モーティス(バンドリ)
もーてぃす
「我、死を恐れる勿れ」
CV:渡瀬結月
バンドユニット「Ave Mujica」における若葉睦のステージネーム。ユニットではギター担当。
アニメ『It's MyGO!!!!!』第13話の劇シーンでは他の4人と同様に持ち主から捨てられた人形。常にオブリビオニスのそばにいて、彼女を「お姉様」と呼んでいる。
極めて無口で、劇中ではオブリビオニスと手を繋いで登場したり、彼女から髪を櫛でとかしてもらったりと、睦の本来の性格やオブリビオニスの演者・豊川祥子と近しい間柄が反映されたようなキャラクターとなっている。
1stライブ「Perdere Omnia」での劇シーンでは、滅びた世界が眠るように安らいでいることに喜びの涙を流すという、自身の名前を彷彿させる振る舞いを見せている。
当初は「モーティス人形」として登場していた、睦のイマジナリーフレンド、あるいは別人格。
モーティス曰く『ずっと昔から睦といた』とのことで、Ave Mujicaの誕生によって名前を得た。
武道館ライブで仮面を剥がされたことで、睦の厭う『芸能人の娘』として注目される状況により、精神が疲弊。更に仙台駅での口論で、CRICHIC解散時のトラウマがフラッシュバックし、追い詰められた祥子に罵られたことで深く傷ついてしまう。それによって睦は深い眠りにつき、モーティスが表に出てくることとなる。
睦自身の人格はモーティス曰く「深い眠りについている」が、時折モーティスの仮面に覆われていなかった左目のみから涙を流す描写がある。
人見知りでコミュニケーションが大の苦手だった睦とは対照的に、明るく社交的で、演技と話術に優れている。不和の目立ったバンドも、彼女の登場後は、祥子の知らないところでメンバーと話し合って仲を取り持ち、和気藹々とするようになる。
だが、笑顔の裏では相手をいいように利用したり、嫌いな相手に嬉々として精神攻撃を加える等、底冷えするような不気味さがある。
圧倒的なパフォーマンス、軽快なトークでAve Mujicaを更なる成功に導く一方で、睦の心が壊れる原因となった祥子は嫌いと公言している。
CRYCHIC結成時の祥子の言葉を暗唱して彼女のトラウマを煽ったり、Ave Mujicaの人気上昇には効果的でも、祥子の方針には真っ向から反する行動を繰り返すなどしている。
策謀にも優れ、「祥子の一番傍にいたい」という初華の願望を察した上で、言われて一番嬉しい言葉を的確に突いて機嫌を取って懐柔するような描写もある他、傍観者的態度であった海鈴からも「居場所がほしい」という願望を聞き出し把握している。
このようにAve Mujicaの人気やメンバーの雰囲気も変えるという睦には決して出来なかったことをやってのけたが、モーティスにも弱点はある。それはギターが弾けないこと。(ギターを弾いていたのは『睦』であり、見ていただけのモーティスはギターを触ったことすらないため、当然のことではある)
このことを悪びれずに言い放つ、今までの睦からは有り得ない態度に祥子は彼女と二人きりで話すことを決める。
祥子「何考えてるんですの!?。
頼んでないアドリブで演奏を滅茶苦茶にした挙句、
今度は弾かないですって!? あんなにもギターを大事にしていたのに!
あなたの事が分からなくなりましたわ!」
モーティス「Ave Mujicaの為だよ?」
祥子「ッ!?」
モーティス「祥子ちゃん言ったよね?
『全部、わたくしに言わせて!』って。
だから、祥子ちゃんの代わりに皆と話したの。
初華ちゃんも、海鈴ちゃんも、にゃむちゃんも皆、Ave Mujicaの事が大好きだよ。
このままの方が一生一緒にいられるよ? 祥子ちゃん」
祥子「何、訳の分からない事を……」
モーティス「本当に分からないの?
祥子ちゃんがバンドにしがみついてるのってそういうことでしょ?」
祥子「………ッ!?、睦はわたくしをそんなに風には呼びませんわ……
4話中盤では、「祥(さき)」「祥子ちゃん」という呼び方の違いを祥子に指摘され、とうとう自身の正体を語る。
モーティス「睦ちゃんは死んじゃったよ?
あ、間違えちゃった。死んじゃったみたいに寝てるんだよ?」
睦が眠りにつき、自身が現れた原因が祥子であることを突きつけ、嬉々として徹底的に精神攻撃を加える。モーティスの言葉に祥子が「ふざけないで!」と言うと、満面の笑みから突然無表情に切り替わり、さっきとは似ても似つかぬ低い声色で
モーティス「私は真面目」
狂気的な笑みを見せ、祥子を戦慄させている。祥子から事情を説明するように言われたモーティスは語り始める。
モーティス「私の名はモーティス。
ずっと昔から睦ちゃんとお話したり、お人形で遊んだりして
楽しく暮らしていました。
ギターを弾くようになった睦ちゃんは、これが苦しみの始まりとも知らずに
ある日、苦しくて眠ることも出来なくなった睦ちゃんは助けを求めて、
必死についてゆきました。
ところが、いつも自分の事ばかりの祥子ちゃんは睦ちゃんを酷く罵ったのです……」
━━どうしてですの!?、どうして味方になってくれないの!?
モーティス「こうして、深く深く傷ついた睦ちゃんは
深〜い深〜い眠りについてしまうのでした。
だから、私は"祥子ちゃんが嫌い"。
安心して、睦ちゃんと睦ちゃんの大好きなバンドは
私が守るから♪ でも……」
祥子へと近づくモーティス、それに睦の姿をした別の誰かへの恐怖と自身がバンドに誘ったばかりに睦を壊してしまった事実からか、祥子は身を竦める。モーティスは戯けた口調で
モーティス「こんな祥子ちゃんじゃ、睦ちゃん
二度と目覚めないかもね♪」
祥子「ッ!?…………………」
祥子はモーティスに睦に犯した自身の咎を提示され、絶句。
しかしモーティスがギターを弾けないことがきっかけとなってメンバーの不和が起こり、解散の話が出た際は、それまでの底知れない不気味さが嘘のように動揺する。睦のギター音源も無く、ギターボーカルの初華が睦のギターまで担当することは不可能。睦のギターが無ければ解散せざるを得ないという状況にまで発展。どれだけモーティスが説得しようともメンバーの意思は変わらず、解散宣言の際は大勢のファンの前にもかかわらず絶叫する。
睦の心が壊れたことで現れたのがモーティスなのだが、今度はそのモーティスの心が壊れかけているという、二つの人格双方にとって絶望的な状況に陥った。そして皮肉にも、モーティスという人格でもバンド解散の原因にもなっている。
その後はすっかり憔悴し、解散宣言から実に1ヶ月もの間引きこもり続けていた。未だ眠り続ける睦を取り戻すべく、靴が携帯電話に思える程に疲弊し、決して届くはずのない医者に連絡している(相手がいるように会話していたことから、幻聴まで聞こえている様子)ところを、睦を心配して訪ねてきたそよに聞かれてしまう。
睦の現状を知り愕然とするそよに、すがる想いで『そよちゃん……睦ちゃんを起こして…』と懇願した。
- ステージネームの由来は「Lacus Mortis(死の湖)」。
- 睦と「死」の関係については、CRYCHIC解散後もずっとそばにいた祥子に「壊れそう」と案じた際、祥子から「弱い私は、もう死にました」と反駁(はんばく)を受けるシーンが存在している。モーティスの口上が指す「死」とは、「自分が傍で支えていないと、祥子が自殺を選んでしまうのではないか(あるいは彼女の心が死んでしまうのではないか)」といったことだと思われる。
- 『TVガイド A Stars』vol.6の特集記事において、モーティスがメンバーの中で最も顔を覆う仮面をしている理由は睦の素顔は絶対に守るという祥子の気持ちの表れと柿原監督より解説されている。
- ライブ演出として、オリジナル楽曲「神さま、バカ」では、演奏中にモーティスがオブリビオニスに寄って、オブリビオニスがモーティスの肩をポンと叩くという、祥子と睦の関係を反映させた演出が行われる他、ドロリスとは同じギター担当であり初華が祥子と幼馴染である共通点からか、背中合わせでの演奏(オリジナル楽曲「ふたつの月 ~Deep Into The Forest~」、カバー曲「堕天」)や対面演奏しながらの演奏(カバー曲「暗黒天国」「堕天」)と言ったパフォーマンスが行われる。また、前記の「神さま、バカ」ではオブリビオニスの元に行くためにドロリスと立ち位置交代する際に彼女とハイタッチを交わしている。
- 人格によって得手不得手があるというのは現実にもあり、最も有名なのは24の人格を持つと呼ばれたビリー・ミリガンだろう。
- 彼も極限のストレスから逃げるために人格を作り上げたが、睦と同じように作り上げた人格に主導権を乗っ取られている。
コメント
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すべて見る- 弦奏詩
#1 モーティス
幻想は死に、人形たちは夢から目醒めました。 そうして彼女(わたし)たちは、ひとりずつになって現実に戻っていきました。 容赦のない、冷たいだけの現実へと。 それでも、もしも。 もしもまだ、彼女(わたし)たちに見られる夢があるのならば。 どうかみなさま、良い夢を―― ムジカアニメ四話の展開を見て、詩超絆の展開をムジカメンバーでやってみたらという電波が降ってきたので、とりあえず書き出してみました。 なので設定は四話終了時点でのものに準拠します。 この先いろいろ衝撃の設定が出てくるかもですが、とりあえずは無視する方向でお願いします。 ちなみに今のところ5+1話の予定ですが、なんとか7話開始までに書き切ることが目標です。 じゃないと、春日影クラスの展開やられちゃうとこの作品書く意味なくなりそうなので、ね。6,249文字pixiv小説作品 - CRYCHIC
組曲:泡沫に睦ぶ、私の夢
もし、CRYCHICが続いていて、かつ睦にモーティスと似て非なる別人格が発現していたら。というテーマで書き上げた一連の5作品をまとめたものです。 4話放送に伴って泡と消える束の間の幻覚をどうぞ。8,544文字pixiv小説作品 - 弦奏詩
#3 アモーリス
かー、熊本弁ホンマ難しかー。全然うまく書けんばい。闇に飲まれよ!(違) アニメでRAS見たのもずいぶん前なので、マスキングの台詞回しも正直微妙な気もしたりしなかったり。 つか、一人称『オレ』のイメージがあったのでそう書いてたんだけど、他の人の作品見てみたら『わたし』だったので慌てて修正しました。 ……でも、正直マスキングは『オレ』の方が似合いそうじゃない? そう思わない? 思わない? あ、そうですか…… 後、にゃむちの状況ですが、本作ではテレビ進出することはできておらず、ただの動画配信者のままです。 いやあ、現実は辛い、健康に良くない! ですね(本編には微妙に使えそうもないので、ここで使ってみるヤツ) P.S. 海鈴ファンには失礼な描写をしてしまい、大変申し訳ありません。 すべてはにゃむちのせいということで、どうか平にお許しくださいませm(_ _)m14,359文字pixiv小説作品 眠れない夜、独りよがりな逃げ道。
モーティスの夢を見る、楽になりたかった祥子のお話。 多分モー虐です。暴力的な表現を含むので、苦手な方はバックでお願いします。 気づけばこういう話になっていたので癖なのかも知れません。特にどの辺が?は上手くいえないんですけどね。3,327文字pixiv小説作品