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アルゼンチンの作家ボルヘス(Jorge Luis Borges, 1899−1986)は、著作『伝奇集』のプロローグで、次のように述べている。 「長大な作品を物するのは、数分間で語りつくせる着想を五百ページにわたって展開するのは、労のみ多くて功少ない狂気の沙汰である。よりましな方法は、それらの書物がすでに存在すると見せかけて、要約や注釈を差しだすことだ。(中略)より論理的で、より無能で、より怠惰な筆者は、架空の書物にかんするノートを書く道をえらんだ。」(※) 本作品は、素人なりに上のアイデアを踏襲したものだ。とはいえ、ボルヘスのようにノートをまとめることができず、知識もエスプリもない、より愚かな筆者は、「作品解説」を書く道をえらんだ。すると残念なことにやや複雑な書き物になってしまった。「とある外国文学の、日本語訳版の最後に添えられた、訳者による解説」というのが『解説』の正体である。 本文中には、「作品解説」にふさわしい、すでに建設の終えたビルディングの構造を、建設する意義にまで立ち戻った非建築家が明らかにするときのようなテキストを目指し、また一方では、アカデミックなテキストを構成することを目指し、文章の信用を裏付ける数本の支柱を立てた。つまり、引用を行なった。引用した書籍は現実に存在するものもあるし、存在しないものもある。結果として、本文約6000字に対し注は9つとなり、硬性な情報らしくなったのではないかと感じている。加えて、実在する芸術家や絵画を複数登場させた。架空の絵画作品《夜の会議に参加する者たち》を文章の上で鑑賞していただくには、既存の絵画を思い浮かべてもらうのが一番だと考えたからである。 事実と虚構を反復し、大いに混乱していただければ幸いだ。 (※) J. L. ボルヘス作 『伝奇集』 鼓直訳、岩波書店、2017年、プロローグ、12ページ、1−7行目より。 本作品は某所に掲載したものです。投稿に伴い、加筆訂正を行ないました。7,413文字pixiv小説作品ボクは、何も知らない。【試し読み】
美術室の幻。 それは儚くて美しい姿で、ボクは魅せられ堕ちていく。 美術室で出会った二人の、美しくも醜い断片。 ⚠︎BL・性的表現がある作品となり〼 BOOTHにて【文庫本】【DL版】発売中です。 https://7arcoirisxxx.booth.pm/items/60854031,284文字pixiv小説作品【小説】宵越しの、あだ桜
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