「我が名は蒸気王。ひとたび死して空想世界と共にあるもの」
プロフィール
真名 | チャールズ・バベッジ |
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クラス | キャスター |
性別 | 男性 |
身長 | 250cm(鎧込み) |
体重 | 500kg超(鎧込み) |
出典 | 史実 |
地域 | 欧州 |
属性 | 混沌・中庸・人 |
好きなもの | ディファレンス・エンジンに満ちたifの未来 |
嫌いなもの | 畏れ、嫌悪、憎しみ、嘆き、そして妄念と夢想の具現であるこの身 |
設定担当 | 桜井光 |
ILLUST | I-IV |
CV | 稲田徹 |
厳しい性格だが、無垢な少女や聡明な少女に弱い
概要
『Fate/Grand Order』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。レアリティは☆3。
宝具により蒸気機関で駆動する鋼鉄の巨躯を依り代とする。
メインシナリオでは第1部4章『死界魔霧都市 ロンドン』の黒幕である3人の魔術師の1人「B」として登場する。また彼に似た小型ロボットの様なものが道中の敵として出現する。
第2部5.5章『地獄界曼荼羅 平安京』でも登場。
聖杯戦争に巻き込まれたある貴婦人のサーヴァントとして召喚されるが、彼女が戦いに乗り気ではないことを知り、その意を酌んで戦争への不参加を決定。
彼が最後に残した言葉は、黄金の若武者の道標となり、同時に本章でも指折りの名台詞としてプレイヤーの胸を熱くした。
真名
その正体は、十九世紀の数学者にして科学者、『チャールズ・バベッジ』。
世界の変革を夢見た蒸気王。
蒸気機関を用いた世界初となるコンピューター「階差機関」「解析機関」を考案した天才碩学。
現代では「コンピューターの父」とも呼ばれる。
――志半ばにして彼は死んだ。
階差機関は完成しなかった。
解析機関は完成しなかった。
時代の狭間に消えた「有り得た未来」の夢を世界に残し、彼は死んだ。
そして今こそ彼は現界する。
有り得た未来を、異形の鋼鉄として身に纏って。
夢想した未来を、異形の世界として裡に秘めて。
英霊として現界する彼は、存在そのものが己が宝具
――固有結界とほぼ同一なのである。
人物
一人称は「我」。
フォーマルスーツのような意匠が目立つゴツいロボットのような姿をしている。
若干上から目線な物言いが玉にキズだが、紳士的かつ厳格で、己が夢見た理想の再現に命を懸ける生粋の夢追い人。
見た目も言動も機械的で威圧感が半端ないが、その端々には彼の情熱的な人柄と人情味が滲み出ており、サーヴァント有数の人格者として認知されている。
同時に己と同じ理想を追求できる同志も欲しており、マイルームでは絆レベルの上昇と共に、彼の理想を宝具を通じて主人公と分かち合えるようになったことを喜んでいる。
「無垢な少女や聡明な少女に弱い」とあるが、決してそっちの方ではないので誤解しないでほしい。
劇中ではフランと親交があり、フランも彼の人と成りを知っていたことから、魔術師「B」の正体が彼であることにいち早く勘付きながらも、疑い切れずにそのことを打ち明けられずにいた。
カルデアでは暇つぶし半分にカルデアのシステムなどに関して検算に近い計算を延々続けていることも多く、その地道な計算が気にするほどではないと見落とされていた小さなバグや問題点等を発見することもあるため、ダ・ヴィンチちゃんも「アナクロも侮れない」と素直に称賛している。
ちなみに夏の間は蒸気が籠って熱苦しいので多数のカルデア職員・サーヴァントたちからクレームが押し寄せるため、ロンドンの街で静かに過ごしているらしい。
聖杯にかける夢は「蒸気文明世界の到来」。
ただし、現界時に現代文明について多少の知識を得ているため、これはこれで悪くないと認識している。マスター次第で、彼は頼もしい味方になるだろう。
あるイベントでは、悲願である蒸気文明の到来を達成し、その世界を統べる王として君臨する。
……が、カルデア一行に蒸気文明の破壊を依頼するという、まさかの展開に発展。
「有り得ざる夢を追う学者」こそ自分であり、人理を侵してまで達成された蒸気文明は「有り得てはならない」と断言してみせた。
同時に敵陣営からの襲撃に際しては、市民の避難を最優先しており、「有り得ざる世界であっても、そこに生きる人々に罪はない」と、人の上に立つ者としての度量の大きさを垣間見せている。
能力
ステータス
キャスターにあるまじき筋力・耐久はもちろん既存キャスターで最高値。「機関の鎧」による補正抜き(筋力C・耐久C)でも、キャスターとしては高ランクであり、とりわけ耐久はトップタイである(そもそもキャスターの筋力と耐久の基本能力値はEのはずなのだが……)。
保有スキル
道具作成(偽)(A) | 魔力を帯びた器具を作り上げる。本来魔術師ではないサーヴァントは道具作成スキルを持ち得ない。バベッジは宝具と一体化したことにより、同等の能力を得ている。具体的には鋼鉄の鎧が武装や霊薬を生産する。 |
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一意専心(C) | 一つの物事に没頭し、超人的な集中力を見せる。バベッジの場合、計算、設計、製造などの行動に対して発揮される。道具作成スキルに対するプラス補正として働く。 |
機関の鎧(EX) | 蒸気機関を搭載した全身機械鎧を常に身に纏う。取り外しは不可能。筋力と耐久力をランクアップさせると同時に、異形の蒸気機関がもたらすブースト機能によって三つの能力値に「++」の補正が与えられる。敏俊のパラメーターはランクダウンするものの、ブースト機能は与えられる。 |
オーバーロード(D) | 自身にダメージを負うことを承知とする意図的なブーストアップ。バベッジの場合は鎧の蒸気機関を意図的に暴走させて出力を増幅、宝具の攻撃力を増加させている。暴走した蒸気機関は損傷し、鎧と一体化しているバベッジはダメージを負う。 |
蒸気機関出力上昇(B) | 「オーバーロード(D)」が変化したスキル。詳細不明。 |
宝具
絢爛なりし灰燼世界(ディメンジョン・オブ・スチーム)
- ランク:A+→EX
- 種別:対軍宝具
- レンジ:0~99
- 最大捕捉:300人
「見果てぬ夢を此処に。」
「我が空想(くうそう)、我が理想(りそう)、我が夢想(むそう)――『絢爛なりし灰燼世界(ディメンジョン・オブ・スチーム)』!!」
生前に設計した「階差機関」「解析機関」が真に完成していれば到来していたはずの、蒸気機関華やかなりし文明世界。すなわちバベッジの渇望と夢想が昇華された固有結界であり、彼の心であり、身に纏う機関鎧そのもの。
詳細は該当記事を参照。
ゲーム上での性能
最大ATK | 5996 |
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最大HP | 10877 |
カード配分 | Q1・A2・B2 |
宝具カード | Buster |
スキル1 | 一意専心<C>/自身のNP獲得量をアップ(3T)&自身のスター集中度をアップ(1T) |
スキル2 | 機関の鎧<EX>/自身の攻撃力をアップ&自身に無敵状態を付与(共に1T) |
スキル2(強化後) | 攻撃力アップが3Tに延長し倍率上昇 |
スキル3 | オーバーロード<D>/自身の宝具威力を大アップ(1T)&自身にやけど状態を付与(5T、デメリット) |
スキル3(強化後) | 蒸気機関出力上昇<B>/宝具威力大アップが3Tに延長+自身のクリティカル威力をアップ(1T)&スターを大量獲得(20~30個) |
アペンド3 | 対キャスター攻撃適性 |
宝具 | 敵全体に強力な攻撃&敵全体の防御力をダウン(3T)<オーバーチャージで効果アップ> |
宝具(強化後) | 攻撃の威力がアップ |
☆3サーヴァントにして破格のHPを持つ耐久型だが、その代償として基礎攻撃力は最下位。
キャスターでは初めて通常攻撃用Busterカードを2枚持ち、スキル全てが自己強化用のアタッカー構成ながらも、前述のステータスもありどこかチグハグな構成。
第3スキルのデメリット「自身へのやけど付与」は解除しない限り毎ターン自身のHPを300ずつ削るものの、実は他のやけどデバフ(解除不可を除く)と重複しないという特徴があり、攻撃時やけど付与などのギミックを持つ敵を相手にする際にはあえて放置するのも手。
度々入る強化のおかげで何とか単騎戦術にも対応するようになっているが、スター集中度を上げられるとしても他の仲間とスターの取り合いになってしまう、他のキャスターと比べて「陣地作成」を持たない分Artsカードの性能が低い=素のNP獲得量が低い、スキル封じに滅法弱いという点は否めず、それらを支える概念礼装やサポーターとの同時運用が要求される。
関連人物
生前
バベッジの解析機関に携わり、デバッグを担当したと言われている。躁鬱の激しいことで知られる女性。一説によると貴族社会からバベッジを利用するために送られた刺客とも。以上のエピソードから、もし彼女がサーヴァントとして召喚される日が訪れるなら、キャスター以外のクラスで召喚されるかもしれない。
後述するフランの制作者にして、生前の知古。
劇中での描写から、あまり褒められた人物ではなかったようだが、バベッジは彼に一定の友情は持っていた模様。もしかして、ワカメ属性なのだろうか……?
Fate/Grand Order
契約したマスター。
人理を取り戻すために奮闘する彼/彼女を「希望の勇者」と称し、力を貸す。
メインシナリオ第1部5章にてモールス信号で彼に「破産するまでは負けていない」と皮肉交じりの激励を送ったらしい。
ロンドンに召喚されていた同郷の英霊。
最後の理性で「人理焼却という事件の解明」を彼に依頼をした。
魔霧計画の協力者「M」。令呪によって、フランの説得に応じかけた自分を強制的に戦わせた。彼の配下になった事で全ての数値を把握し、それによって「人理焼却を阻止したとしても2017年以降の(『FGO』世界の)未来は失われる」という計算結果を導き出した。
親交のあった科学者の祖父が創った人造人間の少女。
彼女の説得に応じかけるがゾォルケンの妨害で戦わざるを得なくなる。
何かと気にかけており、2017年水着イベントでは水着霊基の彼女と(ついでにカルデアトップクラスの要注意人物と)共にレースに参加する事になった。前述の通りマシンとして。
あくまでも「ヴィクターの娘」という扱いだが、実質彼女の保護者か後見人状態である。
2017年水着イベントで共闘。その後も『ネロ祭』で共闘したり、2019年水着イベントではフラン絡みで少しだけだが話をするシーンが描かれている。
その他
トマス・ニューコメン、ジェームズ・ワット、ジョージ・スチーブンソン
一般に蒸気機関の発明・発展に貢献したと言われている偉人たち。
彼等はまだサーヴァントとしては登場していない。
また余談だが、上記のエイダ・ラブレスという女性は、小説『フランケンシュタイン』の原作者のメアリー・シェリーの親友であり、さらにエイダの父であるバイロン卿が行った出来事によってフランケンシュタインの小説の着想を得たという話がある。
こうして見ると、バベッジとフランの間に何かと縁があるのも必然であったのかもしれない。
余談
外見について
……というか、どうしてこうなった。
これまでも規格外なサーヴァントは数あったわけだが、バベッジ先生の場合は凄まじいまでの趣味性の塊と言い得るその外見にある。
聳える鐡の巨躯、地を揺るがす歩行、エコーの入った電子音声の如きボイス、唸る蒸気機関、戦慄くギアとシリンダー、噴き上がる蒸気、光る単眼……て、ロボだこれー!!!(汗)
戦闘中もコマンドフェイズでは台詞の代わりに駆動音を発する徹底ぶり。宝具とスキルの発動・ExtraAttackの発生以外では、戦闘中ホントに喋らない。
宝具の演出に至っては『蒸気を周囲に拡散 → 目が光って蒸気をジェットエンジン代わりにして飛翔 → そのまま突撃して杖先の掘削ドリルで敵をミンチ』とか、もうスーパーロボットの必殺技そのものである(というか、某機動戦士にこんな攻撃を行うやつがいたような……)。
極めつけは絆クエストのタイトル、その題名も――
『鋼鐵機動戦記C・バベッジ』
どう見てもロボットアニメのタイトルです、ありがとうございました。
……キャスターよりセイバーが似合いそうなのは秘密な。
アダルトゲームブランド・ライアーソフトの元スタッフである桜井光が『Fate/Grand Order』の製作に参加したせいか、桜井が手掛けた蒼天のセレナリアに登場する同名の人物とデザインが似ている(下画像参照)。『FGO』でバベッジが「蒸気王」を名乗るのもこちらが元ネタと思われる。
(ただし同作のファンからは、『FGO』のバベッジの意匠はむしろセレナリア作中でバベッジの敵側が使用したロボット兵器の方に類似しているとの指摘もある。セレナリアのバベッジは蒸気文明の弊害を憂える側に立っており、『FGO』のバベッジとは立ち位置が逆転する形になっているので、それに合わせて外見も反転しているのかもしれない)
ちなみにきのこもフロムは大好きなので、盛大に一枚噛んでいる可能性は否定できない……
当然、この手の煙臭い重機系ロボが大好きなマスターたちから大いに愛されており、登場早々「バベッジ先生はブキヤからフィギュア出すべきだろ」と、さも当然とばかりにあっちの括りに分類されてしまった。敵として登場するエネミー「ヘルター・スケルター」と容姿が非常によく似ているが、その理由はストーリー第1部4章をプレイすることで明らかになる。
なお、Fateでのデザインモチーフは「山高帽で蝶ネクタイ、燕尾服にステッキを持った蒸気紳士」である。(I-IV氏のTwitterより)
ちなみにI-IV氏は『FGO』でこそ他に美女・美少女を描いているものの、他所では巨大ロボットの登場するアルドノア・ゼロやRe:CREATORSに参加しているバリバリのメカデザイナーである。
現実世界においては彼の脳のホルマリン漬けと彼が設計した階差機関がロンドンのサイエンス・ミュージアムで展示されている。また彼が死の間際まで設計・改良し続けた「解析機関」は実現可能な代物だと判明しており、2021年の没後150周年を目指して復元中である。復元される「解析機関」こそが、彼が生涯を費やして目指した「真・解析機関」なのかもしれない。
ちなみに『FGO』では蒸気機関にこだわる彼であるが現実の彼は蒸気機関で何かを発明したわけではなく、あくまで彼の作り上げようとした解析機関に蒸気機関が使われているという関わりからの拡大解釈である。
蒸気大変形
2017年水着イベントにて、フランのサポーター兼蒸気……もとい乗騎として参戦。
謎で悪な天才数学者・プロフェッサーM(五十代・独身)によって、事前に催眠術による記憶抹消を受けている間に機関の鎧を魔改造されており、高速機動形態『バベッジ・ロコモーティブフォーム』への”蒸気大変形”が可能になった。
……そこ、バーサーCARとかスチームチェンジとか紳士特急とかトレインスチーマーとか言わない。なお、本人の意思で任意の変形、解除が可能。
ちなみに、勝手に改造されたことは兎も角、この機能については好意的であった。
レース後は、プロフェッサーMによって排出蒸気を吸収する機関が追加作成され、夏場でもカルデア内を歩き回れるようになった。
またその排出蒸気は、美容用スチームの燃料としてリサイクルされるらしい。
なおI-Ⅳ氏によるバベッジ本人の水着はこちら(※非公式)。
関連イラスト
やっぱりこういうノリでも愛される辺り、碩学者冥利に尽きる……のか?
水着イベント以降、フランと共に描かれる率も上がっている。
関連タグ
Fate/GrandOrder サーヴァント キャスター(Fate) スチームパンク