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物語

帝愛グループの地の底、日本のどこかも分からない場所、そんな地の底と地上を結ぶのは1日外出券のみ。この漫画はカイジが地の底にくる少し前の話。

地下の強制労働施設で、1日外出券を使い、豪遊の限りを尽くしている者がいた。

その名は大槻。通称ハンチョウと呼ばれる者が一日外出券をまんべんなく使い、地上でどのような一日を過ごすのか、大槻のちっぽけな地上での一日が始まる。

概要

カイジ』シリーズのスピンオフ作品の第二弾。

キャッチコピーは「カイジの飯テロスピンオフ作品」であり、大槻班長とその仲間たちの地上での一日を描いている日常系(?)の漫画。元々は中間管理職トネガワの読み切りだった。

原作は萩原天晴、作画は上原求と新井和也が担当しており、原作者の福本伸行はあくまでも協力者という立場である。

24時間という「限られた自由」を、あらゆる知略を駆使して満喫するライフハック漫画である(当初はいわゆるサラリーマングルメ漫画の体で進んでいた)。

…まぁ彼の資金は、シゴロ賽を使ったイカサマチンチロリンや、誘惑した上でぼったくり商品を買わせるなどのアコギな方法で儲けた金なのだが。

わざわざスーツを購入してまで立ち食いそば屋で「昼間から酒を飲める成功者」を装って昼酒を楽しんだり、自分の中に沸き上がった肉欲(=美味い肉喰いたい!!という欲)の悪魔と格闘したりと多種多様な形で束の間の自由を謳歌する姿に、よく分からないけど何となく共感する層も多いとか。

しかし、本編ではあくどい商売でも今作では逆にネタとして納得できてしまうのがまた……

基本的には東京を中心とした街を外出先にするが、他にも名古屋や京都などの都市部、海水浴場やシーズンオフの海辺の町など様々な場所にも一日外出している。

行先自体の選択権はないものの、ローテーションを推測する形で大体の場所は事前にイメージ出来ているようである(または、地下施設の黒服のリーダー格である宮本と親しい仲になって以降は、彼を通して、行先を自由に選択できる様になっている可能性もある)。

尚アニメ版では、事前に希望した場所へ行けるようになっているらしい。

また、地下で自身が営んでいる売店の商品仕入れの為に地上に出る事もある為、道楽だけの外出とは限らない。

果ては夢か現実か、幽体離脱で沼川・石和らと地上に飛び出して外出を満喫する超展開もある。

なお、原作ではカイジが大槻の月収を72万ペリカと推測しているため、地下王国が同じ環境の場合は沼川、石和の3人で外出するだけで2ヶ月以上かかる

加えて外出中に食事や宿泊で使う金も自分で出す事になる為、それだけでも恐らく各員一万円以上(ペリカ換算で10万ペリカ以上)が上乗せされる。

読者からは「やたら外出してるけど、ペリカ持つのかこれ?」といった疑問があったのだが、一時連載休止の告知ではその理由が「実は度重なる外出でペリカを使いすぎた」というものであり、納得というのかなんとも…。しかも二度目の休載の理由がまたしても「ペリカの使いすぎ」である。

懲りてねぇ…このおっさん。

ちなみに連載も間隔を空けて行われている為、おおよそ外出に必要なペリカを貯めこんでいる設定にある意味沿っているともいえる。

この漫画はアニメ『中間管理録トネガワ』の放送枠をジャックする形で、14・15・18・20・21・22・23話(2018年10月)にてアニメ化を果たした。

何かしら他作品パロディが出る事がたまにあり、「(マンガ)讃歌」では談義の回をいい事にこれでもかとパロディをぶち込んでいる。

コミックスではさらにエピソード間のページに一コマのさらなるオチが描かれていたりする。

大槻一味の意外な側面等から、『ハンチョウ』を読むとカイジの地下チンチロ編(特に大槻らの末路)を読むのがつらいという評価もあるとか…?

作中に出てくる料理を食べたくなった読者の為に公式レシピ本『1日外出録ハンチョウ公式男めしレシピ』が2024年9月5日にコミック19巻と共に発売された。第150話までの中から厳選されたグルメ(を再現するためのレシピ)とエピソードが掲載されている。描き下ろし漫画も収録。

カイジのスピンオフシリーズにおいて、完結した『トネガワ』『上京生活録イチジョウ』と異なり現在も連載中である。

地下労働施設

概ね設定はカイジ本編に則っているが、娯楽が少ない故に時折変な流行が発生する。その震源は様々で、後述の小田切が仕切る「地下映画館」で上映された『ロッキー』の影響で筋トレブームが起きて労働者の大半がムキムキマッチョになってしまい果ては地下ボディビル大会が発生したり、謎のトレーディングカードゲームの流行と何かしら珍ブームや珍騒動がある。過去には何故かダチョウが意味もなく放たれたり、七夕前に設置された笹を当日に燃やす等、労働者がパニックになった事もあるとか…。

登場人物

本編にも登場した人物

CV:チョー

※カイジ本編での大槻は「大槻班長」を参照。

本作の主人公。チンチロやぼったくり販売でペリカを巻き上げる一方で、地上で24時間の中で有意義に楽しむことを目的に外出を堪能する道楽家な面を持つ。本編でも見せた狡猾な面はもちろん、人心掌握術にも長けている。かなりの食道楽で料理の腕もなかなかのもの。

詳しくは当該記事参照。

CV:佐藤拓也

大槻の腰巾着その1。

縛った長めの髪が特徴。本編では参謀役であったが、ハンチョウでは大槻や石和の奔放さに振り回されたりツッコミを入れたりする苦労人。当初は一日外出に慣れていないのか、いざ何をしようか思いつかなかったりして大槻の器用さに合わせて外出している。

作中では宮崎県出身で実家は酒屋を営んでいる設定になっている。歳の離れた弟・大生がいる。好き。

ちょっとした切っ掛けで物事にハマる癖があるようで、地下にあった漬け物の作り方の本をたまたま読んであらゆる漬け物に対するチャレンジ心が目覚めてしまい、大槻を軽く引かせてしまったことも。ちなみにその漬物は帝愛No.2である黒崎に食べられて、全て持って行かれてしまった。余程その漬物が美味かったようである。

また変に気難しい部分もあり、キャベツの千切りを味噌汁に浸して食べるところを大槻達にからかわれた時はかなりヘソを曲げてしまったり、元同級生の黒木に東京を案内した時も無意識に都会慣れを気取っているのではと自己嫌悪に陥ったりなどしている。

宮崎県出身のため大槻達とカルチャーショックを受けることが多く、大判焼き蜂楽饅頭(ほうらくまんじゅう)」と呼んでいたと言って唖然とさせたり、チューペット「パンちゃん」と言って冷やかされたりしていた。

進撃の巨人は10巻までしか読んでいなかったが、大槻に打ち明けた後の外出で全巻読破に成功した。

実は作中で最初の石和の誕生日を迎えるまで、石和の下の名前を知らなかった。

推定年齢は35歳(17話時点)。

CV:松岡禎丞

角ばった顎とヘアースタイルが特徴。大槻の腰巾着その2。

本編では大槻の用心棒的な存在だったが、ハンチョウでは大雑把なおとぼけキャラクターになる。性格は楽観的でおおらかになっており、滅多に怒ることはない。沼川は「俺はもう慣れました」と苦笑していたが、イビキや歯軋りがかなり激しい。

食に関しては大味で、これといった拘りが無く、とりあえずガッツリ食べれるなら何でもいい様子。作中でも傍らでなにか食べている描写が多い。ブルボンのお菓子の中では、エブリバーガーを一押ししている。一方、スーパー銭湯の食堂でおすすめ御膳の良さを説く大槻に感心しながらデミハンバーグ丼を食べる、遊園地でみんながホットスナックを食べている中カツ丼を食べる、牛丼が食べたいという本人の希望で牛丼屋に入るも炭火焼き鳥丼を注文する、大槻がチキンカツ人気の不遇について語った際にチキンカツが好きである事をしつこく明かす等どこかズレた様子も多い。大槻も料理や食べ方は個人の自由と思っていながらもどこか腑に落ちない様子を抱いている。

幕末ファンであり、実は大槻も大の幕末好きで意気投合した一日外出を行った事がある。意外と涙もろい他、実家が海の近くだったことで釣りに造詣が深い。将棋も中々の腕前を持つ。

実は沼川と同じく自分の誕生日を迎えるまで、沼川の下の名前を知らなかった。なお、沼川に下の名前を教えた際、「『薫』って顔じゃない」と全否定された。

初恋の人はまさかのナウシカ

推定年齢は34歳(17話時点)。

  • 小田切(おだぎり)

CV:前野智昭

地下労働施設のC班班長で大槻のライバル。

本編では、大槻のチンチロのイカサマを見破ったカイジを腕尽くで組み伏せようとした大槻一味に第三者として詮議を申し出たり、その後のチンチロ勝負における事実上の審判役を請け負うなど、中立の立場を貫きながらも、結果的に大槻を破滅に至らしめるのに助力する形となった。

ハンチョウではタブレットPCにダウンロードした映画やドラマを上映する「地下映画館」やそれに便乗させた大槻と同様のぼったくり販売でペリカを稼いでおり、大槻とは度々しのぎを削り合っている。

大槻は三匹の子豚に例えて手堅い商売をする小田切を「レンガの家」で自分は安い元手で楽に商売する「藁の家」と評していたが、本編の展開を考えるとあながち間違いでもない。

とはいえ、大槻達の「マンガ談義」「恋バナ」に入ってくるあたり「わかる話」には食いついてくる模様。また、大槻と新作・名作・人気作の映画や漫画のネタバレ合戦というくだらないやり取りも行っている。

帝愛グループの最高幹部の一人。

本編では後述の利根川の失脚後、帝愛No.2の地位にまで昇格した傑物。大槻がカイジにチンチロに負けてゴネているところに現れて仲裁に入り、大槻のシゴロ賽を最大限活用するための改変チンチロルールを褒めつつも急所である「ピンゾロ」への対策を怠ったことを論し、カイジの立てた戦略に自身が絡め取られたことを認めさせた。その後、大勝したカイジの外出権の権利を特例として認めた。

ハンチョウでは、地下労働施設に視察で訪れた際、沼川が作っていた漬物を見つけ、一口食べて美味かったためすべて持って行った。ちなみに、大槻は外出していたため、会わなかった。

不定期に行われる新たに地下に送られる債務者達に対して各班長が債務者達のうち3人を選んで要望する労働者配属希望会議では、上層部が最下層の労働者の意見を聞いているという形だけで実際は要望通りにならない会議の実態に勘付いた大槻が、敢えて誰も選ばなそうな不人気の債務者を選んでより良い人材を配属させようと目論むも、要望書を見て実態に気付いたことに感心した黒崎が、ご褒美(という名の嫌がらせ)で本当に要望通りに配属させた。

帝愛グループの最高幹部の一人。同じスピンオフ『中間管理録トネガワ』の主人公。

本編では、カイジに立ちはだかった敵の一人として登場。最終的にカイジに敗れて失脚する。

ハンチョウではセリフ無しのチョイ役で登場するぐらいだったが、トネガワの方で大槻と共演する。

デカ盛りで有名なカツ丼屋「かつ澤」に訪れた大槻が、迂闊に大盛りのカツ丼を注文して超特大サイズのカツ丼が出て来て戸惑っていた際、偶然隣に利根川が座っていた。利根川も以前、大槻と同じく大盛りを注文して(完食したものの)酷い目に遭ったため、今回は一般的な並盛りのレディースを注文していたが、完食した時の写真が飾られていたため、大槻が助けてもらおうとするのを拒否する。しかし、タイミング悪くレディースのカツ丼が来てしまい、それを大槻にバカにされたことで自身も大盛りに変更して競うように大食い対決を行った(が、今回はどちらも完食出来ず)。

帝愛グループの裏カジノの店長。同じスピンオフ『上京生活録イチジョウ』の主人公。

本編では、上司である黒崎の影響力と持ち前の優秀さで徐々に頭角を現し、入社7年目にして裏カジノの店長に抜擢され、裏カジノの目玉である巨大パチンコ台『』を編み出している。

ハンチョウでは、帝愛に就職する前の下積み時代の頃、ファミレスのバイトとして登場する。

ファミレスで深夜のバイト中に、大槻達が来店。深夜なのに騒がしい大槻達に苛つきつつ、それを近くの席でじっと見つめている堅気に見えない黒服に戦々恐々としていた。だが、大槻達の会話を盗み聞きしている最中、「ペリカ」などの聞き慣れないワードに困惑し、さらに黒服が大槻達の知り合いだったことに驚愕し、帰り際に睡眠薬をもらって車に乗った大槻達に状況が追い付かず茫然としていた。

帝愛グループ傘下企業「遠藤金融」社長。

本編では、カイジがギャンブルの世界に足を踏み入れるきっかけとなった人物。

特別編『1日外出録マキタ』に1コマだけ登場する。

外出録オリジナルキャラクター

黒服

CV:増田俊樹

地下E班監視リーダーの黒服。

当初は大槻の地下でのやり方に不信感を持っていたが、ある事で意気投合。それ以来大槻一味と交遊を深める仲にまでなってしまった。

誕生日の時点で30歳を迎え、現在は32歳。

  • 柳内(やなうち)

初老の黒服の一人だが、他の黒服と違い料理が趣味の持ち主であり、あの舌が肥えた大槻でさえも舌を巻く程の腕前を持っている。それゆえモノローグでは「鉄人・柳内」と称されている。特に蕎麦に関してはプロ顔負けのレベル。初登場は第23話「年越」で年越し蕎麦を「十割蕎麦」として打っていた(帝愛の意図とは関係なく、あくまで自分の趣味で)。

後に地下労働施設の食堂の厨房に配置された所、それまで味気ない地下の食事に手の込んだメニューを出して以降、地下の住人達に「飯屋の救世主(メシア)」と密かに呼ばれる事となる。ちなみに殆ど感情を顕さないが、蕎麦の評判や厨房配置継続に密かにガッツポーズをする等料理にこだわりを持っている。

後に監視役への異動による配置転換の決定で地下の食事の質が再び劣化したが、後任の川井の料理に対する姿勢と熱意を知っており、大槻達に蕎麦屋で川井の成長を見守ってほしいと諭した。

なお、蕎麦にとどまらない食に関しての知識や蘊蓄は大槻以上らしく的確にオススメの蕎麦屋を教えている。

料理の腕と寡黙でクールな渋さを持つカッコよさから大槻には尊敬の念を抱かれている。

  • 牧田慎二(まきた しんじ)

黒服の一人で、二人の息子(長男・俊也、次男・弘樹)を持つシングルファザー。詳細は不明であるものの、妻とは離婚ではなく死別した模様。宮本の指導係だった。

国立科学博物館の年間フリーパスを持っているほどの科博愛好家で、大槻達が興味本位でそこに立ち寄り、全体の規模をまったく把握していない大槻達のあまりにも遅い歩みに我慢できず案内を買って出たことで縁が出来る。

二人の息子を大切にしているものの帝愛のハードな仕事で度々遊ぶ約束などを反故してしまうことに申し訳なく思っており、出来るだけ要望を叶えようと奮闘している。また、帝愛内では、宮本ら同僚や後輩達から頼られることが多く、帝愛のメンター(若手をサポートする先輩)としての役割を担っている。

それゆえか世話焼きな面があり、科博の件から始まり、木村のデート用の服選びで趣旨を間違えている彼を見兼ねて自らコーディネートしたり、ゴルフ初心者の大槻達が適当にゴルフの打ちっ放しをするのに耐えかねて指導(大槻達はそういう「教え魔おじさん」を呼ぶために敢えて大げさに振る舞っていた)したりしていた。帝愛内でも面倒見がよく後輩や同僚から相談を受けたりすることが多いため、頼りにされている。

  • 川井(かわい)

黒服の一人で、元パチプロ。タラコ唇に無精ひげ。

柳内の後任で地下の給食長に配置された。配置換え当初は柳内の料理に比べれば差は大きく、「繊細さのかけらもない」「料理のりの字も知らなそう」と大槻らには称されたが、出汁取りのコツを柳内に聞くなど熱心な気概を持ち、柳内の意志を継ぐ男。後に新型コロナの影響で一時感染予防のため地下労働者が自炊することになった際も、コスパのいい訳あり食材や調味料などを手配していた。

一方でアニオタな面もあり、後に『鬼滅の刃 無限列車編』を観たことによる「鬼滅ロス」で仕事に手が付かなくなり、一時期著しく料理の質が落ちて(おかずが大根おろしやせんべい、特に酷い時にはご飯がおかずになったことも)労働者達が悲鳴を上げていた(ちなみに、大槻達はその理由が分からず、宮本から一年以上付き合った彼女と別れたと聞いてその所為だと思っていた)。その後アニメ熱が再燃、『魔法少女まどか☆マギカ』や『steins;gate』、『CLANNAD』を改めて見直そうとしていた。

  • 菅結弦(すが ゆづる)

若手の黒服の一人。宮本達からは「ガースー」と呼ばれている。実家暮らしで、両親と姉の四人で暮らしている。

宮本や牧田のことを人一倍尊敬しているが、彼らと仲が良い大槻のことは毛嫌いしており、高圧的な態度を取っている(もっとも、宮本や牧田の方が大槻らと距離感が近すぎるのであって本来は菅の様な対応が黒服としては普通とも言える)。だが、逆に宮本に言葉が荒すぎると叱責されたり、とある理由で大槻達が実家に泊まった際、母親に対して乱暴な言動を取ったことで説教されたり(世話焼きな母親の言動による羞恥を誤魔化すために思わず取ってしまったが、実際は結構親孝行者である)等、不憫な目に遭っている。

時間優先のタイパ主義で、FIRE(「経済的自立と早期リタイア」という意味)を目指していたり、映画はネタバレ後に倍速で視聴している。

地下労働者

  • 板井(いたい)

地下労働施設のA班班長。熊本県出身。

大槻と同じく物販を始めている。実は既婚者だったが、自身の無配慮さが祟って離婚している。

現在は温厚だが、大槻曰く昔はギラついていて、殴り合いの大会を開こうとしたり黒服を盗んで脱走を企てようとして懲罰房に三回も入れられた過去がある。また、何故か地下に放たれたダチョウに追い掛け回されたことがある。

  • 岩田(いわた)

地下労働施設のB班班長。大分県出身。

大槻と同じく物販を始めている。売り上げはあまり良くなかったが、ルマンドの販売権を得た時は黒字にまで売り上げが伸びた。

過去に黒服に取り押さえられた時に肩を脱臼したことがある。

  • 瀬戸内(せとうち)

地下労働施設のD班班長。元イラストレーター。金儲けよりも楽しんでもらう事を重視するクリエイター気質。

自身がイラストした「アングラモンスターズカードゲーム」を作り、一時地下で大ブームとなったが、労働に支障が出るほど問題となったことですべて没収されてしまう。

その後、興味本位に漫画を執筆して労働者達にウケて、素人ながら出来の良さを見込んだ大槻が編集を買って出て漫画賞入賞を目指し、自作の漫画をちばてつや賞に投稿するためにヤンマガ編集部に持ち込んだ際には、落選するも一定の評価を得られていた。現在でも漫画賞入賞に挑戦中。

  • 田沼(たぬま)

地下労働施設の担当医。だが、実際は医者という立場の債務者であり、本当に医者なのかも疑わしい(医者としてまともな知識や腕があるかも怪しく、今では間違っている民間療法的な処置をしたり、虫歯になれば麻酔無しで抜歯しかねないとも言われている)。そのため、労働者達も極力彼に頼ることを避けている。

  • 青年労働者

大槻と同等かそれ以上のグルメな舌を持つ青年。本名は不明。

大槻と外出が被った際、大槻の一押しの店とメニューが悉く同じな上に、独自のトッピングで大槻も認めるほどの美味さを披露したことで一目置かれる。

作中ではほぼ無口で、表情も無表情(一応、嬉しそうな表情や驚く表情をしたことがある)。基本的に身振り手振りばかりで、作中でのセリフは訪れたラーメン屋で注文したラーメンが来た時の返事と外出後の地下での作業中に偶然出会った時に発した「あっ」のみ。

  • 山木(やまき)

C班班長の小田切の側近。

地下落ち前は荻窪エスニック料理店で働いていた元料理人。料理人としてのプライドが高く、食通で料理上手な大槻に対抗心を抱いている。

  • 黒木明(くろき あきら)

沼川の高校時代の元同級生。趣味はギャンブルで、特に競馬が好き。

沼川とは山本まさしという同級生が間にいたことで一時期一緒に遊んでいた仲だが、山本が転校すると自然に疎遠となっていた。

九州で地下落ちしてE班に配属した際、沼川と再会。沼川の懇願で45組に入らずに済み、そのまま沼川が指導係となった。当初はどこかよそよそしくギクシャクした関係が続いたが、沼川が競馬について尋ねてそれを熱く語ったことで打ち解けて仲良くなる。が、後に芸能プロダクションに勤めていた山本まで地下落ちして再会するが、芸能界について語る彼に話が合わなくなっている。

後に東京観光を目的に案内役で沼川と一緒に外出している。

その他

  • 女将

小料理屋「みゆき」を営む初老の女店主。本名は不明。

小さな居酒屋を一人で切り盛りしており、料金が安く細かく丁寧に仕上げる料理は大槻も満足するほど美味しく(大槻曰く「この一手間が案外、クズには出来ぬ」)、店を訪れた大槻や宮本達は常連となる。

  • 木村正一(きむら せいいち)

元地下労働施設の労働者。

バブル崩壊の時期、30歳過ぎで地下入りして以降、4半世紀近くも地下労働の日々を送り続け、13話で任期を満了し、地下から解放される事となり、その出所の付き添いを大槻に依頼する。人を疑う事を知らない純粋な性格であるが、何故か大槻達からチンチロのカモにされる事もなく、普通に友好的な関係を築いている。

地下落ちの間、一度も地上に出ておらず、情報も古新聞や古雑誌などで無作為に得ていた為か、服装やトレンドが地上と大幅にズレている(「おっはー」、「エアマックス狩り」など)。

地下から抜けた後は、交通整理の仕事をしながら、西武線沿いにあるアパートで暮らしていたが、その後正社員として雇用されると埼玉県の新座にあるマンションに引っ越す。たまに大槻達の一日外出の泊まるところ(通称・ホテル木村)となっては楽しい時間を過ごしていたりする。

独り身の寂しさから婚活に精を出しているが、上手くいっていない。一旦は諦めかけていたが、自らの不注意でトイレに閉じ込められる事故を起こしてしまったことで再燃する。ちなみに、その時は5、6時間閉じ込められていた模様で、大槻達が来なければ本当に危なかった

元労働者であるが、今は一般人になったため黒服達からはさん付けで呼ばれている。

推定年齢は53歳。少なくとも約20年近く地下にいたと思われる。

  • 沼川大生(ぬまかわ たいせい)

沼川の少し年の離れた弟。

沼川が地下落ちして以来会っていなかったが、自分が東京に転勤したのを機に会わないかとツイッターで連絡し、沼川が偶然見つけたことで会うことになる。沼川としては仲が良かったと思っていたが、幼少期には結構酷い仕打ちの数々(KOF98の全キャラの必殺技を再現しようとクッションを持たされてサンドバッグ代わりにしたり、スマブラでは、最強レベルのNPC2体を味方につけて初心者の大生をボコボコにして爆笑していた等)を受けており、今でも少し根に持っている。

その他

この作品の舞台背景となる時代は実のところ結構あやふや(※)で、原作の『賭博黙示録カイジ』が掲載されていた頃にはそこまで普及していなかった・まだ存在していなかったはずのガジェット(タブレットPC・ニンテンドースイッチ等)やサービス、マンガ談義で何故か大槻が同じヤンマガ掲載作品の『彼岸島』の「48日後」を知っている矛盾があったりする(同じスピンオフ作品の『イチジョウ』は明らかに現代に近い舞台設定)。

極め付けは第73話で、地上で新型ウイルス(直接明言されてこそいないが描写的にどう考えてもコレ)が流行った為、一時的に外出が禁止されるという時事ネタまで入れられる有様で、どうもカイジ本編とは異なり連載時期に合わせたものになっているようである。

第56話『九州』で、なぜ唐突に九州にクローズアップしたネタが出たのかというとハンチョウ原作(シナリオ)担当の萩原氏(宮崎出身)と作画の上原氏(佐賀出身)の対話が元になっているからとのこと。おそらく原作では語られなかった沼川の宮崎出身もそこから来ていると思われる。

なお、大中華喰台祭の回は現在の版では諸事情で一部コマが連載時から差し替えられている。実際電子書籍版ではこの差し替え版にいつの間にか変わっていたとされる。

なお、カイジシリーズの原作者である福本氏はあくまでも協力者でありスピンオフに関してはノータッチの立場にあるという。理由は自分がコレに関わるとアレコレ物言いをしたくなるかららしい。なお、作画の二人はフクモトプロダクションのアシスタントであるとの事。

※カイジ本編ではおそらく舞台設定はまだ連載開始当初の時代で進んでおり、わかりにくいがスマートフォンではなくまだガラケーが主流である描写がある。また、ハンチョウの話中で沼川の懐かしんでいたゲーム機(PS2がモデル)自体まだ世に無かったり、即席で行っていたテーブルトークゲーム「人狼」もその頃は知られていなかった。

直近の時系列でも紙の世帯型被保険者証が存在しており、1人1つの被保険証カードが交付された平成15年以前であるのは確かだが、ついにシンな光の巨人を観に地上に出てきている事まで判明している。

関連項目

賭博黙示録カイジ 大槻太郎大槻班長) スピンオフ

株式会社ブルボン:公式コラボレーションをしたわけでもないのに、ブルボン製品に特化してフィーチャーした回がある。

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