概要
1日外出券を使い、錦糸町に解放された主人公・大槻太郎。
散策しながら苦学生を送っていた過去を回想し、行きつけだった中華料理屋『大刻屋』を思い出す。約25年ぶりに足を運ぶと、当時と変わらず不愛想な大将がいた。苦学生の時はいつも食べていた「カニチャーハン（学生には無料で大盛にしてくれていた）」を頼もうとした際、メニュー表に25年前にはなかった手書きで書き加えられた「オムレツライス」という文字を目にする。
中華料理屋で何でこんな料理を？そもそもオムライスではないのか？などと大槻は困惑し、しかし妙にそのオムレツライスが気になってしまい、だが冒険するにもリスクがあるなど迷った挙句に無意識に好奇心が勝ってしまった大槻は思わず同メニューを注文してしまう。
動揺する大槻は何とか落ち着いて、オムレツライスの正体は「チャーハンが入ったオムライス」ではないかと予想して期待している中、大将が持ってきた料理は……
ケチャップ少なめのオムレツと白米（ライス）を別々にした質素な定食だった。
大槻は完全に注文をミスしてしまったと落胆しながら仕方なくオムレツに箸を伸ばすと、フワッとした卵の柔らかさが伝播する。よく見ると、チャーシューと輪切りの葱が入っており、中華料理屋ならではの発想に驚かされる。口にしてみると、中華料理でお馴染みの「味覇（ウェイパー）」が入っていることに気付く。あまりの旨さに衝撃を受け、大槻はあっという間に料理を平らげる。
最序盤に登場した料理であるが、作中屈指のインパクトを残すことになった。
ちなみに、大槻がカニチャーハンを心残りに思いながらも席を立とうとした際、大将がミニカニチャーハンを運んで来る。大槻は驚き頼んでいないと言うも、大将は20年以上も会っていなかったにもかかわらず大槻のことを覚えており、いつもカニチャーハンを頼んでいたからつい作ってしまったとサービスした。
大将の粋な計らいに大槻は感動しカニチャーハンを平らげて店を後にした。
そして大槻は、迎えの車の中でケータイを借りてグルメレビューサイト「ぐるなび」で『大刻屋』のコスパと味を最高評価したが、店の雰囲気は「学生の客が多くてうるさい」という理由で中くらいに評価した。
『1日外出録ハンチョウ公式 男めしレシピ』においてもこの料理のレシピが記載されている他、「味覇」についての解説もある。
関連動画
上記の通り、読者に存在感を残した料理である事から、YouTubeでも再現する動画が投稿されている。
かいんじゅによるオムレツライスの再現
