それは、白紙化した地球を巡り自らの『歪み』を正すための旅路
公式PVより
七つの異聞帯を切除したことで、カルデアスは人類史の基礎・人理保障天球となった。
ノウム・カルデアは汎人類史にはないものを扱いすぎたせいで、そこから弾かれている。
この歪みを補正しないかぎり、カルデアスには近づけない
自らの潔白を証明する、かつてない未知の探索であるのは間違いない
これまでの戦いで積み上がったとされる歪み
我々が向き合わなくてはならない人理の咎
本来ならありえないクラスとの邂逅
果たすべき清算————
ひとつ、秩序を担う裁定者 虚ろな罪を自覚する巡礼の旅
ひとつ、永劫の復讐者 すべてを焼き尽くす恩讐の炎
ひとつ、自我から別たれし別人格 己の内側に相対する
作戦名『オーディール・コール』!
この試練を乗り越えた先が、我々の終着だ!
なあに。私たちに問題があるなら、今まで通り、知恵と勇気で解決するだけさ!
ストーリー
第七異聞帯でデイビットが残した言葉に導かれ、一路南極を目指すノウム・カルデア。
空想樹が造られた目的、地球白紙化の真の意味、
すべての謎が明らかになるであろう始まりの地を前にして、ノウム・カルデアに突きつけられたのは自らが招いた「歪み」と無自覚な罪だった。
オーディール・コール———それは、果たすべき責務の呼び声。
人理の咎と向き合い清算するため、新たな旅が始まる。
(以上、公式サイトより)
概要
2023年2月10日の18時、何の前触れもなく解禁された奏章プロローグにて判明したストーリー。
同時に、これから始まる清算の戦いへと臨む為の、新たな作戦名でもある。
あらすじにある通り、ノウム・カルデアは全ての元凶にして始まりの地である南極の旧カルデア基地に足を踏み入れようとするも、完成した人理保障天球による人理の壁に阻まれてしまう。
それは自らの罪。カルデアの面々は7つの基本クラスに当てはまらないエクストラクラスを、それぞれが存在する意味を知らずに漫然と使用し続けたことで、「完全」になったとされる汎人類史に異物として弾かれてしまったのだった(カルデアの者曰く「南極がお前たちを阻んでるのではない。おまえたち自身が、汎人類史を弾いている」)。
直後現れたカルデアの者ことロマニ・アーキマンを名乗る誰かが提案したのは、その清算を行うための3つの旅である。「果たすべき責務の呼び声(オーディール・コール)」を乗り越えた先にこそ、終着の地への道は開かれ、天球ことカルデアスの真実は白日の下にさらされる。
新機能・要素
- ストーム・ポッド
白紙化地球の再調査(いわゆるフリークエスト)を行うために必要なアイテム。
ゲーム上では1日ごとに3つ配布され、最大9つまで所持可能。9つを超えると消滅するので注意。
- クラススコア
他のRPGに例えるなら、ステータス基盤のマスを埋め強化していくスキルツリーのようなもの。基本7クラスに加え、下記シナリオをクリアすることでエクストラクラスⅠ・Ⅱが順次追加される。
解放には再調査報酬「星光の砂」や、ミッション報酬「新星 / 明星 / 極星のトーチ」が必要。
- 人理定礎盤
人理の歪みを数値化する装置。
本章はこれまでの様に特異点や異聞帯に挑むのではなく、試練の方を呼び込むというのが最大の特徴であり、試練の中でエクストラクラスの存在理由を具体的に証明することで数値が上昇し、初期値のEランクをAランクに戻すことで人理の壁を越えられるとのこと。
エピソード・クエスト一覧
クエストの場所はこれまでの円筒状の世界地図ではなく、専用の地球儀で表示される。
メインシナリオ「奏章」
白紙化地球を巡って複数の試練を乗り越えていく物語とされ、ティザームービーにはまだ見ぬ新たなキャラクター達が描かれている。
上記の通りエクストラクラスが主題となっており、これまでただ漠然と"そういうもの"として受け入れていた各クラスの本質と向き合うシナリオとなっており、実装サーヴァントの比率も該当エクストラクラスのサーヴァントが多い(ただし奏章Ⅰはこれには当てはまらない)。
☆4の概念礼装がクリア報酬であるのは『Cosmos in the Lostbelt』と共通している。
No. | タイトル | エクストラクラス | エリア | 人理定礎盤 |
---|---|---|---|---|
- | 奏章プロローグ | - | - | - |
奏章Ⅰ | 虚数羅針内界 ペーパームーン | アルターエゴ | エジプト | E → D |
奏章Ⅱ | 不可逆廃棄孔 イド | アヴェンジャー | 日本 | D → C |
奏章Ⅲ | 新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション
| ムーンキャンサー | 宇宙開発都市 | C → B(※) |
奏章Ⅳ | (未発表) | ルーラー | 南欧 |
※進行度によって入れ替わる。
なお試練はこれら以外にも多数存在すると語られており、小話を含め一体どれだけの量になるのかは、文字通り未知数。
9周年フェスで2025年には2部終章が開幕すると告知されたため、それまでには終わると予想される。
オルガマリークエスト
突如開催された特別クエスト。
異星の使徒の最後の1人である「伯爵」が南米異聞帯で散ったU-オルガマリーの霊基の欠片を用いて起動させた、遺分體(エレメンツ)と呼ばれるE-オルガマリーを討伐する。
4体存在する為合計4回開催予定。
その他
2024年1月に開催された『Fate/Samurai Remnant』とのコラボイベント。
参加条件こそ他コラボと同じ第1部序章クリアだが、時系列は『オルガマリークエスト_1』と『イド』の間で、由井正雪のプロフィール開放条件に関わっていたりする。
2024年夏イベントの前半で、後半である奏章Ⅲにシナリオが直接続く(開催期間終了後は両方ともメイン・インタールードに追加予定)。
参加条件が歴代の中で最も厳しい「オーディール・コール到達(奏章プロローグクリア)」と告知されていたため、『SE.RA.PH』のように本編の一部となるイベントではないか?と推測されていたが、このイベント前半自体は第1部序章クリアで参加可能。
フリークエスト
難易度は最低でも90++とかなりハイレベルだが、その分絆ポイントやドロップ品が美味しいことが多い。
ただし通常マップのフリクエと異なり、半減期間があるとはいえ消費APが40と重く、さらに挑戦にはストーム・ポッドを消費しなければならないため、所持数制限の関係で1日当たり最大でも9回までしか挑めない。
タイトル | エリア | ドロップ | 備考・余談 |
---|---|---|---|
難易度 | 90++ | ||
凍土の試練 | ロシア |
| |
残された神話 | 北欧 |
| |
天下の飛将軍 | 東アジア |
| 最終waveは呂布と多多益善号の中華マシンバディ。ちなみに飛将軍とは「行動が素早く、勇敢な将兵」という意味で、元は前漢の李広を指す言葉であったが、後に三国志の呂布も李広に準えてそう讃えられるようになった。 |
光糸導く迷宮 | 北大西洋 |
| 最終waveにテセウスが登場することからもクエストモチーフは神話「アリアドネの糸」。ギリシャ異聞帯でもミノタウロス(アステリオス)のラビュリントスは登場したが、当時と同様本クエストでも彼自身は出現しない。これはギリシャ異聞帯のミノタウロスが何者かの手によりロシア異聞帯に送り込まれ、そのままカルデアに撃破されてしまったという背景事情を反映していると思われる。 |
悪夢のカボチャ | 東欧 |
| エネミーはハロウィンエリザ1騎。座標がスロバキアなのは彼女が生前最期を迎えたチェイテ城があるからだろうが、例の悪夢を覚えているとどうも別の違法建築物がちらつく。 |
女神像を求めて | アメリカ東部 |
| エネミーはガラテア1騎。座標がニューヨークなので「女神像」とは多分コレ。やっぱり興味があるらしい。 |
荒野の歓楽 | アメリカ西部 |
| 座標はラスベガス。エネミーは全て高額なQPをドロップするダンシングコインなので、いわば即死周回できる宝物庫極級といった感じ。 |
蘇る太古のロマン | アメリカ南部 |
| |
高貴なる海賊 | カリブ海 |
| |
常夏の休暇 | ハワイ |
| 最終waveに水着茨木が登場。ルルハワの海辺で動物たちと戯れているようだ。ちなみに「常夏」とは常に夏のように暑い気候を表す他に、植物のナデシコの古名でもある。ナデシコは古語で「撫でし子」と掛けられ「愛しい子」を意味するから、遊び盛りの彼女自身を遠回しに喩えているのかも。 |
常夏即売会場 | ハワイ |
| 最終waveは水着紫式部。敵編成的におそらく同人誌を買いに来た大勢の客をワンオペで捌いている。合掌。 |
大堡礁の卵 | オセアニア北部 |
| 最終waveはレジライ。要はガラス玉交換所。 |
復活の黄金都市 | アフリカ西部 |
| エネミーは子ギル1騎。場所はかつて塩と金の交易で栄え、近年世界遺産にも登録された黄金の都トンブクトゥ。多分金ピカ繋がり。 |
荒野に芽吹く王の花 | アフリカ南部 |
| エネミーはキングプロテア1騎。ちなみに植物の方のキングプロテアはアフリカ南部に広く分布し、花は南アフリカ共和国の国花にもなっている。 |
賞金稼ぎに幾光年 | アラビア |
| キューブは奏章Ⅲで実装されたアイテム。 |
90☆ | |||
神秘主義者と魂の故郷 | 南アジア |
| 最終waveにはエレナが登場。インドは史実でもエレナが「マハトマ」から手紙を受け取る営みを始め、FGO世界では晩年シゲルソンと共にヒマラヤを訪れるなど色々と縁深い土地である。 |
久遠の微笑 | 北大西洋 |
| 最終waveのエネミーはステンノ。敵編成から察するに、その微笑みで虜にした名無しの勇者様を護衛に従えている。久遠とは「永遠」の意味だから、彼の脳裏から彼女の物憂げな視線や甘い囁きが消えることは永久に無いのだろう。 |
90☆☆ | |||
蛇竜のいたずら | オセアニア南部 |
| 最終waveにはヴリトラが登場。セイバー約5倍有利の特殊相性ギミックがある代わりに本人やエネミーのドラゴンのHPが極めて高いせいで、周回難度が「いたずら」では済まされないほどに上がっている。ちなみにヴリトラとオセアニアはこれといった関連性は無く、強いて言えばクエスト座標のタスマニア島には蛇が多く生息するくらい。 |
月光採掘場 | アラビア |
| 月光核は奏章Ⅲと同時に実装されたアイテムで、相性ギミック有利の対象は同章でフィーチャーされたムーンキャンサー。 |
余談
タイトルについて
ユーザーからの略称は「オーディール・コール」で「オデコ」。
「オーディール」"ordeal"とは「厳しい試練、苦しい・つらい体験」「神明裁判」という意味。
「奏章(そうしょう)」の「奏」は「意見をまとめて差し出す / 君主に申し上げる」「楽器をかなでる」「成果を得る」という意味がある。
また中国語で「奏章」は「上奏文」、つまり「天子(皇帝)に意見を申し上げるために記された文書」を意味する。
また現時点で副題の存在する奏章は確認されておらず、『非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ』以来の副題が存在しないメインシナリオが続く形となっている。
メタ的な実装理由や伏線
週刊ファミ通の2023年8月17・24日合併号に掲載された奈須きのこのインタビューによると、『FGO』を長く運営する中で本来聖杯戦争にはいないクラスが説明もなく増えてしまったことから、『FGO』が終わる前にそれぞれのクラスの存在意義、許される理由を説明するためのストーリーだという。
その他にも「これは「本来あり得ないクラス」に対する罰でありご褒美。「なぜこのクラスでなければいけないのか」を定義することで「今回の主人公は○○」という楽しみが生まれる。そこに注目してください」とのこと。
PV中のノイズに一瞬だけ映る不可解な画像が、フォーリナーのクラスカードの一部なのではないかという意見もあり、後述するトリスメギストスⅡの回答も併せて、フォーリナークラスをテーマとした奏章があるのではないかと考察されている。
インタビューでは、PVの一瞬だけ映る画像について質問した際、奈須氏は「皆さん予想していると思いますが、問題はいつ、どういうタイミングで出てくるか。そのへんを楽しみにしてもらえればと。」と返答している。
その他のエクストラクラスについては、
- ムーンキャンサー:巻末オマケマンガというか、EXというか、存在自体が治外法権。
- プリテンダー:元のクラスがあった上で化けているため歪みなし。
- シールダー:単体で話を作る訳にもいかないため、そう来たかと思ってもらえるやり方を予定している。
- ビースト:インタビュー当時実装されていたソドムズビースト/ドラコーは、汎人類史において唯一介在できるビースト。
とのこと。
このうちビーストについては後に汎人類史以外のビーストが、ムーンキャンサーは奏章Ⅲとして実装された。
なお一部プレイヤーの間では、最終決戦の直前でいきなり1年では到底終わらない多数の新シナリオが追加された事から引き延ばしと揶揄する声も多いが、当初からこの展開が予定されていたのかは不明。
また本章以降もエクストラクラスの実装・参入が続いている為、「世界は良くてそのために戦う人間個人はダメなのか」「これまで散々人理のために頑張ったのにこの扱いはあんまりではないか」と、突如追加された理不尽な設定に不満の声が上がっており、以降のエクストラクラス実装全てに"良くないこと"というケチがついてしまったとの意見も。
伏線としては、直前の2部7章での
- キングプロテアと相対したU-オルガマリーの「アルターエゴなどという金型(クラス)、汎人類史にはない筈だが」
- デイビットの「人理を濫用しすぎたカルデアは『異星の神』に間に合わない」
- ラスプーチンの「彼/彼女らを止めるのは私たちではなく彼/彼女らを阻むのは彼/彼女ら自身。今まで行ってきた淀みの清算をしなければ人理そのものに裁かれるでしょう」
イベント『ぐだぐだ帝都聖杯奇譚』での
- 明智光秀の「アルターエゴ……、なんだそれは?そんなクラスは聖杯戦争には存在しない」
2部2章での
- 主人公の「アルターエゴっていうのは確か」という反応に対するシトナイの「あなた、知ってるんだ?通常の聖杯戦争にはなかったエクストラクラスだし、あまり一般的な存在じゃないはずだけど、あなた、いろいろなものと縁があるのね」
というセリフが綺麗に回収されることとなった。ただデイビットのセリフについては、具体的な意味はいまだに謎のままである。
またモルガンもメインストーリー中にカルデア式召喚を指して「異聞帯という隔絶世界においてこれだけの力を発揮する術式は異常」「この先機会があればもう一度、原初の因果に立ち返るがいい」「カルデアとは何なのか、レイシフトとは何のために用意されたものなのかを」と発言しており、こうなることを予期していたとも考えられる。
2014年7月の竹箒日記で公開された『FGO』トレーラーのカットされたジャンヌのセリフの中に、「調停者(ルーラー)のクラスですら、もはや一介の英霊にすぎないのです」というものがあるため、カルデアに召喚されるルーラーが特殊であることは初期の頃から設定されていたと推測される。
あるいは「人の手に余る」とされている為、通常のクラスとは異なる特別な要素があるのかもしれない。
そもそも忘れがちだが、元来ルーラークラスは聖杯戦争をコントロールする為のクラスであり、マスターの存在を必要としないため「仕様外の運用をしている」という意味では正しく「濫用」と言える。
そもそも「人理の咎」とは何なのか、カルデアがするべき事は何なのかという問いに対し、トリスメギストスⅡ曰く「咎とは認知の欠如。漫然と扱うのではなく、それぞれの存在する意味を知る事」「表明。補完。訣別」「あるいは依託。宣誓」「これらの問題に回答を。その度、歪みは正される」と回答している。
なおクリア時に表示される一文はⅠが「分理補完」、Ⅱも「訣別」に相当すると思われる「讐理超克」、Ⅲでは「依託」に相当する「後継伝承」となっている。
現状奏章の舞台は奏章Ⅰが虚数羅針盤ペーパームーンの概念世界であり、奏章Ⅱが主人公の精神世界であり、奏章Ⅲが月面基地であるなど彼の言った通りまともな舞台ではない。
9周年から制定された配信ガイドラインでは1つも解禁されておらず、2024年の12月1日に2部7章『黄金樹海紀行ナウイ・ミクトラン』の配信解禁に合わせて2025年の1月1日に『虚数羅針内界ペーパームーン』の配信解禁がアナウンスされた。
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PVでは「残滓」「喇叭」「AI」「終着点」「エーテライト」「サクラ」「神曲」「R.A.N.I」「炎」「紙の月」「家族」「東京」「憎悪と嫌悪」「貪欲」「嵐の女」「願い」「伯爵」「罪と罰」「聖杯戦争」「愛」「ドバ…(かすれて不明)」といったワードが登場している。
関連タグ
Fate/GrandOrder Cosmos_in_the_Lostbelt
パスポート:もの凄くざっくばらんに言うとこれを取りに行く物語。
:直前のメインストーリーから続く断章的なストーリー。但しそちらと違って本章はあくまで2部最終章の「合間」の物語であるため、親記事は2部としている。
なおTVCM等では「Cosmos_in_the_Lostbelt」のままである。
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