概要
アニメ化や映画化された代表作に『アカギ〜闇に降り立った天才〜』、『賭博黙示録カイジ』などがある。
「ざわ…ざわ…」などの効果音や独特の言い回しが特徴。
鋭い鼻や顎など独特の画風と強烈な個性溢れる作風は他の漫画家によくネタにされている。
とあるアニメでその作風をパロディ化しようとしたものの、本編ではモザイクがかかった状態になっていた。
絵柄がヘタウマの係累に属しているうえに、代表作がギャンブルものやデスゲームものに集中しているというコアな作風でありながら、近年ではなんと多数の女性読者を獲得している
ただし、主にあっち系統の、であるが。(その筆頭には漫画家グループCLAMPも名を連ねていて、某鷲巣様への愛が全開な短編を寄贈したことすらある)。
ただし初めて漫画家として賞(ちばてつや賞)を受賞したのが『ワニの初恋』であったとおり、ルーツはあくまで人情物である。ギャンブル系で大ヒットを飛ばして以降も、しばし人情物を手掛けている。
これは、特に『カイジ』以降の作品が女性キャラが極少なうえに、ストーリーの大部分が多数の(むさくて業の深い)男たちによる駆け引きに割り振られていることに起因する。
こんな傾向になった理由を、本人は「いつの間にか女の子が描けなくなった」としていたが、「闇麻のマミヤ」では少女を主人公としている。
麻雀は中学生時代からのキャリアがあり、プロの麻雀対局に出場した事もある。
来歴
1974年、神奈川県立横須賀工業高等学校建築科に入学。空手やキックボクシングを経験した。
1977年、高校卒業後、建設会社に就職したが3ヶ月でやめ、かざま鋭二のアシスタントとなるが全く戦力とならず炊事など雑用をして過ごす。
1979年、後から入って来たアシスタントに先輩として立場がなく辛かろうと思ったかざまから「トラック運転手なんかが向いてるんじゃないか」などと諭されたためアシスタントをやめる。
1980年、『月刊少年チャンピオン』(秋田書店)掲載の『よろしく純情大将』でデビュー。好んで人情ものを描いていたが全く売れなかった。
1989年、『近代麻雀ゴールド』(竹書房)に『天_天和通りの快男児』を連載。当初は人情もので人気がなかったが、勝負中心の内容に移行して初のヒット作となる。その後は主にギャンブル漫画を執筆するようになる。
1996年、『ヤングマガジン』(講談社)に『賭博黙示録カイジ』を連載。人気が決定的なものとなる。
2018年、『近代麻雀』(竹書房)で1992年から26年にも渡って続いた『アカギ〜闇に降り立った天才〜』の連載が終了。
2019年、『近代麻雀』で『闇麻のマミヤ』を連載開始。
2023年、『モーニング』(講談社)に『二階堂地獄ゴルフ』を連載開始。
近年の動向
実は休載作品が多いことでも有名。
しかも、既に四半世紀にわたり『休載』が続いている『銀と金』(1996年~現在)をはじめ、『賭博覇王伝零』(2013年~現在)や『カイジ』(2023年~現在)といったビッグタイトルばかり。
また、緊迫の心理描写に重きをおく作風ゆえか、シリーズ作品の大部分はストーリー進捗がとっても遅いことでも有名。
このせいで週刊少年誌連載だった『無頼伝涯』はたった1年で打ち切りの憂き目に遭っており、1992年から足掛け27年、作中の白眉である鷲巣麻雀編のみで約20年間も連載継続されていた『アカギ〜闇に降り立った天才〜』が2018年にようやく完結を迎えた際にはちょっとした大ニュース(?)になった。
2003年に『最強伝説黒沢』シリーズを発表して以降は徐々に人情作家としての原点回帰ともとれる作風に移行していった。
もっとも、これの影響で上記の休載のようにギャンブル系作品の進捗に大小の影響が出るに至っている。
少なくとも『カイジ』の連載休止は、その同年より連載開始された人情作品(?)である『二階堂地獄ゴルフ』の制作に集中するためであることを福本本人が『逆境回顧録 大カイジ展』において霜降り明星の粗品氏に暴露している。
主な作品
原作作品
- 告白(作画/かわぐちかいじ)
- 生存(作画/かわぐちかいじ)