四宮かぐや
しのみやかぐや
「お可愛いこと……」
総資産200兆、四大財閥の1つと称される「四宮グループ」の本家本流のご令嬢。
生徒会長である白銀御行とは日頃から周囲の生徒たちに関係を噂されており、かぐや自身も憎からず思っていた。
だが、向こうが跪き身も心も家族さえも捧げるなら自分に見合う男に鍛え上げてやらなくもないと上から目線の受け身で居続けた結果、半年もの間何も進展がなかった。
それによって「付き合ってやってもいい」から「何としても相手に告白させる」へと思考が変化していき、長きに渡る恋愛頭脳戦の幕が上がることになる。
表向きは常に淑やかな令嬢として振る舞うが、基本的に人に善性を期待しておらず、「自分にとって得か損か」を真っ先に考える現実主義者。
血筋と優秀な能力があり、芸事、音楽、武芸全ての分野で華々しい業績を残した正真正銘の天才である。
四宮家の教育方針の影響もあり、他人を見下したり(家柄や見た目、能力についての差別などはしていない)、目的の為なら汚い手段を時に使うことも厭わず、自身の財力を利用することにも躊躇がない事もある。「敗北も処世術のうち」と考えているため、勝負事に本気を出したことはあまり多くない。
行動理念は損得勘定が基になっており、ボランティアなどの自分に得の無いことは基本的にやらない。自身の性格の悪さが最大のコンプレックスであり、その性格の悪さが白銀に受け入れてもらえないと思ってる事から、なかなか告白できないでいる。
慎重かつ計画的な作戦を得意としており、用意周到な準備をした上で、相手の先手を封じていくタイプ。恋愛頭脳戦の舞台となる生徒会室には、御行をあらゆる角度から追い詰めるための数々なアイテムが常備されている。
上記の屈折した性格故なのか、御行のように優しさを損得勘定度外視で差し伸べられる者には憧憬と敬意を抱き、同じ時間が共有出来る事をこの世の奇跡が如く尊び慈しむ。
他人を信頼できない一方で、プライドが高い故か目標や約束はきちんと守ろうとするなど義理堅い一面もある。
御行曰く、「自分に嘘をつかない」「誓ったことは何があっても守り通す気高い人間である」とのこと。
性格の悪さが特徴的ではあるが、人前で汚い言葉を使ったり、悪口を言ったりすることは少ないため、性格の悪さに気付いている人は少なかったりする。
弓道部に属しており、一般的な男子高校生が使う強さの弓を軽々引けるほど筋力は強く、中学時代は全国大会に出場した経験も持つ。(高校では全国大会の日程がクリスマスと被っている事から出ていない。)
柔道と合気道の有段者でもあり、作中で御行を投げたこともあるなど武芸にも秀でている。
だが身体はあまり強くなく、季節の変わり目には風邪をよくひく。風邪を引いた際は頭が回らなくなり、普段理性で抑えつけていた欲望が一気に露出してアホになる。
高嶺の花として長年過ごしてきたためなのか、性や恋愛に関することには全く無知であり、こと恋愛に関しては普段の優秀ぶりからは考えられないほどポンコツでピュアになる。
御行に接近され緊張のあまり倒れてしまい医者から「恋の病」と診断されても納得せずにセカンドオピニオンをしようとするなど、日々迷走している。
お願いですからこれ以上恥をばら撒く真似はやめてください
by早坂
また、極度のローテク派で、携帯電話はある出来事で破損するまで幼稚園から愛用したガラケーを使い続け、ゲーム機を「ピコピコ」と呼ぶなど“駄菓子屋のおじいちゃんレベル”と言われている。
御行の目つきの悪いところが大好き。というかフェチのレベルに達しており、極度の寝不足で目つきが一層悪くなったときは吐息を荒くして興奮していた。曰く、目つきの悪さを気にしているところが可愛いらしい。
ごめんなさいかぐやさん、たぶんそれ本物の愛じゃ無いと思います…!by柏木
反面、十分な睡眠時間を確保し、目つきの悪さが解消されて優男と化した御行と話している時は全くと言っていい程関心が無くなる。
一応、時間さえあれば受け入れる事は出来るが、それで他の女子が寄り付くのは心底嫌。
なお、白銀と出会った頃はその目付きが嫌いと豪語しており、後から身に付けた性癖である。
今でこそ物腰も柔らかくなり親しい友人も増えたが、つい1年程前までは比べ物にならないほど刺々しかったらしく、人間関係を拒絶し、御行とも互いに険悪な関係だった。
そのころからずっと離れずに友人でいてくれた藤原千花はかぐやにとっては今でも大事な友人であり、御行と同じくらいに大切に思っている(ただし内心ではたまに罵倒したり呪ったりしている)。
我々人間誰しもが当たり前に持っている、周りの環境によって変化する複数の外的側面。かぐやの場合四宮家の極めて厳格な環境のせいで別人格と見紛うほど強く分離、表面化している。普段のかぐやは以下のような要素が混じりあったものであり、その配分は体調や関わる相手によって異なってくる。
緊急事態には脳内法廷という裁判のようなもので複数のかぐやが対応策を模索する(あくまでデフォルメであるらしい)。
かぐや(氷)
四宮家の抑圧された環境下において、後述のアホを切り離し形成された内面。強い不安やストレスなどで表面化する。
四宮家の帝王学の申し子であり、他者を有用なのかそうでないのかでのみ判断する。小学校時代に名家の生まれ故の他者とのズレと、それに起因する他者からの敵意を受けた。
その結果人を嫌い恐れるようになり、人を傷つける前に自分から離れようとしたら他者に対し非常に攻撃的かつ猜疑的になった。生徒会に入りしばらく経つまではこの仮面が長らくずっと表面化しており、『氷のかぐや姫』と呼ばれていた。現在でも、自分や親しい者たち(特に御行)に対して有害な存在に対しては顔をのぞかせる。理性(イド)、攻撃性、臆病の象徴。
氷かぐやも参照
かぐや(アホ)
抑圧された環境下にて「いらないもの」と切り離された内面。強い安心感や風邪をひいた時などに表面化する。
生徒会に加入し、御行に恋をし、他者への興味と普通の女の子への憧れが生まれるにしたがって再発生した。最近は随分拡大している。長らく存在していない扱いをしていたので、かぐやもまだ上手く付き合いあぐねている。かぐやちゃんが幼くデフォルメされて描かれるのも、幼い時のまま成長できていないためだと思われる。氷が心を抑圧や疎外から守る仮面であるなら、こちらは他人を傷つけない、他人から嫌われないための仮面であると言えよう。
欲望(エゴ)、愛情、勇気の象徴。
氷かぐやの暴走により、全治一巻(単行本単位)の休止状態となった。
???
あるシーンでかぐやが見せたほんの一時のペルソナ・・・?
御行とキス寸前まで一度いったことがあり、そこから御行を強く意識しすぎるがあまり倒れて病院に運ばれた。その強すぎる意識を抑えるため"左頬を右手で触れる"というルーティーンを会得した。これによっていついかなる時でも即座に平常心に戻れるようになった。多用しすぎると効果が薄れると注意されたので会得直後は出来るだけ使わないようにしていたが、最近はちょっとボディタッチしただけでも使っている。効果がなくなる日も近い……?
※原作19巻までのネタバレを含みます
かぐやは父四宮雁庵とその妾、四宮名夜竹との間に生まれた。
つまり正妻の子ではなく妾の子。名夜竹はかぐやが幼い頃に亡くなっている。おそらく藤原が言っていた心臓の病気。
5・6歳の頃に早坂と再会(?)(かぐや曰く赤ちゃんの頃一緒だったらしい)し、かぐやの使用人として一緒に暮らすようになる。
初等部の頃(母親の7回忌の時)、親友と思っていた子にだけ話してた事が他人に漏れて、「妾の子だから家での立場がない」「妾の子だから可哀想」など母親をバカにするような噂がされていることを聞き、母親を馬鹿にされた事に腹を立てる。
そして早坂に本当に信頼のできる人だけを友達にしましょうと慰められたことから、かぐやは友達テストを行うようになり、そこで合格した者だけを友人にするようになる。
できない人の気持ちが分からない事や四宮家の異常な教育で氷の仮面ができてしまい、中等部の頃には周りから氷のかぐや姫と呼ばれるようになっていた。
他人を傷つけたくない想いから他人との交流を避けて、他人に近づかれないようにしていた。しかし藤原や白銀との出会いによって他人と交流するようになり、心境の変化に伴い髪型を変え髪を結ぶようになった。
氷かぐやも参照
- 白銀御行/恋愛頭脳戦の対戦相手にして想い人。
本人は御行に対する好意については否定しているが、実際は彼以外眼中にないというレベルで愛しており、最近では御行が好きすぎる余りに日常生活に支障をきたすこともある。
恋愛頭脳戦では彼を計略で追い詰めることも少なくないが、基本的には御行のことを第一に気遣う良妻気質(???「だれが妻よもう!!」)であり、御行を助けるためならば自身が汚れることも厭わない。
- 藤原千花/中等部以来の友人。
「氷のかぐや姫」と当時呼ばれ周囲から避けられていた中、かぐやから唯一離れず接し続けてくれた親友であり、御行に劣らず大切に想っている。ただし、新生徒会の構想で忘れていたり(書記は渚にしようと思っていた)、アホっ子モードの「かぐやちゃん」状態で好感度を聞くと石上よりも下だったりしている。
特に、白銀とイチャつく(ように見える)様を見せると、「あなたが明日死ぬとしても助けてあげない」・「さよなら藤原さん絶交よ」などと内心で毒づき、更には『人の姿をした家畜』・『プライドが無く他人に依存する事にばかり長けた寄生虫』・『胸ばかりに栄養が行ってる脳カラ』……散々である。
しかし、自分より藤原の方が可愛いと言っており、かぐやの可愛さ基準は藤原である。
- 早坂愛/四宮家の使用人でかぐや専属の近侍。乳姉妹。
主従関係ではあるが、幼少期から一緒にいたこともあり、深い縁で結びついた姉妹のような関係で、かぐやが素でいられる数少ない相手である。
恋愛頭脳戦にあたって、しばしば計略のためと称してワガママを押し付けている。
修学旅行の際に近侍を辞める事となったが、あちこち巻き込んだ大騒動を経て和解し、以降は友人として接している。
- 柏木渚/同学年の友人。
恋愛相談を受けたことをきっかけにして親交を深め、今では逆に恋愛相談を持ち掛けるようになるまでになっている。
- 四条眞妃/かぐやの再従姪孫(さいじゅうてっそん:かぐやの祖父か祖母の兄弟の玄孫)。
四宮財閥と敵対関係にある四条グループの令嬢。
同い年にもかかわらず親等と上述の関係故に自分を「おば様」と呼び、不遜な態度を取る「可愛くない子」だが、結局は違う思考アプローチで類似した解へ至る似たもの同士。
家同士の関係とは別に過去の出来事から長年不仲であったが、柏木のおかげ(?)で和解する。
- 石上優/生徒会の後輩。
当初は彼の勤勉さを評価しながらも「虫ケラ程度にしか思えない」としていたが、彼の抱える孤独と疎外感に共感を持ち、勉強の面倒を見たり、恋愛相談に乗ったりと面倒見がいい先輩としての一面を見せている(ただし手間を掛けた割に思ったより点数が伸びず、赤点ギリ回避だったことには激昂した)。
なお、かぐやちゃんの好感度は藤原よりも上。
- 伊井野ミコ/生徒会の後輩。
生徒会選挙では対立し、彼女が会計監査として生徒会に入ってからも、何かと間が悪い場面に居合わせることが多かった。そのため険悪な雰囲気が漂っていたが、現在では解消されている。
- 白銀圭/御行の妹。
家族関係が冷え切っているため長年妹が欲しかったかぐや。御行を篭絡するためにも彼女と親交を深めようとするが、なかなか進展していない。
実は向こうも兄のように奥手であった。
- 四宮雁庵/実父。
周囲からは親子関係が冷え切ってると思われがちだが、実の所すれ違ってるだけで父は娘を、娘は父をそれぞれ思いやっている。
- 四宮黄光/長兄。
女で子供であることから見下されている。典型的な昭和の人間で重度の男尊女卑主義者。
- 四宮青龍/次兄。
黄光の腰巾着で頭が悪いため印象が悪い。かぐや奪還戦で藤原と伊井野にやり込められた。
- 四宮雲鷹/三兄。
幼い頃から帝王学や社交界での立ち回りを叩きこまれるなど、その関係は家族というよりも師弟に近い。
とはいえ、兄弟の中でを唯一かぐやの意思を尊重している事から、多少は尊敬している。
フォトグラファーとなった後、【推しの子】の時間枠で彼女の撮影を行った。
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