プロフィール
本名 | クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ |
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国籍 | ドイツ |
身長 | 188cm |
体重 | 79kg(任務により多少変動する) |
誕生日 | 5月15日 |
年齢 | 27~32歳 |
使える言語 | 母国語のドイツ語の他、英語、ロシア語、フランス語、オランダ語、イタリア語、スペイン語 |
(注1)
1982年4月15日時点の設定
ドラマレコードのCVは中田浩二
概要
国際条約機構NATO軍(西)ドイツ情報部の少佐でドイツ人。なお、フォンがつくため、彼の家系は比較的に新しい年代にドイツ貴族となったと思われるが、先祖にスペイン王とイギリス海軍大佐がいる裏設定がある(注2)ため、彼はステレオタイプ的に生真面目なドイツ人だが、スペインとイギリスの遺伝子も入る国際色豊かな血筋である。また、「エーベルバッハ」とは「猪の川」を意味するため、家紋に猪が描かれていたり、自宅の古城には猪の彫像が存在したりする。
作中では概ね「少佐」と呼ばれる。通称に「鉄のクラウス」など。
ジャガイモが好物であるため、学生時代は「イモクラウス」と呼ばれることもあった。
意外に家庭環境は薄幸気味で、母親が彼の出産時に亡くなり、エーベルバッハ家の執事と第二次世界大戦から戦後までドイツ軍装甲部隊に属していた父親に育てられたせいか、俗事にあまり興味を持たず、戦車の鉄の質感を愛するようになってしまったという。大人でも敵わないほどにケンカも強かったため、同窓会に参加し子育てを経験したギムナジウムの同級生からは「彼の父親は子供を育てるのではなく戦車を育ててしまった」とも評された。
ドイツ人の中でも長身で、身体の縦横のバランスは取れているが、かなりの筋肉質である。黒髪の緑目で、前髪は眉毛にかかるほど、後ろ髪は肩にかかるほどの長さ。そんな彼の容姿は彼の父から遺伝したらしく、設定上、若き日の少佐の父はエーベルバッハ少佐に瓜二つであったとされる(注3)。
性格は超のつく短気かつ、ワーカホリックである。その扱いにくい性格から、周囲からは敬意を持たれつつも敬遠されている。しかし非常に敏腕で有能なため、みんな不満を抑え込んで色々我慢している。唯一の欠点は芸術オンチで、絵心も乏しい。
ただし、ベートーヴェンについてだけは生家が同じボンにあり、関連施設が存命中に幾度も引っ越しを繰り返したという理由で市内に幾つも有ることから嫌でも仲良しになると詳しくなってしまったらしく、先の芸術オンチと合わせてKGBの大物を逆にハメたこともある。その際に披露したバリトンの歌声は「意外な才能」と評された。
前述の通り俗事には関心がないのだが、初期は女性のスリーサイズを一目で計測するという妙な特技を度々披露していた。(対象は絵画の女性にも及ぶ。矯正下着の発達によって正確な測定ができなくなった模様)
部下をA(アー)、B(ベー)、C(ツェー)…Z(ツェット)という単純極まるコードネームで呼んでいて、このことから部下の人数は26人と推測されるが、冷戦時代は失態を犯した場合は当時最前線であったアラスカ基地へと行くようにと脅しをかけ、実際に送られていた者もいるため26人が揃った場面は一度しかない。
自身も任務のために赴いたのとは別に、あまりの失態と自分への仕打ちから部下Z以外の全員をまとめてアラスカ送りにした事もある。
伯爵からは長年にわたり想いを寄せられているが、全く相手にしていない。近年は腐れ縁と化したせいか、彼を任務の使いっぱしりにすることにも躊躇しなくなった。
また、初期には「鉄のクラウス」の評判に傷がつくことを嫌がっていたようで、伯爵が自身に変装したことを知ると、吐き気をもよおすほど気分を悪くした挙句の果てに、殴り込みに行こうとするなど、後先を考えずに行動を起こしていた。
注2:それぞれ『アルカサル-王城-』のドン・ペドロ一世と『エル・アルコン-鷹-』シリーズのティリアン・パーシモン
注3:『イブの息子たち』にて若かりし頃の姿でカメオ出演している。
苦手なもの
彼が真に苦手とするのが、彼自身の父親である。第二次世界大戦にロンメル将軍の配下の戦車隊の一員として従軍し、戦後は西ドイツ軍の高官にまで登りつめた経歴を持ち、男手一つで息子を育てた上、家柄故に厳格であったようで、息子に親子間の会話であっても敬語で喋るようにしつけるなど、軍隊教育を施した。
現在の少佐と同年代の頃には、妻と既に結婚していたようで、『わしがお前くらいの頃には、嫁さんがいて階級も上で…』と愚痴るのがお約束なようで、孫を欲しがりつつも、息子が俗事に無関心なことに嘆いている。少佐はそんな父が鬱陶しいらしく、父親のいないところでは「おやじ」と呼び、頑固者のジジイと煙たがっているが、面と向かっては逆らえないなど、意外な人間性を見せる。
嗜好
初登場時から、かなりのヘビースモーカー。連載当初は多くのキャラクターが喫煙をしていたのだが、冷戦後は喫煙の習慣を持つのはほとんど彼だけになっている。
愛飲するコーヒーはネスカフェ・ゴールドブレンド。
先述の通りイモ。特に揚げたイモを好み、そのきっかけとなったのが学生時代のシスターとの交流にあるため、尼僧には敬意を払う。が、特に信心深い訳ではない。
戦車の鋼鉄の質感をとかく愛好し、ドイツの工業製品の質の高さを誇るなど、独特の嗜好を持つ。手持ちの銃については、近年はコロコロ変わるが、ごく初期にはオートマグを愛用し、マグナムを片手で撃つ。それが俺の証明だと公言するなど、かなりの自信家だった。
硬派な彼であるが、就寝する際には「メリーさんのひつじ」を歌うという、可愛らしい習慣がある。
当初の予定
少佐は実のところ、当初は一話のみのゲストキャラの予定であった。だが、予想外に反響があったため、当初に主人公と設定されていた三人組を退け、二回目の登場以降は完全にレギュラーとして定着。漫画のカラーすら塗り替えてしまった張本人である。
これは先述した先祖のイギリス海軍大佐=ティリアン・パーシモンが登場した『七つの海七つの空』でも近い現象が発生しており、
悪役だった彼に作者が傾倒し、本来の主役を完全に食ってスピンオフが2作品発表された結果『エル・アルコン-鷹-』シリーズとして成立してしまった。
また、少佐と伯爵の因縁のきっかけとなった絵画「紫を着る男」に描かれているのはこのティリアンであり、
本来の主役だったキャプテン・レッド(ルミナス・レッド・ベネディクト)は伯爵の先祖である。
(そしてヒロインは話が進む内にどんどん影が薄くなって気の毒だったと、後年のキャラクター図鑑で語られた)
余談
・ドイツにはエーベルバッハ市という同名の都市があり、作品と少佐の人気から日本人観光客が急増したことから、同市から作者の青池保子へ名誉賞と市のシンボルのイノシシの彫像が贈られた。また、市の日本語の観光パンフレット表紙には少佐のイラストが描き下ろされている。
・『金田一少年の事件簿』の「黒死蝶殺人事件」に登場した猪川将佐警部はエーベルバッハ少佐がモデルである。