脳内会議とは、漫画的表現の一つである。
概説
人間、生きていると思いがけない場面で苦悩することがある。
そんなときに人は、自身の思考回路を全回転させ、様々な知恵を絞ろうとする。
これを擬人化し、表現したものこそ「脳内会議」である。
会議の風景
基本的には「思考する当人が複数人に分身して議題を論議し合う」というもの。
大抵は背景もない殺風景な空間で行われ、場合によっては椅子も机もなく、立ったままかその場で座っているかして、会議は進行していく。
会議の動向
そもそも参加者を脳内で増やしたところで、発想元は多重人格者でもない限り一人の人間なので、大抵「あぁでもない」「こうでもない」と揉める風景が描写されているうちに、現実世界で事態が進行し、議題の解決が追い付かないのがよくあるパターンである。
会議の円滑な進行
かといって脳内会議が妙に円滑に回り出すと、それはそれで一種の負けフラグである。
先ほども言ったように、会議に参加しているのはあくまで“思考する当人の分身”たちなので、思考者当人と趣味・嗜好・思考傾向はほぼ同一だ。
特に思考がまとめ切れずいよいよ行き詰まってくると、「如何にも妙案に思える発想」に脳内議員達が群がり、大して熟考もせずに可決されてしまい、凡そ碌な事態にならない。
主な脳内会議の実行者および実行シーン
- 花中島マサル
- 『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』の主人公の秘儀「マサル会議」。開始されると複数人のマサルがちょっとした小話合戦が始まり、フィナーレには607人で飴の摑み取り大会を催すというカオス空間。
- アンヌ・リトシュタイン
- 『ティアムーン帝国物語』の登場人物。主人公の専属メイド。重要だと感じた事案を熟慮する際、脳内にデフォルトされた自分が8人出現し、軽いノリで短時間議論して結論を出すというアニメオリジナル演出が数回あった。なお、脳内会議をする自分達はアニメのOPにも登場している。
- うまる会議
- 『干物妹!うまるちゃん』のアニメOPに登場するシーン。脳内会議の一種だが、まったく会議していない。
- 大槻班長
- 『カイジ』シリーズのスピンオフ『1日外出録ハンチョウ』の主人公。脳内では大槻長の下、無意識に様々な国の扮装をした大槻達を集めグルメ首脳会談「大槻脳内サミット」を開催し、その日の食事はどの国の料理にするかを決めている。採用回数の多い日本大槻や中華大槻、フランス大槻やトルコ大槻、スペイン大槻、タイ大槻、採用回数は少なくとも存在感のあるアメリカ大槻等がいるが、イギリス大槻は採用数ゼロであり(本体である大槻がイギリス料理をフィッシュアンドチップスしか知らないためだと思われる)扱いが悪い。そして何処の国だが分からない少年大槻が現れるが、本体の大槻に料理の知識が付いてブルガリア大槻に任命された。
- 時たま中国大槻が分裂し、その日に食べる中華料理を決める「大中華喰台祭」が開催される。北京、広東、四川、江蘇、薬膳、飲茶など多岐に渡り、大槻が中華料理に関する新たな知識を得るたびに分裂する数も増える。
- 会議のメンバーのほかにも大槻を若いOLにしたような姿で「女子な部分」を司る女子大槻、会議場を制圧し深夜にコンビニ飯を食わせる集団コンビニ大槻が存在している。
- 特定の食(肉、スイーツ、激辛など)への欲望の化身として禍々しい怪物の姿をした邪神が存在する。邪神は脳内大槻と違いある種のイマジナリーフレンドのようなものとして大槻自身にも認知され会話もしている。
- カタリナファイブ
- 『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』の主人公カタリナ・クラエスの脳内会議メンバー。各員の役割やキャラがしっかり決まっており、上に比べればしっかり会議しているが、呼ぶ側も飛ばれる側も同一人物なので名前がゲシュタルト崩壊しがち。
- 四宮かぐや
- 『かぐや様は告らせたい』の主人公でありメインヒロイン。極度のストレスで人格分離を起こしており、パニックに陥ると「脳内法廷」と呼ばれる思考空間で分離人格による緊急会議が始まる。
- 邪神ちゃん
- 『邪神ちゃんドロップキック』の主人公でありメインヒロイン。ある日の夕食のメニューをカレー、ハヤシライス、ビーフシチューの3つから選ぶ時、脳内ではオリジンの他に、コマンダー、ファイター、ジーニアス、SJ(スーパージャイアント)、エスプ達が協議した結果、ハヤシライスに決定した。
- ボーボボ
- 『ボボボーボ・ボーボボ』の主人公。連載開始前の読み切り版の第3話「ボーボボと首領パッチ」にて、土下座して許しを請う毛狩り隊Fブロック隊長キラリンの処遇を巡って脳内会議を行った。その規模は異常で、裁判長役を務めるボーボボを取り囲むようにスタジアム型のテーブルが何列も設置され、番号の付いた座席(103と206が確認可能)に大量のボーボボ達が座っている。
- ゴーハ・ユウナ
- 『遊戯王ゴーラッシュ‼』の登場人物。54話にてデュエル中、脳内の色とりどりの自分に後ろめたい部分を責められ、反省し発起するが的外れだったので脳内会議空間から弾き出された。その際「自分会議に失敗しましたわ…」という迷言を発した。
- 脳会議
- 健康系バラエティ番組『回復!スパスパ人間学』の1コーナー。脳の働きを全身タイツ姿の芸人たちによる会議という形で表現したもの。議長として行動の最終決定を下す前頭葉、欲望を司り常にバナナを食べてる視床下部、天秤を持ち好き嫌いで物事を判断する扁桃体、記憶を司る眼鏡をかけたデータキャラ海馬の4人。
- 門藤操
- 『動物戦隊ジュウオウジャー』の登場人物。思い悩むと彼をジュウオウザワールドに改造するため利用された3人のジューマンが現れる。鰐男は操に対し肯定的な意見、狼男は否定的な意見を出し、犀男は中立。
- ちなみに彼らは幽霊の類ではなく操の妄想であると直々に明言している。
多重人格者による脳内会議
- 仙水忍
- 幽遊白書の登場人物である仙水忍は、仙水忍(主人格)が精神崩壊を防ぐべく生まれた別人格と合わせて7人の人格に分かれている。役割は戦闘・非戦闘枠で大きく分かれており、中には女性人格のナルも存在する。
- なお、アニメ版にて魔界での戦闘中に描かれた七人の人格たちの会話シーンにおいて、「本当は誰よりも人間界を愛しているはずだ」と反論した人格がおり、発言内容や様子などから、ユーザーからはこの人格がナルではないかと推測されている。
- 刃皇
- 『火ノ丸相撲』の登場人物。何か考え事をする際に人格の異なる複数の自分が一同に介して「刃皇会議」を行う。なお、このヴィジョンは自分だけでなく他人にも影響を与え、取り組み相手を脳内空間に引きずり込む「刃皇裁判」も発動できる。
- キャプテン・ネモ
- 『Fate/GrandOrder』の登場人物。分割した思考そのものを分身「ネモ・シリーズ」として召喚できる。
関連イラスト
関連タグ
天使と悪魔(同じく「内心の苦悩・葛藤」の漫画的表現法。こちらは概ね「善or悪」「秩序or自由」などの2択として描かれている)