映画としての『会議は踊る』
『会議は踊る』(會議は踊る)とは、1931年公開のドイツの映画「Der Kongreß tanzt」の邦題。
監督はエリック・シャレル。
ロシア皇帝・アレクサンドル1世と、手袋店の売り子クリステルの逢瀬を描くオペレッタである。
ナポレオン・ボナパルト失脚後のヨーロッパを議した1814年のウィーン会議を時代背景としており、タイトルは「会議は踊る、されど進まず」(Le congrès danse beaucoup, mais il ne marche pas.)という有名なシャルル・ジョセフの名言の引用。
主人公のリリアン・ハーヴェイが歌う「ただ一度だけ」(Das gibt's nur einmal )は非常に有名で、宮崎駿の「風立ちぬ」の挿入歌として用いられている。
また「エロイカより愛をこめて」のエピソード「皇帝円舞曲」でエーベルバッハ少佐がこの曲を歌うシーンがある。
慣用句としての『会議は踊る』
「例として適当かはともかく、近代的国際会議の嚆矢であるウィーン列強会議があの調子ですから」
再び失笑がおこった。しかし今度の笑いはいくらか硬い。地球という惑星を舞台にした大戦を遂行している日本人たちには、会議を躍らせて楽しむ余裕があるわけではないからだった。
(『レッドサン_ブラッククロス』パナマ侵攻2より)
上記の「会議は踊る、されど進まず」と評せられたウィーン会議の故事から、現代社会における会議や打ち合わせ、討論などでも参加者全員が建設的な議論を行うつもりがさらさらなく、単なるガス抜き以外に意味が見いだせないまでに収拾がつかなくなっている状態への揶揄としても用いられることがある。
※画像はイメージです。
別名、不毛な議論とも。
まあ、端的にいうと稚拙な感情論や利権なんかの大人の事情が遠因になって、カオスや迷走、大混乱状態と化して誰も結論や妥協点を見いだせないだけであるが…
また、元ネタのウィーン会議自体は元凶のナポレオンが島流し先のエルバ島を脱獄した報せが入るや否や驚くほどスピーディーに議定書が締結された。
あのさぁ…
pixivでは漫画『ヘタリア』の記念するべき第1巻にて混乱しかけた会議をルートヴィッヒがこの故事を用いて一喝したシーンがあるからか『ヘタリア』関連のイラストも多い。
※だだし、直後に主人公が例の大ボケをかましてご破算になった。