お初にお目に掛かります。アレッサンドロ・ディ・カリオストロと申します。余人は、私をこのように呼びますね。———カリオストロ伯爵、と。
プロフィール
真名 | アレッサンドロ・ディ・カリオストロ(ジョゼッペ・バルサモ) |
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クラス | キャスター → プリテンダー |
性別 | 男性 |
身長 | 188cm |
体重 | 85kg |
出典 | 史実、デュマ著『王妃の首飾り』など |
地域 | 欧州 |
属性 | 混沌・中庸・人 |
好きなもの | 混沌、混乱、阿鼻叫喚、人類とその社会 |
嫌いなもの | ありません(通常時)、ありますよ(絆5) |
ILLUST | 兔ろうと |
CV | 竹内良太 |
大デュマは彼を、巌窟王同様にダークヒーロー的な人物として物語に綴っている。
そのことを指摘するとカリオストロは微笑み、巌窟王は嫌な顔をするだろう。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するプリテンダークラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
メインストーリーの第2部5.5章『地獄界曼荼羅 平安京』において卜部季武が召喚したキャスターのサーヴァントとして存在が示唆されたが、本編前に渡辺綱によって倒された。
後の奏章Ⅱ『不可逆廃棄孔 イド』にて、初めてその存在が本格的に取り上げられる。
カルデア内の会議にて「『伯爵』の二つ名で英霊になりそうな著名人」「遺分體や贋作盈月を作りそうな悪人」という消去法から、異星の使徒最後の一騎『伯爵』の候補として挙げられたが……
真名
医師や錬金術師を騙り、各地で暗躍した詐欺師、『アレッサンドロ・ディ・カリオストロ』。
革命前夜のフランス社交界を暗躍した大魔術師、或いは稀代の天才詐欺師と伝わる人物。
王侯貴族のように振る舞うも貧民街で無償治療を行い、民衆に讃えられた傑物でもある。
フランス王妃マリー・アントワネットをも巻き込む世紀の大スキャンダル『首飾り事件』の黒幕として逮捕されるも、証拠不十分のために釈放され、市民からの大きな喝采を浴びた。フランス革命前夜のパリにあって、貴族を翻弄し貧民を救う彼は、まさに英雄であった。
現在でも存在する秘密結社「フリーメイソン」の会員だったとも言われている。
登場前の第2部2章『無間氷焔世紀ゲッテルデメルング』の会話では、ホームズ曰く、生前の彼が何かしらの所業をやらかしたせいで、時計塔の現代魔術科が創設されたらしいことが語られた。
人物
一人称は「私(わたくし)」。
貴族然とした派手な衣装を着込み、立ち居振る舞いは物腰柔らかで紳士的ながら、顔にはヘビの鱗のような亀裂が走り、瞳は左右で色が違い、首から下は不自然なほどに筋骨隆々と、見た目からして混沌を極めているまさに怪人と言った感じの風体が特徴。
生前も現在も「混沌」を求めており、他者に対しては友好的な態度で接する反面、国家転覆レベルの奸計・悪事も切実な理由や良心の呵責なく積極的に行おうとする危険人物。第2部5.5章では蘆屋道満からも「凶猛かつ分別のきかぬ、聖杯戦争に相応しい英霊」と称された。
……だが、実際はそれすらも相手に合わせて振る舞った結果の一つに過ぎず、その本性は正体などない「がらんどう」そのもの。かの首飾り事件も「人々が王制崩壊を望んでいたから」よかれと思って計画したという受動的な動機で、反英雄として召し上げられた現在もあくまでマスターが望む人物として振る舞う。一応巌窟王への態度を見る限り、能動性が全く無いわけでもなさそうだが、それでも他人の望みに添おうとする姿勢は筋金入りである。
同じ悪属性でもコイツやコイツはただ純粋な悪意で周りを混沌に陥れるが、カリオストロは「破壊と新生」を自らの命題と定め、世界の新陳代謝を加速させようと世を乱している節がある。
能力
稀代の詐欺師として、詐術や精神攻撃の一種である幻炎を用いて戦う。精神を持たない相手には効果が弱いが、回路で知性を成しているタイプであれば機械であっても効く。
モーション中では、杖剣を用いた炎の剣術の他、東方の徒手空拳、詐術で分身を作って翻弄する、宝具の際の巨大な手で殴り付けたり幻炎弾を発射する、縮小させた杖を投擲して突き刺さったと同時に分身で追撃する、宝具の限定解放により魔力の渦を放出するなどの攻撃を披露する。
ステータス
保有スキル
偽装工作(EX) | カリオストロ伯爵は自らの存在を鮮やかに偽装する。己のクラス及び能力を偽装する事が出来る。一定の触媒及び時間を費やした上で、幸運判定に成功すれば、敵対者は自分を「味方である」と信じ込む。敵対者は抵抗判定が可能だが、魔術的効果では無い為『対魔力』スキルは無効。プリテンダー適正を得た所以と思しい。 |
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物品鋳造(偽)(EX) | 『首飾り事件』に纏わる伝承が昇華されたスキル――というのは嘘偽り。陰謀達成の為、彼は必要な物品を自ら仕立て上げる。『道具作成』スキルが変質したモノであり、特に、贋作製造や既存の存在の改造・調整に長ける。『異星の神』の断片、魂を無くした神の器(オルガマリー)を『機械仕掛けの復讐者』として調整する際に用いたスキルでもある(断片を組み上げて造り上げた、という訳では無い。発見した神の断片を4つに分割した上で、それぞれ単独で活動出来るように微調整を施した)。 |
英雄の大敵(偽)(E++) | 英雄(或いは反英雄)を阻む大敵である事を示す。本来は魔獣や竜種、魔性の存在、反英雄が所有する事の多い隠しスキルだが(偽)が付く場合はその限りでは無い。歴史に語られざる出来事として、カリオストロは巌窟王と深い因縁があり、幾度かの対立があった。この事から、彼は自らを「巌窟王の大敵」と深く認識し、このスキルを獲得するに至った(マリーを陥れた事実も、獲得の一因となっている模様)。 |
我はアシャラなり(EX) | 錬金術、占星術、降霊術、カバラの奥義、古代エジプトの密儀等々の神秘を行使する在り方――では無い。本スキルの正体は詐術。王侯貴族を手玉に取り、並の魔術師の目さえ眩ませる領域の、超常の絶技とも言うべき大詐術である。「アシャラ」とはインドや仏教の神の事を示す。 |
アルトタス連続体(C) | 自称している通り彼は魔術を扱えないが、ただひとつだけ、彼は正真正銘の神秘を有している。幼少期の師であった錬金術師アルトタスの奥義――不老不死の体現である。実際には不老と超再生。真の不死では無い。 |
東方武技(A+) | 詳細不明。モーション中の体術に関するスキルと思われる。 |
宝具
秩序に死を、遍く世に混沌を(レベリオン・ウ・モンド)
- ランク:B〜EX
- 種別:対都市/混沌宝具
- レンジ:1~50
- 最大補足:500人
「革命の時!」
「紳士淑女諸君……御清聴あれ!此処に秩序は終わりを迎える――『秩序に死を、遍く世界に混沌を(レベリオン・ウ・モンド)』ォッ!!」
革命の戦火の幻影を伴って、魔力の渦が周囲一帯を薙ぎ払う。
破壊と新生を自らの命題とする精神の具現、心象風景の模倣。固有結界に似て非なるモノ。
この宝具の真価は「秩序の破壊」であり、決して永続的なものではないが、秩序に類する概念を醜悪なまでにねじ曲げる。法、倫理、規範――聖杯戦争のルールさえ一時的に書き換えてしまう。
ただし、本来の規模と効果の運用のためには長時間に渡る儀式と裏工作、リソースの投入が必要となるため、この真価は本作では基本的に使用されない。しかし、ストーリー本編では……
関連人物
生前
彼女が失脚する一因となった「首飾り事件」の黒幕だと言われている。
生前一度だけ話した際には、作り物めいた「がらんどう」の笑顔が印象に残ったとのこと。
生前、何度か敵対した経験がある模様。
曰く、歴史に語られるカリオストロの没年より後の話らしい。あちらからは強い敵愾心を抱かれ、こちらも自身を「巌窟王の大敵」と定めている等、数少ない「執着する相手」である。
同じくマリーと縁がある英霊で、とある会合で面識があったらしい。
しかし、マリーを愛している彼からするとカリオストロは大敵であろう。
処刑人としての彼に敬意を捧げており「アンリ」と呼ぶ。
ただし、サンソン家という家系自体には思うところがあるらしい。
皇帝になる前の彼に何らかの助力をしたらしい。
そのためか、恩に着せる様なそうでもない様な発言をしている。
生前チベットで交流があったようで、当時の偽名である「イリーナ」と呼んでいる。
ただ、向こうからは好かれていない模様で、疑いの目をのらりくらりと躱わしている。
アルトタス
錬金術の師匠とされる錬金術師で、創作上の人物である可能性が高い。
また『TYPE−MOON』世界では、カリオストロに不老と超再生の魔術回路を授けたとされる。
Fate/Grand Order
カルデアで契約したマスター。
一応忠実に仕えており、基本的に「陛下」「女王陛下」と呼んでいる。
異星の使徒として倒された時にはかの巨大機構に尚も抗い続ける魂、自らの精神の奥底と知りながら戦場とする覚悟に「お見事」と認めており、その覚悟をかの巨大機構の御前で示されるとよいと語っている。
自分と同じ「古い秩序を破壊する者」と捉え、シンパシーを感じている。
尤も、あちらからするとカリオストロはある意味圧政者判定される可能性がある。
何故か彼女からは敵愾心を抱かれており、翻意を否定している。
彼女のヴィイの『透視の魔眼』で「がらんどう」の本質を見抜かれたか?
彼の所属する現代魔術科はカリオストロの活動によって創立された。
よってカルデアでは彼から注意されており、それを疑問に感じている。
異名である「ガルニエ宮の怪人」と呼んでおり、その形態に興味を抱く。
本来なら自身より後の年代出身なのだが、詳細について色々把握している模様。
カルデアの初期プリテンダー勢であり、それぞれに興味を抱いている。
尤も、彼らからすれば「がらんどう」の仲間扱いは溜まったものでは無いだろう。
天覧聖杯戦争で自身を召喚したマスター。
頼光四天王の彼と詐欺師では相性が悪そうだが、果たして……
色々と似ている人物で、劇中でも散々言及されている。
しかし縁もゆかりもない両者がこれほど似ているのには、ある理由があり……
彼のことは存じていると語っているが、カルデアにいると知ると驚いたような様子を見せる。
異星の使徒として使える主。
曰く「巨大機構」らしいが……。
その他
同じく『Fateシリーズ』に登場した有名な詐欺師。
様々な年代において姿が確認され、多くの英雄と因縁を持つ点でも共通する。
余談
CVを担当する竹内氏は狼王ロボ以来の『FGO』参加。ただし、ロボは唸り声を発するだけで人語を話せないため、ちゃんとした意味でのCVはカリオストロが初となる。
関連イラスト
【第一再臨】
【第二再臨】
【第三再臨】
関連タグ
Fate/GrandOrder オーディール・コール 不可逆廃棄孔イド
以下、奏章Ⅱ『不可逆廃棄孔 イド』のネタバレ注意!
擬似東京で主人公が通う学園の教頭を勤めていたが、その正体はやはりサーヴァント。
モンテ・クリスト伯の語る「七つの試練の一角」として、生前から因縁のあるマリー・オルタと共に第三の試練、「混沌機構」 カリオストロ・オルタとして主人公陣営に立ちはだかる。
しかし、主人公にトドメを刺そうとした味方であるはずのマリー・オルタを殺害し、アヴェンジャー・カリオストロ・オルタならざるプリテンダー・アレッサンドロ・ディ・カリオストロであることを真名暴露。
そこまではいいのだが、彼は自分が異星の使徒の最後の1人『伯爵』として振舞ってきたことは嘘偽りであり、自分は人理側のサーヴァントであり、カルデアの味方であると発言した。
オリュンポス跡地でカルデアに声だけを明かした『伯爵』も彼と同一人物で、この時は声色を変えていた模様。また、オルガマリークエストに登場する遺分體(エレメンツ)を鋳造したのも彼であり「かの巨大機構の目を眩ませるには、ああするより他になかった」と付け加えている。
以降は主人公から信頼されていないと知りつつ、彼/彼女を支える。他のサーヴァントが言い難い事を口にして憎まれ役を引き受けるような言動で、精神的に不安定だった主人公をサポートした。
ところが、最後である第七の試練に突入する直前に、前述の発言をアッサリ翻して、やはり自分は異星の使徒であると明かした上で、主人公の胸に呪刃を刺して致命傷を負わせる。
だが、この展開を確信していた巌窟王と耀星のハサンの回復宝具による適切な対処によって主人公は命を繋ぎ、ある裏技で一時復活したマリー・オルタの助力もあって悪あがきも虚しく敗死・消滅した(その際、捨て台詞を残そうとしたが耀星のハサンにばっさり切り捨てられた)。