概要
心理学的には、苦しい、辛い感情体験を弱める・遠ざけるための防衛機制の一つの「逃避」に分類される。防衛機制は、外からの課題や内的欲求(また、それらによるストレス)に適応して健全に生きていくために必要な働きであり、決して悪いことではない。
- 退避…ストレスが起きそうな辛い状況、またそうなりそうな場面を避ける
- 現実への逃避…実際問題として起こっている困難とは無関係の活動に集中する
- 空想への逃避…現実から目を背け、自由な空想の世界で欲求を満たそうとする
- 病気への逃避…病気(実際に起こっている身体的な症状)を理由に困難から逃れる
「逃避」はこれらの4つに大きく分けられ、一般に現実逃避といったときには「現実への逃避」か「空想への逃避」を指すことが多い。
現実逃避はあくまでも一時的な効果しかなく、逃避した世界に浸ることは目の前の解決すべき問題、状況を先延ばしにするだけであり、根本的な解決には至らない上に、ときに事態を悪化させることに繋がりかねない。
現実逃避の活動で落ち込んだ気分を回復させ、新しい気分で物事に取り組めるのが理想的と言える。
手段など
人によってどんなことが現実逃避となるか(気分が紛れたり、ストレスを発散してリフレッシュできたりするか)は異なる。
ここでは、よく現実逃避やストレス解消の方法としてあげられるものを紹介する。
休む
飲食
愛でる
家事にいそしむ
運動、スポーツ
鑑賞
遊ぶ
創作、作業
(現実の問題とは無関係なこと)
消費活動
空想する
- 自分のことを素晴らしい、立派な人だと思って自分を励ます
- 写真や絵画を見て、旅行に行った気分を味わったりそこの住人になった想像をしたりする
- 昔の良かった思い出に浸る
- 自分の好きな作品や、自分の創作作品のアニメ化妄想をする、キャスティングを想像する
- イマジナリーフレンドやタルパなど現実にはいない相手と会話する、脳内会議
- 宇宙やはるか未来のことに思いを馳せる
- IFの世界について考える
感情、感覚的
- ぬいぐるみや布団をモフモフする
- 快適な温度を保つ
- アロマ、フレグランスなど香りで癒やされる
- 心地よい音(ホワイトノイズやピンクノイズ、ほかにもASMRなど)を聞く、もしくは雑音のない静かな空間で過ごす
- とりあえず辛いことを忘れる
コミュニケーション
- 信頼できる家族や友人、恋人など近しい人と会話して辛い気持ちを知ってもらう
- 正式な資格を持つカウンセラーのもとでカウンセリングを受ける
薬物の乱用、リストカットなど自傷行為も現実逃避の一種と言えるが、ストレスを発散して物事を解決させるための方法としては決して良い方法ではない。
もし今そのようなことをしている人がいたら、医療機関への速やかな受診・相談はもちろん、自分の体や心を傷つける以外の方法で、健全に現実逃避できるような行動を見つけてほしい。
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最後に…
「いくら夢の世界ににげても、さめたらみじめになるだけじゃないか!」