「オレが!ここに!いるぜ!」
プロフィール
真名 | ナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世) |
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クラス | アーチャー |
性別 | 男性 |
身長 | 189cm |
体重 | 92kg |
出典 | 史実、ナポレオン伝説 |
地域 | 欧州 |
属性 | 中立・善・星 |
好きなもの | 葉巻、読書、佳い女 |
嫌いなもの | パグ犬 |
設定担当 | 桜井光 |
ILLUST | Ryota-H |
CV | 日野聡 |
ライダーでの召喚時には背が縮むらしい。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアーチャークラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
第2部『Cosmos in the Lostbelt』の第五弾CM(下記の関連動画参照)で初登場する。その後第2部2章『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』開幕直前キャンペーンにて先んじて実装された。
近代初頭の軍服を思わせる衣装と、可変機能を備えた巨大な大砲を手にしているのが特徴的。
真名
フランスの軍人にして第一帝政の初代皇帝、「ナポレオン・ボナパルト」。
18世紀半ば、ブルボン朝崩壊後の不安定なフランスに颯爽と現れた「新たな時代の英雄」。
後にフランス皇帝「ナポレオン1世」として革命後のフランスを統治し、イタリア国王とアンドラ大公も兼任するなど、絶大な権力を有するに至った、近世西欧の大英雄たる屈指の傑物である。
その後、半島戦争と北方大遠征に失敗し、その責任を問われて皇帝の地位をはく奪されて凋落した。「百日天下」と呼ばれる復活劇を成し遂げるも、その後再び失脚し、大西洋の孤島セントヘレナ島に流刑となって最期を遂げた。最期の時まで、帰国と復活を諦めることはなかったされる。
今回登場したこのサーヴァントは「ナポレオンという英雄の理想的な偶像」であり、その功績から万人が夢想した「不可能を可能にするヒーロー」としてのナポレオンである。超・噛み砕いていえば、彼に関する伝説のある事ない事全てを詰め込んだ「みんながまってたいちばんかっこいいナポレオン」といえる存在。真名がフルネームで表記されていないのもそれが原因なのだろうか。
よって実際のナポレオンとは生前の記憶こそ共有しているものの、性格にも体格にも容姿にもかなりの差異が存在している。アーチャーでは大陸軍(グランダルメ)の宝具を持ってはおらず、当人曰く、本来のライダーとしての自分が召喚されると、背格好はもっと小さくなり(168cm)、性格も気難しく落ち着きのないものとなるらしい。
故に、この英霊は「人々が望む願いのため」に戦うことを好しとし、その望みのために突き進み続けることに諾と返す。この在り方は元は同一人物でも現実に生きたカール大帝と、幻想に生きたシャルルマーニュの関係に近いものとなっている。
人物
一人称は「オレ」。
英霊としての彼は人の想いに応える期待と可能性の男である。栄光の頂点もどん底への失墜も、全ては「あいつならやってくれる」という人々の願いを叶え抜いた結果だとうそぶいて憚らない。
竹を割ったような爽快さと、大胆不敵な行動力を持つ男。不撓不屈の闘志を胸に秘めるも、決してそれを大袈裟に誇示せず、「誰が為の英雄」として味方を鼓舞し、不敵に笑って見せる。
その気風の良さ、男気の良さ――これぞまさしく「快男児」と言い得るものだろう。
この性格は前述の要素から由来するもので、ライダークラスの「ナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世)」として召喚されると、史実寄りの偏屈な性格の小男として顕現することになる。
しかしながら、愛の多い典型的なフランス男児でもあり、美女を見かけるとついつい敵味方構わずに甘い言葉で誉めそやしてしまう。生前の正妻であるジョセフィーヌ妃への信愛を第一に貫いているのだが、元のナポレオンも色男として知られる人物だけあって、1度の召喚につき一人は意中の美女を見付けたがる困った癖を持っている。
一方で、その恋愛観は妥協や征服欲の一切無いものであり、ただ節操なく口説くのではなく意中の相手が問題を抱えていた時は全力で力になろうとする等から分かる通り、色々真っ直ぐであるが故にどこか憎めない印象を受けるあたり、彼らしい。
また、逆境から掴み取った栄光とそこからの失墜を経験し、酸いも甘いも噛み分けたその人生経験からか、理想を掲げながらも決して現実的な問題から目をそらそうとはしない、地に足のついた大人としての側面も持ち合わせており、ここぞという時の腹芸も利く。
その他、交戦経験などなかった巨人族の効率的な倒し方を主人公たちに指導したり、異聞帯の戦況を的確に見据えて大胆かつ理にかなった作戦を考案する等、人類最高峰と謳われた指揮官としての手腕も健在である。
本人もコンプレックスが解消された立派な体格や、政治・金といったしがらみから開放された今の自分を好意的にとらえており、生前に抱いていた「理想の自分」として思う存分振舞えているのかもしれない。
それ故、権謀術数の類にはなるべく関わりを持ちたがらない節があり、某イベントではドロドロとした人狼ゲームに参加させられ機嫌を悪くする様子も見られた。
そして意外に思われるが犬が苦手。ジョセフィーヌの愛犬であるパグに不意に噛まれて以降、分かっていても思わず身構えてしまう(しかも、噛みどころが悪かったらしく、数日間寝込んだ)。
能力
戦闘においては、主力武器である大砲を用いた遠距離砲撃を主体としている。
モーション中では、破壊力に優れた砲弾の他に、ガトリングのような散弾、水色のビーム砲も放っており、砲撃の推進力を利用して突進したり、砲身自体を振り回して殴りつけたりもする。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | D | C | A | E | B | B |
筋骨隆々な軍人だが筋力がD。
神秘の補正が薄い近代の人物だからか、人々の夢想によって得た体格だからであろうか。
保有スキル
単独行動(C) | マスターからの魔力供給を断ってもしばらく自立できる能力。Cランクならば、マスターを失っても1日は現界可能。 |
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対魔力(C) | 詠唱が二節以下の魔術を無効化する。大魔術・儀礼呪法のような大掛かりなものは防げない。 |
火力支援(砲)(B+) | 作戦行動の支援として行われる強力な遠距離攻撃。ナポレオンの場合、この攻撃は砲撃の形で行われる。本来は軍略スキルの効果を含む複合スキル。 |
皇帝特権(B) | 初代フランス皇帝として立った彼は、皇帝特権スキルを有しているが……本作では基本的に使用しない。(ただし北欧異聞帯においては使用していた) |
凱旋のカリスマ(B) | ナポレオンは特殊なカリスマ性を有している。本来はカリスマスキルの効果を含む複合スキル。 |
可能性の光(B) | 星の開拓者に似て非なるスキルにして、無辜の怪物によく似たスキル。実際に自分が手掛けた偉業も、実際には関わりのない伝説も、すべてを一身に受け止めた偶像が英霊ナポレオンであり、現界した彼は「期待」と「可能性」の具現として振る舞う。可能性の光、虹の如く。彼と出会った敵対者は、いずれソラ駆ける虹を見る事になるだろう。 |
宝具
凱旋を高らかに告げる虹弓(アルク・ドゥ・トリオンフ・ドゥ・レトワール)
- ランク:A→A+
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1〜99
- 最大補足:100人
「勝利は前進するってなぁ!」
「人よ、願え!お前達に不可能は無い!何故ならば……オレがいる――『凱旋を高らかに告げる虹弓(アルク・ドゥ・トリオンフ・ドゥ・レトワール)』!!」
凱旋門のフランス名と同名を冠する砲撃宝具。外観としては片手持ちの変形型大砲。
英霊ナポレオンの存在そのものを基軸に、ギザのスフィンクスの鼻っ柱を砲撃でへし折ったという伝説が加わることで、神秘特攻を有した宝具として昇華を果たした(実際はスフィンクスの頭部は風化によって崩れたと言われている)。通常攻撃では通常の砲弾の他、連射やビームを撃つ事が出来るなどもはや大砲の範疇を超えた能力を披露している。真名開放時は虹色の光線を放つ。
詳細は該当記事を参照。
ゲーム上での性能
最大HP | 13097 |
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最大ATK | 12033 |
カード配分 | Quick×1 / Arts×2 / Buster×2 |
スキル1 | 凱旋のカリスマ(B) / 味方全体の攻撃力をアップ(3ターン)&自身の攻撃力をアップ(1ターン) |
スキル2 | 火力支援(砲)(B+) / 味方全体の宝具威力をアップ&味方全体のスター発生率をアップ(1ターン) |
スキル3 | 可能性の光(B) / 自身のNPを20~30%増やす&無敵貫通状態を付与&毎ターンスターを5~10個獲得状態を付与(3ターン) |
宝具 | Buster:自身に防御無視状態を付与(1ターン)+敵全体に強力な〔神性〕特攻攻撃<オーバーチャージで特攻威力アップ> |
宝具(強化後) | Buster:自身に防御無視状態を付与(1ターン)+敵全体に強力な〔神性〕特攻攻撃<オーバーチャージで特攻威力アップ>+スターを20個獲得 |
スキル、宝具ともに無敵貫通や防御無視などの効果を持ち、防御系のスキルを一切持たない超攻撃特化型の構成。「OCで威力がアップする神性特攻のアーチャー」として、カルナがこれまで対処しきれなかったセイバーと渡り合うことができるが、アーチャーの特攻宝具持ちには既にギルガメッシュ(サーヴァント特攻)やテスラ(天地属性特攻)、スキルで神性特攻を付与できるノッブもいるため、スキル支援がないと遅れをとってしまう。幕間の物語をクリアすると、宝具威力アップに加え大量のスターを獲得できるようになり、次ターンからクリティカルで畳み掛けやすくなる。
弱点は自身の防御手段がないこと、その強さがスキルに支えられていることであり、強化解除・無効を用いる相手が天敵になる。加えて必要なスキル強化素材も膨大な量になる。それさえ克服すれば、不可能を可能にすると言わんばかりの圧倒的火力で可能性の虹を見せてくれるだろう。
また、第2部から登場した新素材である「励振火薬」を再臨素材として初めて必要とするサーヴァントとなっている(第2部1章までは、励振火薬はスキルへの強化目的しか用途がなかった)。
因みに上記の性能面から敵として出た場合、アーチャー特有の短い宝具チャージに加え「可能性の光」によるチャージ増加と無敵貫通3ターン付与、防御無視付与の全体攻撃宝具持ちなので、スキル使用時のタイミングが悪いと「無敵・防御力アップが一切通じない全体攻撃宝具を急にぶちかまされパーティ壊滅」ということもあり得る、敵に回ると非常に厄介なサーヴァントである(実装当時はまだ対粛正防御が無かったので無敵貫通攻撃は素で耐えるしか対処法がなく、性能を見て危機感を抱いたユーザーも少なくなかった)。敵対した場合はスキルを使われないようスキル封印・強化無効を付与するか、エウリュアレなどの男性特攻宝具によって一気に倒すことが望ましい。
関連人物
生前
ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ
最初の妻であり、7歳年上の皇后。劇中においても度々言及されている。
今際にお互いの名前を呼んで事切れた逸話がある程、誰よりも真剣に愛していたが、後継者(子供)に恵まれなかったことにより止むを得ず離婚してしまった。その後も生活に困らない様に離宮を与え皇后の位も存続し、政治面における良き相談相手かつ友人として重宝していたとされる。
生前に彼を監獄から救わなかったため憎悪されているだろうと思っており、戦闘を避けるために対面を拒否した。しかしマスターから「今は襲い掛かる人物じゃない」と聞いて驚いている。
老人となった生前の彼と邂逅したことがある。ナポレオンを陛下とは呼ばなかったらしい。
また史実では「自分は必要とあらば皇帝でも処刑する」と言われて怖くなって追い返した。
モーリス・ド・タレーラン
部下であった外交官。実力は確かだったのだが、我欲が強すぎたあまり喧嘩別れした。
ストーリーでは、小難しい理屈を垂れるとタレーランのようになると引き合いに出していた。
トマ=アレクサンドル・デュマ
部下であった軍人で、彼の父親にあたる男。当時のヨーロッパとしては珍しく黒人の軍人。
有能な将軍であったが、黒人であったことを理由に生前のナポレオンからは冷遇された。
ニコラ・アベール
ナポレオンの公募によって、密封容器と加熱殺菌の手法を生み出した料理人。
しかし当時は瓶を使っていたため、しょっちゅう割れてしまい大変だったとか。
彼女の人生に対して「オレが言えた事じゃないが……やりきれんな」と苦い表情をしていた。
あちらからは普通に接されている。ちなみに彼がジョゼフィーヌ妃との離婚後、妻に迎えたハプスブルク家皇女マリー・ルイーズは彼女の従姉妹にあたる(マリーの叔父・フランツ2世の娘)。
皇帝に就いた際に国威発揚の為、当時オルレアンのローカルな英雄として伝わっていた彼女を、フランスの国民的な英雄として祭り上げた。結果的にそれが彼女の列聖へと繋がっていく事となる。
戴冠式の際、革命の戦火の影響で破損または紛失していた、彼が持つ宝剣「ジュワユーズ」を修復・復元し、王権を示す物品として用いたという。余談だが、修復されたというジュワユーズは現在ルーヴル美術館に展示されている。機会があれば見に行ってみるのも一興かも知れない。
またシャルルマーニュは彼と同じく「人々の幻想から生まれた」という共通点を持つ。
ただし、通常の聖杯戦争ではカール大帝の方が呼ばれる確率が高いと言われている。
Fate/Grand Order
生前からの大ファンでイーリアスフリークの大先輩。ナポレオンにはかつてピラミッドの中で彼の亡霊を見たという伝説があり、カルデアで幻でも残像でもない本物を見て喜んでいた。なお、両者ともに「人類史上最高峰の指揮官は誰か?」という議題では必ず名前が上がる人物である。
契約したマスター。フランス語読みの「maître(メートル)」と呼んでいる。
絆を深めると相棒と認め、「お前のままで進めばいい」と太鼓判を押している。
別名「犯罪界のナポレオン」と言われた男だけあって、関心が沸いている。
ただし、最初のうちは笑って尋ねているものの、最後の方にちょっと凄んでいる。
重火器使いという意味でも共通しているが、彼の場合は他人からの借り物である。
イーリアスが大好きなためにトロイア戦争の英雄と聞き、最高なまでに関心が沸いている。
上記のイスカンダルと共に、邂逅した彼らの眼前で大興奮している姿が見えるようである。
ナポレオンからは犬判定されており、生前のトラウマもあって苦手にされている。
また『藤丸立香はわからない』では馬琴の使い魔である八犬士達にもビビっていた。
劇中で同じく誇張された英霊として挙げられた人物(彼の場合は別の要素もあるのだが)。
彼も同様に、生前の愚行への後悔から、今を生きる者の期待には応えたいという考えを持つ。
オフェリアと一緒に人理修復に挑んだシミュレーションにおいて「凱旋門を触媒にナポレオンを召喚できるかも」と考えた事があるユーモアマン(聞いていたオフェリアからは呆れられていた)。
その他
実装以前に『Fate/strange Fake』にて、肖像画を触媒にしての召喚を目論んだ魔術師。
安直な触媒のチョイスだったため、師匠には「自分がナポレオンなら契約前に銃殺する所だ」と怒られてしまった。しかしフラットの実力なら召喚に成功する可能性もあり、当記事のアーチャー版であれば、実際に召喚したサーヴァントとは違った形で性格面での相性も良かったかもしれない。
余談
実装予定CM発表で初登場した際の当初の真名予想の時点で、手にしている砲筒のような何か=砲兵の経歴がある人物?という推測や「そいつも俺が言ったことになっているらしい」とのセリフなどから、大砲を用いた優れた作戦を扱った軍人で「余の辞書に不可能の文字はない」などの数々の名言を残したナポレオン説が速い段階で上がっており、結果として見事に的中する事となった。
ちなみにこの言葉は本来は「不可能という言葉はフランス語の辞書には載っていない(=我々フランス軍に不可能はない)」という味方を鼓舞する目的で言った言葉だったと言われている。
また、イラスト担当のRyota-H氏は彼を呼符一枚で引けたことをツイートしている。
ナポレオンを演じた日野聡氏は、型月作品において後に『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 特別編』にてアムレス・ヴォータンの役、『魔法使いの夜』にて山城和樹の役で出演している。
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Fate/GrandOrder サーヴァント アーチャー(Fate)
各章のキーキャラクター
※ 以下、第2部2章『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』のネタバレ注意!
先述したように、第2部2章の副題である『消えぬ炎の快男児』とは彼のことであり、劇中でも実際に「炎が立っていた」「快男児」などとと比喩されている。現状1章、2章を通じて副題となっている異名を持つキャラはクリプターの相棒(契約サーヴァント)、もしくは敵味方問わずクリプターに影響を与えた人物と推測されている。第1章ではアナスタシアがこれらに該当しており、第2章では巨人王が契約サーヴァントに、そしてこのナポレオンが影響を与えた人物に該当している。
第1部では副題となっている異名を持つキャラがみな主人公の相棒格だったのも、クリプターがもう一人の主人公である第2部においては説得力を持たせている(3章以降はまた違ってくるが)。
そして、その2章におけるクリプターたるオフェリアに影響を与えた行動としては、彼の作中の「求婚」と、終盤における決死の宝具発動が挙げられる。彼のオフェリアへの求婚は彼女の記憶に自らを強く印象付けており、終盤にて彼女がスルトの洗脳を解く為の手助けをし、彼が宝具の発動によって見せた「虹」によって、オフェリアが前に進むための背中を押すに至ったのだった。
そもそもナポレオンが北欧異聞帯に現界したのは、オフェリアの心の奥底の悲鳴に感応したことが引鉄となっている(あくまでナポレオン本人の推測だが)。魔術師の理念に縛られ、クリプターとして異聞帯を守る使命感と重圧から逃げ場を失った少女の心が、人々に求められる英雄を導いた。
「誰か助けてほしい」――
その一時の気の迷いともいえる少女の弱音を、この理想の英雄は無視できなかった。
少なくともナポレオン自身は、此度の己の現界理由についてそう解釈している。
結果として大令呪を使った彼女は死に至ってしまうが、少しの間だけでも前に進むことができた最後の彼女の笑顔は晴れやかであり「虹を放った男」への感謝を遺言として残すのであった。
この出来事はカルデアに召喚されたナポレオン(当然だが異聞帯とは別霊基)にも影響を僅かながら残していたらしく、自身の幕間の物語で主人公とマシュからオフェリアの名前を聞いた時は、記憶(記録)こそなかったが、最愛のジョゼフィーヌ妃と同じ位に心に疼くものを感じたという。