「エケエケエケケケッ」
概要
『仮面ライダー』
登場作品:『仮面ライダー』
第4話『人食いサラセニアン』/第13話『トカゲロンと怪人大軍団』/第27話『ムカデラス怪人教室』/劇場映画『仮面ライダー対ショッカー』
サラセニア人間とも呼ばれる、食虫植物キングサラセニアの能力を移植して制作された改造人間。人食いサラセニアンの異名を持つ。
素体となった「キングサラセニアン」に擬態する能力を持っており、この能力でとある遊園地内の花のオランジェリーに潜伏、そこへ訪れた人々を改造人間への製造に必要な素材(スペア人間=素材)として収集。次々にショッカー秘密基地へと拉致していた。
主な能力は体に生えた蔦をムチとして使用するほか食虫植物の改造人間らしく、人間を体に押し付けることで押し付けられた人間を溶かして吸収し、捕食してしまうことが出来る。
また、植物の能力を移植して作られた改造人間のためなのか発声ができないらしく、会話をするシーンはない(首領からの指示は理解しているため知能は持ち合わせている様子)。
- 作中、雪絵から「ここは何処なの?」と聞かれるシーンがあり、言葉が話せないサラセニアンの代わりにショッカー首領が雪絵の質問に答えていた。
- なお、この時期の戦闘員は指揮官の怪人に近しい改造が行われており、掛け声もサラセニアンの声と同様のもので後述の処刑された戦闘員も「エケエケエケケケッ」と言い続けながら処刑されている。
- 後発の植物系改造人間は普通に喋れる者が多いため、サラセニアンのみの特徴と思われる。
弱点は寒さに非常に弱いことであり、気温が10℃以下の環境では凍死してしまうというけっこうデリケートな怪人でもある。
活躍
姉、雪江をさらわれた健二のためにオランジェリーで起こった失踪事件を調べていた本郷により配下である戦闘員No3が捕えられ、捕虜になってしまったという報告をうける。首領からの指令を受け、緑川ルリ子の部屋へ侵入、掟に従って戦闘員を処刑する。
- 後に登場する植物系怪人のサボテグロンは同様に捕虜となった戦闘員を自主判断で処分保留にしており、サラセニアンとは対照的な対応をとっている。
ついでに現場に居合わせた野原ひろみ、ルリ子、健二をも始末しようと迫るがそこへ雪江を救出して駆けつけた本郷猛=仮面ライダーが現れたため、戦闘に突入。
体に生えた蔦をムチのように使い奮戦するも最後はライダーキックを受け緑色の液体と化し、地下へと消えていった。
再生
第13話「トカゲロンと怪人大軍団」では再生怪人のうちの1体として登場。トカゲロンを支援するために行動する。
「仮面ライダー1号の為に日本占領が他の地域より著しく遅れている」という異常な事態を打破すべく「原子力研究所を破壊し放射能を撒き散らして大パニックを起こして日本を征服する」というテロ計画が立てられる。そしてその計画の人員を確保するため、ライダーに破壊された破損個所を修復されて復活を遂げる(なお、この際には溶解した死体の破損箇所を修復するというショッカー驚異のメカニズムが駆使されている)。
この計画の破壊目標である東洋原子力開発研究所は新技術による特殊な強力バーリアによって防護されていた。
そこでこのバーリアを破壊するために新たにサッカー選手を改造して作られた新型改造人間トカゲロンの指揮のもと、他の再生怪人たちとチームを組み計画を阻止せんと阻む1号ライダーに戦いを挑む。しかし再生怪人は弱いの法則の通りあっさりと撃退され、最後はバーリア破壊ボールを叩きつけられたトカゲロンの自爆に巻き込まれて11人まとめてあの世行きになった。
第27話にてゾル大佐指揮のもと、ムカデラスの補佐としてゲバコンドル共々再生され、彼の指揮するジュニアショッカーの戦闘訓練を担当している。
「流石に人語を喋れなければジュニアショッカー生徒たちの教官が出来ないだろう」と判断されたのか、この回では初登場時とは打って変わってペラペラと流暢に言葉を喋っているのが大きな特徴。
最終的に2号にライダー返しで撃退された(2号がライダー返しを使用したのはこれが初)。
劇場映画『仮面ライダー対ショッカー』において再生怪人軍団の1人としても登場している。
漫画作品における活躍
『新・仮面ライダーSPIRITS』
TV版をもとに描かれた『新・仮面ライダーSPIRITS』の設定では、死神博士の命令で他の初期怪人共々一文字隼人の拉致に携わっていたとされる。
更に東京湾ショッカー基地の護衛怪人として登場したが、知性も魂もないただの消耗品扱いであり、地獄大使/ガラガランダを疎んじた暗闇大使の命令を受けたトカゲロンにより、地獄大使のいたビルごと吹き飛ばされた。
島本版『スカルマン』
島本版『スカルマン』には「パラサイトグリーン」という全身が葉で覆われた怪人が登場する。見た目からしてこの作品におけるサラセニアンという事はわかるのだが、どちらかというと永井豪世界にいそうな感じの擬装をしている。
モチーフは胞子植物のようで、製薬会社を隠れ蓑に人々に胞子を植えつけて暴走させていた。また地中に潜る能力の他、ツタを伸ばして相手を絡め取る能力を持つ。大樹に成長してスカルマンを縛り上げるも、最期は蠍男に始末させられる。
ゲーム作品における活躍
『仮面ライダー 正義の系譜』(PS2専用ソフト)
CV:沢りつお
闇の力の死に応える形で復活した元世紀王・邪眼の力により再生を果たし、アンドロガスの製造機器を破壊するために別行動をとる1号に変わり、発電所内の拉致された人たちを救出するために発電所内を捜索する2号ライダーの前に立ちふさがる。
リメイク作品において
映画『シン・仮面ライダー』
10話までのショッカー怪人の中では唯一モチーフとしたオーグメントが『シン・仮面ライダー』劇中に登場していない。
しかしシン・仮面ライダーチップスの付属カードによると植物との合成は相性が悪いらしく、死んでしまった青年がいることを示唆する記述があり、それがサラセニアオーグであると思われていた。後に発表された未公開シーンにおいて、やはりサラセニアオーグとして改造された青年「トオル」が失敗により死亡したことが明かされた。
詳細はサラセニアオーグを参照のこと。
余談
- サラセニアンは寒さを弱点としているが、モチーフとなったサラセニアは耐寒性が強く10℃以下でも枯れず日本の冬でも平気で越冬する。もしかすると元となったキングサラセニアが寒さに弱いのかもしれない。
関連項目
人食いサラセニアン:登場エピソード。
サボテグロン、ドクダリアン、バラランガ、トリカブト:仮面ライダーにおけるショッカーの植物怪人たち。