1日脱出録ハンチョウ
いちにちだっしゅつろくはんちょう
夏のある日、大槻達は黒服宮本一の家を訪れた。それもそのはずこの日は宮本の誕生日で、それを祝うために宮本が外出券代を半分出してまで訪れたのである。石和は颯爽とソファーに「ヒャッホー!」と勢いよく座り、その様子を見た大槻はなぜか既視感を覚えながら、大槻と沼川は外出券代を半分出したのは、30歳を一人で迎えるのは寂しいと予測しながら、宮本が出した飲み物の中で大槻と沼川は麦茶、石和はメニューにないカルピスロックを飲んだら(ここでも大槻は既視感を感じながら)、早速今日のパーティーのメインとなる餃子を作ることになる。
餃子パーティー下準備
事前に大槻が宮本に頼んで、餃子の皮を作らせたので、餡作りに集中。早速沼川が餡を完成させたが、大槻は「足りん」と言いキャベツを大量に入れる。これは大槻曰く「前にも一度言ったが、店では肉多めは嬉しいが今日のような餃子パーティーの時は飽きずにたくさん食べるためキャベツを多めにするのが定石」とのこと。そして餡ができると餃子の皮包みながら各々の雑談をし、早速昼の部が始まる。
昼の部
キャベツを多めにしたため、飽きずに食べ、ビールとの相性抜群。さらに大槻がこの時期甲子園がやっていると感じ、ちょうど日向学園(宮崎)対札幌第三(北海道)の真っ最中で実質沼川VS宮本になり、宮崎がリード。しかし大槻はなぜか北海道が逆転して勝利し、宮本が思いっきり喜ぶと予想し、結果は予想通り逆転サヨナラ満塁ホームランで北海道が勝利した。その後もマリオカート8DXをやり、気づけば夕方。大槻と沼川は夏が終わりそうと寂しさを感じながら、夜の部を始める。
正式名称は『1日脱出録ハンチョウ〜day dream believer〜』
『週刊ヤングマガジン』に前後編に分別して掲載された。そのため、話数カウントではなく前編・後編としか表記されていないが、前編が第34話、後編が第35話となっており、第5巻に収録。
これまでの回とは異なり、第33話宮誕のその後が描かれており、宮本の誕生日を何回もループする大槻の苦悩と葛藤が描かれており、ハンチョウのエピソードの中では異色の回である。
前編『時駆』の後半
ループしていることに気づいた大槻は何度もループしていく中で、何度目かでこのループから出るために最初の飲み物を選ぶところで7UPと変え、キャベツを多めに入れず、甲子園から別の番組に変える、生姜餃子をラム肉餃子にする等の変更をするも、楽しい方向へ収束されていき(前者は宮本が勝手にキャベツを入れ、中者はニュース速報であったためすぐに戻され、後者は相性が合うのか赤ワインを持ってくる)、失敗。何度目かのループか分からなくなった時、一体いつになったら出られると思った瞬間、実はもう一人ループに気付いている人がいると気づく。
???「班長もこれでようやくコンプですね…!飲み物全種…!」
※以下ネタバレ
後編『美夢』
実は石和もループに囚われていることに気づいており、その伏線として、ソファーに座る時のセリフが宮誕の時と微妙に違う。石和はループしていることをどうでもいいと感じ、地下労働施設が最悪なこともあって、ループが最高とまでいう始末。そこで大槻は確信する。大槻と石和、さらには沼川や宮本も楽しい時間が終わりたくないという思いがループを引き起こしたのだと。そして大槻はループから脱出するため、何度もループに足掻いたが、どれだけ足掻こうが気がつけば横並びで花火。石和は「あんな地下に戻ってもろくなことはないですよ。いまが楽しければいいじゃないですか」と言い、大槻を除いた3人でシークレットベースを歌う。しかし大槻は地下の生活に逆戻りするのは嫌だが、この四人が楽しいからこそ進むべき何だろうが明日へと思い、ソーラン節を全力で歌い、沼川と宮本を目覚めさせ、シークレットベースを中断させたことでループを終わらせることに成功。かくして無限ループするパーティーは大槻がソーラン節を全力で歌い、今度こそ幕を閉じた。