナスカの地上絵、カンドンブレなどの文化圏である。メソアメリカ圏はこれらの国々よりも北にある。
- なお、ケツァル・コアトル〔サンバ/サンタ〕の着ているサンタ衣装はちょうど異聞帯があるブラジルの文化であったりする。また、例年通りなら新クリスマスイベントの前にクリスマス復刻があるのだが、今年はサンバ/サンタが登場した2018年クリスマスイベントの復刻は告知されなかった。該当イベントは南米に関係した内容である為、7章実装前に復刻する事が考えられる。またこれによりイベントで登場したブラダマンテか、存在が示唆されたロジェロが登場する可能性もある。
その他、世界観や登場人物に関する予想
- タイトルについて
- 「無間氷焔世紀ゲッテルデメルング」において、空想樹は成長すると種子を吹き出すという生態を持つことが明らかとなったため、場合によっては種子が大量にばらまかれてそれが成長し、『空想樹海■■』という悪夢極まりない異聞帯と化す可能性もある。極端なものになると『空想樹海惑星』という大規模なものになる予想も挙がっていた。
- また、ラスプーチンが「星間都市山脈オリュンポス」にてこの地を「黄金の樹海」と称した事から、『黄金樹海■■』、2部後期OPでは、背後にピラミッドのような遺跡が見えることから、『■■樹海文明』、『■■樹海帝国』などの予想も立っていた。
- 地名について
- アステカの世界観から、次の2つが考えられていた。
- 『ナウィ・オセロトル』:テスカトリポカが治めている第一の世界
- 『ナウィ・エヘカトル』:ケツァル・コアトルの治める第二の世界
- 特に後者は「風で太陽が破壊されて当代の人類は猿になってしまった」との説明が「どこがあり得た人類史なんだよ」という評と合致する。
- 他にはORTが関与する可能性が高い事から『タイプ・ヴィーナス』や、クトゥルフ神話関連も示俊されている事から『ンガイ・フォレスト』等の考察もあった。
- アステカの世界観から、次の2つが考えられていた。
- デイビットの契約しているグランドサーヴァントについて
- 詳細はデイビットの記事に譲るが、グランドサーヴァントの真名がテスカトリポカという説から以下の事が考えられる。
- 型月世界において、ケツァルコアトル達は地球外生命体が神になった存在であり、テスカトリポカの化身には蜘蛛が存在している。この為、テスカトリポカは蜘蛛に例えられる彗星のアルテミット・ワン『ORT』の関係者なのではないかという疑惑が上がっている。
- 相対するケツァルコアトルが金星の神であるように、実はORT同様に金星に対応したアルテミット・ワンもおり、名を『タイプ・ヴィーナス』と言う。こちらは植物の特性を持っていることからサブタイトルとの関連を見出されている。ケツァルコアトル自身も木に姿を変えてテスカトリポカと共に天空を支えた逸話がある。
- アステカの暦には金星や水星の周期を基にした暦があり、これらの説を一層強めている(上記の通り、厳密に言えばORTは「水星」ではなく「彗星」のアルテミット・ワンなのだが、ここでは割愛)。
- また、アステカ神話において先述の第1の世界を治めるのがテスカトリポカとされている為、実は異聞帯の王も兼ねているのではないかと推測される。
- そしてグランドクラス、つまりは冠位を保持した状態であるならば、この異聞帯には冠位指定のサーヴァントが召喚されなければならない要因……即ち、人類悪が出現していると思われる。前述の通り、この異聞帯には極めて凶悪なORTが存在している事も考えると、どの異聞帯よりも恐ろしく危険と予想されている。
- 詳細はデイビットの記事に譲るが、グランドサーヴァントの真名がテスカトリポカという説から以下の事が考えられる。
- 令呪関連
- デイビットの令呪の形状はホバリングしているハチドリなのではないかという説がある。中南米の神話においてハチドリはウィツィロポチトリという名の戦神として登場する。
- そしてウィツィロポチトリは「煙を吐く鏡」や仮面等の外見的特徴がテスカと共通して描かれることもあり、テスカトリポカの友だと称する伝承もある。こうした伝承を踏まえると、デイビットの令呪はハチドリ(ウィツィロポチトリ)=テスカトリポカの友=デイビットもテスカトリポカの友(相棒)……といった粋な意味合いだったりするのだろうか?
- デイビットの令呪の形状はホバリングしているハチドリなのではないかという説がある。中南米の神話においてハチドリはウィツィロポチトリという名の戦神として登場する。
- ティザーPVについての予想
- やはりPVの中でも多くのユーザー(マスター)に衝撃を与えたのは、上記の項目でも述べたようにネモが危機的状況の中で我が身を挺するかのような悲痛な台詞を発していることであった。突如として公開された緊迫感のある演出も相まり、ネモ推しはもちろん、数多くのマスターから不安と嘆きの声があがっている(時系列上、既に彷徨海は襲撃されているため、ツングースカ冒頭におけるホームズのような「カルデアへの一時退去」で済む可能性はまず無いという点も不安に拍車をかけているのかもしれない)。
- 一方、「ネモが一度退場した後にグランドライダーとして復活してくるのでは?」等、ネモの退場自体がカルデア陣営の最終的な逆転に繋がるかもしれないという予想もある。
- 他に注目を集めているのは、PVの最後で流れた「なんだ、新入りか」という台詞は誰のものなのか、という点である。
- 声質から男性なのはほぼ確定なので、マスターの間ではデイビットかテスカトリポカという説が有力。デイビットであれば主人公に対して「カルデアのマスターとして」という意味での「新入り」、テスカであればカルデア陣営に対して「南米異聞帯へ初めて足を踏み入れた来訪者として」という意味での「新入り」といったところだろうか?
- この「新入り」というのはアステカ神話における生贄文化としての「生贄」の「新入り」という可能性もある。また、デイビットは作業的な殺傷を行なっていたという言葉から、(結果的に)生贄にする意味で作業的な殺傷だったという可能性もある。
- また、PVの内容ではないが、奈須氏からのコメントにあった「インフレの極致」という言葉を受け、グランドサーヴァントvsORTvsアーキタイプ:アースvs異星の神という三つ巴ならぬ四つ巴のインフレ大激闘が繰り広げられるのではという期待の込められた熱い考察もある。
- アーキタイプ:アースに関連する情報として、月姫リメイクにおいて急膨張(インフレーション)と例えられた現象の真名もアーキタイプ:アースであることが、彼女のFGO実装とほぼ同時期に発売された型月稿本で判明している。上述のインフレの極致とは、パワーインフレではなくそちらを指してのもの、或いはダブルミーニングとして、ストーリーのどこかで関わってくる可能性も考えられる。
- やはりPVの中でも多くのユーザー(マスター)に衝撃を与えたのは、上記の項目でも述べたようにネモが危機的状況の中で我が身を挺するかのような悲痛な台詞を発していることであった。突如として公開された緊迫感のある演出も相まり、ネモ推しはもちろん、数多くのマスターから不安と嘆きの声があがっている(時系列上、既に彷徨海は襲撃されているため、ツングースカ冒頭におけるホームズのような「カルデアへの一時退去」で済む可能性はまず無いという点も不安に拍車をかけているのかもしれない)。
- 配信日時への反応
- 2022年のクリスマス当日だと発表されたことで、デイビットをサンタクロース扱いしたり、アルクェイドの誕生日に合わせたと考えるユーザーが続出している。
登場サーヴァントについて
- 1部7章「絶対魔獣戦線バビロニア」では、バビロニアの地に南米鯖が登場したため、その逆として、同章には(直接)登場しなかったエルキドゥやフワワなどのメソポタミア神話勢が登場する可能性も考えられている。エルキドゥが幕間の物語にて「人類の脅威特攻」を会得した事もこの章で関わってくるのかもしれない。
- また、上記で述べた「恐竜」以外に「7章」と縁がある要素といえば、「疑似サーヴァント」や「staynight勢」、そして「神霊サーヴァント」であろう。現に登場がほぼ確定している例の神父は、これら三つの要素を全て内包している。南米異聞帯においてもバビロニアと同じく、新たな疑似サーヴァントやstaynight勢の別側面、神霊サーヴァントが登場・実装されるのかもしれない。
関連要素 | 既存 | (FGO以外) | シリーズ未登場 | |
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中南米の神話 |
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スペイン |
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冥界 |
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異星の神陣営 |
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アルテミット・ワン |
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クトゥルフ神話 |
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その他 |
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