「わしを知る者、それただ『八犬伝』か!わしを知らざる者、それもまた、ただ『八犬伝』か!」
プロフィール
真名 | 曲亭馬琴(+土岐村路+伏姫) |
---|---|
クラス | ライダー |
性別 | 女性(肉体) |
身長 | 157cm |
体重 | 45kg |
出典 | 史実 |
地域 | 日本 |
属性 | 秩序・中庸・人 |
好きなもの | 鳥類(特に金糸雀)(馬琴)、里見の領地の景色(伏姫) |
嫌いなもの |
|
設定担当 | 星空めてお |
ILLUST | TAKOLEGS |
CV | 芹澤優(馬琴、路、伏姫)、川野剛稔(八房) |
耳と尻尾は飾りなり!
概要
『Fate/Grand Order』に登場するライダークラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
以前よりアンデルセンのマイルームボイスで触れられており、満を持しての実装となった。
……だが、明らかになったビジュアルは、黒髪長髪で椿柄の着物を着たイヌミミ美女。その理由には、馬琴という作家の成り立ちと著作が密接に関わっている。イヌミミは上記の台詞の通り、髪飾り(ヘアピンが付いたもの)だということが『FGO Fes. 2022』のスタッフトークにて語られた。
初登場となる2022年の実装イベント『南溟弓張八犬伝』において、カルデアに試験的に設置された召喚サークルから、何の前触れもなく「ソウスケ」と呼ばれる使い魔の仔犬と共に現れるが……?
真名
江戸時代後期において活躍した、日本の歴史上初となる専業小説家、『曲亭馬琴』。
代表作『南総里見八犬伝』『椿説弓張月』など、歴史に残る幾つもの大作を世に出した。また、水滸伝の登場人物の性別を逆転させた『傾城水滸伝』という『Fateシリーズ』の先駆けの様な作品も。
大変な博識で古今東西の歴史や伝承に詳しく、医術、儒学も身につけ、特に『水滸伝』などの白話小説を好んだという。その一方で、晩年には失明してしまい直接の執筆活動はできなくなっていたものの、息子の嫁である「土岐村路(ときむら みち)」が馬琴の代わりの目と筆になり、口述筆記という形で世に作品を送り出した。上述した『八犬伝』の完成も、路の存在無くしては語れない。
サーヴァントとしての馬琴はこの史実に基づいて、視覚を司った路の姿を借りることによって現界している。そして霊基再臨第3段階に進むと伏姫と八房に変化する為に、馬琴父娘とその作品における登場人物が1つになった珍しいサーヴァント(言うなれば一種の複合サーヴァント)とも言える。
人物
曲亭馬琴
一人称は「わし」。
普段は馬琴の人格が表層に現れ、力強い眼光をした仰々しい傾き者の様な印象を与える。
気風の良い口調で、プライドが高く規律を重んじる几帳面な性格だが、融通が効きにくい。
土岐村路
一人称は「路」、または「私(わたし)」。
馬琴の養子兼息子の嫁兼筆記助手であり、サーヴァントの肉体の持ち主。
時折彼女の人格も現れ、こちらは貞淑で少し押しに弱い印象を与える人物。
そして、美少年好きという面食いな一面も持ち合わせており、その面では強か。
八犬士
使い魔として共に顕現する、八犬伝に登場する「八犬士」の名を冠した8頭の仔犬達。
第1、2再臨の時には、スキル使用時に出てきたり攻撃時に一緒に突撃したりしている。
伏姫
一人称は「吾儕(わなみ)」。
著作『南総里見八犬伝』の登場人物であり、宝具発動時の際に現れる存在。
勇猛果敢で不正を許さない誇り高い人物で、八房のことを可愛がっている。
能力
戦闘においては、使い魔である八犬士達と共に戦っている。
モーション中では、小刀による剣術、徒手空拳や扇子による打撃、拳銃による銃撃を行う他に、八犬士達との連携戦法(自らの肘鉄と八犬士の体当たり、回転アタック、抱えて一斉突撃)を披露。
第3再臨では、妖刀『村雨丸』を武器とし、水を纏った剣術、無数の水弾の発射、切っ先からの水流の放射、霧に紛れての八房の噛みつきによる奇襲を見せる他、周囲に浮いた数珠に炎を纏わせて発射する、旋回させて神気の柱を上げる、霊犬を模した光を召喚するなどの芸当も可能としている。
その一方で、十を超える意思や魂が一つの体に習合したサーヴァントであるが故に、いずれかの意思が主体となる馬琴に反発すると、その能力や機能に何らかの欠損が起きてしまうという弱点も孕んでいる。劇中での例としては、路が離反すれば視覚を失ってしまい、八犬士が離れれば力も細分化される等。しかし基本的には互いに仲が良いために、本来ならそうした危険性自体は高くない。
魔力量や環境次第、かつ戦闘能力を度外視すれば、千利休/駒姫同様分離も可能らしく、該当する2023年水着イベントにおいては、馬琴とお路が外見こそ同じなれど、面と向かって交流していた。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | C | C | B+ | B+ | C− | A |
保有スキル
騎乗(B) | 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、幻想種や魔獣・聖獣ランクは乗りこなすことができない。ただし犬種に関してのみ、Aランク相当の技量を発揮する。 |
---|---|
対魔力(B) | 魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法等をもってしても傷つけるのは難しい。著作の知名度と、馬琴自身のキャラクター化された英霊への理解の深さによって強化されている。 |
神性(C) | 神女・伏姫にもとづいた弱い神性。 |
名詮自性(B) | 名は体を表す、の意で本来は仏教用語。ここでは馬琴が作中で多用した独特な命名法を指す。例えば伏姫の”伏”には”人が犬に従う”という意味が込められている。名付けは創造の祈りであり正しさの呪縛でもある。魔術的にも真の名の解明は対象の支配には欠かせない。 |
仁義八行(A) | 『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』人として欠くべからざる八つの行い。それぞれの文字を映した数珠は、命を絶った伏姫のもとから八方に飛び散り、八犬士たちが生まれ持つ”珠”となった。犬士たちを奇めぐりあわせ、神女・伏姫の力を与える不思議な霊玉。 |
戯作三昧(A) | 戯作に明け暮れた曲亭馬琴のせわしない日々。盲目の義父を支えたお路との、義理の父娘の絆。なお同時代の浮世絵師で一時期は仕事上のパートナーであった葛飾北斎も同様に父娘の絆に基づくスキルを所有している。 |
宝具
南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)
- ランク:A
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~?
- 最大捕捉:98人
「命に替ゆる物無し。」
「仁義礼智、忠信孝悌。空に集いし八つの玉、雲割り風呼び、人の誠を今ぞ知る!常闇割いて路ぞ照らす月光なり!『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』!!」
「難に挑みて、死をだも恐れず。」
「三千衆生、発菩提心。空に昇りし八つの玉、これぞ、酒盞約束の八犬士!すわ、兆しを此処に呼び寄せり!『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』!!」
神仏の加護を受け、八房の背に乗り意のままに宙を駆ける伏姫。その武勇を象徴する必殺技。『八犬伝』作中で貫かれた勧善懲悪の一念は、霊刀を一閃するが如き不屈の意志となり、敵を打ち倒す。
詳細は該当記事を参照。
ゲーム上での性能
HP | 14256 |
---|---|
ATK | 10723 |
カード | Arts:2/Buster:1/Quick:2 |
宝具種別 | Arts |
スキル1 | 名詮自性<B> / 自身のNPをチャージ(20〜30%)+自身を除く味方全体のNPをチャージ(10%)+スター獲得(5〜15個) |
スキル2 | 仁義八行<A> / 味方単体のクイック性能アップ(3T/10〜20%)&アーツ性能アップ(3T/10〜20%)&バスター性能アップ(3T/10〜20%)&クリ威力アップ(3T/10〜20%)&宝具威力アップ(3T/10〜20%)&HP回復(500〜1000)&回避を付与(1回/3T)&弱体無効を付与(1回/3T) |
スキル3 | 戯作三昧<A> / 自身のアーツ性能アップ(3T/20〜30%)&「アーツ攻撃時に味方全体の攻撃力アップ(3T/5%)」を付与(3T) |
宝具 | 南総里見八犬伝 / 自身に魔性特攻を付与(1T/30%)+敵全体に強力な悪特攻攻撃(OC:150〜200%)+スター獲得(8個) |
耐久寄りのステータスに、アーチャー型のカード配分を併せ持つサーヴァント。
特筆すべきは第2スキル「仁義八行(A)」の味方陣営への豊富なバフであり、カード性能の向上に回復、回避に弱体無効など至れり尽くせりな効果を味方一人に付与できるのが、最大の強みである。
第3スキルの方も宝具と合わせてちょうどArtsを3枚所有しているため、水着姿の後輩の手札ロックを駆使すれば3ターン目には味方全員の攻撃を45%も引き上げれる点も見過ごせないところである。
宝具『南総里見八犬伝』は範囲の広い悪特攻の全体攻撃となっており(おまけ程度ではあるが)、魔性特攻も付いているため、両方の特性持ちにはかなりのダメージを与えることができる(相性有利上での該当者はキュアグレースの声をした護法少女、白無垢のティラノサウルス、最も有名な鬼で妖怪甘味くれ、百王子の長男であるわし様がいる)。獲得できるスターは8個と中途半端ではあるのだが、第1スキルと合わせればそれなりにはなるために、他の星出し要員と組み合わせるとベスト。
弱点は攻撃宝具持ちでありながらATKの数値が低い点である。
更に2023年12月20日、彼女にとってとんでもないライバルが現れた。その名はネモ〔サンタ〕。彼は配布サーヴァントという宝具の重ね易さに加えて彼女と同じく悪特攻宝具(オーバーチャージの倍率まで同じ)を所有しており、その上(条件は特殊だが)味方全員に宝具威力アップを20%、攻撃バフを40%、回避とNP10%も付与できる。差別化できる部分は多いものの、イベント等において悪属性を持つ相手に周回をするのならば、手軽に入手できる彼の方へと軍配が上がりがちである。
宝具レベルの上げやすさ、倍率が同じ悪特攻宝具、そして☆4故に自分よりも低コストで運用できる点から、差別化できてもどうしても悪目立ちしてしまう馬琴。もはやこれまでなのか……と思われていたのだが、ネモサンタの登場から程ない2024年1月17日に、彼女に救いの女神が舞い降りた。
その名は由井正雪。彼女の宝具は色バフを持つ味方に様々な効果を付与する効果があり、3色バフを任意の味方に付与できる馬琴とは抜群の相性を誇っていた。その上に馬琴のS2には宝具威力・クリティカル威力アップも備わっているため、正雪の宝具と合わせれば両方とも最大50%を3T維持できる点が大きい。まさに人生の伴侶ともいえる相手と巡り合い、稀代の小説家は一線級サーヴァントとして戦場に舞い戻ったのである。なお3色バフを任意で付与できる水着ダ・ヴィンチちゃんもいるが、彼女は馬琴と違いクリティカルバフは用意できず、その部分で火力でも差別化が可能である。
関連人物
生前
嘗て一緒に仕事をしたこともある、腐れ縁の浮世絵画家。奇しくも「共同制作者でもある親族と霊基を共有しており、本体の性別が女性」という共通点を持っており、仕事の都合で同居していた時期もある。娘同士は仲が良いのだが、親父同士は性格上の反りが合わずに犬猿の仲となっている。
上述した北斎の水着霊基。娘のお栄の方が主体であり、馬琴曰く「おちゃっぴぃな方」。
幼きお栄の事も1人の画描きとして認めているが、馬琴の新作をせがむ勢いにたじろぐ。
滝沢宗伯
馬琴の実の息子にして、路の生前の夫。時には馬琴の著作を手伝ったこともある。
医者だったが早逝してしまい、それの馬琴の心残りが事件を引き起こすことに……
山東京伝
馬琴の戯作の師匠で、同時に浮世絵師でもある。代表作は『江戸生艶気樺焼』など。
昔語に入れ込んでいたが、馬琴としては生前はそちら方面には興味を持てなかった。
生前に世話になった版元の1人。喜多川歌麿や東洲斎写楽などにも関わった。
人気だが色々気難しい馬琴とは、しょっちゅうトラブルを起こしていた模様。
息子の宗伯の友人であり、三河田原藩の藩士にして画家。宗伯が没した際に父の馬琴から息子の肖像画の作成を依頼されており、手掛けた肖像画は今も天理大学付属天理図書館に保管されている。
Fate/Grand Order
契約したマスター。バレンタインでは新作のアイディア出しを手伝ってもらった。
馬琴、路、伏姫共に終始友好的。馬琴曰く、武士としての気概が疼くんだとのこと。
マイルームでは八犬士達からも戯れられており、なつかれていることが見て取れる。
馬琴からのボイス。作品の題材を作る過程で彼女の伝説にも造詣が深かった様で、自身の作品の一つ『傾城水滸伝』における「陳達」に相当する女傑と呼び、カルデアで出会えた事に喜んでいる。
直接の絡みは無いが傾城水滸伝の事もあり、どの様な反応をするのか気にするユーザーもいる。
なお、彼の同僚は色々あって女体化しているために、そちらへの反応も気になるところである。
憧れの英雄の1人であり、自身の作品『椿説弓張月』において、彼を主人公とした。
特異点においての彼との出会いと交流の日々が『南溟弓張八犬伝』の発端となった。
生前に「玉藻の前のモデルは藤原得子」という中々にトンデモ説を展開している。
本作における玉藻の正体はアレの分霊なので、それ以上のトンデモであったが……
馬琴同様作家系サーヴァント。馬琴は若い頃は「童話は子供向け」だと侮っていたらしい。
あちらからは前々から興味を持たれていたようで、お栄さんに紹介してくれと頼んでいた。
イベントで共演した、江戸時代後期のサーヴァント同士。
同作での交流もあって、路からは信頼&心配されている。
美少年系サーヴァント
路からのボイス。美少年が好きらしいが、女装に悪堕ちと方向性が不穏である。
しかも満面の笑みを浮かべて言っており、あの義父にしてこの義娘ありである。
名刀を所持するサーヴァント達
伏姫からのボイスあり。様々な時代の名刀を見て歓喜している。それぞれ「源氏」「織田家」「幕末」に分けてコメントがあるも、その中に何かおかしな代物が混じっている事に気がついて困惑した。
動物を連れたサーヴァント達
こちらも伏姫からのボイスで、八房を連れていることから興味が湧いた。体躯の大きさや可愛らしさなら八房が一番……と思っていたが、カルデアでは大きさも可愛らしさも微妙であることに気付き、乗り心地も腰にくる(鞍を着けてないのである意味当然)そこまで良くない事にも気付く。最終的に「山菜採りが上手い」という事で納得する。それに対し、八房は不満気な鳴き声を上げた。
上記の八房よりも大きく人も乗せられるサイズの狼のサーヴァント。
劇中の描写では、八犬士達を間に挟むことで意思疎通が可能である。
余談
- 様々な刀剣への言及から、某刀ゲームを知っている者には「審神者」だと言われている。
- 実際、そのゲームに馬琴が言及している名刀が数々登場している。
- 演じた芹澤女史はキルケーの担当で知られる茜屋日海夏女史と同じユニットに所属している。
- また八房を演じた川野氏は本作で薩摩弁の監修を担当している。
- 因みに、詳細は省くものの梨の化け物やネズミーランドに伏姫が言及しているボイスがあり、一歩間違えば結構危うかったりする(後者は特に……)。
- イベントのアイテム交換ショップで路が歌っている歌は「向こう横丁のお稲荷さん」という江戸後期の手毬唄。明和三美人と呼ばれた江戸時代の美人茶屋娘「笠森お仙」の人気に肖って作られた当時の流行歌である。
- 路の一人称は、書籍マテリアルにおいては「路/あたし」となっているが、イベントやバレンタイン等のシナリオにおいては「あたし」ではなく、通常「私(わたし)」を用いている。