概要
他人を無視して、勝手で無遠慮な言動をする人を指す時に使う事もあり、傲慢や不遜な人の事を言う。
故事
古代中国の始皇帝をあと一歩まで追い詰めた伝説の暗殺者・荊軻の性格に由来する。
彼は普段、義侠然とした真面目な人物だったが、酒を呑んで酔ってくるとひどい酒乱になるのが欠点だった。
友人の高漸離が奏でる筑に合わせて歌い、最後には感極まり抱き合って泣きだしてしまう程で、その有様は「傍らに人無きが若し(かたわらにひとなきがごとし)」と友人からぼやかれるほどで、流石にこの時ばかりは、普段は荊軻を頼る友人たちも抑えに回る立場だったという。