私は知性ある人間、エジソン。それだけのことである。
プロフィール
真名 | トーマス・エジソン(+アメリカ大統領全員) |
---|---|
クラス | キャスター |
性別 | 男性 |
身長 | 203cm ※ |
体重 | 106kg ※ |
出典 | 史実 |
地域 | 北米 |
属性 | 秩序・中庸・人 |
好きなもの | 自分の発明を誰かが使っている瞬間 |
嫌いなもの | ニコラ・テスラ |
設定担当 | 東出祐一郎 |
ILLUST | pako |
CV | 寺島拓篤 |
※ 182cm、88kgから後に変更された。
生前とは肉体の組成から異なっているため、身長体重も史実とは記録が違う。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
第1部5章『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』にて登場し、クリアするとストーリー召喚に追加される。ストーリー中では、アメリカ西軍を率いる「大統王」としてケルト軍と交戦する。
ホワイトライオンの顔をした獣人という初登場時の強烈すぎるインパクトで、文字通り主人公達やプレイヤーの度肝を抜いた。「質」として高いケルト軍を相手に「量」としての機械化歩兵の大量生産を行う事で、失われた戦線を取り戻しており、何とか拮抗しているように見えるのだが……?
第2部5章後編『星間都市山脈 オリュンポス』にも登場。他のサーヴァント達と共に「破神同盟」を結成し、現地を統べる神々と抗戦したが、カルデア一行が到達する前にデメテルに敗れ退去した。
奏章Ⅲ『新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション』では宇宙開発都市ムーン・ドバイに召喚され、ムーンキャンサー「トーマス・アルバ・エジソン・オルタ」に変貌。人類ラスボス決定戦に参加する。
真名
アメリカ出身の世界的に有名な発明家の1人、「トーマス・エジソン」。
蓄音機や白熱電球、映写機など、現代にまで受け継がれる様々な発明を行った。
その数々の偉大な功績を称えて「発明王」という異名でも広く知られている。
もっとも、彼自身が独自に発明したものは意外に少なく、先達の発明をより「普及」に適した形に再構築するという点において極めて優れていた。既存の発明を一般に拡げることによって人類の生活レベルを向上させた、という点においては紛れもなく、彼は英雄であると言えるであろう。
また本拠地の「エジソン研究所」が置かれていた地域に由来して「メンロパークの魔術師」とも呼ばれており、この辺りもキャスタークラスとして召喚される一因となっている可能性がある。
なお、そんな彼がこんな異様な姿で現界したのには、ある理由が存在する。
それは『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』において、本来のエジソンの霊基や自分達個人の霊基だけではケルト勢に太刀打ちできないと考えた、アメリカ歴代大統領達の英霊&幻霊全てが合意の上でエジソンをベースに霊基を合成したために、このような姿になってしまったらしい。
自らを強化するために複数の英霊・幻霊と合体したサーヴァントという意味では、第1.5部の『悪性隔絶魔境 新宿』に登場する幻霊達に近い存在といえる。ちなみに頭部が(USAの動物ではない)ライオンな理由は不明。なお、ライオンの顔はよく見ると生前の写真の面影をかなり残している。
このような経緯から、カルデアとの縁がない場で英霊のエジソンが召喚される場合は、他の霊基を含まない生前の姿(ホワイトライオンではなく人間の姿)で現界することが示唆されている。
人物
一人称は「私(わたし)」、または「我々」(大統領の意識が入り込んでいる)。
ホワイトライオンの頭に加えて、某有名アメリカンヒーローを混ぜ合わせたようなコスチュームを着込んだ巨漢というぶっ飛んだ姿。肩には自身の発明品でもある白熱電球が付いている。
その見た目からDr.ロマンからは「クリーチャー」、ナイチンゲールからは「キメラ」扱いされていた。
とにかく我が強くて饒舌で、喜怒哀楽が物凄く激しく、威風堂々として非常に尊大な人物。大雑把でどこか甘っちょろいが、常に前向きで暑苦しく、一度や二度の失敗ではへこたれない。生前とは似ても似つかない風貌であるにもかかわらず、彼の人となりを知ってる人物が見れば「あ、これエジソンだ」とすぐに確信を持たれる程に、強烈で特徴的な分かりやすい個性・性格をしている。
歩きながら独り言をする癖があるらしいが、恐ろしく声がデカく、近所迷惑さながらの声量にはマシュも驚愕している。知人からも注意されているが、治る気配はない(この点については後述)。
歴代アメリカ大統領の幻霊達と融合している影響からか(生前と比べても)愛国心がかなり強くなっており、アメリカの国民達を庇護しようとする大統領的な思想が強く出ている場面がある。
自分のやり方や使命に拘り過ぎる所があり、生前からの友人であるブラヴァツキー夫人からは「子供っぽくて頑固」と称されている。指摘通り、基本自分を基準にした考えを他者にも疑問なく当てはめ、問答無用で正当化してしまう、大変はた迷惑な問題人物。
スーパーブラック企業と全体主義が合体したかのごとき悪魔のような指導者であるためか、若干ワーカホリック気味なところがあり、自身が心がけている一日二十時間の労働をマスターに対しても要求してくるほどである。
自分の方針に確固たる自信を持ち、それを貫いてきた事で幾つもの成功を成し遂げた彼を支えてきたが、生前の人間関係や第五特異点での大失態から見られるような悪い方向に働いてしまいがち。
……もっとも、これは当人の「負けず嫌い」の性分が拗れまくった結果であり、実際は正当な理論さえ提示すれば、人の話も聞くし、納得してくれる度量も持ち合わせている。エレナから指摘されていた通り、割とナイーブで落ち込みやすくもあり、作中では途中で改心して一からやり直しを図るものの、それまでの行動を振り返って後悔したり非常に落ち込んでいる描写が多く存在する。
思えば、生前の告訴王(訴訟王)というあだ名や電流戦争の勃発は、この「子供っぽくて頑固」な性格が大元の原因であったのだろう。ケルト軍の常識はずれな強さに対抗するうちに、この悪癖が拗れ、頑固さから退路を見失った結果自分だけで戦っている気になっていったが、ナイチンゲールによる「治療」(という名の説教)で目を覚まし、本来の豪快で頼もしい人柄を取り戻している。
英霊になってからも、晩年に研究していたとされる「霊界通信機」を始めとした途上に終わった機器の開発に取り組んでおり、某イベントや上記オルタにもその試作品が関わっている。
能力
エジソンの能力は幸運を除けばEランクかEXしかない極端なステータスであるが、これは特殊な召喚状況であるため、実質的な能力はD~Eランク。クラススキルも「D」相当のEXランクである(というより複数のスキルに割かれており該当スキルを全て合わせてEX相当なのだと思われる)。最新の英霊である上に、それが補強されているため、ステータス表示に若干の混乱が見られるようだ。
見た目と比較して筋力が低いが、これはサーヴァントのパラメーターの基準が戦闘向けのため。実際、筋力Aのサーヴァントが筋力Cのサーヴァントに腕相撲で負けてるシーンもあり、マテリアルにおいても「有り余るパワーを全く攻撃に活かせていないだけ」という説明がある。水着イベントでの本人いわく、耐久EXに関してはどれだけ発明に没頭しても疲れない忍耐力であるとのこと。
モーション中では、電撃を纏わせた格闘戦の他、ランプ状の肩装甲でショルダータックルする、口からライオンの如く咆哮波を放つ、胸から虹色の光線を放射するという攻撃を見せている。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | E | EX | E | EX | A | EX |
※ 耐久・魔力・宝具はいずれもD~E相当のEX。
保有スキル
陣地作成(EX)(D相当) | キャスターのクラススキル。魔術師として、自身に有利な陣地を作り上げる。エジソンの場合は、偉大なる発明王として、エジソン研究所を設立する事が可能。その代わり、サーヴァントとなったエジソンの下で働く際は二十四時間の労働が求められる。過労死必至である…… |
---|---|
道具作成(EX)(D相当) | キャスターのクラススキル。魔力を帯びた器具を作成できる。エジソンは近現代に通じる重要な「道具」の発明に名を残している。人の発明を改良しただけという誹りもあるがそれでもやはり、彼の優れた功績を全て無かった事とするのは難しい。サーヴァントとなったエジソンはサーヴァントの持つ武具や宝具を「改良」する事が出来る。その成功率は神秘は低ければ低い程に高まる。ただし、武功が昇華した宝具(ヘラクレスの「十二の試練」他)などの改良は不可能である。 |
一意専心(B) | ひとつの物事に没頭し超人的な集中力を見せる精神力がスキル化したもの。エジソンは平均三時間程しか眠らなかった、と伝わっている。 |
変化(C) | 肉体や精神を変容させ、何者かに「変身」する。獅子の頭に変化しているが、知力やカリスマは一切失われていない。ただし、はち切れんばかりの肉体をコントロール出来ていない為、ステータスは低い。 |
メンロパークの魔術師(A) | 「変化(C)」が変化したスキル。エジソン研究所の地名に由来する、生前の異名「メンロパークの魔術師」に由来するものだと思われる。 |
大量生産(A→A+) | エジソンの発明が導いた世界の(アメリカの)あるべき姿。部下である機械化歩兵を無限に近い形で量産出来る。どこかで帳尻を合わせているのだが、それは彼の周囲以外の誰かであり、何かだ。アメリカとは無関係の場所の素材を消費している為、彼の懐は全く痛まない。 |
概念改良(A+) | 古今東西、あらゆる道具に更なる長所を付け足す反則特権。弓はより強く、剣はより鋭く、斧はより分厚く。或いは「大量生産」との重ね技によって「低ランク宝具に匹敵する破壊力を持つ武具の大量生産」という荒業すら可能になる。ランクによってどこまで改良出来るかが異なり、A+ランクであれば神造兵装を除いた殆どの道具に、何かしらの概念を付与出来る。既存の発明品を大衆向けに改良した事に由来。 |
ちなみに第五特異点においては未遂に終わったが、超人薬なる謎の薬品を使用することによって雷音強化(ブーステッド)を行い、トーマス・マズダ・エジソンに変身することができるらしい。
宝具
W・F・D(ワールド・フェイス・ドミネーション)
- ランク:EX
- 種別:対民宝具
- レンジ:不明
- 最大捕捉:不明
「覚悟せよ!」
「万人に等しく光を与えよう。それこそが天才の成すべきカルマだ!『W・F・D(ワールド・フェイス・ドミネーション)』!!ぬわーっははははぁ!!」
エジソンが為した三大発明(電球、蓄音機、映写機)による幻想支配。闇を照らし、消え去るはずの音を記録し、現実をありのままに映し出す装置を発明したエジソンによって、世界の隠秘は存在しないものになった。正確には「存在するのだが、それをエジソンが奪還した」という形になる。
数々の発明品を駆使することによって、隠されていた、秘められていたからこそ力を発揮したものを無造作に暴き立て、エネルギーでは計れない何かを零に固定する。民衆たちの神秘への信仰を零に貶める「世界信仰強奪」――対民宝具。世界を支配し塗り替えると言う性質上、固有結界を展開しているともとれるが、某赤いセイバーの宝具同様に、似て非なるものであるとも受け取れる。
演出は、白黒の8ミリフィルム調の出だしから、エジソンの高額な特許料請求から逃れる為に僻地に隠れた映画会社達の集まりである某映画会社のオープニングロゴによく似た何かの上に立ち、閃光による攻撃と共に背景が色づくというもの。
どこかしこからクレームが出ないことが不思議なくらい潔い攻撃であり、彼の友人同様、ファンを驚愕させるのに十分なインパクトを与えている。
地味に種別が「対民宝具」という独特なものであるが、プロフィール解説にあるように「民衆たちの神秘への信仰を零に貶める」――つまり、それまで魔術としてきた事象の正体を暴き立て、挙句に民衆でも使える「一介の技術」に貶めるという「魔術は隠された神秘であるから力を持つ」というTYPE−MOON世界の魔術理論からすれば文字通りの「天敵」と呼ぶに等しい特性を表わす。
相手の神秘性を落とすことで問答無用に弱体化させるその性質は、別宇宙の吸血鬼少女が使用する固有結界「枯渇庭園」に近い特性と言えよう。因みに詳細は不明だが、第1部5章終盤において、ケルトビッチがやらかしたとんでもない大事に対して、「宝具暴走」なることを行おうとしていた。
なお、レンジ・最大捕捉:不明、はマテリアルにある原文通りの記載となる。
ゲーム上での性能
最大ATK(Lv80) | 7952 |
---|---|
最大HP(Lv80) | 11882 |
カード配分 | Q1・A3・B1 |
宝具カード | Arts |
スキル1 | 変化<C>/自身の防御力をアップ(3T) |
(強化後) | メンロパークの魔術師<A>/味方単体の防御力をアップ(3T)&味方単体のスキルチャージを1進める |
スキル2 | 大量生産<A>/自身に毎ターンスター獲得状態を付与&自身に毎ターンNP獲得状態を付与(各5T) |
(強化後) | 大量生産<A+>/NP獲得状態付与の対象を味方全体に変更+味方全体の宝具威力をアップ(5T)&CTを2短縮 |
スキル3 | 概念改良<A+>/味方単体の宝具使用時のチャージ段階を2段階引き上げる&味方単体のスター発生率をアップ(各1T) |
アペンド3 | 対アーチャー攻撃適性 |
宝具 | 敵全体に強力な攻撃&敵全体に宝具封印状態を付与(1T)&敵全体にスキル封印状態を付与(1T)&敵全体のクリティカル発生率をダウン(3T)<OCで効果アップ> |
(強化後) | 威力上昇+敵全体の攻撃力をダウン(3T)<OCで効果アップ>を追加 |
HPにやや偏った耐久型で、同じ☆4キャスターのエレナと比べて、HPこそ同じだが、ATK値で100下回っている。ただし、こちらは「変化(C)」で防御力を強化できるため、場持ちでは上である。
最大の特徴が、第三再臨で習得するスキル「概念改良(A+)」で【味方1人の宝具のチャージ状態を2段階UP&スター発生率アップ】という効果を持つ超個性派スキル。つまりNP:100%で宝具解放しても+200%で“300%”状態にするという破格の性能を持ち、宝具チェインで三番手なら+チェイン補正200%で500%にまで引き上げる事が可能。
滅多に拝めない☆5サーヴァントの500%宝具や高確率の即死など様々な運用法が考えられる。ただし、オーバーチャージによる補正は宝具毎に大きく異なるため、どういった目的で使うのかある程度決めてパーティを構成しておくのが吉となる。
ただし欠点として、攻撃力があまりふるわない事と、スター関連スキルが多い割に、キャスター特有のスター集中率の低さから、自分では有効活用できない事が挙げられる。この点はサポーターゆえに仕方ないと割り切り、クリティカルを得意とするサーヴァントと組ませる事で上手く活用するようにしたい。
3度の強化クエストによりこれらはある程度改善されているものの、やはりアタッカーとしての運用には厳しい面があり、もっぱら支援寄りのサブアタッカーとしての運用が適切。
なお、ライオン頭ではあるがあくまでヒト科であり、ケモノ科サーヴァントには該当しないので注意。
関連人物
生前
エジソンの会社の元部下にして、最大の宿敵・ライバルたる存在。
作中でも、彼と思われる人物から挑発のような忠告を受けている節がある。
実際には(当人達は決して認めないが)喧嘩友達のような間柄であるらしい。
生前からの友人である、オカルト研究家の女性。お互いに生前とは違う姿なので困惑した。
第1部5章では、彼の野望が最終的に破滅へとつながる事を分かっていながらも味方した。
期間限定イベント『魔法少女紀行 プリズマ・コーズ』においては「エレナの姿をした魔法少女」の守護獣(オトモ)として参戦した。名前は「アル君」。初登場時点では機能が停止してただのぬいぐるみだったが、エレナが戦う意思を取り戻したことで復活を果たし、彼女の窮地を救っている。
他にもエレナとはテスラ共々何かとイベントで縁があり、彼女の世話になっていることが多い。
電話機の発明者である、イギリスの科学者。後述する通り、電話開発の特許権利で争った。
第1部5章によれば、お互いに英霊となった後は、節度ある付き合いを心がけているらしい。
西部アメリカの伝説的な保安官であり、生前に彼と面識があった模様。
彼の銃撃の腕前も見たらしく、英霊になっても可笑しくないとのこと。
彼の作品『月世界旅行』を無断で複製し、アメリカ中の映画館に売りつけるという暴挙に出た。
宝具(ロケットに乗って月旅行)や、エジソンに対する攻撃的な振る舞いを見る限り、リヨ氏のマンガに登場したマンガで分かるライダーが型月世界における彼(彼女)ではないかと思われる。
エジソンの助手を務めていた日本人技術者であり、本業は映画技師である。
とても誠実な人物で彼からも強く信頼され、エジソンが親日家であった要因として、フィラメントの材料の他によく岡部の存在が上げられる。後に母国では師であるエジソンの下で学んだ技術を活かし、映画技士としても活躍した。実は元日本海軍予備将校(少尉)でもあったため腕っ節も強く、エジソンが街中で暴漢に襲われた際には柔道で暴漢を撃退し彼を救ったという逸話を持つ。
メアリー・スティルウェル
最初の妻。13年連れ添ったが若い頃に先立たれてしまった。
彼女の死が、Fateエジソンがオカルトに傾倒した一因であることが、奏章Ⅲでの独白にて示唆されている。
Fate/Grand Order
契約したマスター。ストーリー中では、ケルト軍を倒すために同盟を結ぶことになる。
彼/彼女からは対等な友人のような感覚で接されており、個別のバレンタインイベントなどエジソンがついていない目にあった際には思わず涙ぐむほど。エジソンも第1部5章において「子供達の憧れの英雄」と言われたことを覚えているようで、彼/彼女の前ではまともな発言が多くなっている。
第1部5章やイベント『オール・ザ・ステイツメン!』で共演した、アメリカ出身のキャスター同士。アメリカ大統領の霊基が混ざっている分、彼の前ではやや言動に気を遣っている節がある。
あちらもある程度割り切っているため、イベント中ではエジソンのフォローに回ることも多い。
第1部5章では聖杯に召喚され、エジソンに請われて彼の将として腕を振るうことに。
最初は「施しの英雄」の宿命に従い、彼の矛盾を直感しながらも請われるままに戦っていた。しかし後半になって、エジソンがナイチンゲールの説教と言う「治療」を経て自身の過ちを認め、カルナも改めて間違いを指摘したことにより、主従ではない「友情」という関係を結んだのであった。
彼曰く「調子に乗りやすく、立ち直りが早い」という点が生前の上司にどこか似ているらしい。
イベント『Fate/Requiem 盤上遊戯黙示録』において共演した相手。
突如カルデアに現れた彼の真名をわずかな手がかりだけで言い当てた。
技術者の1人として、人類の叡智の結晶と言うべき彼を尊敬している。
バベッジが作ったスチームロボット「ヘルタースケルター」を改造したのが、第1部5章でエジソンが量産する「機械化歩兵」であり、マシュも初見で機械化歩兵をバベッジと間違えた。また、英霊の座からモールス信号で「破産するまでは負けていない」と皮肉交じりの激励をエジソンに送っている。当然、史実のバベッジを知っているプレイヤー達からすれば笑えない悲劇なのだが……
もはやツッコむ気力も失せる容態の彼に、敢えてツッコミを入れたメディカルバーサーカー。
彼女の伝説を当時から伝え聞いていたようで、自軍の衛生兵として引きこむ気でいた。だが、交渉は決裂し、状況を察したカルナによって逃がされる。ラーマを復活させた主人公たちと再度対峙し、彼女から改めて「病気だ」と宣告された後に説教という治療を施され、頑迷さを悔い改めた。
余談
ゲーム関係
TVCMにてお披露目された際には、その異常なデザインから全ユーザーのド肝を抜く。
しかしそこは訓練された月厨。3日も絶たないうちに肩に付いているコイル(フィラメント)や、AJ会場ブースで判明したクラスから既に真名が予想されていた(さすがに半信半疑ではあったが)。
もちろんシナリオ実装後に本当にエジソンだった結果には驚きと笑いの声が上がったが、ユーザーをも「まあFateだし」とスルーしていた彼のデザインにただ1人真っ向から指摘した人物がおり……
一応、マツダ電球の名前の由来となった、ゾロアスター教の最高神アフラ・マズダーを模した姿と考えれば、上記の容姿の理屈が通ることは通る。アフラ・マズダーは翼と光を背負った王者の姿で表されているため、虹色の翼のような装飾が生えた第三段階の姿が、これを想起させるものになっているのである。またミトラス教でよく見られる神(アイオーン神とも、ズルワーンとも、アンリマユとも)の像が「背に翼をもち体に蛇が巻き付いた獅子頭」と、蛇の有無を除けば『FGO』におけるエジソンとほぼ一致する姿を持っている(それを踏まえてデザインされたかは不明だが)。
本人はむしろ、その百獣の王というキャッチコピーが気に入ったため、この顔を受け入れたとのことである。曰く「雷音(らいおん)……いい響きだ」とのこと。後にこのチョイスが、デザイナーのpako氏発案のものであったことが明かされている。中の人はなんの因果かアンリマユである。
生前の因縁からテスラからは「悪鬼」とまで呼ばれているが、エジソンのCVを担当している寺島拓篤氏は『装甲悪鬼村正』のドラマCD版で主人公を演じている。テスラのイラストレーターが『村正』の原画を担当しているなまにくATK氏という奇縁もあり「発明悪鬼」とネタにされることも。
史実関係
意外だが彼の最終学歴は小学校中退。もう一度言う。小学校中退である。
小学生当時から頑固で融通が利かなかった彼は、些細なことでも疑問を持つと教員が答えてくれるまで質問し続けて対立。当然ながら学校は親の躾けに問題ありとして母親のナンシーと二者面談に臨んだが、元教員のナンシーは「なんで小学校の教師が子供の些細な疑問にすら答えられないのですか」と逆ギレ気味に返した。この応対が続いた末に母親がマジギレして小学校を中退させる。
以降はナンシーが全教科付きっきりで教育し、彼女が詳しく教える事の出来ない理系の分野は図書館で自力学習した。だが、母親が元教師という事に関しては「登校拒否児が偉人では色々とマズイ」という文部省の意向によって創作されたものではないかともいわれており、事実エジソンの母親は10代で結婚しているという記録があり、元教師であるには辻褄が合わない点が複数散見される。
なお、この影響なのか交流電流を理解するうえで必要な「微分積分」が解らなかったともいわれており、この事もテスラとの電流戦争の原因の一つとも言われている。先に言った通りエジソンは高等教育を受けておらず、加えて母親も文系だった故に理系部分はもっぱら独学で無理やり修めていたため、この部分を網羅しきれずに抜け落ちていた可能性は十分にある。加えて投機の失敗についても同じ理由だと言われており、学校に通わなかったが故に躓いてしまった一例と言えるだろう。
※ 史実の彼は言動から察するに、幼少期から今で言うADHD(注意欠陥多動性症候群)やアスペルガー症候群等の疑いが言われており、現代でも同じだがこれらの症状は自分から臨んだ分野に関しては恐るべき集中力を発揮することで知られる。ともすると「1%のひらめきと99%の努力」で知られる彼の努力根性は、幼少期の教育環境が育んだとも言えるかもしれない。
また少年期には列車の添乗員として働いており、ジャンクから印刷機を作り独自に新聞の発刊なども行っておりこれが常連客には人気だったとか、しかし後に不注意から火災を起こしてしまい禁止される。このあたりに列車から転落しかけ、とっさに上司がエジソンの耳を引っ張り上げ命を拾ったがこれが原因で難聴を患ったとされる(エジソンの大声の原因の1つはこれだと思われる)。
後に列車の添乗員としての業務の傍らでモールス信号をマスターすると、モールス信号を翻訳する通信使として働き始めるのだが、その際に難聴によって自分の担当する信号音しか聞こえなかったため、それ故に圧倒的な精度・速度で翻訳していた事からスピード王の異名を持つにいたる。
この時の給料と貯金を元手として、エジソンは発明家としての道を歩み始めたのであった。
上述の通り、近代の科学者の中ではニュートンやキュリー夫妻、そしてテスラと比しても「彼がその原理の発見からすべてを発明した」というものは少ない(蓄音機くらいか)。有名な電球も、彼の功績は「炭化フィラメントによる超長寿命化」であって電球自体はそれ以前から知られていた。要するに彼の得意分野は劇中のスキルから分かる通り量産化にこぎ着けるための機能練磨と、それによる旧い稀少価値の根絶。アメリカ人でありながら米国面より日本面に陥った発明家と言えよう。
因みに上述した通り、電話もグラハム・ベルと争っていた内の1人なのだが……1番乗りこそベルに許したものの、日本の黒電話以降の現在の電話機は“エジソン型電話機”となっている。ベル開発の送話器はスピーカーの原理を応用した単純なもので、性能はひどく悪かったのである。現在の送話器の主流である炭素式送話器を開発したのは、エジソンである。そのついでとして蓄音機(後のレコード、テープレコーダー)やトースターも開発した。余談であるが、世界で初めて録音されたのはエジソン自身が歌った「メリーさんの羊」であり、世界初の「映画館」を作ったのも彼である。
また、筆がマメな性分で常にメモ帳を持ち歩き思いついたことをメモしていた。
このメモ帳は膨大な数に及ぶが、実際に完成させられたのは極一部に留まる。
しかし、その中には電気式ネズミ捕りなど現代に通じる発明も多く存在する。
晩年は友人が彼を慮り、彼が母親と幼少期を過ごした生家を再現してもらう等友人と家族に囲まれながら、己の発明家としての最後の課題に取り掛かった。霊界通信機の開発である。上記の通り、エジソンは科学者として知られながら、エレナの影響でオカルト分野への傾倒も半端なかった。
ただ、その他のオカルト・スピリチュアル系とは異なり、エジソンは「人間の魂もエネルギーのひとつ」と考え「エネルギー保存の法則により人間の魂は人間の死後も不滅」と考えていた。数々の不可能を可能にしてきた男の最後の挑戦に、本当に「死者と会話ができるようになる」と信じる者も少なくなかったと言う。彼のキャスター適性や、他の霊基を取り込んだ姿などの素質、そして奏章Ⅲでの動機はここに由来すると言えよう。基礎技術力の限界もあって、生きている内に実現はできなかったが「100年以内に実現する」と言い遺し、穏やかにその生涯を終えたのだった。
少なくとも現時点では「死者との会話」は実現していないが、動物の思考がエネルギーにより伝達される神経系の信号の集合体であることは後にほぼ解明されており、HIDのひとつとしての脳から直接信号を読み取る「脳インターフェイス」については、現在では徐々に実用化されつつある。
エジソン(単位)
二コラ・テスラや彼の名を関した磁束密度を表す単位名「テスラ」は、オカルト話やSF関係で何かと引き合いに出される存在だが、一応エジソンの名を冠した電力単位も存在している。ただし、こちらについては国際単位系に属していない上に「1エジソン=100アンペア」という中途半端な換算もあって、普段使われることはまずないと言ってよい。この辺りも何とも対照的な2人である。