伝説のライダー達よ、戦いの日が再び訪れた
概要
2003年11月27日にバンプレストから発売されたプレイステーション2用ソフト。正式タイトルは『仮面ライダー正義の系譜』で、ジャンルは3Dアクションアドベンチャー。
異なる時空に存在するものが一つに繋がってしまった発電所を舞台に、仮面ライダー、V3、BLACK仮面ライダーアギトの4作品のライダー操作して怪人を倒し、次々と浮かび上がる謎を解いていく。(当時は元号で分ける発想がほぼ無かった為、純粋に3世代4作品の共演と考えるのが妥当である)
第五章からは「ジェネレーションザッピングシステム」が登場。ある時代で起きたことが他の時代にも影響するシステム。例えば1号で罠を解除するためのスイッチを押してその場に立たせておけば、他の時代でも罠が解除される。設定上は通信機でしか会話ができない4つの時代の物語を進めるのは、謎を解けるのはプレイヤー自身、という側面を強く押し出しているシステム。
1周目をクリアするとNEWゲーム(2周目以降)で旧1号(厳密には桜島1号)を選択可能。ゲーム開始が1972年1月になり(新1号は同年11月)、)あらすじと第4章冒頭が変わる。
あらすじ
1972年11月、ゲルショッカーとの戦いを繰り広げていた仮面ライダー1号は採石場で地獄大使の死後、潰滅したショッカーが何かを企んでいる事を知り現場へと赴く。
戦闘員達を倒したとき、倒されたはずのショッカー怪人・ドクガンダーが現れ、謎の言葉を残して去って行く。彼はその後を追って山奥にある地熱発電所まで向かう。
その頃、謎の培養カプセルに入った巨大な目がゆっくりと成長しつつあった…。
登場する仮面ライダー
時系列順に紹介。変身前のイラストありは操作可能なキャラクター。
1972年11月(1972年1月)
仮面ライダー1号 / 本郷猛
CV:藤岡弘、
ゲルショッカー出現から1ヶ月後(スイスから戻り、死神博士の計画を阻止した後)、採石場で遭遇し、謎の言葉を残して飛び去ったドクガンダーを追って地熱発電所に辿り着く。所内の作業員が何者かに操られている事を知り、彼らを救出しつつドクガンダーや怪人たちを操る黒幕を追って発電所を駆ける。時代こそ違えど「同じ道」の上にいる戦士たちの纏め役となる。
仮面ライダー2号 / 一文字隼人
CV:佐々木剛
唯一操作可能なパートナーライダー。物語の開始当初は姿を現さないが、本郷猛がピンチの時には必ず駆けつけくれる唯一無二の相棒。
5章前半、ゾル大佐の罠にはめられてアンドロガスを受けて動けない本郷に代わって行動することとなった。
ライダー回転キックやライダー卍キック、フライングライダーパンチなど印象的な劇中技を抑えている一方、ライダー月面キックやライダー反転キックなど、原作では使用しなかった1号の技を使用している。また1号とコンビを組めば、並の怪人では相手にならない強さを発揮し、ライダーダブルキックを披露している。
1974年1月
仮面ライダーV3 / 風見志郎
CV:宮内洋
デストロン・ヨロイ元帥との戦いを繰り広げている。
悪の気配を感知し、人影のない奇妙な地熱発電所に赴く。所内でデストロン…ではなくショッカー怪人・ザンジオーが現れ、「蘇った我々はもはや組織の一員ではない」と謎の言葉を残して去って行く。コバルト爆弾など数多く仕掛けられた計画を阻止するために発電所内を探索、そして行く先々で出会うライダーマンは…
1974年1月はシーラカンスキッドやカメレオンがV3を苦しめた時期である。
ライダーマン / 結城丈二
CV:滝下毅
元デストロンの優秀な科学者にしてV3と共にデストロンと戦う戦士。本作で鍵を握る人物「田所博士」とは師弟の関係で、父の様に慕っていた。時系列的にV3との和解はほぼ済んでいるのだが、博士への情が深い故に擦れ違う。戦闘シーンはないが、科学者という側面が前面に押し出され活躍する。
1988年8月
仮面ライダーBLACK / 南光太郎
CV:倉田てつを
宿敵・シャドームーンの復活から2ヶ月後。
ただならぬ悪の気配を察知し、稼働を止め荒廃した地熱発電所の廃墟に辿り着く。そこで正体不明の覆面の男達(ゲルショッカー戦闘員)に遭遇。ゴルゴム怪人…ではない謎の怪人軍団に悪い予感を覚え、調査を開始する。
1988年8月は現実世界の放送日程に従うなら、大怪人のうち、大怪人ビシュムと大怪人バラオムがBLACKに倒された時期である。
また、この2ヶ月後に仮面ライダーBLACKRXの事件が起こる。
シャドームーン
CV:黒田崇矢
仮面ライダーBLACKこと南光太郎の親友・秋月信彦が、暗黒結社ゴルゴムによって世紀王として改造された姿で、ブラックサンの対となる存在。信彦の記憶は残っているが人格だけは脳改造により全くの別人になっている。
事件を察知し、BLACKの様子を遠くから見守っている。果たしてゲーム中では彼は敵なのか、味方なのか…?
2004年4月
仮面ライダーアギト / 津上翔一
CV:賀集利樹
アンノウン及び闇の力との最終決戦から3ヶ月後、平穏な生活を送っていたが再び悪の気配に感応。再開発され建設まもない原子力発電所まで赴く。新しいアンノウン…ではない謎の怪人(セミミンガ)と遭遇し戦闘になる。怪物が残した言葉「時空を越えた計画」を阻止するため再び戦いに身を投じる。
メイン五人の中で唯一、敵組織が壊滅した時代で生活している人物である。
※2004年表記なのは、『アギト』の「未確認生命体事件が終息してから2年後」という設定を「『クウガ』の2年後」としている為
本作では、放映年通りに2000年〜2001年が『クウガ』、その2年後の2003〜2004年(1月)が『アギト』の本編とされている(実際の設定では2001年〜2002年)。その3ヶ月後であるため本作は2004年4月である(1年後エピローグの9ヶ月前にあたる)
仮面ライダーギルス / 葦原涼
CV:高塚正也
ぶっきらぼうで愛想が悪いが仲間思いの不死身の男。翔一のピンチに助言したり、時に駆けつけてくれる頼もしき相棒。改造人間でこそないが生身の体ではない彼ら2人の最後の会話は、ある意味での本作の総括である。
ちなみに氷川さんは既に捜査一課に異動した後である(攻略本年表より)まぁ生身の人間だし他の3時代も2人だし設定的にG3システムを投入できる環境でもないので…
敵怪人
かつてダブルライダーに倒されたショッカー並びにゲルショッカーの怪人達が、邪眼の手によって蘇ったもの。(生前の記憶も有している。)
四つの時代の発電所(1972と1974は地熱発電所、1988はその廃墟、2004年は再開発された原子力発電所)に潜み、それぞれの大幹部の指揮の下で歴史を変える計画を進めており、理想の怪人世界を築こうとする。
また、邪眼によって蘇った影響からか人間を見下しているような言動をとっている。
以下、ライダーと同じく時系列順に紹介。
1972年11月
ゾル大佐 / 狼男
CV:高塚正也/池水通洋
規律に厳しい軍人気質の幹部で、威厳と冷静さで部下を統率する。
生前の最後の作戦であった「ウルフビールス」を使った「狼作戦」を推し進め、遺伝子の培養によって完璧な資質を持った人工の改造素体を大量生産し、ウルフビールスによって怪人軍団を生み出そうとする。
再生された怪人は大幹部登場前の初期2クールとゾル大佐の配下で構成されている(1話~39話)
戦闘員は14話〜52話で活躍した覆面タイプ(骨なし)
ドクガンダーCV:辻村真人
エイキングCV:槐柳二
蜂女CV:中谷ゆみ
サラセニアンCV:沢りつお
サボテグロンCV:沢りつお
ショッカー戦闘員(黒・覆面タイプ)
ショッカー戦闘員(赤・覆面タイプ)
狼男 実験体CV:沢りつお
ショッカー科学員
その他
発電所作業員(CV:池水通洋)
素体培養装置の機械音声(CV:中谷ゆみ)
1974年1月
死神博士 / イカデビル
CV:池水通洋/田中亮一
生体改造においては右に出る者はいないといわれる天才科学者。
桜島での火山帯爆破計画を元にしてコバルト爆弾をマグマに投下して人為的に地震を起こそうとし、更に地殻変動後の激変した環境下での人類の一掃を企み、またその環境に適応できる様に戦闘員や怪人を強化改造を施した。
再生された怪人は死神博士配下。(40〜52話+劇場版仮面ライダー対ショッカー、地獄大使期の怪人だが死神博士が生み出し日本に連れ立ったナマズギラーもここに含まれている)
戦闘員はゾル大佐と同じく覆面戦闘員(骨なし)だが、後半では…
ザンジオーCV:辻村真人
ギルガラスCV:田中亮一
ナマズギラーCV:沢りつお
カメストーンCV:辻村真人
ゴースターCV:田中亮一
ショッカー戦闘員(黒・覆面タイプ)
ショッカー戦闘員(赤・覆面タイプ)
戦闘員強化体(黒)
戦闘員強化体(赤)
ショッカー科学員
ザンジオー強化体CV:辻村真人
1988年8月
ブラック将軍 / ヒルカメレオン
CV:黒田祟矢/辻村真人
ゲルショッカーで特に勇敢との定評がある大幹部。冷酷かつ作戦においては決して私情を挟まない。
人類を抹殺するための溶解ガスを製造し、世界に散布させようとしていた。また自身と同じく「ブラック」を名前に含む仮面ライダーBLACKに異常な敵意を見せた。
再生された怪人は同じくゲルショッカー怪人である。
サソリトカゲスCV:田中亮一
イソギンジャガーCV:辻村真人
ハエトリバチCV:槐柳二
ウツボガメスCV:槐柳二
イソギンジャガー転生体CV:辻村真人
ヒルカメレオン転生体CV:辻村真人
ゲルショッカー科学員
2004年4月
地獄大使 / ガラガランダ
獰猛で熱くなりやすく冷静さにかけているが、非常に優れた指揮能力を持ったショッカーの恐るべき大幹部。
紀伊半島で計画していた海底秘密基地を建設し、磁場装置による津波を起こす日本列島沈没作戦を計画した
再生された怪人は地獄大使配下のものである。(53話〜79話)
戦闘員もそれに伴いお馴染みの骨付き覆面に。
セミミンガCV:槐柳二
カミキリキッドCV:田中亮一
イモリゲスCV:槐柳二
シオマネキングCV:沢りつお
シードラゴンCV:田中亮一
ショッカー戦闘員(骨・覆面タイプ)
ショッカー科学員
その他
海底基地・謎の生物の培養装置のシステム音声(CV:中谷ゆみ)
田所博士
CV:池水通洋
今回の事件の鍵を握る科学者。元々はショッカー・ゲルショッカーに所属しており、ショッカーが発掘したオーパーツからヒントを得て、そこから流れてくる5万年前の情報を元に改造人間を製造(ゲルショッカーの2種混合怪人も本作では田所博士の研究だと示唆されている)更に数十種類の生物の遺伝子を合成した、自らの夢である究極の生命体を生み出そうとした。
しかし、その野心を邪眼に利用され、オーパーツごと時空制御装置(物質だけを別の時代に送るタイムマシン)の一部にされてしまう。制御装置の一部にされた後も何とか意識だけは保っていた。ライダーマンによって意識を取り戻した後、自分が悪魔に利用され計画の一部として利用された事を悔い、その償いとして邪眼を倒すため最後の力を振り絞り、3人の仮面ライダーを1988年8月に送り込み消滅した。
実はライダーマンこと結城丈二の師でもある。科学者としてでなく愛情も注いでいて、幼少の頃の丈二からは本当の父親の様に慕われていた。
評価
『バイオハザード』の製作に関わった会社が開発したため、(『鬼武者』同様、銃火器を使わない点を除けば)操作性と雰囲気が酷似しているが、それが裏目に出てゲーム性は低く、作品全体の評価にも響いた。
しかし、世代の違う4作品を無理なく共演させたクロスオーバーの上手さや、抜かりのないレベルのシナリオにより、キャラゲーとしては非常に高く評価されている(それを表すようにスタッフ側もリスペクトを持って製作に臨んだことがうかがえる)。
また、メイン5人の声は当時のオリジナルキャストが担当。怪人の声も可能な範囲内でオリジナルキャストを起用している。
さらに特筆すべきはSEで、以降のゲーム作品ではあまり再現されない効果音もオリジナルに合わせて採用している。
おまけに操作キャラによって、オプションモード時の音声ガイドがそのキャラのオリジナルキャストになるという嬉し過ぎるサービスも盛り込まているため、ファンアイテムとしては一級品として語り継がれている。
余談
- 実は公式攻略本で、間接的にXライダー以降のライダーや、ネオライダーや仮面ライダークウガも作中に存在していることが明かされている。攻略本を持っている人は封入されている年表を確認してみよう。
- 翔一が「仮面ライダーアギト」と名乗るファン感激の名シーンが用意されている。このとき、彼は改造人間という概念を知らなかったので、「仮面ライダー」と名乗った本郷に合わせそう名乗り、翔一は先輩らを「アギトになれた人達」と解釈していた。(この世界の光の力の解釈の仕方によっては、改造人間の3人にも光=アギトの力が宿っていたと考えられる)
- 作中で「レストラン アギト」がオープンしているかどうかは本作では触れられていない。時期的にそれの少し前と考察した方が妥当か(本作はエピローグの9ヶ月前)
- 発売当時、『仮面ライダー555』が放送されていたが、ゲーム本編の時系列はリアルで仮面ライダーブレイドの戦っていた時期と重なっている。(555は、製作当時の最新ライダーでもある)
- 各時代の幹部の計画は、各仮面ライダーの周辺環境の再現ともいえるほど似通っている。
- なお、はじめて藤岡氏によって電光ライダーキックの掛け声が吹き込まれた作品でもある。(原典では、使用時のエピソードは納谷六朗氏の代役)
関連イラスト
pixivでは歴代ライダーの集合絵にも使われることが多い。
また、キャプションで「正義の心は受け継がれる」といった趣の文章がある場合にも登録される。
関連タグ
仮面ライダーシリーズ 初代ライダー仮面ライダーV3仮面ライダーBLACK仮面ライダーアギト
バトライド・ウォー創生:1号から現行作までの世界が地続きという前提の世界観になっている。
memory_of_heroez:事実上の後継作と呼べる作品。