「そう逆らうなよ桜、思わず殺したくなっちゃうじゃないか。おまえはさ、ただ僕の言うコトを聞いとけばいいんだから」
「――――見てろ、必ず償わせてやるぞ桜。おまえだけは、僕に逆らっちゃいけないんだからな――――」
プロフィール
(別人ではあるがEXTRAシンジは5月5日生まれ、B型となっている。SN慎二と同じ可能性がある程度)
概要
『Fate/stay night』に登場するキャラクター。
第五次聖杯戦争におけるマスターの1人。サーヴァントのライダーを従える。
間桐桜の兄であり、衛宮士郎の友人でもある。プライドが高く、自己中心的で他人を見下す悪癖があり、口も悪く性格が歪んでいる。
サーヴァントという強力な玩具を手に入れたことで増長しており、自分の気に食わない人間を病院送りにさせたり、士郎や遠坂凛に自分を認めさせようとしたり、自分の自尊心を満足させる為だけにその力を使う。
実はライダーの本当のマスターではなく、本当のマスターである妹の桜が戦いを拒否した為、代理として聖杯戦争に参加している。
人物
弓道部の副部長であり、士郎がバイト先で負った怪我の傷を慎二が見苦しいと指摘したことが、士郎が弓道部を退部するきっかけとなった。その後、退部した士郎に弓道部の部室の掃除を押し付けたことが、士郎が聖杯戦争に巻き込まれる原因となった。
士郎によれば、味のある奴らしいが、平気で他人を利用し、気に食わない人間を大勢の前で馬鹿にするなど、相手の気持ちを尊重しない男である。実は公式ではイケメン設定であり、成績も優秀で通常の学校生活では不公平を嫌い、規律を尊重※⑴する優等生で、人懐っこく女子に優しい※⑵、金持ちの坊ちゃんとして女子から人気があるが、男子や一部の女子からは評判が悪い。桜によれば、慎二の友達は士郎しかいないらしい。
※⑴ (自分はあまり守らない)
※⑵ (釣った魚にエサをやらないタイプで物にした女子は例外)
魔術師の家系である間桐の血を引くが、慎二の代で魔術回路は完全に失われてしまった。魔術の知識はあるものの、彼自身は魔術を全く使えない。
幼い頃から、魔術師としての欠陥品である事を自覚していたものの、それでも選ばれた一族の嫡子である事実は変わらないと、間桐家の後継ぎであることを誇りとし、自分は他の人間とは違う「特別な存在」だという自尊心を持って生きてきた。性格は精々「優秀だが鼻持ちならないやつ」程度だった。
魔術師の家系である間桐家では魔術の才能がない慎二はいない者として扱われている。そのため、他人を軽蔑することでしか自我を保てなくなり、周りの人間を見下すような生き方しか出来なくなってしまった。
身寄りのない子供として養子に引き取られた身である桜に対し、自分が後継者である一方、彼女は間桐家の秘密を何も知らされず、自分と隔離された「愚鈍で何もできない哀れな妹」として扱うことで自分が特別であるという自尊心を満たしており、そんな「優越者の立場から見下すような憐憫を向ける事」が彼にとって最も頼りとなる“自尊”だった。そのため桜に対し、頼りがいのある優しい兄として接する事ができたのである。彼にとって、自分に優越感と自尊心を与えてくれる存在である「無能な妹」を可愛がって大切にしていた。
この頃までが士郎と出会った、一見まだまともな時期の慎二。当時から少し歪ではあったが、中身はどうあれ優しい兄だった。
しかし、Fate本編より三年前、家の中にある自分だけ存在すら聞かされていなかった蟲蔵を見つけてしまい、そこで桜が蟲の群による拷問を施されている場面に出くわしたことでいままで邪魔者として隔離されていたのは桜ではなく自分の方で、妹こそが間桐の本当の後継者であることに気付いてしまう。しかもそのことを桜に謝られたことで、逆に自分自身が今まで哀れんでいた存在である桜から哀れみの目を向けられていたことに気づき恥辱と屈辱の念を覚える。
「生まれを憐れんでいたのは僕ではなく、じつは奴のほうだったのか」と立場が逆転し、桜は完全に慎二の自尊心を脅かす存在へと変わり果てた。
さらにこれ以降はもはや隠す気の無くなった父は今まで以上に桜にばかりかまうようになり、間桐家において彼は「空気」のような存在となる。そんな中、「空気」を無視せずに謝り続ける桜に憎しみを抱きながら同時に希望を持つ。いっそ無視してくれれば良かったとのこと。
間桐の後継者という特権と桜を見下す事にアイデンティティを置いていた彼は、自分を形成していた価値観が一変し、彼の世界は崩壊する。しかし、初めから世界はこうであり、一人で勘違いしていた今までの己の惨めさに気付き、自身のプライドの拠り所を決定的に喪ってしまった彼にとってその後の3年間は苦痛でしか無かった。
深層意識で「どこの誰ともわからない輩に間桐家を乗っ取られる」という恐れが常にあったため、桜が後継者だと知るまでは多少は虐めながらも可愛がっていたが、事実を知ってしまってからは桜を徹底的に抑えつけないと自分の立場が無くなるという強迫観念に囚われ、暴力に訴えるようになり桜を支配することで自分を保っている。かつての「優しかった兄」の片鱗すら窺えない(「妹を苦しめて良いのは自分だけ」という考えのもと、桜を虐める者を制裁するなど、歪んだ形で情が残っている模様)。
HFルートではPC版原作と全年齢対象のレアルタ版で慎二の桜に対する態度が大きく異なる。
CERO倫理規程に問題がある描写(DVや虐待、尊厳破壊的発言)が削除され、かなり印象が変わるレベルで文章が変更されている。
暴力・性暴力描写だけでなくモラハラ・DV全般に関する表現が規制の対象ということか、軽い罵倒程度の表現さえ別のものに差し替えられていたり、桜に対して常に命令口調だったPC版に対してレアルタ版は言葉遣いが柔らかいものに変更されている。意味が180度変わるセリフもある。全部と言って良いほど、桜に向けるセリフやモノローグの殆どが徹底して書き直されている。
これにより慎二の人間性についての解釈はPC勢とレアルタ勢で異なることがある。是非とも彼のファンはPC版HFとレアルタ版HFの両方をプレイして欲しい。
士郎に対する友情も歪んでこそいるものの本物であり、士郎に同盟を持ちかけたのも本心からであった。慎二本人に自覚は無いが士郎は「ライバルでありたいと思う相手」であり「他に代えのきかないそばにいてほしい存在」「損得勘定なしに付き合ってくれる唯一の男」であり、好き嫌いは置いといて士郎を特別視しており彼と本音でぶつかり合いたいという思いがある。
だが、当の士郎は慎二の気持ちを察することができず、悔しさと寂しさから彼は士郎に対し屈折した執着心を抱くようになった。複雑すぎるツンデレと言えなくもない。
同盟を拒否された事で逆恨みしたのも、かつて仲の良かった自分より遠坂をパートナーとして選んだ事に対するヤンデレ的な友情からと言える。
なお、聖杯戦争中は借り物とはいえマスターという立場に立てたことで増長しており、割り増しで傍若無人になっている。普段はあそこまで酷くないらしい。士郎に対する刺々しい態度も、魔術の類に無縁と思っていた士郎が魔術師だったことへの焦りと嫉妬心も手伝っているとのこと。
また、殺される覚悟も持たないまま聖杯戦争に参加したため、士郎や遠坂のような確固たる信念も覚悟も無いが、一般的な魔術師のように倫理観が欠落しきっているわけではない。残忍なように見えて実際の所、生来の悪性を抱えた真性の悪人というわけでもない。歪んでいるが本人なりの一本筋は通っており、気難しい性格ゆえに訳の分からない事で敵に回ってしまう困った人。高潔にはなれない中途半端な小物である。
増長した横暴な態度や自分のごく私的な欲望のためのサーヴァントの悪用も、本来身の丈に合わない力を得たことで、悪い意味で彼のそういった小市民的な性質が顕れたものと言える。
遠坂による「人畜無害な奴」という評価も、逆に言えばその程度の人間であることを見抜かれていたためであろう。
だがそれゆえに、聖杯戦争の中では常軌を逸した様々な出来事の前にただでさえ不安定だった精神を次第に擦り減らしていく。特にあるルートでは、そのせいで桜の身に起こった深刻な変化に気づくことができず、不用意に接触した結果、悲劇的な結末を迎えることとなる。
Fate本編でのヘタレた扱いからか『hollow ataraxia』や『タイガーころしあむ』」などの番外編では基本的にギャグキャラと化している。また、これらの作品では桜との力関係も逆転しており、間桐臓硯ともども桜とジャプニカ暗殺帳に怯えて暮らすという微笑ましい(?)光景が見られる。ちなみに愛称(?)である「ワカメ」は前述の『hollow ataraxia』が初出。
能力
実は天才肌の万能タイプ。
魔術の才能こそ皆無なものの、一般人としては十分な才能がある。勉学や運動などの面においては殆ど努力しなくても素晴らしい結果を残せる天才肌という設定があるのだが、超人だらけのFateの世界では完全に死に設定となっている。なまじ才能があったゆえに「自分は他人より優れている」という自覚がますます彼を歪ませていった。
セイバールートとHeaven's_Feelでは死亡するが、UBWルートではギルガメッシュに聖杯にされるが凛に救われたことで生き延び、西脇だっと版Fateでは桜が最後の令呪を使用しライダーに救われたことにより改心して憑き物が落ち、魔術師への執着心が無くなり、桜との関係は改善している。『hollow ataraxia』では卒業後に冬木市を出るためにバイトをしている。
きのこ曰く「誰かが横で太鼓持ちをしてあげれば、いい感じで回るような男」。
特技が推理ではなく「名推理」なのも決して誇張に非ず。物語序盤から真相を見抜いてみんなに披露するも相手にされず(特にライダーに)、最後に衝撃のトリックと犯人が明かされた後、「だからそうだって言ってたじゃん!」と怒る…みたいな残念な感じのホームズらしい。
実際、憑き物が落ちた後の「hollow ataraxia」では遠坂凛の人となりに関してかなり的を射た評価をしている。
他作品での活躍
Fate/EXTRAシリーズ
月の聖杯戦争に参加したマスターの1人。
詳細は間桐シンジを参照。
氷室の天地
相変わらずウザいワカメ。『stay night』本編とは違い蒔寺及び陸上部トリオとの面識がある・・・というかガッツリ絡みがある。本作では氷室にちょっかいをかけては一蹴されるといった小悪党の役割。
ただし本編の時間軸直前となる8巻より人柄が変わり、氷室鐘に訝しがられていたが、沙条綾香によってカードゲームで敗北し丸刈りにされてしまった。
その後は原作通り順当にライダーの代理マスターとなり、校舎に呪刻を施したり、美綴を襲ったりしているが・・・?
そして聖杯戦争により原作通り死亡・・・と思いきやまさかの生存。沙条に頭髪を刈り取られ、カツラを与えられていたことが生存フラグとなったようだ。
長らく入院していたが、14巻より退院して復学。受験勉強に勤しんでおり、氷室からは「キャラが激変しておる」、「憑き物は落ちた感がある」と評された。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
ドラマCDなどでたびたび存在は噂されていたが登場はせず。
しかし第3部「ドライ!!」過去編にて、平行世界における聖杯戦争のマスターとして登場。
学校には通っていないため士郎との面識はない。「間桐の当主」としてサーヴァントカード「アサシン」を夢幻召喚して桜と士郎を襲撃。聖杯戦争のゲームマスターであるジュリアンを「様」付けで呼び、自分の苗字しか思い出せないなど、どこか精神が壊れている描写が目立つ。通称「アサシンジ」あるいは作中の描写から「増えるワカメ」と呼ばれる。実は既に死人となった当人の記憶を継承した傀儡である。
Fateシリーズの長い歴史の中で唯一、慎二が逆に桜を殺害する作品でもある。
詳細はアサシンジを参照。
Fate/Grand Order
ゲーム本編に登場人物としては出演していない。が、アニメ「First Order」にそれらしき人物が確認できる。シャドウサーヴァント化したランサーに石化された犠牲者の中によく似た姿の石像がいる。通称「乾燥ワカメ」。結局藤丸立香たちの前で首を砕かれてしまった。
コハエースGO 帝都聖杯奇譚
慎二のスターシステムで「間桐少佐」として登場。大日本帝国陸軍の少佐で、バーサーカーのマスター。
容姿はstaynightの慎二に似ているが、設定では間桐家が現代ほど落ちぶれる前、まだ少しは魔術回路が残っていた頃の魔術師。
リメイク漫画の『帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline』では間桐少佐をリメイクした真瓦津玲二が登場している。
詳細は真瓦津少佐を参照。余談だが「玲二」は慎二の初期プロット時の名前でもある。
衛宮さんちの今日のごはん
文句をこぼしつつもごはんを美味しく食べている。
人間関係
中学時代からの親友。ただしその友情の形は少々特殊でありお世辞にも良好とは言い難く、桜を殴った慎二を士郎が殴り返したことで疎遠になってしまい、完全に士郎とは敵対する立場となる。本編では自分と士郎を比較し、どちらが優れているかに執着し、士郎に喧嘩を売る時に異様に生き生きとし出すなど彼に執着している。
他人を見下していないと自我を保てない慎二にとって士郎は対等でありたいと思える特別な存在だったと言える。
義妹。家族であり侵略者。かつてはやや意地悪ながらも優しい兄だったのだが…。
桜だけは間違っても自分に逆らってはいけない。黙ってうなだれているべき、ただ自分の言うコトを聞いとけばいい。等といったエゴを押し付け、桜を縛り付けている。
先祖。表向きは祖父。偉大な魔術師の一人。若い頃は慎二に良く似ていた。慎二自身は祖父の事を恐ろしく思っているが、臓硯は歪んだ愛情ではあるが本人なりに慎二の事を可愛がっている。慎二に「優越」と「権利」を教えてくれたらしい。
実父。本編の3年前に死去。間桐家の再興を願う臓硯とは反対に、慎二に「存在」と「落第」を教え、間桐家を絶やす事を考えていた。そのため慎二は父親に何の感情も抱いていない。
タスクオーナ版Heaven's_Feelでは幼少期の慎二との会話が描かれている。
叔父(父親の弟)。生まれつき兄よりも魔術の才能はあったものの、魔術師の家系を継ぐことを拒否し、普通の人間としての生き方を選んだ。慎二と直接面識があったかは不明だが「hollow」で叔父の存在を言及している。
慎二の母親
臓硯によれば彼女は保菌者(キャリアー)で三流魔術師の娘とのこと。魔術の才の無い慎二を産んだ後は直ぐに用済みとなった。慎二は蟲蔵を漁れば母親だったモノがあるに違いないと推察している。しかし、劣った自分を産んだ「胎盤」など見たくもないと、母を完全否定する。
慎二のお気に入り。同じ古い魔術師の家系であるが、自分と異なり魔術師としての血を残す凛に嫉妬と憧れがない交ぜの複雑な感情を抱いている。告白しフラれて逆恨みしている。あるルートで凛を無理矢理自分の物にしようとしたがランサーに妨害される。ランサーに片腕をやられた後「自分の片腕が無くなるなら他の人間は両腕を無くすべき。」と考え、その最初のターゲットが凛であり、「一番のお気に入りだからこそ、それが自分より優れた造形である事は許されない」という陰湿な歪んだ好意を向けている。しかし、後に凛によって救出されたことにより改心する。
弓道部の部長でありしっかり者。生活態度の悪い慎二を叱る天敵。あるルートでは口喧嘩になり、ライダーに襲わさせて病院送りにする事態となった。さらに、ホームレスに薬ギメレイプされて路地裏に捨てられたという内容の噂を広めて美綴を貶める行動に出た。漫画版では彼女との会話が描かれている。
同級生。性格的な相性からか慎二とは馬が合わない。
「hollow」では士郎を巡って口喧嘩をする。
従えているサーヴァント。実態は桜からの借り物である。ライダー本人も慎二よりも俄然桜に執着しており、あまり表には出さないが、慎二に対していい感情は持っていない。
あるルートで言峰綺礼から譲り受けたサーヴァント。慎二も彼の存在を不気味に感じていた。彼の圧倒的な迫力にも拘らず、慎二は自分こそが主であると誇示するため、勇気を出して寛大に肩ポンした。
彼からの扱いもやはりぞんざいなものであるが、慎二の道化的な言動を面白がっており、多少無礼な真似をしても見逃されるし、何より「シンジ」とちゃんと名前で呼んでいる(彼が「雑種」とみなす人間の名前を正確に覚えて呼ぶのは珍しいことである)。とは言え、道化扱いには違いなく、ufotable版アニメではアインツベルン城突入の際、慎二に高所からのバンジージャンプを強いていた。
祖父である間桐臓硯のサーヴァント。本編であるFate/staynightでは面識は無いが、フェイト/タイガーころしあむでは慎二のことを「坊っちゃん」と呼んでいる。またタイガーころしあむのルートの一つである葛木先生ルートでは真アサシンと共闘し、葛木を倒そうとしたが2人とも葛木にボコされた。
生前のライダーを倒した英雄。ライダー曰く「成功した慎二」。
運と神々の加護に恵まれ、さまざまな活躍をした。外見も慎二に良く似ているらしい。
余談
奈須きのこお気に入りのキャラクター。
開発段階では慎二と同盟を組んで遠坂と敵対するルートもあったらしく、そこでは慎二の良いところも拝めたとの事だが、「ヤローのデレなんざ誰得」という理由からばっさりカットされた。
本編中では彼の良い面がまったくと言っていいほど描写されずに終わった為、よく分からないクズという印象のまま終わってしまったのを作者も悔やんでいるそうだ。
士郎の親友という設定すらも士郎の勘違いではないかという声もあったが、『hollow ataraxia』にて貴重な「綺麗な慎二」が描かれた他、コミカライズ版では更生していく様も描かれている。
彼の髪型は初期の設定段階では、サラサラ髪でワカメではなかった。しかし、髪を下ろしたギルとシルエットが被るという理由から、また、奈須きのこが幾原邦彦作品の熱烈なファンであり、『少女革命ウテナ』の登場人物である西園寺莢一から影響を受けたことが関与しているとの事。
「やっぱり男の友人キャラクターは髪がウェーブがかっていなきゃ!」という奈須きのこの意向に従い、彼の髪型は現在の特徴的な形状に確定した。
劇場版「Heaven's Feel」第一作では士郎と桜の出会いを丁寧に描写することで、必然的に士郎と慎二との関係も分かり易く表現されている。原作では士郎の視点で語られるシーンを第三者の視点から描くことで、慎二の士郎に対する期待とそれに気付かない士郎の歪みが視覚的に示唆されている。
第二作でも彼の劣等感・疎外感をきちんと表現しようという試みがなされているうえ、エンディングクレジットのキャスト紹介では主人公の士郎、ヒロインの桜と次いで3番目に表記されており慎二ファンは観て損なしの作品となっている。
最期は原作通りの結末を迎えたが士郎に自身の死体を発見された際には、憑き物が落ちたかのような安らかな表情で事切れており、哀愁を感じさせる演出になっている。死亡したと同時にあらゆる苦痛から解放されたとも言えるのでその点が彼にとってせめてもの救いなのかもしれない…。
担当声優の神谷はFateシリーズに詳しくない事を公言しており、Fateについては慎二を通してしか知らないので全貌はわからないとの事。これは物語の核心に関わらない慎二のキャラクター性、思考、心情をよりうまく表現するためには自身もあまりFateに関する知識を入れるべきではない、という考えの下、あえて距離を置くようにしているからとのこと。一方そういった信条の下で演技をしているためか、慎二の本質については非常によく掴んでいる。
第1作の音響監督だった辻谷耕史による「(慎二より)士郎のほうがおかしいからね」という言葉に影響を受けたとのこと。
関連イラスト
関連項目
Fate/staynight Fate/hollowataraxia
残念なイケメン ワカメ 小物 道化 クズ モラハラ 人間のクズ 不憫 かわいそう 自己愛性人格障害
西園寺世界(SchoolDays)…同じく18禁ゲームのメインキャラクター。彼女も慎二と同様、自分の身勝手な都合で主人公やヒロインを巻き込む自己中心的で人間性に問題のある人物である。最終的に ヒロインに首を切られて死ぬ点に於いても類似している。
西園寺莢一(少女革命ウテナ)…容姿の原型でゲスわかめ・道化繋がり。奈須きのこが作品のファンであることかららしい。
ジャギ(北斗の拳)…慎二を見て(恐らく)彼を思い出した方も多いのではないだろうか。
デシル・ガレット(機動戦士ガンダムAGE)…こちらも性格や言動等が慎二とよく似ている。因みに桜やライダーさんポジを担う弟の声は慎二と同じである。
アンドリュー・フォーク(銀河英雄伝説)…その自己中心ぶりと作戦面での無能振り、そして前線の将兵(=ライダー)への無茶振りは「Fate/stay night」の慎二そのもの。リメイク版アニメ「Die Neue These」では中の人も慎二と同じである。
ノエル …(代行者としての)才覚は凡人、小物、同性に受けが悪い、きのこのお気に入り、探してみれば慎二との共通点があまりにも多い。
オルガマリー…「家庭の環境のせいでヒステリックになる」、「メインヒロインに異様な感情を抱く」、「身内の髪型がワカメ」、「主人公を見下しながらもなんだかんだで一定の評価をする」、「哀れな死に様を遂げる」等々、色々と挙げたらキリがないくらいに慎二と共通点が多い人物。
また慎二が「魔術師の才能はないのにマスター適性は『一応』ある」のに対し、彼女は「魔術師なのにマスター適性は0」という正反対の特質を持っている。
奈須きのこは曰く「ソラウリベンジとして作ったキャラ」とのことだが、上述のように慎二に似た要素も多分に含まれているのも特徴的である。
アーノルド・ベックマン…数々の醜悪な本性や小物っぷりなど慎二に共通したものがあるが、決定的に異なるのはこちらは魔術師ですらない上に魔術の知識すら何もないただの一般人であり、あらゆる面においてあの慎二が遥かに可愛く思えるくらいに愛嬌の欠片もなく徹底した嫌われ役である。
上には上……いや、下には下がいたというべきか。