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シン・仮面ライダー

しんかめんらいだー

『シン・仮面ライダー』とは、2023年3月17日に公開された特撮映画作品。 庵野秀明による1971年の特撮テレビ番組『仮面ライダー』のリメイク作品である。
目次 [非表示]

Kamen Rider Takeshi Hongo is an augmented human being.He was upgraded by SHOCKER, an all-loving secret society that pursues happiness for humanity.Kamen Rider has pledged to fight against SHOCKER to ensure human beings stay human.




孤高。 信頼。 継承。




わるモノ。

ノ。


そして、

えたくないモノ。



概要編集

仮面ライダー』を題材にした劇場映画作品。本来は仮面ライダーシリーズ生誕50周年となる2021年の公開を目指していたが、コロナ禍の影響によるスケジュールの遅延で2023年公開となった。

監督・脚本は『シン・ゴジラ』や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』、『シン・ウルトラマン』を手がけた庵野秀明

2023年3月18日に公開された(一部劇場では3月17日18時より最速公開が行われた)。4DXIMAXver.も同様に17日に最速公開。また、24日にドルビーシネマver.、4月14日にMX4Dver.も順次公開された。

PG12指定。意外にも、庵野がこれまで手がけた作品の中でのPG-12指定は本作が初

東映の白倉伸一郎プロデューサー曰く「1号ライダーをなぞったものになる」とのこと。


2021年9月30日に特報PVが公開。主演の池松壮亮による主題歌「レッツゴー!!ライダーキック」の熱唱ぶりや、初代と似たロケ地でのバイク走行やカメラワークといった初代オープニングの完全再現が話題となった。また、このPVにて仮面ライダーのビジュアルが正式にお披露目された。

なお、PVにはAとBの2種類があり、Aは初代の完全再現でBは初代を再現しつつカメラワーク等に現代的なアレンジが加えられている。


庵野が等身大ヒーローを手掛けるのは、2004年の実写版『キューティーハニー』以来となる。


今作も『シン・ウルトラマン』と同様にクランクアップ後の追撮・再撮が行われており、インタビューで池松氏が「2021年12月に撮影が終わったんですけど、そこからずっと撮り続けてますから。」と語っている。


終映日は6月4日となり、一部劇場ではそれよりも早く上映終了となる。

2023年7月21日からはAmazonプライムビデオにて全世界最速配信が開始された。

2024年11月20日、DVD・Blu-ray発売及びレンタル開始。初回生産限定盤には特典映像として「各話フォーマット版(全5話)」が収録予定であり、新規映像も追加されるとのこと。


2024年8月には、CS局の東映チャンネルにてソフト版発売前に放送、同年9月にはCS局のWOWOWでも放送された。



作風編集

原作・オリジナル版への愛情編集

庵野が本作の前に手掛けた『シン・ウルトラマン』の制作コンセプトの一つであった「現代の最新技術で原典のビジュアルを作り直す(したい)」ことが本作でも志向されており、レトロなものを敢えてそのまま持ってきている部分がある。

また、主人公が改造人間というグロテスクさが強調されたり、石ノ森章太郎が仮面ライダーのモットーとしてきた「同族殺し」の要素もあり、同じ改造人間同士での殺し合いなどデジタル撮影が主流となって以降のライダーと比べると原作が持っていたホラー要素やダークな面を持っている。


原作・オリジナル版へのリスペクトも豊富であり、随所に小ネタがある他、メタ的な意味での大事件を劇中で再現もしている。

初代ライダーおよび石ノ森章太郎の萬画版ひいてはキカイダーなどの仮面ライダー以外の石森ヒーローオマージュもふんだんに盛り込まれており、庵野秀明のオタク感情が炸裂しまくった構成となっている。


参考動画


庵野による『シン』シリーズの過去作とは異なり、ドキュメンタリータッチではなく、各キャラクターや組織を現代風にアレンジしつつも現実に存在する組織は登場せず、あくまで原典と同じフィクションラインで製作されている

また、可能な限りアクション専門のスーツアクターを使わず、俳優にスーツを着せて特撮シーンを演じさせている。もちろん一部にはスタントマンやCGアニメーションが使われているが、基本的に素顔をさらしていないキャラを除けばスーツを着てアクションをするのはその俳優本人である。庵野曰く「実写でアニメに勝つには生身の殺し合いしかない」とのこと。


その一方で、『シン・ウルトラマン』や『シン・ゴジラ』以上に庵野のカラーもかなり濃く出ており、「日常的になじみがなく、観客が聞いても内容を理解しにくい専門用語を引用した独自概念」を展開の主軸に据えており、この点には賛否が存在する。構造的に過去の庵野作品を思い起こさせる部分も多い。

過去の『シン』シリーズと共通する俳優も出演しており、後付けながらフランチャイズとなった『シン』としての制作的な連続性も見て取れる。


バイオレンス志向編集

また最初期の仮面ライダーのように血飛沫が飛び散ったり、刃物や銃弾が体を貫通するなどPG-12指定なだけあってヒーローものながら非常に暴力的に作られている。

広報の一環として最近流行りの冒頭公開が行われた際は、1号が血糊をぶちまけながら雑兵に攻撃を加えて身体を破壊しているシーンが流れて注目された。


バイクヒーローへの回帰編集

特撮マニア向けである一方で、平成ライダー以降は単なる移動手段のマシンとして軽視されがちだった、仮面ライダーの相棒たるバイクを活かしたアクションと、バイクの魅力と小ネタがふんだんに詰め込まれ、原点であった「バイクに乗った変身ヒーロー」であることが全面に出ている。


あらすじ編集

頭脳明晰にしてスポーツ万能の青年本郷猛は謎の秘密結社SHOCKERに連れ去られ、バッタの能力を持った改造人間である人外合成型オーグメント・バッタオーグにされてしまう。

恩師である緑川弘博士と、彼の娘ルリ子に助けられる形でSHOCKERから脱出するが、SHOCKERの追手であるクモオーグに緑川博士を殺されてしまう。

辛くもクモオーグを撃破した本郷は、仮面とマフラーを身に着けた戦士「仮面ライダー」を名乗り、アンチSHOCKER同盟の協力の元、博士の遺言に従いルリ子を守るべく戦いに身を投じる。


登場人物編集

仮面ライダーと協力者編集


アンチSHOCKER同盟編集


SHOCKER編集


その他編集


用語集編集


※本作の重要設定であると同時に、スピンオフである『真の安らぎはこの世にはなく』の重大なネタバレ要素でもあるため、リンク先を参照する場合はネタバレを了承してお読み下さい。


スタッフ編集

製作村松秀信(東映)、西新(テレビ朝日)、野田孝寛(ADKエモーションズ)、緒方智幸(カラー)、古澤圭亮(バンダイ)、藤田浩幸(dentsu)、菅井敦(HORIPRO)、香田哲朗(Akatsuki)、池邉真佐哉(MBS)、飯田雅裕(朝日新聞)、池田篤郎(東宝芸能)、田中祐介(GYAO)
原作石ノ森章太郎
脚本・監督庵野秀明
副監督轟木一騎
准監督尾上克郎
助監督中山権正
アクション監督田淵景也
エグゼクティブプロデューサー白倉伸一郎
企画・プロデュース紀伊宗之
プロデューサー小出大樹
ラインプロデューサー森徹森賢正
アソシエイトプロデューサー川島正規
キャラクターデザイン出渕裕前田真宏山下いくと、庵野秀明
サイクロンデザイン山下いくと
衣裳デザイン柘植伊佐夫
音楽岩崎琢
製作東映、テレビ朝日ADKエモーションズカラーバンダイdentsuHORIPROAkatsukiMBS朝日新聞東宝芸能GYAO
制作プロダクションシネバザール
配給東映

音楽編集

レッツゴー!!ライダーキック

作詞:石ノ森章太郎 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:藤浩一


ロンリー仮面ライダー

作詞:田中守 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:子門真人


かえってくるライダー

作詞:滝沢真里 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:子門真人


他、劇伴に原典『仮面ライダー』のBGMを一部使用。


スピンオフ作品編集

集英社の週刊誌「週刊ヤングジャンプ」で連載されているスピンオフ漫画。


3月23日発売のゲーム。PC(Steam)、Nintendo Switchに対応。昔懐かしいコンパチSDヒーロー風にデフォルメされた仮面ライダーがSHOCKERの戦闘員や怪人を相手に戦う、非常にシンプルな横スクロールアクションゲーム。


興行収入編集

3/17日の最速上映も含め、週末興収約5億4200万円、観客動員数約34万5000人という好成績を収めた。その後、10日間で興行収入11.4億円を獲得し、2週間後には累計動員数100万8千人・累計興行収入15億300万円を突破、3週間後に累計動員数116万8000人、累計興行収入17億3700万を突破。

そして、公開から1ヶ月後に累計動員数128万3086人、累計興行収入19億422万に達し仮面ライダーシリーズ劇場版の興行収入1位の座に14年間君臨し続けていた『劇場版仮面ライダーディケイドオールライダー対大ショッカー』を抜き、歴代1位となった

ただ、上述の作風故か前2作ほどのロケットスタートとはいかなかったようで、初日から3日間の興収比では『シン・ゴジラ』の約64パーセント、『シン・ウルトラマン』の約54パーセントという記録となった。

最終興行収入は23.4億円に終わった。


余談編集

シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』と、往年の特撮作品が特オタ界のレジェンドともいうべき庵野監督による新解釈の元、次々とリブートされてきた。そのため、ファンからは(真・仮面ライダーがあった事もあり)冗談混じりで「『シン・仮面ライダー』が製作される日も近いのではないか?」と噂されていた。

そんな中、『シン・仮面ライダー』が商標登録されているという報告がなされ、仮面ライダー生誕50周年記念日である4月3日に本当に製作される事が発表された。ちょうど庵野監督の課題となっていたエヴァンゲリオンシリーズが完結した事が、本作の製作に繋がったと考えられる。

庵野秀明によると、最初の企画メモから発表まで足掛け6年かかっているという。

これまでのシン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバースには何らかの形でかかわってきた樋口真嗣氏は今作には参加しない模様だが、その経緯は不明。

2021年8月にはこのライダーのものと思われるライダーズクレストがTwitterで明かされている。

仮面ライダー2号/一文字隼人の誕生日である2021年10月10日に、仮面ライダー第2号の登場が正式にアナウンスされた。


  • 島本和彦

庵野監督の友人に当たる漫画家の島本和彦氏は白倉Pの「仮面ライダー50周年を祝うイラストを描いて欲しい」という依頼に応え、仮面ライダー1号のイラストをツイートしたのだが、その後初代のリブートである本作が発表されるという奇跡が起こり、驚きを隠せなかったとのこと。

なお一連の出来事に対して「事前に知らされていなかった島本先生がかわいそう」と言った意見も聞かれたが、これについては早瀬マサト氏が東映と石森プロの守秘義務に触れた上で何も問題はないと言う趣旨のコメントをしている。

なお、公開されたイメージイラストは前田真宏氏によるものだが、島本氏が1989年に手掛けた『仮面ライダーBlack』の外伝作『仮面ライダーBlack PART X イミテーション・7』でのブラックダミーと容姿が似ている。


  • クレヨンしんちゃんコラボ

3月18日放送のクレヨンしんちゃんにて、しん・仮面ライダーだゾという企画でコラボした。

クレヨンしんちゃんと仮面ライダーのコラボ自体は過去にも行われており、電王フォーゼに並んで三作目となる。

シン・ゴジラ』が公開された際にも、ゴジラとクレヨンしんちゃんがコラボしたストーリーが制作された。


3月16日より5月28日の期間中、名鉄太田川駅並びに国府宮駅栄生駅中京競馬場前駅堀田駅本笠寺駅の各6駅を回って、SHOCKERの文字が隠されたそれぞれを巡り、シールを集めるというキャンペーンが開催され、見事集めきった人には特別な限定品が贈呈されるというもの。詳しくはこちらへ


  • 庵野秀明セレクション

映画公開記念として、2023年2月7日初代ライダーの放送局である毎日放送にて庵野秀明がセレクトした『仮面ライダー』の9エピソードを放送。MBS動画イズムとTVerでも各話放送直後より、5月8日まで配信される。冒頭、庵野秀明による放送回に寄せたコメントが映される。

話数サブタイトル
第1話怪奇蜘蛛男
第2話恐怖蝙蝠男
第4話人喰いサラセニアン
第5話怪人かまきり男
第17話リングの死闘 倒せ!ピラザウルス
第24話猛毒怪人キノコモルグの出撃
第40話死斗!怪人スノーマン対二人のライダー
第84話危うしライダー!イソギンジャガーの地獄罠
第93話8人の仮面ライダー

続編について編集

※本作の重要設定であると同時に重大なネタバレ要素を了承してお読み下さい。


2023年4月9日に行われた大ヒット記念舞台挨拶にて、庵野監督が続編の存在を仄めかしており、「既に構想とタイトルのみは頭の中にある」と明かした。タイトルは『シン・仮面ライダー仮面之世界(マスカーワールド)』。


物語の内容としては、「政府の中に政治家等の役職で潜り込んだSHOCKERと対峙する一文字」を構想に入れているとのこと。

(本作のネタバレになる為、詳細は省くが)引き続きアンチSHOCKER同盟が一文字を支援することが明かされており、更に本郷猛と緑川ルリ子が再登場する可能性も示唆されている。


NHKドキュメント『シン・仮面ライダー』編集

2023年3月31日、本作の制作現場に密着したドキュメンタリー『ドキュメント「シン・仮面ライダー」~ヒーローアクション 挑戦の舞台裏~』がBSプレミアムで放送された。当初は『プロフェッショナル~仕事の流儀~』で放送された『シン・エヴァンゲリオン』のようなどこか笑える内容を視聴者からは期待されていたが、放送された撮影現場はとても重々しく険悪な雰囲気が漂っていた。


自身が思い描くイメージ以上の何かを貪欲に求める庵野秀明と、監督の作品に対するイメージ像が掴めない撮影スタッフと演者達は、互いに手探りでアクション製作に挑むことになる。

仮面ライダーを愛するが故に集まったスタッフ達には、それぞれが考える仮面ライダー像があった。それは製作の過程で庵野監督のイメージとの衝突を余儀なくされたのである。

偶然の産物をも求めるが故に具体的な指示を出さずに俳優とスタッフにアクションシーンを撮影させ、片っ端からダメ出ししていく庵野監督に、撮影現場と演者はどんどん疲弊していく。

特にアクション監督の田淵景也氏は自身がアイディアを凝らした殺陣が悉く否定され、殺陣を超えた「本気の殺し合い」の空気感を求められたが故に暗中模索に落ち込んで行く。

最終的に田淵氏は精神的に限界に達し、降りる寸前まで追い詰められたが、庵野監督の涙ながらの謝罪により現場に留まり、衝突と葛藤の果てに庵野が何を求めているのかをつかみ取るが、その過程で自分が用意していた撮影プランは全部捨てることになった。


この地獄絵図な現場の空気にいたたまれなくなった視聴者の間で「庵野の身勝手なパワハラではないか?」と物議を醸している。


後日、事態を重く見た准監督の尾上氏がTwitterで「庵野組の現場の事。TVであんな切り取り方されたら誰だって誤解するわな。あの程度で心折れるようなスタッフは庵野組にはいない。監督だって田渕君だろうが関わったスタッフ皆が作品のために必死になるのが当たり前。次のシーンじゃ笑いながら先に進んでる。それが映画」

「庵野は決してワンマンでもなければ我儘では無い。なんの忖度もせず作品のことを第一に思ってる事をスタッフ皆が知っている。だから皆がついてくるし逃げ出す奴は1人もいない。そりゃ誰だって愚痴をいう時もあるけどね。反対に何もおこらず和気藹々の現場は碌なもんじゃ無い。」

「どこが狂気なんだろう…?狂った人間に作れるほど映画は簡単では無い。」と表明している


加えて、当然ながら全ての視聴者が庵野氏の行いに否定的では無く、「いつもの庵野」「今まで巨大存在を多く題材としてきた庵野さんの等身大アクションにかける拘りが深く感じられた」「仮面ライダーを愛する多くの人達が、同じく仮面ライダーを愛する自分達に向けてここまで頑張ってくれたのを知れて良かった」「ウルトラマンもそうだが、仮面ライダーをどうしても作りたい人間がそれなりの予算をかけて作っただけで素晴らしい」などと好意的な意見も多い。


後にYouTubeの東映映画チャンネルにて、「SHOCKERによる撮影現場潜入調査の報告動画」と言う体裁のメイキング映像が公開された(全5回)。こちらでは庵野氏含むスタッフ、キャストの撮影の合間の穏やかな様子が映し出されており、激しいアクションシーンでスーツアクターが疲労困憊した様子こそあれど、「険悪な雰囲気」とはほど遠い様子であった。最終的にどう感じるかは視聴者に委ねられるが、少なくとも徹頭徹尾、険悪なムードで撮影が続けられたわけではないのは確かであろう。


本気で映画を作るということは、撮影に携わる人間が持てる全てをぶつけるということである。それは時として、地獄を生み、そして傑作が生まれるのだ。


関連作品編集

原典の1つ。同じ映像作品という事で何気ないワンシーンやカットにも直接的なオマージュが多く、各オーグメントの作戦もこちらを彷彿とさせる物が多い。

暗めな作風ばかりが取り沙汰される『シン・仮面ライダー』だが、旧1号編→2号編→ダブルライダー編と、その大まかなアウトラインはTV版に沿っている。

とある街中のシーンを探すと「影村めがね」などの本作に因んだ店名の小ネタが仕込まれている等、そういった細かなネタ探しも本作の楽しみ方の1つだろう。


タイトルや作中の一部のオマージュ要素という意味で原典の1つ。仮面ライダー(TV版)への原点回帰を意識して、題名が『仮面ライダー』である(1号と区別をつけるため、最大の特徴である、を単独で飛行が可能という要素が付けられた)。作中でも主人公は当初は番組タイトル通りに『仮面ライダー』と呼称されており、正規ライダーにもちゃんとカウントされているのだが、一仮面ライダーとしての名称は『スカイライダー』(名称に仮面ライダーが付いていない)という歴代でも特異な立ち位置にあり、後続作品以降はその呼称が基本となった。


仮面ライダー生誕20周年を記念したVシネマ作品で、タイトルや作中の一部のオマージュ要素という意味で原典の1つ。原作者の石ノ森章太郎氏が「本当の仮面ライダーを作りたい」という思いから企画した仮面ライダー作品。 本作以上に大人向けであり、「脊髄ぶっこ抜き」に代表されるかなりグロテスクな描写や性的なシーン、それまでの仮面ライダー像から逸脱した生物的なデザインのライダー、陰鬱でハードなストーリーなど良くも悪くも新しいアイディアが随所に盛り込まれていた。その真意は、タイトルに「真の」が付く様に仮面ライダーのテーマの1つである改造人間の悲哀や望まぬ力を得たバケモノの物語として展開を予定しようとしていたらしい事に由来する。本作同様に初代仮面ライダーの根っこのテーマに正面から向き合った作品の一つである。 一仮面ライダーとしての名称は『仮面ライダーシン(ただし、作中で直接的には明確に呼称されていない)』。


原典の1つ(上記のTV版との関係はいわゆるメディアミックスであり、こちらに原作という表現を用いるのは誤り)。

一部の展開やシーンにこちらを想起させるものがある(暗く社会風刺的な面もあるストーリー、苦悩する本郷猛など)。

アウトラインがTV版なら、味付けは漫画版といった所だろうか。

しかし、こちらの本郷猛もTV版に負けず劣らず、前向きでアクティブな一面が見られる。


こちらも初代仮面ライダーのリメイク作品であり『TheNEXT』に関してはレイティングPG-12指定であるが、デザインが現代的に大胆にアレンジされ(ライダーデザインは今作と同じ出渕氏が担当)、『NEXT』では『V3』の要素が追加されたりと、本作品との方向性は大きく異なる。

『シン』のスタッフも本作の存在は少なからず意識しており、特にライダーのデザインは「リファインはあちらですでに完成してしまっている」と発言するなど、差別化に苦心したことが窺える。


ライダーの質感、「変身」の仕組み、ショッカーや周辺組織の構造、ある人物の正体など、原典同様に本作への影響が見られる作品。


原典である『仮面ライダー』以外の作品からのオマージュやパロディも大量に含んでいる。


上記のようないわゆるアニバーサリー的な作品ではないが、平成ライダーシリーズの中でも人間と怪人の抗争を巡る一際ダークなドラマ性が高いことで知られる。庵野監督は本作の大ファンであることを公言しており、制作会見でも「平成で一番最初にハマったのは555。555はかっこいい、素晴らしい」と作品愛を隠す事なく語っていた。また、『555』では何らかのメタファーとして「青い蝶」がたびたび描かれるが、本作においても青い蝶はとある登場人物における重要なキーワードとなっている。


予告映像編集


関連タグ編集

石ノ森章太郎 庵野秀明

仮面ライダーシリーズ

令和の昭和ライダー


シン・仮面ライダーイラコン


仮面ライダー映画シリーズ

仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル→(本作)→仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐


外部リンク編集

『シン・仮面ライダー』公式サイト

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