概要
アルファベットでの表記は「omelette」または「omelet」。
卵料理の代表的な一品であり、鶏卵を溶いて、塩・胡椒などで味付けをし、フライパンにバターをひいて手早く焼いたもの。
卵焼きと違い、多くは木の葉型で丸く盛り上がった形をしている。
食材も作り方も非常に単純であるため、世界中どこの国でも一般に作られている。
種類
中にハム、チーズ、玉ねぎなどを入れて焼いたり、混ぜて焼いたりする事もある。
日本では家庭料理の主菜として、ひき肉と玉ねぎのみじん切りを炒めたものを包むのが定番であった。
一方、具材を何も入れずに卵に味付けしただけのものは、プレーンオムレツと呼ばれる。
フランスのモン・サン=ミッシェルではオムレツ(スフレリーヌ)が名物料理である。
モン・サン=ミシェルのオムレツはホイップクリームのように泡立てて焼くため、とてもふんわりと焼きあがり、味付けも甘く作られている。
オムレツの中身としてチキンライスを入れたものは「オムライス」と呼ばれる。
これらは、いずれも日本で考案された料理である。
日本の卵焼きも海外の範疇でいえば日本式オムレツとされる。
スパニッシュオムレツ(スペイン風オムレツ)は、鉄鍋などにたっぷりの具と卵を入れて、ひっくり返す事なく、じっくりと焼き上げた厚焼き卵であり、切り分けて出すもので、オムレツと付いても見かけは異なる。
中国では、鍋料理の具のひとつとして、卵を薄く焼いた皮で挽肉などを包んだ「蛋餃子」(タンジャオズ、dànjiǎozi)という餃子の一種があるが、ミニサイズのオムレツと見る事もできる。
技法
焦がす事無く、中心部が固まりきらないでふんわり、とろとろ状態になっているものが良い仕上がりであるとされる。
この仕上がりを得るためには、フライパンの使い方、バターの量、火加減の調節などの基本的な調理作業に高い技術が必要となるため、プロの調理人がこれら基本技術の習得のためにオムレツを焼くという事も多い。
しかしながら、仕上がりに特段の美しさを要求するのでなければ、家庭でも簡単に、かつ短時間で作る事が出来る。
このため、特に朝食のメニューとしてたいへん親しまれている。
作りたてを食べるのが美味であり、また具の好みもあるので、高級ホテルの朝食ではシェフが客の好みに合わせて焼いてくれるサービスをする例も少なくない。
調味料
上にトマトケチャップをかけて食べる例が多い。
レストランではドミグラスソース、ホワイトソース、和風ソース、カレーソースなど、独自の味を工夫して出す例も見られる。
派生
オムレツライス
「一日外出録ハンチョウ」の第3話にて登場。
主人公“大槻”が、外出先である“錦糸町”にある、思い出の食堂にて偶然見つけた、新しいメニュー。どんな料理なのか、気になった大槻が意識に反して注文してしまう。
そして、正体は、オムレツとライスという質素なものだった。大槻は落ち込むが、実際に食べてみると、美味かった。中には具材として、チャーシューと輪切りネギが使われ、隠し味として中華だしが使われていたので、食欲が沸いて完食した。
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