「……幸福な人々を望んだ彼の為に。
――君たちを、皆殺しにする。」
曖昧さ回避
プロフィール
※ プロフィールの出典地域は本百科の推測なので注意。
概要
『Fate/Prototype』に登場するライダークラスのサーヴァント。
マスター不在のサーヴァント。サーヴァント階級は第五位。
一般学生の装いをした美男子。沙条綾香のクラスメートとして市井に溶け込んでいる。
マスターである伊勢三杏路が息を引き取るその際に令呪を全て行使してライダーを『最初で最後の友人』として受肉させたため現世に留まっている。
サーヴァントとして行動する際には仮面を装着している。これは杏路を研究していた研究員から奪ったもので、マスターに代わり現世に繫ぎ止める依代となっている。
真名
ギリシャ神話でメドゥーサ退治をした英雄、『ペルセウス』。ヘラクレスの曽祖父に当たる。
マスターの意向により選ばれた、"生前不幸な結末を迎えなかった唯一のサーヴァント"(現在でも似たサーヴァントは増えてはいるが精神的にも不幸にならなかったのは現在でもペルセウスだけである)。
十二星座ではないがヘラクレスやオリオンと同じく星座になっている為、知名度補正はかなり高いと思われる。『Fate/Grand Order material』のヘラクレスの史上の実像・人物像欄には「メドゥーサ退治などの偉業で知られる英雄ペルセウスと肩を並べ、ギリシャ神話二大英雄と称される人物」とあり、文字通りに読めばペルセウスとヘラクレスでギリシャ神話二大英雄と取れる。
人物
一人称は普段は「僕」、戦闘時は「私(わたし)」。
一見チャラ男風の美男子だが、人当たりが良く、涙脆く、心優しい青年。普段は学生として活動し、綾香のクラスの人気者。名前はマスターのものを拝借している。
涙もろい所があるなど情に篤い性格で基本的に紛れもない善人だが、感じ入った物事にとことん尽くす短所があり、一度悪行に手を染めると決めたならば普段の優しさと笑顔のままに無辜の人々を殺戮する。
その為、「マスターである伊勢三杏路を生き返らせて幸福な人生を送らせる」、「彼と一緒にペルセウス座を見る」と言う望みの為、一般人の大量虐殺をも厭わず聖杯戦争に挑む。自分の行いこそが、少年の最後の祈りを最も汚すものであると知りながら。
"生前不幸な結末を迎えなかった唯一のサーヴァント"として呼び出されているが、ペルセウスと生涯を共にしたアンドロメダ曰く、本当の英雄だからこそ抱えている苦悩のようなものをかすかにのぞかせていたという。上記の暴走といっていい行動もその苦悩に起因するものなのかもしれない。
または無自覚な『人生が上手く行き過ぎたが故の傲慢さ』とも言えるかもしれない。
綾香とはクラスメートであるためか、殺さなければならない相手と認識しつつも、後一歩の所で躊躇してしまう。
能力
戦闘スタイルは奇襲・不意打ち・トラップを用いて相手マスターを標的とする『暗殺者』に近い。
その姿も我々が思い浮かべる羽兜を被ったペルセウスの姿そのものではなく、仮面の黒マントという風貌から、外套を着用しているときの呪腕のハサンに似たスタイルとなっている(奇しくも『stay night』の『HFルート』の主要サーヴァントと共通した要素が強い)。
この戦い方で綾香を守るのに手いっぱいのセイバーを追い詰めた。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
伊勢三杏路 | D+ | E+ | B+ | B+ | A+ | E〜A |
高い敏捷、魔力、幸運を持つ一方、筋力と耐久は低い。
宝具
1人の英霊が持つには破格と言える6つもの宝具を持つ。
ただし、1度に1つしか使用できないという制約がある上に、最大の武器と言えるゴルゴーンの頭部は持っていない。
ゴルゴーンの首がない理由としてはアテナに献上してアイギスの一部になったからなのか、ただでさえ強力な宝具を数多く揃えるライダーにチート性能の首を与えるとインフレを起こしかねないからなのかに付いては不明。
いわゆる青セイバーの『勝利すべき黄金の剣』のような生前に失われた宝具という扱いなのかもしれない。
なお、『Fate/Grand Order material Ⅳ』においてはゴルゴーンが自分の体の一部を宝具として所持しているペルセウスを憎んでいるという趣旨のコメントを残している為、ゴルゴーンの首そのものは宝具である事は間違いないようだ。
- 不死殺しの鎌・ハルペー
伝令神ヘルメスから授けられた鎌剣。かつてゴルゴーンの首を斬ったのも、この女怪殺しの神剣である。『stay night』などでは柄が長い鎌として描かれている。
『屈折延命』という不死系の特殊能力を無効化する神性スキルを有し、この剣でつけられた傷は自然ならざる回復・復元ができなくなる。
元は神霊が持ち主だっただけにその効果は絶大で、神話では天空神ウーラノスの去勢や巨人アルゴスの暗殺に使われたとされ、相手が不死の神や怪物であっても効力を発揮したという。
別の世界線では、なんと首を斬られた本人の宝具として使用される。
- 空を駆ける羽のサンダル(タラリア?)
同じくヘルメスから授けられた、空を駆ける羽のサンダル。
使用する事で空中を地上と同じように疾走することが可能で、これによってペガサスを使わずとも空中を移動することが出来る。その性質上、全く予想できない場所からの奇襲に向いている。
- 鏡像結界の袋(キビシス)
冥王ハデスより授かった魔物の首を収める皮袋で、ゴルゴーンの首を運ぶのに使われた。
『内』と『外』の概念を反転させる力を持ち、外界に影響を与える魔術を鏡のように使用者自身へと向ける効果を持つ。生前での戦いでも『暗黒神殿』の効果を反転させ、彼女を自滅させた。
- 被った者の姿を消すマント(ハデスの隠れ兜?)
おなじくハデスより授けられたマント。
神話においては兜だが、Fateではマントになっている。
『プリズマ☆イリヤ』では、子ギルがこれと同一の物と思われる宝具「ハデスの隠れ兜」を使用。装備者を視覚的・魔術的に隠蔽させる効果がある布で、布を折りたたむ事で兜……と言うか、帽子に変形する。
- 青銅鏡の盾
女神アテナより授かった、青銅の盾。
石化の魔眼を防ぐ効果の他にレーダーとソナーとしての能力を持ち、あらゆる状況下での索敵を可能としている。これらの機能があるのは『終焉の大木馬』などと同様に機神関連の産物だと考えれば辻褄が合う。
この盾はアイギスとされることもあるが、本作ではそうなのかは不明。鎧としてのアイギスは別のライダーが保有している。
- 騎英の手綱(ベルレフォーン)
メドゥーサの血から生まれた天馬ペガサスと、それを御する黄金のムチと手綱。
メドゥーサの物と全く同じ。というより『英雄の象徴』という宝具本来の意味に加え、本来天馬も『メドゥーサを殺した際にペルセウスが得た戦利品』でもある。
絵画などでペガサスに乗った姿が描かれている為、それに由来する宝具だと推測される。
『Staynight』同様にペガサスに乗り、キマイラ退治で名を馳せた英雄の名前が付けられている。
他作品での活躍
カプセルさーばんと
陸上を跳ねまわり、空を飛ぶ相手にハルペーで斬りつける。正にメドゥーサ殺し。
ただし、陸上の敵には無頓着なので格好の餌食になってしまう。
何気にペルセウスの使うハルペーの形がショーテルタイプだと言うことも判明している。
ちびちゅき!
杏路が健康な身体になった事を喜ばしく思っているが、とある事情からメドゥーサと鉢合わせしてしまう。
Fate/Grand Order
2024年バレンタインイベント『チョコレート・リバーのその先に』にて、アンドロメダの生前の回想の中でシルエットとして登場した。
関連人物
生前
『stay night』製作に伴い、彼女がペルセウスの代わりに登場する事になった。彼女を殺した上に、息子まで奪ったのだから相当憎まれている様子。顔が似てるワカメを嫌う辺り相当である。
とは言っても、愛する者や任務のために非情になる点では同族と言っても過言ではない。
尚、妻の衣装と思わしきものをメドゥーサが『Fate/EXTELLA LINK』で着ることが出来るのだが、これを見てペルセウスは何を思うのだろうか?
妻。ポセイドンの怒りを鎮めるためにケテュスの生贄に捧げられた所を間一髪で救った。
彼女曰く「どんな困難があっても(聖杯を)サクッと持って帰って来る」と評されているが、『Prototype』での彼は…。
ペルセウスがヘスペリデスの園で休憩しようとした所、「黄金の林檎はゼウスの息子に奪われる」という予言を授かっていたアトラスは彼こそが予言の男では無いかと恐れた。根気強く頼んでもアトラスは追い払おうとするので仕方なく、メドゥーサの首で彼を石にした。天を支え続けて苦しんでいる彼を見かねたからとも。また、この予言の男こそペルセウスの子孫たるヘラクレスなのであるが、ここでアトラスを石にしてしまうとヘラクレス十二の試練である「黄金の林檎」である矛盾が起こってしまうのでFate世界では実際どうだったかは不明である。
ケートスの主人にしてペガサスの父親たる海神。ペルセウスが退治した怪物に関わっているという不名誉な経歴を持つ。
メドゥーサ退治に役立つ様々な宝具を分け与えた神たち。尚、アテナはメドゥーサと因縁がある為、これもまたペルセウスを憎む一因になっているのかもしれない。
Prototype
死の際にペルセウスを受肉させたマスターでその善性に感銘を受け、彼を生き返らせるために聖杯戦争に挑む。その過程で杏路を苦しめていた研究員や魔力供給のために一般市民を殺害する。
学生として生活するにあたり、彼の姓を拝借している。
なお、『Prototype』の描写によると、「無闇な殺戮はマスターに咎が及ぶ」との事だが、ペルセウスはそもそもマスターがいないのでペナルティを受けないとの事である。
クラスメートで仲は良好。
それ故か、敵マスターでもある彼女を殺すことを躊躇う甘さを見せる。
実は杏路が命を縮める要因になったのは彼女の姉である。
その他
そっくりさん。というか成功したワカメがペルセウスである。
『Prototype』でのペルセウスの役割は日常パートがワカメ、戦闘はメドゥーサと、『Stay night』のライダー陣営のキャラ造形を折衷した感じに仕上がっている。
余談だが、メドゥーサの首から垂れた血で海藻が石化したものが珊瑚らしい。でもこのワカメを石にしても珊瑚にはならない。
ギリシャ神話最大の英雄で、ペルセウスの子孫……なのだが、父親は同じくゼウスである。つまりペルセウスの曾孫であり異母兄弟でもあるという関係。彼もライダー適性がある。彼もまた1999年の聖杯戦争の参加者である。
同じく子孫。彼もまたライダー。彼が戦いを挑んだ古代ペルシャのルーツはこのペルセウスにあるとも言われている。
前回の聖杯戦争でのライダー。伊勢三少年に対する印象が対照的になっている(どちらも好意的に見ている事は共通しているが)。
『Stay night』では彼が受肉したサーヴァントとなっているが、受肉の方法はまるで異なる。
似たような人生を送った者。しかし、ペルセウスは3人とは違い与えられた力と自身の役割に苦悩することや命半ばに果てることは無かった。
また、アキレウスは同じギリシャ神話の英雄であり、宝具の数も非常に多い。
ただしアキレウスはその出生が『人類を削減する為に造られた兵器』であり、人であるアルジュナやギャラハッドとは違う物である。
余談
設定だけの頃の真名はテセウスだったが、アニメ化に際してペルセウスに変更された。
これに関しては誤植という説もあるようだが、『Fate/stay night』製作に際し、女性の数が少ないという事で同じくペガサスに縁のあるメドゥーサに変更されたという発言がある為である。
この為、『旧Fate』に登場した英雄は『stay night』で設定を変えて登場しているのも関わらず、彼だけは参戦を果たす事は叶わなかった。
そもそもテセウスには手綱や乗り物に関する目立った逸話というものがない。
ペルセウス自体は『Fate/hollow ataraxia』のライダーの生前のエピソードで登場している。
その際の容姿や性格は間桐慎二とそっくりのイメージで描かれており、ライダー曰く「ペルセウスは『成功した慎二』とのこと」で、この記事で取り上げられている"ペルセウス"とはどうやら別キャラの模様(あちらは金髪で自信に満ちた顔をしている青年)。
『Prototype』と『stay night』世界で異なるアーサー王がいるように、『hollow』のペルセウスは『stay night』世界でのペルセウスの姿なのかもしれない。
関連タグ
パーシー・ジャクソン:ペルセウスが名前の元ネタだが、彼の父はポセイドンとなっている。何の因果か映画版日本語吹き替えでは中の人繋がり。また、愛称は「ワカメくん」である。ちなみに「ギリシャ神話の英雄で唯一ハッピーエンドを迎える英雄だから」という理由でペルセウスを由来とした名前を付けている。