概要
デッサンとは主に鉛筆やコンテ、木炭などの黒一色の濃淡のみで対象物を描いた絵のこと。またはその行為自体のこと。ただし簡単な彩色を施したりする場合もあり、必ずしも黒白モノクロのみで描かれた絵のみを指す訳では無い。基本的には鉛筆でM画用紙に描く所謂アナログでのデッサンが一般的だが、CLIPSTUDIOPAINTやPhotoShopなどのペイントソフトを使った所謂デジタルで描くデッサンもある。
解説
日本語では「素描(そびょう)」とも言い習わされる。美術教育や画業を志す人間にとっての基礎技術である「デッサン力」を養う、最も基本的な練習方法の一つ。基本的には対象物のありのままの姿を忠実に写し取る。(写し取る上で、‟形(輪郭)が正確に取れているか”、‟陰影が合っているか”、‟立体感が出ているか”、‟パース(遠近法)が合っているか”、‟質感が出せているのとモチーフと同じ質感になっているか”、‟目的に合わせて構図を考えられているか”、‟色のバランスが取れているか”、‟時間内に仕上げられるか”、など様々な技術を身につけることが出来る。)
また対象物の形と陰影に注目するため、通常は色を持たない「石膏像」や「骨格標本」などを対象物(モデル)に選ぶ事が多い。もちろん対象物に人間を選んだ場合はモデルに白塗りなどをせずにそのまま描くが、その場合でもよりモデルそのものが持つ形と陰影に注目するために、多くの場合はヌードデッサンで行われる。
デッサンは和製英語?
日本の画壇や美術界では「デッサン」と普通に称するが、日本以外では「デッサン」という言葉や概念はない。日本語のデッサンに当たる物は通常、英語などでは「ドローイング(Drawing)」と言い。敢えてデッサンと言った場合には、普通は「デザイン全般」の事を指す。語源自体もフランス語の“Dessin”であり、意味もそのままに「デザイン(Design)」の事である(線画や写生といった意味合いは無い)。
受験デッサン
また日本の美術系の専門学校や大学などの入学審査では、ほぼ必ずこのデッサン画(素描画)の提出ないし実技テストが行われるが、やはりこれも日本美術界のみでの特殊な習慣で、近現代以降の日本以外の国では通常は「色彩感覚」や「独創性」など見るために、自作のポートフォリオ(Portfolio)の提出を求められ、その善し悪しで判断される。作品形態自体も指定される事は希で、どういった表現をするのかまで込みで審査の対象となる事が一般的。
日本語としてのデッサン
画業に携わる人間のみならず、一般的にも「デッサンが狂っている」と言われる事が多い。この場合は「その対象物があるべき本来の姿を保っていない」という意味で用いられる。
例えば人間を対象物として描いた絵の場合、左右の手の長さが極端に違っている場合は、往々にして「この絵はデッサンが狂っている」などと言われる。また時折、人の美醜を表す婉曲表現として「彼はもうちょっとデッサンが整っていたらモテるのに」などと言う。
デッサンの種類
画材
描く対象
デッサンと同じ意味を持つ言葉(国によって違う)
関連イラスト
静物デッサン
人体デッサン
人物デッサン
石膏デッサン
その他の題材。
彩色されたものもある。