我こそは復讐者!巌窟王、モンテ・クリスト伯爵である!
――まったく。規格外にも程があるというものだぞ、これは。
プロフィール
真名 | モンテ・クリスト伯 |
---|---|
クラス | アヴェンジャー |
性別 | 男性 |
身長 | 185cm |
体重 | 75kg |
出典 | デュマ著『モンテ・クリスト伯』? |
地域 | フランス |
属性 | 混沌・悪・地 |
好きなもの | 好きなものなど無意味 |
嫌いなもの | 怨念、憎悪 |
ILLUST | 兔ろうと、つつむだつつむ(第1再臨の剣デザイン) |
CV | 島﨑信長 |
通常武器として用いている剣は、生前のいずこかで用いられたものだが、
大デュマの著作には記されていない。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアヴェンジャークラスのサーヴァント。
オーディール・コール奏章Ⅱ『不可逆廃棄孔 イド』に登場する。物語に大きく関係していると、多くのユーザーから事前予想されていたエドモン・ダンテスが手に入れた別霊基である。
ストーリー中では、第三と第四の試練が終わりを迎えた時、突如カルデア一向の前に現れ、自分が試練を仕掛けた黒幕であり、この疑似東京における主人公の母と妹、そしてキリエを殺害した真犯人だと明かすという、衝撃の登場を果たした。加えて自身も最後にして第七の試練「恩讐火焔」として主人公の前に立ちはだかることとなる。ストーリー上では『巌窟王モンテ・クリスト』名義で立ちはだかり、自陣のサポートとして使える際は『モンテクリスト伯』と表記されていた。
一週間後の実装時には真名表記が『巌窟王 モンテ・クリスト』となっている。
奏章Ⅱクリア後専用の召喚台詞とプロフィールも用意されており、エドモンの別霊基でありながらマリー・オルタや丑御前と同じ状態でクリア後の時系列でも召喚可能になった理由も説明される……が、後の霊基一覧における彼のフェイス画像表示も個性的なものに変わった。
なお公式からも、バトル中における名称が「モンテクリスト伯」から「巌窟王モンテ・クリスト」に変更される旨がアナウンスされた。また、奏章Ⅰで実装されたドゥルガーと同じく、特定のクエストクリア、または指定の期日を経過するまでは第3再臨が解禁されない仕様となっている。
真名
小説『モンテ・クリスト伯』の主人公、エドモン・ダンテスが復讐の為に名乗っていた偽名。
世界最大の知名度を誇る復讐者、その有り得ざる別霊基にして生前の彼に寄った姿。
第2再臨は『英霊伝承異聞 ~巌窟王 エドモン・ダンテス~』のパッケージデザインにも使われた、物語序盤で社交界に現れた時の姿をアレンジしたもの。復讐者としての全盛期の姿、とも言える。
第3霊基は鎧を纏い、まるで魔王の如き姿へと変貌。
マスター間では、かつての召喚者でもあったゲーティアを模したとも見解されている。
人物
基本的には巌窟王と変わらない、というか霊基を改造した姿なので、根底にある部分は同じ。しかし奏章Ⅱでの役割から分かる様に、自らを主人公の「炎」として冷徹に、時に残酷に対応する。いわく、あちらの巌窟王は主人公に少し甘いらしく、果たすべき責務の呼び声の為、あえて残酷な手段に出た(しかし、キリエを殺してしまったのは誤算であったため、急遽フォローに回った)。
その在り方は、物語の要素に影響されている『巌窟王』として知られるエドモン・ダンテスよりも、生前のモンテ・クリスト伯爵に近いとのこと。復讐者の代名詞とも言える英霊である為、本来モンテ・クリスト伯爵そのものが召喚される事はあり得ない、とされている。また、奏章Ⅱ終盤で霊基を分割した2人の巌窟王が並び立つが、いつもの笑い声が倍になりかなり喧しいことになった。
能力
我々がよく知る方のエドモンと同じく、昏い炎による攻撃を得意とするが、こちらは剣も使用する。また、今までよりも白兵戦の能力が向上しており、ジャンヌ・オルタを軽くあしらっている。
また戦闘能力以上に偽名で活動していた所以か高い隠密性を発揮しており、その場にいたサーヴァント達が気付けない等、アサシンの気配遮断に似た能力を有している。
本人曰く強化版というより、霊基を無理矢理改造して仕様変更しているらしくモンテ・クリストの状態でいるのは負担が掛かる。
その為、マスターの超克を見届けた後はエドモン・ダンテスの霊基に戻った。
モーション中では、黒炎を纏わせた剣術を主体とする。他にもコートが変化した爪や棘での攻撃や棘弾の発射、頭上から炎を纏って踏み潰す、抜剣と共に影の爪で細切れにするなどもする。
第3再臨では、周囲の『十四の石』をビットのように操って(直接ぶつけて炸裂させる、結界を形成して閉じ込める)攻撃する他、エネルギーの爪を旋回させて薙ぎ払う、巨大な鉤爪で斬り裂く、尖った触手を伸ばして突き刺す、手から蒼炎や黒炎の渦を放射するなどの攻撃に変化する。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | B | B | A+ | B | ? | B |
保有スキル
復讐者(B+) | アヴェンジャーのクラススキル。復讐者として、人の恨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。周囲からの敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちにアヴェンジャーの力へと変化する。 |
---|---|
忘却補正(EX) | アヴェンジャーのクラススキル。人は多くを忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。忘却の彼方より襲い来るアヴェンジャーの攻撃はクリティカル効果を強化させる。他の復讐者達と比較しても規格外のランクを有する。 |
自己回復(魔力)(D) | アヴェンジャーのクラススキル。復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。微量ながらもNPが毎ターン回復する。別霊基と変化は無い。 |
鋼鉄の決意(炎)(EX) | この世の地獄とさえ呼ばれた監獄シャトー・ディフ(イフの塔)から脱獄を果たし、復讐の人生を歩んだ鋼の精神と行動力とがスキルとなったもの。痛覚の完全遮断、超高速行動に耐えうる超人的な心身を有している。複合スキルであり、本来は『勇猛』と『冷静沈着』スキルの効果も含まれている。 |
巌窟王(C) | モンテ・クリスト・ミトロジー。後述する通り本来は宝具。 |
十四の石(A) | 詳細不明。手に入れた秘宝の1つと思われる。 |
宝具
君よ、輝きの道を征け(パラディ・シャトー・ディフ)
- ランク:B++
- 種別:結界/試練宝具
- レンジ:特殊
- 最大補足:1人
対象の魂と精神に対して七つの試練を与える。
かつて、魔神王ゲーティア麾下の英霊としてカルデアのマスターを七日間捕らえた、監獄塔の巌窟王エドモン・ダンテスの第四宝具(真名は現在と異なる、ルビか漢字かは不明)。
巌窟王の精神は金城鉄壁にして難攻不落の城塞であり、同時に、命ある者の脱獄を許さない牢獄でもある。範囲内の対象1名の精神内部に入り込み、掌握・侵食・同化することで、対象の魂と精神に試練を課すための亜種固有結界を構築する。かつて形成した監獄塔はこれによるものである。
カルデアに霊基登録された巌窟王は本宝具の所有を申告しておらず、真名解放することもなかったが……奏章Ⅱにあたっては、巌窟王モンテ・クリストの第一宝具として霊基に登録された。
これによって再びマスターを捕らえた後、彼は疑似東京を形作ることとなった。
真名解放のためには聖杯或いはそれに準じる強力な魔力リソースが必要となる。
星よ、輝きの道を征け(パラディ・シャトー・ディフ)
- ランク:A
- 種別:対人宝具
- レンジ:0〜70
- 最大補足:1人
「我が身は炎なれば!」
「巌窟の底に隠されし神秘……隠秘の究極たる炎……今此処に!燃え盛れ!『星よ、輝きの道を征け(パラディ・シャトー・ディフ)』!!ハァァーッハッハッハッハァ!!」
「欲せよ!願え!」
「恩讐の果てを越え、お前はお前の明日を征け!我が黒炎がその道を拓く!『星よ、輝きの道を征け(パラディ・シャトー・ディフ)』!!――待て、しかして希望せよ。」
厳密には先述の第一宝具と同様の宝具。
攻撃に使用した場合は性能が激変するため、例外的に別宝具として登録されている。
対象を瞬間的に自らの牢獄へと取り込んだ後、超高速移動により最接近。
黒炎を凝固させた複数の巨大爪で連続攻撃した後、すべての爪で強制拘束。
魔力を暴走させることによって自らごと対象を爆裂させる。
最後に発生する爆裂は威力甚大ではあるものの、これ自体は本宝具の真価ではない。攻撃宝具としての本宝具の真価は命中性能にある。精神の牢獄へ取り込まれ、逃げ場のなくなった相手への超高速接近(別霊基の宝具『虎よ、煌々と燃え盛れ』同様の超高速接近)。つまり――因果レベルでの命中攻撃に肉薄する程の、無判定での命中確定自爆攻撃。これこそ、本宝具の真価である。
巌窟王(モンテ・クリスト・ミトロジー)
- ランク:C
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大補足:不明
エドモン・ダンテス時代にも所持していた宝具。
彼は復讐の化身である。如何なるクラスにも当てはまらず、エクストラクラス・アヴェンジャーとして現界した肉体は、その生きざまを昇華した宝具と化した。強靭な肉体と魔力による攻撃。自らのステータスやクラスを隠蔽、偽の情報を見せることも可能。基本的に常時発動型の宝具である。
待て、しかして希望せよ(アトンドリ・エスペリエ)
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大補足:不明
エドモン・ダンテス時代にも所持していた宝具。
絶望と後悔に満ちた暗黒の中に在って眩く輝く、一条の希望。
人間の知恵は、全てこの二つの言葉に凝縮される。
自陣のうち一名を、瀕死(戦闘不能状態)からでも完全回復させる上に、全パラメーターを一時的にランクアップさせる。本編中ではこれを耀星のハサンに貸し出し、主人公の命を救った。
ゲーム上での性能
エドモンはシステム周回向けに対して、高難易度やLv90++クエスト強敵向けの単体宝具。
スキルにはNP50チャージ・攻撃・防御バフと回数の弱体無効、やけど特攻の宝具には無敵貫通付与と確定スタンなど有用な効果がある。欠点は「スキル2のやけど付与タイミングが攻撃後」と「宝具デメリットのやけどがスキル2の弱体無効を消費する」、最大の特攻効果を発揮するためにも、やけどコマンドコードによる攻撃と他サーヴァントの支援が必要。地属性アヴェンジャーかつ確定スタン宝具持ちなので、やけどになりにくいがスタン無効を持たないアクアマリー戦には有利。
青子実装により、宝具デメリットの打ち消しが可能となった(変身前限定)。色バフはスカディたちより劣るが、スターや主人公補正の三人目サポーターとして編成・フレンド版を借りすることも。
関連人物
本来の『復讐者の概念そのもの』と呼べる霊基。
巌窟王最後の責務を果たす為、今回の姿に変化した。
契約したマスターにして、共に旅路を歩んだ共犯者であり、運命と言える存在。
彼/彼女が先に進む為、パリで復讐者として活躍したモンテ・クリスト伯爵の霊基になった。
相変わらず彼女のことを「メルセデス」と言いそうになって訂正をしている。
一方、別霊基だと言っても理解してもらえず、検診に強制連行されそうになった。
メンタルセコム仲間であり、マスターの廃棄孔の処理を引き継がせた相手。
マイルームにおいても、後のことやフォーリナーの精算を念押ししている。
元の霊基では、彼のオペラが良いと評価していた同郷のサーヴァント。
彼に対して何か伝えたいことがあったようだが、思いとどまっている。
生前の色々についてある程度踏ん切りはついているのか、今では普通に話せている。
史実の姿と、伝説に彩られた姿、2つの姿を有する為か、面白い在り方と評価している。
生前から敵対してきた腐れ縁であるが、最早語る事は無いらしい。
あちらは「がらんどう」のあり方らしくなく大敵として執着を見せている。
復讐者となった黒い百合の王妃。あちらはカルデアでは短い付き合いになるだろうと、イドにおける結末を予期した言葉を投げかけているが、第1霊基だと嫌っているのか紅茶に毒を盛ってくる(彼女もやがて退去するようだが、その自覚は薄いらしい)。一方こちらは引き続き敬意を表している。
余談
元より復讐者以外のクラス適性が無い巌窟王だったが、今回偽名での霊基で登場となった。
また事前の生放送において、コスプレ姿で登場した島﨑信長氏がエドモン関連で新規のボイス収録、またはイベント関連での収録を臭わせており、正解は別霊基での実装であった。
『不可逆廃棄孔 イド』に登場したエドモンということで「イドモン」の愛称で呼ばれている。
今回行った所業から「手段の選ばなさに関しては混沌・悪」と改めて認識したユーザーも多い。
・・・・・・・
曰く「─────総じて三つ。いや、残る歪みすべての解除。或いは濾過こそがおまえたちには必要」「奴の受け売りだが聞け。歪みとは特異点にほど近いが、人類史の特異点ではない。現状、危惧すべき特異点は『遺分體(エレメンツ)』のみ」「故にこそ歪みの在処、いずれも規格外と知れ」との事だが…。
関連イラスト
【第一再臨】
【第二再臨】
【第三再臨】
関連タグ
Fate/Grand Order アヴェンジャー(Fate) 不可逆廃棄孔イド
この先、不可逆廃棄孔イドのネタバレ注意
主人公「巌窟王 なぜ、キリエたちを殺したの?」
「復讐───────その力と意味を教えんがため」
エクストラクラスの濫用によって全ての元凶である人理保障天球が待つ南極への侵入を阻まれているノウム・カルデア。
それを清算する為の責務の呼び声(オーディール・コール)。
その状況において、巌窟王は決意を固めていた。
主人公に復讐の意味を教え、復讐者アヴェンジャーというクラスの清算を行う。そのための試練を自分が担い、主人公を決戦の地へと送り出す事を。
その思いを同じくした廃棄孔の巌窟王とカルデアの巌窟王は合一し、改めて二つの存在に分かれた。
責務が為七つの試練をもたらす「決意の巌窟王」と、
マスターの旅路を案じる「未練の巌窟王」に。
つまり、巌窟王モンテ・クリストこそ主人公に試練を与え、決別の姿であり、黒い影となった巌窟王こそ主人公を案じる未練の姿であった。
本来、偽りの存在でしかないモンテ・クリスト伯では偽り故に無理があったが何故わざわざ霊基を変更したのかというと「エドモン・ダンテス」のままでは主人公の決意を鈍らせてしまう。という危惧のためである。
根も葉もない事をいえば、決別も未練も根っこの所では「マスターが大好き」なのである。
式のいう「人間が大好き」というアヴェンジャーの本質そのもの。
見送る決意をした彼らは自らの存在そのものを削り主人公の精神内に亜種固有結界・疑似東京監獄を造り出し、日常とそれを壊されることによる復讐を実体験させようとしていたのだった。(これまでの傾向からオーディール・コールは主人公が該当エクストラクラスの立場や感情を実体験し、そこから理解し何らかの「解」を出すことで清算されると予想できる)
二人の巌窟王は、目的は同じながらも二つの感情に分かれたために試練に対する苛烈さが異なり、
決意の巌窟王はアヴェンジャーの召喚を禁じていたが、未練の巌窟王はやや主人公に甘いため、試練に対抗するためジャンヌ・オルタやサリエリを呼び込んだ。(本来これは未練の巌窟王だけでは不可能な事であったが、『漆黒の存在』が助力していた事で可能になっていたのだという)
しかし、それによって未練の巌窟王は魔力を急激に消耗していき、最終試練においては再びアヴェンジャーの召喚制限が課される事になった。
地球白紙化とは、即ち汎人類史の人々を皆殺しにする一大殺人に他ならない。
何より主人公は「家族友人知人すべてを奪われた」と言える。
そんな汎人類史の生き残りである主人公には人類最後の復讐者となる理由と資格、素養があった。
だからこそ巌窟王は問わねばならなかった。復讐の炎、その力と味を知った時、主人公は何を選択するのかを。
我が血塗られた手によって───おまえは知った
復讐の意味を。無慈悲にして燃え盛る暴力の行使を
仇の血の甘さ、闇の快楽を
「故に問う。此処に我、巌窟王エドモン・ダンテスが───」
「─────否、否、否!殺人者、巌窟王モンテ・クリストが今こそ問う!」
「明日を目指した旅路の果てに!─────南極、決戦の地カルデアへと遂に至った時!」
「貴様は果たして何を成す!」
「何のために! 旅を終えるのか!」
そして主人公は巌窟王にも同じ答えを返した。
自分達は殺すためではなく、いま生きている者として戦うためにカルデアに向かうのだと。
その答えこそ、巌窟王が望んだものであった。
「クク……クク。ハハハ……ははははははははははははははははははははは!」
「信じていたとも! おまえはそちらを選ぶのだと!」
「炎に身を浸す甘美すら乗り越えて、復讐の化身たる我らに克つならば───」
「その時、おまえはすべてに勝てる!」
主人公に復讐心を克己させるべく、その為の試練として立ちはだかること。
そして───主人公が見事それを果たした時、別れを告げること。
それが巌窟王が復讐者の清算として必要としたものだった。
「空に……───」
「空に、手を伸ばし続ける者が……いつか星を掴むことがあるように、恩讐の果てに救いがあることも、時にはあるだろう」
「……だが、それを成すのはオレたちではない。オレたちであってはいけない」
「目覚めの時だ」
「その胸に燻る火と共に、炎は、ここに捨ててゆけ」
主人公が復讐のために戦う事を望まないのなら、「殺す」事しか行えない。守る、生き抜く、前に進むという行為を行えない復讐者は居てはならない。
それが出来るならそれは最早、「アヴェンジャーでは無い」のだから。
それが巌窟王の結論であり、他のアヴェンジャー達もそれに同意したが為に最後の試練には同行しなかった。
巌窟王は主人公を現実へと帰し、自らは元の霊基へと戻り廃棄孔でアヴェンジャー達と共に最後の仕事へと向かう。
その仕事とは、悪性情報として主人公の精神に潜り込み、寄生し悪性情報を糧に蠢動し続けていた異星の使徒最後の一騎カリオストロ伯爵の排除であった。
しかし、時間をかけて主人公の体内魔力を掌握していたカリオストロ伯爵は廃棄孔にとっては全魔力を手中にしているに等しく、アヴェンジャー達は苦戦を強いられる。
「(生物としての雑事を超克しようとも、今ばかりは霊基の身が恨めしく、口惜しい」
「(英霊の身では、些か、ばかり───)」
「然り。些かばかり 火が、足りぬか───」
「何が、足りないって?」
「………………悪いな」
「嗚呼、何とも。立つ瀬がないとはこのことだろう」
「この期に及んで……我が無力、おまえの火を借りねばならんとは」
「火ならいつでも貸すよ、共犯者」
そこに現れたのは、たったあれだけの言葉や手紙で別れる事に納得できず、道満を始めとする術者達の手を借りて再び廃棄孔に戻ってきた主人公であった。
「クク。ククククククク───クハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
「最終使徒カリオストロ!」
「嘲笑する虚無、自我なき空洞、虚無の道化!」
「果てなきがらんどうの愚者よ!」
「貴様の絶望を以て、南極行の希望への餞としてくれよう!」
「ゆくぞ!─────すべての復讐者ども!」
真の小宇宙の所有者である主人公の参戦によって、カリオストロの優位は崩れ、更に道満による悪性情報対策、黒い影による支援も加わり、カリオストロは追い詰められる。
そしてエドモン・ダンテスとモンテ・クリスト、二人の巌窟王の攻撃によってカリオストロは敗北し、廃棄孔から消え去った。
そして巌窟王たちは改めて主人公に別れを告げようとするが、主人公は首を縦には振らなかった。
巌窟王は妥協点として、影のみを霊基グラフに残し、主人公に力を貸す事には同意したが、それでも去らない訳にはいかなかった。
ジャンヌ・オルタと巌窟王は言葉を尽くして主人公を説得し、主人公は悲しみながらも強く頷き、それを見届けた復讐者たちは去っていった。
「恩讐を越えて、我らを超えておまえは征くがいい」
「怒りと悲しみは捨てていけ」
「その炎は、俺たちが連れていく」
「おまえは、希望と共に、明日を目指せ」
「待て、しかして希望せよ」※
「天の星々のすべてが見ている。おまえの行く先にこそ、光はあると知るがいい」※
「お互いに─────長い旅だったな、共犯者」※
※このセリフはボイスが付いている
「……やれやれ、お前には驚かされる。何事かと我が目を疑ったぞ。だが、いいだろう」
「お前が、真に心より求めるならば!消えるまでの僅かな間のみではあるが」
「この炎――存分に、使ってみせろ!」