概要
仮面ライダー1号(旧1号)のバリエーションの1つで、TVシリーズ第40・41話の前後編から登場する姿のことを指す。
元々はこの前後編の舞台となった鹿児島の桜島(湯之平)にちなんで変化した外見を指すファン側から生まれた呼称だったが、少なくとも2002年の装着変身などの時点で桜島1号という表記が用いられるなど商品展開の際は暗黙の了解と化しており、仮面ライダー図鑑などでも言及されるなどほぼ公式化している。
資料や商品展開によっては、「桜島Ver.」や「旧1号 後期タイプ」などのように表記にもブレがある。
あるいは旧1号を単に「仮面ライダー」とし、ダブルライダー制が登場した桜島を「仮面ライダー1号」とするパターンも。
従前までの旧1号との差異として、全体的に暗い色彩で統一されており、クラッシャー・コンバーターラング・グローブとブーツはダークグリーン、マスクの上半分は黒、そして目は深紅へとそれぞれ変化している。(厳密には旧1号にもこれに近いカラーリングが存在し俗にBタイプと呼ばれる)
またマスクの作りも変化し、後の新1号にグッと近づいたデザイン。
このカラーリングの変化については、桜島の火山灰を浴びたから・・・などといった設定は特に存在せず、地方ロケゆえの弊害でたまたま補修用のスプレーが黒色しか残っていなかったから、という撮影上の事情が反映されたものであり、あくまでも当時は意識的に変化させたものではなかった。後年制作されたネットムービー『仮面ライダーディケイド オールライダー超スピンオフ』でも、この点について言及したくだりが存在する。
出で立ちのみならず変身時のアクションについても変化が見られ、劇場版『仮面ライダー対ショッカー』では以前の「ベルトに風を受けて変身」から仮面ライダー2号に準じた「変身ポーズを取る」パターンとなっていた(TV本編では変身シーンは描写されず)。
桜島1号は前出の前後編の後も、TVシリーズ第49・51・52話と劇場版にて再登場し、1号が主人公として本格的に復帰した第53話以降からは新1号へと大幅な変化を遂げている。
後年の扱い
前述の通り、あくまでも制作上の都合により生み出されたマイナーバージョンの1つでしかないものの、後年の関連作品において桜島1号がフィーチャーされる機会も度々存在する。
漫画『新仮面ライダーSPIRITS』では、回想シーンにてヨーロッパで戦っていた本郷が、戦いの経験を積むたびに進化した姿として登場。TVシリーズの時系列に当てはめるならば、この回想で描かれた出来事は第40話以前に比定される。
また、1998年にリリースされたビデオ『仮面ライダーメモリアル』では、「戦闘経験を積み重ねることによって肉体が変化したと思われるが、正確な所は分かっていない」とナレーションの本郷は推測している。
ここでは旧1号を「第一形態」、桜島1号を「ヨーロッパ時代の第二形態」としてそれぞれ解説していた。
ゲーム『仮面ライダー 正義の系譜』にも、プレイヤーキャラの1人として1号が登場するが、2周目以降では桜島1号、もしくは新1号のいずれかの姿でのプレイを選択できるようになっている。
桜島1号そのものをフィーチャーしてはいないものの、これを意識した要素が盛り込まれるケースもある。
本作のリブート版に当たる映画『仮面ライダー THE NEXT』では、作中に登場する仮面ライダー1号のマスクも前作『仮面ライダー THE FIRST』とは若干デザインが異なっているが、これは前作では旧1号、同作では桜島1号のカラーリングを、それぞれモチーフとしているためである。
また、2016年公開の映画『仮面ライダー1号』でも、やはり作中に登場する1号(ネオ1号)のデザインが、桜島1号を意識したものとされている。